(注・2枚目以降の写真は後年ニュー・デリーで撮影したものです)


先日、新聞を読んでいると、珍しくチベット関連の小さな記事を見つけた。
チベット抵抗運動の象徴、ガワン・サンドルの伝記(仏語)を翻訳・出版した日本人研究者の紹介記事だ。

ガワン・サンドル…。1990年、チベット独立を叫び11歳で逮捕されたサンドルは、今もラサ市内のダプチ刑務所に収容されている。1998年、刑務所内の独立要求デモに参加し刑期を延長され、2013年に37才で釈放される予定だ。現在23才。

80年代後半から90年代初頭にかけては、チベットの抵抗運動が活発に行われていた時期だ。

80年代後半は外国人旅行者にとって、チベットに入るのが比較的自由になりつつある時期でもあった。当時、大学生だった僕もバックパックを背負いチベットを旅した旅行者の一人だった。2回目のラサ旅行の1989年3月、ラサで大規模な抵抗運動が起こり、3日間にわたり、大勢のチベット人の血が流された。ラサに戒厳令が出された3日目の深夜、公安局員が部屋に現れ、僕ら外国人に強制的退去を命じた。

あれからもう13年になる。僕はあれからインドを旅した後、就職し、転勤し…、会社を辞め、また旅に出て、今は東京で平凡で平穏な暮らしを送っている。

そうした、日常の中で、ふと目にしたガワン・サンドルの新聞記事。20代前半の懐かしい日々を思い出すと同時に、ずっと獄中にあるサンドルの10余年について複雑な感情、心の奥底に呼びかける声を、感じないではいられない。
             
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