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030602 マンション問題を考える その1ーマンション紛争と課題ー 

東京の各区で、ワンルームマンションの規制が続出しています。 中央区では、地区計画を改正し、7月から条例により、10戸以上の共同住宅を対象とし、40u以上の住戸の床面積の合計が全体の3分の1以上であること等の条件に適合しない場合は、建設て゛きない規制措置を導入することになりました。
その他の区においても、いわばワンルームマンション締め出しの動きが進んでいます。 また、豊島区でも1戸当たり50万円を賦課する法定外目的税を考えています。

こうしたワンルームをはじめとするマンション規制の背景には、住宅価格が低廉化の傾向もあり、マンション建設が急増、都心回帰が進む中で小学校など公共施設の不足が深刻化したり、特にワンルームマンションに対する地域社会からの拒絶反応が出ていることも事実です。新規入居者の町会や自治会、コミュニティ活動への無関心やルールを守らないゴミ捨て等から地域住民の不信感が高まっていることにもあると思います。

また、マンション建設をめぐり、建築紛争も激しいものがあります。 都市計画・建築などの関係法令に適合していれば、マンション建設を拒否することはできません しかし、もっとも地域に密着している基礎的自治体として、なんらかの対応措置をとらざるを得ないのも理解できるところです。
また、一方でどこに住むかは「居住選択の自由」があります。 職住近接を望んでいる人も多くおり、なんとか東京23区内に住み、生活をエンジョイしたい層は単身者に限りません。都心回帰層をみると、若年層はじめ、リタイアした高齢者層も都心居住の傾向が強まっています。

さて、このマンション問題の解決の途をどう考えたら良いのか? 単に現象論的、対症療法的な対策では打開困難な奥行きの深い課題があるように考えます。

「法律に適合しているから、なにを文句をいうのだ。 いまさら建築中止や変更はできない」という論理を振りかざすことがあれば、地域住民との軋轢が高まるだけです。 入居者も地域社会を構成する一員としての自覚と責務があるでしょう。 そして、なによりも地域経営者ともいえる行政の果たす役割とリーダーシップが求められるのではないでしょうか。 「まちづくりの原点」を改めて考えることの重要さを感じます。

030807 マンション問題を考える その2 −地域コミュニティとマンション居住
都市居住においては、ある程度、日照・眺望などの生活環境は我慢し合うことは、やむを得ないことです。
そうは云っても、マンション建設によって日常の生活に著しく影響を受けるとなれば、特に隣接住民からの建設反対が起きることになります。
こうした現実的なこともさることながら、建設反対運動が激化しつつあるひとつの背景に、地域・自治活動に対する新設マンション居住者の協力姿勢の欠如から永年の不信感が蓄積されてきたところにあります。
マンションの居住者には、地域の自主組織である自治会・町会に加入する必要はないという考えの人も多くいます。

特にワンルームマンションは、地域とは孤立した形で関わりを避けている傾向が強い実態があります。
町会費はマンション管理費でなく、各居住者が町会に加入し、支払うことになります。 したがって、管理組合は、町会のとの関係においては、維持管理等を定めている区分所有法・マンション管理適正化法などでは、地域コミュニティとの関連規定はありません。 法律的には法の目的からすればその通りです。
とすれば、管理組合の管理規約や使用細則に町会への加入など、地域との協力関係を定めるということも考えられますが、これも建物・施設等の維持管理・使用の範囲に限るとなれば、法体系上からすれば無理があります。

 マンション建設の紛争等の抑制を図るには、なによりも新旧住民の信頼関係の醸成と共に地域コミュニティを支えていく協働のルールをつくることが重要です。
マンション建設主(個人・分譲会社等)は、建築時において、自治会・町会加入や自主活動への参加等について、地域との協定を結ぶことや、分譲の売買契約にあたっては、購入者(占有者・賃借人も含む)の町会加入やお祭り等の地域活動への参加を条件とすることもひとつの方法でしょう。
例えば、高齢化が急速に進んでいる都心部においては、地域自主防災組織の要員として若年・中堅マンション居住者が役割を担うこともコミュニティの形成に有効でしょう。

自治会・町会とマンション管理組合・居住者とのルールを確立することは地域コミュニティの活性化につながるのではないか。 又、地域住民からもマンション居住者を新たな力として取り込み、働きかけていく姿勢も大切です。

マンションの管理・建替えに関しては、法整備がなされたところですが、これからの残された課題として地域社会に果たす管理組合の役割について、ソフトの面から検討を加える必要があるでしょう。


060129 マンション問題を考える その3 −地域コミュニティと管理組合

平成16年1月23日、「マンション標準管理規約」が国土交通省より発表されました。
今回の改正は、「マンション管理の適正化の推進に関する法律」(平成13年8月施行)、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」(14年12月施行)、「建物の区分所有等に関する法律の改正」など、新たな法律の制定及びマンション管理等の基本法でもある「区分所有法」の大幅改正をふまえ、従来の「中高層共同住宅標準管理規約」を改正し、名称も
マンション標準管理規約」と改めています。

本HPでは、地域コミュニティと区分所有者、管理組合の関わりの重要性などについて、私見を述べてきました。
このたびの標準管理規約の改正において、以下の二つの条項の中で地域コミュニティに関連した事項が追加新設がされています。

○ 第27条(管理費)10号
第27条は、通常の管理に要する経費の充当項目を定めている。
10号ー地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用。
 
「趣 旨」
  32条で管理組合の業務に地域コミュニティにも考慮した居住者間のコミュニティ形成が追加新設されたことを受けて、その費用を管理費から充当することができることが明記されました。
 このことは、地域コミュニティとの関わりが管理組合の役割として極めて重要であるということを示しているものです。

これまで主張してきたところですが、町内会・自治会の夏祭りや新年の餅つき大会等の活動経費、管理組合の役員や区分所有者の町内会等への出席経費等についても管理費から支出できることが第27条コメントに示されました。
「地域社会とのコミュニティの形成
」に関しては、管理組合は、あくまでもマンションの管理運営の範囲とされ、管理組合の業務・役割には当てはまらないという解釈をとっていました。 この改正により、賃借人も含めマンション居住者、管理組合の地域コミュニティ活動への参加が経費面からも可能となりました。

今後の課題としては、町内会や自治会への加入については、居住者の任意であることは、第27条コメントで述べており、自治会費と管理費は別のものとされていることには変わりはありません。 しかし、 昨今、マンション居住者等の団地では、高齢化や核家族化、単身者が増えつつあることもあり、特に都市部を中心に自治会等からの脱会者が続出し、地域社会が脆弱化しつつあります。 

標準管理規約、コメントにおいても、自治会等への管理組合が会員となることは排除していません。防災・防犯に対する地域社会における連携の重要さが益々強まっています。 管理組合の管理運営と活動をより一層の現実の状況に即したものにするためにもに、自治会への加入を管理規約や使用細則等に定めることも必要かと思います。

○ 第32条(業務)15号
第32条は、管理組合の業務を定めている。
15号ー地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成
 「趣 旨」
 第32条で、17項目が管理組合の業務として定めています。 新たに5項目が追加かれ、そのひとつに「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が管理組合の役割として追加新設されました。
同条コメントて、コミュニティ形成については、これまでのマンションを管理する区分所有者の団体である管理組合の業務とは別のものという解釈を改め、近隣を含めた日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事を円滑に実施するうえて゜も、不断の管理組合及び入居者等との連携と良好関係が重要であるとし、改めてマンションの適正な管理を主体的に実施する管理組合の重要な役割とされたものです。

震災等の初動体制や凶悪な犯罪の地域ぐるみでの未然の防止等においても、第27条の「コミュニティ形成に要する費用を管理費から充当可能とした追加新設」と併せ、管理組合の業務の範囲を広げたことは、極めて意義あるものと考えます。

マンションの管理等に関しての法整備も進みつつあります。 管理組合の役員はじめ区分所有者等においては、地域社会の一員であるとの認識を持ち、改正の趣旨の実行に向けて、マンション管理士等の指導、助言を得つつ、管理規約、使用細則等の見直しへの積極的な取組みを期待したいものです。

07.03.03  マンション問題を考える  その4
          ーマンション管理をめぐる諸問題

 マンション総合調査(平成15年度)によると、居住者の過半数が永住を志向しており、高齢化も進んでいます。 また、設備の高度化や建て替え問題・日常の維持管理などに関連して様々な問題が生じています。
そこで、これらのついてマンション管理に係る現状の問題・課題等について、シリーズを続けていきます。

「管理組合の運営」
マンションの具体的な管理等については、基本的には総会の決議・承認を得て、理事会が執行することになります。  理事は、持ち回り、輪番制になっている管理組合が多い実態にあるのが現状です。
地域の自治会では、役員の受け手がなく、毎年、その選出に苦労していますが、マンションにおいても居住者の高齢化が急テンポで進んでおり、高齢者のみ世帯・ひとり暮らし世帯が増加しており、理事。役員のなり手がなく、管理組合の運営が困難になりつつあります。

築30年を超えるマンションが56万戸、さらに10年後には162万戸に増加することが推定され、日頃の建物・設備の保守や大規模修繕などについては、技術的・専門性を持つた知識と経験が必要となります。 
建物・設備等の維持管理は、管理会社との契約において任せているのが現状ですが、最終的には居住者の主体性と管理組合の責任のもとに実行されるのが建前えです。 しかし、管理組合、理事会の抱えるこれらの現状をふまえると、方策の確立・整備が急がれます。
 
こうした問題に対処するため、国土交通省では、管理組合の理事会に代って管理会社が管理組合の業務運営を請け負う新たな仕組みを創設する研究会を設置する方向が出されました。
新制度にあたっては、区分所有者・管理組合と管理会社と責任分担、契約方式、チェツク体制等の見直しも要することとなり、現行の「マンションの管理の適正化に関する法律」、「標準管理規約」及び「標準管理委託契約書」等の改正を伴うものであり、できるだけ早期に具体化し、一層の管理の適正化を図る必要があります。

ご意見、ご助言等を頂ければ幸いです。(E-mail: fwhx1882@nifty.com)