「NYLON JAPAN」6月号 沖縄特集連動企画


ノーズウォーターズ・ロングインタヴュー完全版
nosewaters long interview

 


ファッション誌「NYLON JAPAN」6月号で紹介された、
沖縄ロックバンド・ノーズウォーターズのインタヴュー。
誌面ではスペースの関係上、ショートバージョンでの掲載となったものを、
箆柄暦サイト内にて完全再現!

Intro
- Capter01 石垣効果 - Capter02 正当派歌モノ -
- Capter03 キジムナイト - Capter04 トリビュート -
- Capter05 新作構想 - Capter06 心機一転のズ -
- Capter07 どんなバンド - Capter08 最後に -

Nosewaters Official WEB

 
 

Intro

石垣島出身の同級生4人組、ノーズウォーターズ(鼻水の意)。現在は東京在住。沖縄伝統のハードロックやウチナーポップでもなく、ましてやパンクロックでもない正統派歌モノロックバンド。 客席にガツン!とうたが届く、ソウルフルに熱く楽しいライヴには定評があり、ファンの年令層も幅広い。

地元沖縄ではライヴ活動やCD、TVCMへの楽曲の提供などで人気が高く、02年より東京・大阪で沖縄ロックバンドを集めたイヴェント『沖縄キジムナイト』を主催するなどシーンを代表する存在である。

大盛況で18回を数えたキジムナイト連続開催にもひとまずひとくぎり。近く予定される新作で満を持して幅広い層に向けた活動へ! 新展開に入る。

(2004年4月13日、東京・千駄ヶ谷にて、インタビュアー:上田 有)

 
 

Chapter01
石垣効果

──それではよろしくお願いします。
一同:よろしくお願いしまーす。

──昨日のライヴを(4/12 渋谷O-CREST)観せていただいたのですが。良かった、素晴しかったです。
一同:はい、ありがとうございます。

──いや、もう敬語はやめようか、話がはずまんし(笑)。
一同:(笑)

──昨夜は、ライヴの素晴しさに「石垣効果だ」という声もあがってたんだけど(注:彼らは石垣島でライヴをして、昨日東京に戻ったばかり)、石垣でのライヴはどんな感じだった?
マスト(Vo&G):いや、良かったね。かなり。

──楽しかった?
マスト:楽しかったし、緊張したし。

──石垣でのライヴは、那覇で演るのとは違う?
コーイチ(Dr):違う! なんか違う。

──どう違う?
コーイチ:親も来てるから(大笑い)。親戚がいっぱい。
ヘンザン(B):あと先輩。石垣の音楽の先輩とかが客席にいたりするから、ヘタなものは見せられん。

──お客さんは盛り上がる?
ヘンザン:盛り上がってます!

──「石垣効果」って言っていた人は多分、気持ちのリフレッシュが演奏に影響してるという意味で言ったんだと思うけど、僕はサウンド面で歌モノロックバンドとしての進境著しいようにも感じました。昨日はトリで出演して……前に演ってたバンドがあんまり歌詞が聞こえなかったりしてクリアじゃなかったのに、ノーズが出てくるともう、パァッと歌がでてきたんだよねー。演奏も柔らかだったし。別に音が小さくなってるワケじゃなく、グルーヴィで、うたがクッキリと前に出やすくなってる。ライヴでの音の作り方で気をつかってるところはある?
マスト:ノーズは場所や状況にかかわらず、とにかく声が聴こえるようにという意識が高いです。
コーイチ:ボーカル、うたが一人でも多くの人に伝わっていくように意識してメリハリつけたりして演ってます。
ノブアキ(G):ギターは音色とかじゃなくて、あんまり弾きすぎずシンプルに。ボーカルにぶつからないようにってくらいかなぁ?

──でもそれが、様々な環境で演らなければならないライヴハウスでは他のバンドとの明確な差になってますよね。一番クリアな音だしね、いつも。
マスト:音(音数)がどんどん減ってきてるしね。

 
 

Chapter02
正当派歌モノ

──ノーズはハードロックをやるわけでも、ウチナーポップでもましてやパンクロックでもない正統派歌モノロックバンドなわけですが。
マスト:はい。

──沖縄の歌モノバンドの上の世代から続く伝統や影響について聞かせてください。(注:彼らはこれまでもTHE WALTZのローリーのバックバンドをつとめたり、キジムナイトに元ハートビーツのSHYを迎えて共演したりしてきている)
マスト:うーん。俺らの場合、石垣だからやっぱ先にBEGINがでてくるかなァ。とにかくデヴューして……。あ、石垣からも出れるんだなっていう。俺らでもできるんだっていうのがありましたね。

──コーちゃんはBEGINのドラマーとしての活動も盛んだけど、得るものは大きい?
コーイチ:うん。メチャメチャある。自分のパートでいうとドラムというのはメロディもなく、リズムなんだけど。叩けばいい、というのとは違う。(盛り上げるのに)激しく叩けばいいという問題ではなくてやっぱり……BEGINはもともとメロディが綺麗で、歌もとても綺麗だから。それを俺がもっともっとどんなにして歌わすかというのを考えさせられたし、またそれをノーズでの演奏でも生かそうと思ってる。

──持って帰るものもある、と。
コーイチ:ある! たくさん。それを全部ノーズに持って帰れた(笑)。でも、まだ全然足りない。もっともっと勉強しなきゃいけない部分が出てきたし。

──ドラムの技術的なことだけでなく、歌の一部としてですね。
コーイチ:歌っていこう。自分も歌おう、と。

──よく歌いながら叩いてるよね(笑)。
コーイチ:(笑)いや、ドラムで歌いますよ。そんな感じをもっともっと頑張って目指していこうかな、と。それでマストが気持ちよく歌えればいいかなーと思って。
ヘンザン:ベースもボーカルと一緒に歌ったほうが楽しいですし。その楽しさがお客さんに伝われば……。

──ノーズは楽しそうに演るもんねー。
ヘンザン:そう、楽しんで。

──それに普遍的な部分が大きいからかな、10代20代の若者だけでなく、BEGINTHE WALTZといった上の世代のファンからの支持も厚いよね? ファン層が広い。
ヘンザン:広いです。
マスト:レンジが広いです。

──(僕も含め)結構オヤジ受けしてるよね(笑)。
マスト:それはある。

──30代40代のファンも多いでしょう? 実感してます?
コーイチ:多い。ハイ。(笑顔)

──もっと若いこのほうがいい?
コーイチ:いやいやいや!(笑)……なんでかなァ? でも幅広く好かれてるというのは嬉しいです。
マスト:この年代を狙ってるというのがないからかもしれない。別にターゲットとかなて、自分の中からでてくるものを演ってるだけ。

──ローリーさんとやったときなんかは結構ファンを奪ったよね? 彼の不在時にも(笑)。
マスト:(しばらく沈黙)……そうかな(笑)。(一同笑顔)本当にあまり考えてなく自然にやってるだけ。

 
 

Chapter03
キジムナイト

──では最近の活動について。18回連続で開催した「沖縄キジムナイト」は3月の大阪バナナホールでひとくぎり?
ヘンザン:そうですね。東京ではじまって、大阪、横浜やって……。

──連続開催にはひとくぎり?
ヘンザン:その先は、まず新しい音源(アルバム)を出してからですね。
マスト:気づいてみたら、音源が出てなかった!

──ライヴが忙しすぎて……。
マスト:うん、そうかな。それを理由にしてる(笑)。

──少し聞いたけど、今後のキジムナイトはアルバムリリースとかの節目節目でスペシャル的に? 大きな会場になるのかな?
ヘンザン:うーん、そうかな。でもとにかく新作を出して、それから考えたい。

──いろいろ周辺で聞く話では、キジムナイトは時間をかけて自分たちの力で盛り上げてきたわけじゃないですか(注:最初は注目されていたわけじゃなく、後盾もなく、ノーズ主催・沖縄ロックの草の根活動的イベントだった)。回を重ねるにつれて凄い盛り上がりになって、客席は楽しそうだし。今、休止するのはもったいないんじゃないの?という声もあるけど。
コーイチ:でも、新作出さないと話にならないし、自分たちのイベントはまたやろうと思ったらいつでもできると思う。逆に全然違うところでも演りたいですね。

──昨日のライヴは沖縄ロックとは無関係でノーズを知らないお客さんが多く、最近はすっかりキジムナイトの盛り上がりに慣れていたノーズのファンの人たちは少し緊張ぎみだったみたいに見えたけど、演るほうも新しいお客さんの前では違う?
マスト:普段の姿を見せられればつかめるだろーなーってのがありますね。

──沖縄関連じゃないライヴでノーズのファンになった人たちが「沖縄のバンド? ノーズしか知らない」って感じでキジムに来てくれるといいねー。
マスト:うん。それはいいねー。

──それでも、ウェブへの書き込みや飲み屋での声で(笑)「残念」という声が聞かれるんですよ。キジムナイトの場を愛して、盛り上げてきてくれたお客さんがいますよね、たくさん。皆勤賞に近い人も結構いるみたいだし。そんな支えてくれた人たちにメッセ−ジを。
マスト:キジムは終わりではないんで、またやるから。期待して待っててくれ!

 
 

Chapter04
トリビュート

──あと最近の活動と言えば、BOOWYのトリヴュート盤への参加という意表をつくものがありましたが(『BOOWY Respect(FLCF3994)』で、ノーズは「ONLY YOU」をカバー)。
マスト:うん。カバーというのを(録音で)初めてやった。

──カラオケにも入ってるし。反響はありました?
マスト:反響はありました。カラオケのは歌ってみたけど歌いにくかったな(笑)。まぁカバーしたといっても自分たちの曲みたいにアレンジして演ったんで……。

──もともと好きな曲ではあった?
マスト:まぁそうですね。
ヘンザン:まるっきり自分たちのアレンジだし。

──新宿LOFTでのトリヴュートライヴの時はお客さんはちょっとびっくりしてたね。
マスト:あれ、ノーズの新曲じゃないの?って感じだった。

 
 

Chapter05
新作構想

──では、近々予定しているという新作について。まだ出すところ等詳細が決定前ということですが、バンド側の準備は整いつつあるわけですよね。どんな作品になりそうですか?
マスト:音? んーどうかな。……シンプルに。いかに音数を少なくするか。……伝えられるように。今まで、なんか録音してるとなんでもかんでも入れたくなってくるんで、今度はシンプルにしようかなって。

──その後はアルバム出したらライヴやってというかんじだと思うけど……結構僕の周り、ファンだけじゃなく音楽関係者からも「TV向きだ」という声がありますよ。
ヘンザン:テレビ向き!?
マスト:(冷静に)あ、でもよく言われる。
他の3人:(大笑い)エ、そうなの? 初耳だ!
ヘンザン:テレビは恥ずかしいから……。
マスト:(遮るように)あ、でも出る。

──「ポップジャム」とか似合いそうじゃない?
コーイチ:機会があれば是非出たいな。
マスト:うん。全然、抵抗はないな俺は。

──CMも出てるしねぇ、どう?「HEY!HEY!HEY!」とか。
ノブアキ:出たいですねぇ〜。凄く出たいです。

──イジられそうだー(ダウンタウンに)。

 
 

Chapter06
心機一転のズ

──バンド名が従来の「ノーズウォーター」から「ノーズウォーターズ」に変わりましたがこれは何故なんでしょうか? みんな興味あるみたいだよ。
マスト:ああー変わった。「ノーズウォーター」で慣れてる人はちょっと違和感があるだろうけど。
ヘンザン:でも高校の頃はもともと「ノーズウォーターズ」でやってて、東京出てきてみんなが「ズ」をつけてるからって取ったんですよ。トールニーニー(注:前任ドラマー、ノーズを引っ張ってきた長兄的存在)が辞めて、新しく(元メンバーだった)コーイチを迎えることになって今に至るんですが……で、元の「ノーズウォーターズ」に戻したという。
コーイチ:「ズ」が帰ってきた!(笑)
ヘンザン:心機一転。
コーイチ:上手いな。
マスト:初心に還るってかんじ。「ズ」も帰ってきたことだし、「ズ」がある方がバンドってわかりやすいんじゃないかな?

──キジムナイトにもひとくぎりつけて、アルバムを出して新展開。レコーディングに入り、少しライヴも減りますよね。なによりキジムがないし、新展開を待っているファンに一言。
マスト:(声高に)ガマンできなくなったら、アルバム出る前にキジムナイトやるかもしれないよ!
一同:(大笑い)
マスト:(自慢げに)大物スペシャルゲストも決まってるからね。もう。

──それは?
マスト:●▲■さん。

──おおおー!
マスト:必ず出るってもう約束したから。約束は破らせない(笑)。

 
 

Chapter07
どんなバンド

──ノーズをまったく知らない人も今回はたくさん読んでると思うけど、ノーズウォーターズとはどんなバンドです。って言いたいですか?
全員:(しばし沈黙)
マスト:うーん。ノーズウォーター……いや、ノーズウォーターズとは……。
ノブアキ:よくファンの人たちからのアンケートにあるのは、仕事で疲れて、ノーズのライヴに来て、元気になるとか……貰うとか……。
ヘンザン:……癒し系ロックバンドです。(全員大笑い)
マスト:癒し系ではないなー絶対。

──やっぱり「歌モノバンド」かな?
コーイチ:テーマは愛で酒は友! 合い言葉は……(全員で)ハッピースマイル!

──そ、そーですか(笑)。でもライヴは最近結構ソウルフルになってきたよね。昨日の「そろそろ僕は」なんて……
マスト:ソウルフルであり、最近はなんかちょっと「ブルージィ」になってきたというふうに言われ……(笑顔)。

──これからの季節、ノーズはイベントが似合いそうですよね。レコーディング関係も忙しいとは思うけど暴れてほしいな。
マスト:出ます! 沖縄系だけじゃなく、いろいろ。たくさんやりたいねー。
ヘンザン:お誘い待ってます。

 
 

Chapter08
最後に

──最後に、これはNYLON JAPAN編集部からの質問なんですが、「ノーズから沖縄のお薦めを何か教えて下さい」と。別に音楽に限らないみたいなんだけど。
コーイチ:(即座に)ブタ、ブタ、豚。豚肉(笑)。
ヘンザン:鳴き声以外は全部食べますからね。あと離島がお薦めです。例えば鳩間島(笑)。竹富島、西表島とかね。マングローブが。
コーイチ:離島はね、もう本当に昔の沖縄が残ってるというかんじがするから。

──ノブアキは? 長考してるけど。
ノブアキ:う〜ん。何があるかなぁ? ……アーサーとか? もずくとか。
(一同爆笑)
マスト:食堂じゃない? 食堂! 絶対、内地の食堂とはまるっきり違う。

──それは石垣?
マスト:それは石垣よりも本島の方かなぁ。まず量が多い。おばちゃんはうるさい(笑)。
NYLON女性スタッフ:沖縄のおばさんはみんなお肌ツルツルだってききますよ。
マスト:豚肉食べてるから(笑)コラーゲン。

──やっぱり豚。
マスト:豚。
ノブアキ:(しばらく考え込んでいた)……山羊汁。
(再び笑いに包まれる)

──今年はこれからは派手に……
全員:後半は特に派手にいきます!

──ではアルバムも楽しみに待ってます。今日はありがとうございました。
全員:ありがとうございました。

(おしまい)

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