よもやま話:その59「陣地取り」

その外猫が初めて庭に現れたのは、今から一年半程前の真冬だった。
まだ子猫が抜け切れてないのか、窓の所へ来て私の顔を見上げては
前足でフミフミする姿にグラッと来てしまい、
つい御飯をあげてしまったのが始まりだったのだ。。。。。。


子供の頃、陣地取りという遊びをよくやった。
お互いに足を引っかけ、ジャンケンで勝つ度に足を引き寄せる事が出来て、
倒れた方が負け、勝った方が陣地を拡大していくというような遊びだった。
そして相手を倒した瞬間「陣地取っ〜た!」と誇らしげに言うのである。

去年の冬は、まさにこの陣地取りでその子と私が足を掛けた瞬間だった。

一度御飯をあげれば野良猫は必ずまた来る。
その子も毎日やって来ては、サッシの外側に前足を掛け中を覗き込んで行き
その度に家猫「も」にシャーシャー言われていたが、全くひるむ事も無かった。

庭に猫小屋を作ると毎日きちんと帰ってきては、そこで寝ていた。
サビ色のボロ雑巾のような外見から勝手に「雄」と判断していたが
お尻をよく見ると女の子だったので「サビチャ」と名付けたが
呼びにくいので だんだんと「ビビ」に縮まっていった。

春、夏、秋、と、ジャンケンは常にビビが全勝。
でも私はまだ倒れてなかった。目一杯足は開いていたが(^^;)。

そして今年の冬、記録的な厳寒が続いた。
ここら辺ではマイナス18度まで下がった日もあり、
毎晩猫小屋の湯たんぽは3回転してたが・・・
とうとう私の足が一歩大きく引っ張られた。
どうしてもあの寒さの中、外に出しておく事が出来なかったのだ。

夜だけ事務所にケージのでっかいのを置いて、そこに入れてやった。
冬だけだ、冬だけ。そう自分に言い聞かせてたが、、、、無駄だった(^^;)。

春になっても初夏になっても、夜はビビを中に入れてしまった。
旦那などは、ちょっとでもビビの帰りが遅いと探しに行ったりしてた。
私だけでなく旦那の足ももう股裂き寸前だったのだ(^^;)。

そして二週間程前、夕方帰って来たビビの様子が変だった。
3日ほど何となく元気の無い日が続いたと思ったら、
いきなり左腹から大量の腐った膿が流れ出した。噛まれていたのだ・・・。

医者で注射をして5日ほど薬を飲んだら、ぐんぐん元気になり
抗生物質も色々な所に効いてくれたようで
酷い目やにも、くしゃみも止まり、御飯もよく食べウ○コもよく出し、
2キロしかなかった体重が、今日計ったら2.4キロになっていた(^o^)。
怪我をしてからの二週間、ビビはずっと中にいる。

私の後を付いて廻り、膝で甘え、おもちゃで遊び、ゴミを漁り(^^;)
すっかり事務所猫に定着したビビの爪を、今日とうとう切った。
もうこんな鋭い爪は要らないもんね。

その瞬間、「陣地取っ〜た!」 ビビがそう言った気がした。


(2001年10月 追記)
その後ビビは事務所猫から家猫になり、年寄り猫達と一緒に
平和に暮らしています。ちょっと過激に遊ぶけど(^^;しかも一方的)。
名前も「ビ助」と変わり、体重も3.8キロまで増えました。



 力を溜めて〜・・むんっ!と足を伸ばして引っかけるのが陣地取りのコツよ(`▼´)

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