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 保存団体
尺八家元制度

  
 
 
 今日まで、邦楽界を維持し、支えてきたのは家元制度である。家元制度は、頂点に家元がいて、師範・指南・奥伝・中伝・初伝・入門者と壮大なピラミッドが形成されているのである。
 
 これだけみると、封建的な徒弟制度の残滓といえるかも知れない。

 
 他のジャンルでは、その是非を度々論じられ、且つ、争いすらある。だが、尺八界では、今日まで伝統の尺八音楽を、承継・維持してきたのは、宗家・家元の功績であると云わざるをえない。
 
 寄らば大樹の陰。尺八の学習者は、中々独学・独習は難しい。技量を比較できる対象も欲しいと思う尺八愛好家もいる。大樹の元には、先輩・同輩・後輩が多く存在する。 学習するに切磋琢磨できる土壌が、家元制度の中にはあるのである。 免状の発布もされ、技量の習熟度を段階的に判定もなされる。 勿論、それを不要とすれば、それもOK。 講習料を納入し、一曲のみ学ぶのもよいのである。 器材の購入、その良否・価額の判定にも、そこには常識が通用する存在なのである。 通販で購入の尺八で、独学することの冒険などはせず、先輩の助言を一言を得て、学習に着手されることを勧めるものである。

 
 嘗て、或る流派は、各都道府県にあるの三曲協会の演奏会へ、参加を申しでた他流派の流員の出演を認めず、出演を望むなら当該流に入り直して来いと断言したと聞く。現行 邦楽界では、この様な出来事は有り得ないことである。
 
 尚、英才教育を受けたい人は、プロの吹奏家の元へ弟子入りすることである。 巷の教師にも優れた師匠も多く居るが、それが万全ではない。腕を挙げたい、一匹狼で行くと云うならば、師匠を渡り歩くハシゴを断行してもよいであろう。
 師匠が一定以上の実力者なら、尺八発表のステージも与えられるだろう。団体合奏から独奏に段階的に進められ、舞台度胸も授けて貰えるのである。
 
 その後、某局のオーディションの1曲合格者となるのも、可能となるだろう。
 
 基本学習だけを家元傘下に求めるのも可能である。麒麟児は、早晩離脱していく、それで良いではないか。現在、尺八界に破門という言葉はないのであるから。


 流派外会派の存在

 俗に、流派としては、琴古流、都山流、上田流、竹保流などの名が存在する。知名度は、そのとおりである。しかし、尺八を支えてきた小会派は、日本中に無数存在するのである。
 
 上記流派は、明暗寺系のものであって、全国区系会派と言えるだろう。加えて、地方区系には、或る地域系、或る寺社系、一匹狼系と多くの会派が存在するのも事実である。 全国区たる都山流など、既にいくつかの会派に分裂してしまっている。全国区琴古流は、楽譜発刊元を共通とするが、琴古流ピラミットは存在しない。琴古系は、会派の首領が、家元となっているのである。
 日本の伝統音楽”尺八”を愛し、支えてきたのは、家元制度だけではなく、後世にその好さを伝えていく努力している愛好者と種々会派が多数あることも銘記すべきである。
 
 尺八愛好家は、尺八の楽しみを庶民大衆に伝承する楽しみをも享有しようではないか。

                          

付録T 諸井 誠作曲 竹籟五章 がある。竹籟を発する竹の笹の葉とは、どのようなものかご存知か。

 昨今、日本の山林は荒れ放題である。竹林も然り。竹材の需要はない、竹林へ誰も入らない。山・竹林が美しくなる訳がないのである。

 竹には年輪があるか。 ない 。竹齢をどうして知ることができるか。 伐採し、又は根を堀上げれば分かると、ものの本には書いてある。
 尺八制作に適した竹材採取は、5年生を適材とする。5年以上も可とする。未満は不可である。適材採取をどの様にして判断するか、、勘に頼るのが常となるだろう。竹林内では、経験が要る。竹の色も参考になる。陽光のあたり具合で錯覚をおこすこともあるからである。

 真竹の年齢をどうして知るか。                 
 ものの本によると落葉の回数を数えれば、判明するとある。しかし、そう簡単に判定はできないのである。
 初年度小枝の節から、必ず2本の数ミリの稈が各2〜3枚の葉を付けて生まれてくる。 翌年、その葉は落ちるが、2本共同時に落葉するとは限らないし、又落葉した方の跡だけに葉は再生するのである。残った方は翌々年落葉となるのであろう。
 従って、再生稈の数で年齢を知り得ることになると云うが、つまり、竹材採取前に、高所の枝の様子を見極めて採取することは至難事であり、伐採後、せめて事後確認するというのが実態であろう。
 竹の秋 俳句の春の季語である。この時期に竹の葉は一部落葉し、その跡に新しい竹の葉が生まれる。 落葉は、上の写真に写る部分である。

                           

付録 U 文部科学省学習要領改訂後、総合芸術学習の選択肢の一つ和楽器 学習にボランティアで参加しての体験

 平成14・15・16年度、 地元中学校の3年生に週2時限、尺八と三味線の学習の手伝いをした。年度の初めにオリエンテーションが行はれ、出向いて楽器を示し、その演奏法を簡単に紹介し、生徒の関心を求めた。生徒数の少ない片田舎の中学校での出来事である。1週2時限を、2分して尺八・三味線の学習にあてることにした。
                            
  学校は初年度、三味線を、6丁調達(2年目は12丁とした)した。   尺八は、ボランティアが必要本数を持参した。
  
 
学校が邦楽器を買い求める際の注意事項
  販売店は、その後の管理方法・保持費用について十二分の説明をする要あり。学校は、楽器保持保全の為、補給すべき消耗器材費・修理費などのことを充分知悉しておく必要がある。又、当初から消耗品の費用負担につき、学校分・生徒分を定めておくことが必要である。
  

  1時限目      三味線学習    2時限目         尺八学習
 調弦には、多少手間取った。 調弦がなされた三味線では、比較的容易に学習が進んだ。童謡・唱歌から入り、最後は、三線譜を用いて口三味線で長唄”松の緑”の演奏ができるまでに進歩した。
 尺八学習には、難題が多かった。
1 生徒の体型は、十人十色で顎当りが、全員異なる。
2 多くの生徒の指は細く(手孔10o以下が適当)、手孔が容   易に塞がらない。
3 一尺六寸管学習開始が適当?。
4 腹式呼吸に慣れていない(酸欠状態になり易い)。
 ETC
 試みに、持参する尺八の本数を生徒数プラス数本余分に持参した。各自に交換を続けさせ、鳴りそうな尺八の選択をさせた。 殆どの生徒が初日に発音させることができた
          (顎当りの検索)

 平成17年度ゆとり教育は、文部科学大臣の更迭で、教育現場は敏感に反応し、中止となる。 
教育委員会は、中学校の総合芸術学習の、選択肢策定と選択は、現場任せとしている。音楽教諭の責任は大である。邦楽器、特に尺八に関心を抱く教諭の多い事を、私は念願している。道遠い願望だろうが。