寿司が好きだ〜 寿司について想う事・・・
自分の子供に安心して食べさせられる寿司を握り続けたい・・・。

寿司って、食べ物の日本代表だと思うんですよ。
お客さんの中にも「今、海外から帰ってきたんだ」と言って、成田から直行してくれる人が多数います。
そんな「寿司」を、今より身近に美味しく食べてもらいたいと言うのが 今の気持ちです。
自分は2児の父親です。子供には安全で新鮮で美味しいものを食べさせてあげたい。
そんな気持ちで寿司に接していれば、自然とお客さんにも「安全・新鮮・美味しい」を提供できると思ってます。

ここ数年、回転寿司や食べ放題などの安い寿司が話題独占って感じ。
不景気だから 「安い」って重要だと思うけど、「技術と味」で勝負してる寿司職人としては少し心配なんです。
回転寿司が悪いとは言いません。
ただ 板前として20年弱、怒られ叩かれながら技術を身につけた者としては黙っていられないです。
ここで、奴寿司のような個人店と 回転すし&食べ放題などの量販店を比較してみましょう。

奴寿司 回転寿司 食べ放題
仕入れ 安さより新鮮さを重視。 仕入値の上限あり。質より安さ。 箱物中心。質より量。
仕込み 速く丁寧に。 仕込み担当が、時間内に・・・。 丁寧さより速さ。
しゃり 米・水・合わせ酢に気配り。 ライスセンターに注文する場合多し。 とにかく量。ライスセンターの場合あり。
握り 「美味しい」のために、速く丁寧に。 回転中に握りが乾く。 大きい。

上の表は簡単な比較なので、すべての量販店が当てはまるわけではありません。
一番の違いは、個人店は仕入れから握りまで同じ人間が関わっている事。
回転&食べ放題は、仕入れ担当・仕込み担当・握り担当などのように、役割分担がある事。
何が違うか?  お客さんに対する責任感が違うと思います。
他店のことは わからない事もありますので、ここからは奴寿司のこだわりを書いてみます。

仕入れ・・・築地で「自分の目で見て」仕入れてきます。安さより新鮮さを重視。
格好付けるわけでは無いけど、ネタを仕入れる時にお客さんの事が自然と頭に浮かぶんです。
例えば「このアナゴは○○さんが食べたら喜ぶだろうなぁ」とか、
「こんな新鮮なイカがある時に○○さんが来てくれたらなぁ」など。
安くて良い品が理想ですけど、お客さんが美味しく食べられるなら 少し高値でも仕入れます。(売値は滅多に変えません)

仕込み・・・極端に言ってしまえばマグロやウニなどは、お金さえ出せば素人でも良い品を買えます。
寿司職人としての仕事は、手を加えてどれだけ美味しく出来るか。
だから アナゴやコハダや玉子焼き、かんぴょうなどを「美味しい」と言ってもらえる事が一番の喜びです。
そのために仕込には細心の注意をはらいます。塩加減・酢加減・火加減は、季節や気温によって変えています。
すべてのネタに対して、集中して仕込みます。

シャリ・・・ネタより大事だと思います。ネタを生かすも殺すもシャリ次第。
米・水・はもちろん、昆布も最高の品を吟味して 米を炊き上げます。
新米や古米の割合、米の出来によって水加減は変えています。ここが奴寿司では一番神経を使う場面かもしれません。
合わせ酢は、親父とおかみさんが試行錯誤の末に辿りついた割合です。
「シャリが美味しいね」と言ってくれるお客さんがたくさんいます。

握り・・・硬すぎず軟らかすぎず、素早く握ります。
寿司って生きてると思うんです。ダラダラと握ったり、硬く握ってしまったら その時点で死んでしまうと思います。
初めて来店したお客さんが「握るの速いね〜」と言いますが、奴寿司ではそれが当たり前だと考えています。
ダラダラ握る職人は、寿司の事やお客さんの事を考えていないと思います。
素早く丁寧に・・・基本です。


自分は寿司屋の長男として生まれたから、他の人より寿司に対して愛着があると思っています。
物心付いた時から酢の匂いを感じてきた訳ですから。
学校から帰ってくると 親父が数人の板前を使って店を仕切っていたんです。
子供の頃から「格好良いなぁ」と思ってました。だから店を継ぐのも自然の流れだったのかなぁと・・・。
でも実際仕事として寿司に関わってみると、見えてなかった部分がたくさん見えてきましたねぇ。
子供の頃見ていた親父の姿は、寿司屋の光の部分だったのかなぁと・・・。
ここでは書きませんが、修行中は辛い事とか嫌な事とかありましたよ。
でも不思議と寿司を嫌いになったことは無いですねぇ。
これからもお客さんの「美味しい」を聞くために努力していきます。
そのためにこのホームページが役立てばうれしいですね。
安さより美味しさ そんな人が増えてくれることを心より願っています。