第20回琵琶湖一周サイクルマラソン
記念大会に参加して
中津 賞(なかつ すすむ) 56才
10月2日(土)2時に自転車の走行前検査を受けるため草津に到着した。野村運動公園にはすでに多くの車と自転車で混雑している。自転車、ヘルメット、手袋、懐中電灯、ベル、レフレクターの点検を受ける。深夜は寒冷前線の通過で激しい雷雨があった。大会前夜の興奮と雷雨の騒音であまりよく眠れなかった。午前2時30分に起床、柔軟運動をして各筋肉を延ばす。今回新調したレース用のウエアーにバナナ、飴、ゼリータイプのエネルギー補給液を背中のポケットに詰め込む。大急ぎでホテルロビーへ降りて行った。
ここでいつもこの大会に一緒に参加している私の英会話の先生のマットと待ち合わせる。まだ彼は降りて来てなかったので、ホテルの外へ出てみた。前日までは32度を越える猛暑であったのがウソのように一気に秋の気配が感じられる。近くの道路情報版は気温19度を示している。マットがやっと降りて来た。さあ、いよいよ出発地点へ向かう。
数台の自転車を積んだ車が車窓から見える。出発場所の広い運動場は前日の大雨で少しぬかるんでいる。とりあえず自転車を組立てて、列を作るために定められた場所に急いだ。まだ係の人達もやっと活動を始めたところだ。まだ誰も来ていない。最前列にマットと私の自転車を並べて一列目を確保できた。これで一安心だ。いま3時15分、これ位に並ばないと一番最初に出発できない。発車の5時まではかなりあるので携行品と装備のチェックを入念に行った。
間もなく列も文字通り長蛇の列になっていく。去年同じように列の先頭の方に並んだ人達と再会し、成績はどうでしたか、風が強くて苦しかった、など話に夢中になっているうちに、定刻が近づいて来た。
まだ暗い5時にいっせいに飛び出した。草津川沿いのサイクリング道路を飛ばして行く。真っ暗の道は怖い。湖周道路に出ても、歩道を走るよう指示が出ている。それに強風だ。車道に出たところで先導のバイクと合流。今回は警察の規制が厳しく35km/hで向かい風の中を突き進んで行く。琵琶湖大橋まで28分、長命寺まで1時間と順調に飛ばして行く。大中の干拓地と彦根から長浜までの二ヶ所はまともに向かい風となって時速が25キロまで落ちてしまう。本当に
苦しい。強風で2回大きくハンドルを取られ、転倒しそうになったが何とか持ちこたえた。2時間50分で最北端のチェックポイントに一番で到着。予定より約11分遅い。去年は2〜3分で後続の選手がやって来たが、今年は10分経っても誰も来ない。
ようやく現れた二人組みは去年簡単に抜き去られた連中である。今年もよいコンディションらしい。ここから国道一本になるので15分間バス輸送される。最初のバスが8時30分に発車、15名が乗車した。この中には先の二人のチームメイトが6名もいる。なかなかの強豪チームなのであろう。バスを降りて、自転車を受け取るとここで30分間の強制休憩があり、昼食がもらえる。
しかし様子が変だ。30分をどうして計るのか聞いてみたところ、強制的なものではなくて、自由に昼食を終わった時点で出発できるとのことである。昼食をとらなくてもよいとも言われた。毎回ルールが変更になるので困ったものだ。そこで、すぐにタイムカードのチェックを受けて出発した。4人だけが昼食も取らずに出発した。例の二人と、私と、もう一人青いウエアーの若者の4人である。
今度は追い風で、ペダルが軽い。しかし、先導のバイクは35km/hを忠実に守って走行するので我々は少々ストレス気味だ。この風なら45km/hは楽に出せそうである。昼食代わりにポケットの中の大福餅とバナナを食べて、空腹をしのぐ。途中の今津海水浴場と近江白浜のエイドステーションを相次いでパスして、順調に距離を稼いで行く。去年見えなかった周囲の景色が追い風の余裕のせいで楽しむゆとりがある。新旭風車村のオランダ風の風車が強風にもかかわらず回転していないとか、ここを右へ回るとガリバー旅行村があるとか、白髭神社の鳥居が湖の中に立っているとか、ともかく余裕を感じながら走行できた。
10時9分に近江舞子のエイドステーションに予定通りの時刻に到着。ここでは10分間の強制休憩だ。コーラとパンが配られ、これは本当に美味しかった。残りの走行時間は約1時間である。ここからのコースは湖西線の高架の下を走るので変化に富んでいて、走りやすく、退屈することもなく、私の好きなコースだ。
35分で琵琶湖大橋を渡り切る。青いウエアーの若者はかなり疲れている様子だ。3人で彼を励ましながら最後の15kmを一列になって走る。私はここからは終始先頭を走った。先頭を譲るとなんだかおいて行かれそうで、何としても先頭を引いていたかった。35km/h以下に下がらないようにしないと、先頭を取られそうだ。がんばった。やがて草津川の河口にたどり着いた。ここでバイクの先導は終わる。草津川沿いにサイクリングロードを走る。ここから規制なしの競争である。負けたくない。先頭をキープしたい。がむしゃらにペダルを廻す。時速30キロは確保したい。しかし上り坂である。まるで300ワットのエアロバイクを回しているような呼吸が続く。ここが頑張り所と自分に言い聞かせる。幸い脚の筋肉はよくついてくる。
思えばこの一年間水泳250km、ジョッギング月間200km、自転車月間300kmをこなして来た。最後の一カ月間で自宅から水越峠(往復2時間30分)4本、金剛山山頂(往復4時間)4本、高野山(往復6時間40分)1本をやり遂げた。誰も抜こうとはしない。間もなく残り50mの狭い歩道に誘導される。ゆっくりと野村運動公園のグラウンドに降りて行く。
そして去年は果たせなかったが、今年の大会は一番帰着の夢を果たせた。その時11時20分を時計は指していた。
公式順位 1位 、公式タイム 5時間29分25秒 走行距離173.25
km