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徒然華
徒然 華
更新履歴を兼ねた日記です。つれづれこそ人生の華、そう思わないとやっていけない。
2007/6/30:20世紀の作家・書評ページでデイヴィッド・ガーネットを紹介、『狐になった奥様』の感想をアップ 。
○これぞ「佳品」といった色合いの小説だな。佳品という言葉は、小粒という意味も兼ねてしまうのだけれど。
○掲示板でちょうど馬琴の話をしていたところだったわけだが、昭和初期に出た「近代日本文学大系」というシリーズに『曲亭馬琴集』2巻があって、『頼豪阿闍梨怪鼠伝』『俊寛僧都嶋物語』『三七全伝南柯夢』などのいくつかの中篇が入っていると知り、さっそく入手した(戦前刊行の本を棚に置くのは初めてだ)。挿絵がないのが残念だが、これで念願の『嶋物語』が読める。
あとは岩波の新日本古典文学大系に入っている『侠客伝』と、国書の叢書江戸文庫に収める『美少年録』を入手すれば、巨編『巡島記』をのぞくほかは、馬琴の代表作はだいたい本棚に揃うことになる。
2007/6/25:ベイリー『シティ5からの脱出』の感想をアップ 。
○SF短篇集積読消化プロジェクト、第三弾。暗いよ! 読みにくいよ! 疲れたっ! ――しかし「ドミヌスの惑星」は間違いなく傑作だと思う。
次はラファティ『どろぼう熊の惑星』かな。『ゴーレム100』を先にするか?
2007/6/24:20世紀の作家、書評ページでアレクサンドル・ブロークを紹介、『薔薇と十字架』の感想をアップ 。
○1995年に出た本。私は古本屋で入手したけれど、平凡社のウェブサイトを見るとまだ在庫があるようだ。書店の店頭にはほとんど残っていないだろうけど、注文すれば入手できるので、興味がある人はどうぞ。
――それにしても、平凡社ライブラリーの<詩のコレクション>ってほとんど絶版なのな。フランシス・ジャムとかホフマンスタールとか読んでみたいんだけど。
○ジュンク堂書店にて<未来の文学>シリーズの新刊ベスター『ゴーレム100』と、ハヤカワ文庫のマーティン『王狼たちの戦旗(4)』を購入。
で『ゴーレム100』だけど、ぱらぱらめくってみただけで異様な空気がばりばりと伝わってくる。<最狂>という帯の惹句にも納得。こいつは期待大だな。
『王狼たちの戦旗(4)』は、実はもう読了した。宮廷陰謀劇や戦記ものとしての面も相変わらず強いけど、ここへきて急激にファンタジー色が強くなりつつある。それがまた物語の波瀾を激しくしていて、もうシリーズ9冊目だというのに、話のテンションが一向に落ちない。読者たる私のテンションも。さて、文庫版第二部の最終巻は来月下旬発売。期待してるよ!
2007/6/23:マンデリシュターム『石』の感想をアップ 。
○久しぶりマンデリシュターム。やっぱりきちんと中身を理解することはできない詩が多いのだけれど、この静謐で冷然たる空気はやはりなかなか心地良いもの。それにしても詩の感想を書くのは実に難しい。
ドイツ戯曲の読破が一段落ついたら、次はロシア詩でも読んでみようかしらん。古くはプーシキンから、現代のクーチク、アイギ、コーノノフ、ジダーノフとかそのあたりの、群像社や書肆山田から翻訳が出ている詩人を(高い本ばかりだけど、翻訳詩集なんてそういう値段にしないと儲からないのだろう)。
2007/6/19:ワトスン『スロー・バード』の感想をアップ 。
○SF短篇集積読消化プロジェクト、第二弾。『ヨナ・キット』でとっつきにくいイメージを受けたワトスンだけど、この短篇集は楽しめた。いちおし。
『川の書』『星の書』も近々読んでみようかな……。『存在の書』はどこかで探し出すとして……。『オルガスマシン』(過激な内容ゆえにイギリスでは出版社がつかず、日本語訳版しか存在しない珍本だとか)も気になるぜ。
そして早川でも創元でもいいけど、そろそろ第二短篇集を出してくれると嬉しいね。あと『マナの書』の翻訳も。
○文芸サークルのΚに連れられて今池のウニタ書店へ行ってきた。小規模書店ながら文系ガチガチのむちゃくちゃ濃い品揃え。最近うちのサイトでもしばしば取り上げている「ドイツ現代戯曲選」が、なんと店頭に全巻揃っていた。このシリーズが全巻揃ってるとこなんて、愛知県図書館以外の場所では見たことなかったぞ(ジュンク堂には新刊5、6冊ほどあるだけ、他の本屋には置いてすらない)。新潮講談社角川文春中公などの文庫を一切廃している代わりに、岩波、筑摩の文庫は異様に充実。ハードカバー単行本も熱い。
新刊書店に入ってこれほど興奮したのは、はじめてジュンク堂へ入ったとき以来かも。感動のあまりついアハターンブッシュ『長靴と靴下』を購入。
というわけですっかりウニタ書店のファンになってしまった私。中小規模書店は、やはりこれくらい濃くないとな。個性のない中小書店なんかいらないもんな。場所は名古屋地下鉄今池駅12番出口からすぐだ。さあ、画面の前の君も今すぐれっつごー。店内全体に漂うアカデミックな空気をたっぷり吸収してきたまえ。
2007/6/18:現代の作家・書評ページでボート・シュトラウスを紹介、『公園』の感想をアップ 。
○ドイツ現代劇・七冊目。
とりあえず手元にある「ドイツ現代戯曲選」はこれで全部読んでしまったので、次をどうしようかなと思っているところ。来月になったら、アハターンブッシュ『長靴と靴下』あたりを買ってみようかな。
ドイツ戯曲では、そういえば随分前からシラー『ドン・カルロス』が積読になっているので、その間に片付けておこうか。
併行して進めているSF短篇集消化企画のほうだが、ワトスン『スロー・バード』が読了間近。次はベイリー『シティ5からの脱出』でも。
○塩釜口にある古書店・パウゼ塩釜へ行ってきた。目当てはブローク『薔薇と十字架』だったけど、店頭で『バロック演劇名作集』を見つけてこちらも衝動買いしてしまった(スペイン演劇にもご無沙汰)。あと名大生協で岩波の新刊のジョイス『若い芸術家の肖像』、ガーネット『狐になった奥様』を購入。
ルーセル『アフリカの印象』も気になるけど……積読の増加と手持ち金の減少から、購入に踏ん切りがつかない。
2007/6/16:20世紀の作家・書評ページでソーントン・ワイルダーを紹介、『わが町』の感想をアップ 。
○ふー、週の後半は眠すぎてまともに読書できんわい。
で、『わが町』、悪くないんだけど、ちょっと軽すぎるよなあ。メタフィクション性もぜんぜん甘いしね(古典だからという言い訳は通用しない。もっとずっと古いコルネイユ『舞台は夢』は、もっとずっと鮮やかにメタ性と筋の展開をからめている)。「ドイツ現代戯曲選」は(これまでに読んだ六冊は)どれもかなり派手だったのにひきかえ、この本はちょっと読み応えが足りない。
○さて、このあいだ大学生協のブックスフロント(理系向け書店)に行ってみたら、ハヤカワ文庫のコーナーで「燃え萌え雑学フェア」なる企画をやっていた(公式ページはこちら )。ノンフィクション文庫に入っている、知識系の本何冊かがフェア対象らしい。で、二種類の帯がついていて、片方には鉢巻した劇画風の濃い兄ちゃんが「笑い死には本当に起こるんですよ!」と叫んでいる燃えなイラストが入っている。もう片方は、セーラー服を着て眼鏡をかけた女の子が、「あたし……物知りなお兄ちゃん……好き(はぁと)」とつぶやいてる萌えイラスト入り。(どんな感じのイラストなのか見てみたい人は「燃え萌え雑学フェア」でぐぐってみよう)
うむ、確かに、あんな感じの女の子に「物知りなお兄ちゃん好き」とか言われてみたいな まったく、早川は何を考えてるんだろうね。いい笑い話のタネだよ。
――でも早川だと本当にネタにしかならんな〜。岩波とかがやればお祭りなんだが(シェイクスピアとかドストエフスキーとか、萌え作家を大勢かかえてるんだから、やってやれないことはないはずだ!)。
2007/6/12:現代の作家・書評ページでペーター・ハントケを紹介、『私たちがたがいをなにも知らなかった時』の感想をアップ 。
○ドイツ現代劇・六冊目。
この人は日本でもわりと人気があるのか、小説作品の翻訳はけっこうたくさんあるようだ。『反復』は書店でもよく見かける。いつか読む……かも。
当面はドイツ小説よりドイツ戯曲の渉猟を続けていこう。論創社の「ドイツ現代戯曲選」シリーズのうち、これまで読んだ六冊は、いずれも短いながら一癖ある内容で読み応えがあった(難解でもあったけど)。この分なら残りの二十四冊にも期待できそうだ。ちょっとずつでも買って、いつか全巻読破することを目指そう。
――こんなことなら、出る度に買って読めばよかったかな。
ともあれ、次はハヤカワ演劇文庫のワイルダー、その次はドイツ現代劇のボート・シュトラウス『公園』だ。シェイクスピア『夏の夜の夢』を下敷きにしているらしいので、読み返しておこう。
○七月の文庫発売一覧 。
クッツェーとティプトリーを繰り出してきた早川の圧勝だな。他の出版社は、続刊もの以外にはめぼしいものがない。
――ってあれ? 光文社古典新訳文庫はどうなった?
それと、岩波文庫7月の一括復刊 も公開されている。むろん目玉は『オブローモフ』だ。未読の人はこの機会にぜひ(19世紀ロシア文学では、トルストイよりツルゲーネフよりこの人を読むべきだと思う)。あとはレチフだな。
○生協で岩波書店15%オフフェアをやっていたので、とりあえず、買うかどうか迷っていた先月の新刊『アーネスト・ダウスン作品集』を購入した。
2007/6/11:コードウェイナー・スミス『第81Q戦争』の感想をアップ 。
○SF短篇集積読消化プロジェクト、第一弾。これでコードウェイナー・スミスの翻訳本は全て読了したことになる。
――さて。
訳者あとがきには、「本書が出たことにより、未訳として残るはキャッシャー・オニール・シリーズのQuest of the Three Worlds だけとなったわけだが、これは全訳してもそんなに厚くない本なので、おそらくは補完機構ものの残り三篇も加えたうえで、近いうちお目にかけることができると思う」とある。が、この本が出てから今年で十年、いまだ『三世界の探索』は出版されていない。
――伊藤典夫、浅倉久志、そして早川書房よ、俺はあんたたちを信じているぞ。
○さて、積読になっているSF短篇集は、ラファティ『どろぼう熊の惑星』、ベイリー『シティ5からの脱出』、イーガン『祈りの海』『しあわせの理由』『ひとりっ子』、それに新刊のエムシュウィラーとワトスンだな(長篇で積読になってるのもいっぱいあるが)。ドイツ戯曲や演劇文庫と併行してまったりと消化していこう。『波』も……まだ……読了を諦めちゃいない……よ。
○ムアコック『ギャラソームの戦士』購入。ブラス城年代記シリーズの第二部。
2007/6/10:「エンタメ至上主義宣言! 居眠書生の50冊」をアップ 。
○名大祭で販売した、サークルの冊子に載せたブックガイド。気をつけたのは、本物のエンターテイメントだと思うものだけを入れること、私以外の人間なら絶対に選ばないラインナップにすること、の二点。
○というわけで大学祭も終わってしまった。今年はホントに何もしてない。昨日も今日も大寝坊して、ちょっとしか顔を出せなかったし……最近の俺はダメだ。まったくダメだ。
あー、ごほん、買ってくれた、読んでくれた全ての人には拱手して感謝いたします。ありがとう。そして冊子制作に奔走してくれた後輩には叩頭して詫びます。力になれず申し訳ない。
○それにつけてもイアン・ワトスンはすげえな。こんなすげえ作家のベスト短篇集を絶版のまま放置しておいた早川の罪は大きいけど、復刊してくれたので許してやろう。そこのあなたも『スロー・バード』を買いましょうね。抱腹絶倒すること必至。
2007/6/8:現代の作家・書評ページでエルフリーデ・イェリネクを紹介、『レストハウス、あるいは女はみんなこうしたもの』の感想をアップ 。
○しばらく睡眠不足がひどくて、本をあまり読み進められなかった。これもようやく読了。
というわけでドイツ現代劇・五冊目。論創社のドイツ現代戯曲選の最新刊。
ノーベル賞作家ということで、たぶんこのシリーズでは一番有名な作家だろう(張り合えそうなのはハイナー・ミュラーくらい?)。ただ、これまで読んだ五冊のドイツ現代劇のうち、作品としての価値はともかく、私の趣味からは一番遠い本ではあったかな。先に刊行された『汝、気にすることなかれ』のほうを読んだほうが良かったかも。
あと、山形石雄『戦う司書と恋する爆弾』も読了。文章はなんだか垢抜けない感じがするし、人間爆弾という発想にも新鮮さはないけれど、物語構成はすばらしい。結末への持っていき方は鮮やかの一言に尽きる。続刊も読む……と思う。
○ハヤカワ名作セレクションで復刊されたワトスンの短篇集『スロー・バード』を購入。いつの間にかSF短篇集の積読がかなり溜まってしまっている。消化せねば。
それと、ドイツ現代劇のハントケ『私たちがたがいをなにも知らなかった時』とシュトラウス『公園』を購入。月に二冊か三冊くらいずつ買って読んでいこう。
○気になる本メモ。
ブローク『薔薇と十字架』(平凡社ライブラリー)
これも戯曲。なんだかロシア文学は19世紀より20世紀のもののほうが凄い気がしてきた昨今(まあ、ドストさんは常に例外なんだけどね)。
2007/6/4:現代の作家・書評ページでローラント・シンメルプフェニヒを紹介、『前と後』の感想をアップ 。
○ドイツ現代劇・四冊目。
ありふれた日常を描いているのに、なぜか漂う奇妙な空気。うむうむ、この長い名前の劇作家、要注目ですぜ。多作多彩の作家ということだし、今後も翻訳が続いて欲しいもの。
次はイェリネク。
あー、と、併読しているウルフの『波』のほうは、読み終わるまでにはまだ時間がかかりそう。この濃さ、とてもすいすいとは読み進めさせてはくれない。
2007/6/3:現代の作家・書評ページでトーマス・ブラッシュを紹介、『女たち。戦争。悦楽の劇』の感想をアップ 。
○ドイツ現代劇・三冊目。
読み物としては難解だけど、劇場で演じたらもう少し分かりやすくなるのか、はたまたもっと難物になるのか。でもこのセリフまわしは、確かに舞台では映えそうだなあ。
○冲方丁『オイレンシュピーゲル』の二巻を購入。で読んだ。連作集だった一巻と違って長篇になっているため、読み応えがぐっと増している。容赦ない展開と激烈な戦闘描写には思わず手に汗。一つ不満を言うと、せっかくロシア兵が登場しているのだから、一度でいいから彼らに「ウラー!」の掛け声を叫ばせて欲しかった。「ヤー」とか「ハイル」は多いのに、「ウラー」がないのは(ロシア文学ファンとしては)寂しい。姉妹篇『スプライトシュピーゲル』の二巻は7月発売の由。
あとブックオフでアダムス『宇宙クリケット大戦争』、山形石雄『戦う司書と恋する爆弾』、冲方丁『マルドゥック・スクランブル』の1巻と3巻を購入(2巻だけ見つからなかった)。
2007/5/31:シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』の感想をアップ 。
○う〜む、なんなんだろうね、これは。奇作? はたまた駄作?
しかしギリシア軍ナンバー2の豪傑であるにもかかわらず、すっかりアホの子扱いされているエージャックス=アイアスは気の毒。『イリアス』中最大の見せ場の一つであるはずの、パトロクレス戦死もさらっと流されていて気の毒。
2007/5/30:リンク集拡大。
○いかん、シェイクスピアを一日で読み終われないとは……集中力が欠けすぎている。
あ、イェリネクの『レストハウス』を買ったよ。趣味に合わないんじゃないかという気がしているのだけれど、ノーベル賞作家だし一応読んでおこうかと。
○皓月さんの新しいブログUlmhaft に、情報収集手段についての記事が出ていたので、私もちょっとさらしてみようか。もしかすると参考になるかもしれないし、ならないかもしれない。
ウェブ
・出版情報
やはり一番興味あるのはこれだからな。「本棚の中の骸骨」と「文庫発売一覧」が中心。あとは出版各社のウェブサイトを巡る。よく見るのは、岩波書店、国書刊行会、白水社、平凡社、早川書房、東京創元社、論創社、河出書房、藤原書店、群像社、松籟社、未知谷。筑摩書房は、トップページが重いせいであまり見に行かなくなってしまった。新潮、角川、集英社はそれ以上に重すぎて嫌だ。国書みたいにすっきり軽く、しかもカッコイイのがやはりウェブサイトの理想系、って、話がずれたか。
・書評系(敬称略)
海外文学系では、うちからリンクしてるとこだと、「岩波文庫コレクション」「文芸の扉」「サロン・ド・ソークラテース」「フォスカのホームページ」「ぷんかだより」「新地のカーシャ」。リンクしてないところでは、海外小説全般…「すみ&にえ ほんやく本のススメ」「坤・夢天別館」「はなまる蔵書」「pulp literature」「半透明記録」。SF系…「coco's bloblog」「アルファ・ラルファ大通りの横道」「不壊の槍は折られましたが、何か?」。ライトノベル系…「まいじゃー推進委員会」「Something Orange」「booklines.net」あたりかねえ。当然、更新頻度の高いところには日参している。
思いついたら「文芸ウェブサーチ」を見て、面白そうなところが登録されてないか確認。
・中文系
「書虫」は毎週金曜に新刊書が登録されるので、週に一度は必ず見る。気になった本は「google簡体字」か「百度」で検索。
電子テキスト系はいろいろ使ってるけど、著作権的にヤバいものもあるので、ここでは挙げないほうがいいかな。
・2ch
基本的にROM。文学板、SF板、ライトノベル板くらいかな。古文漢文板は、過疎すぎるのでほとんど見ない。相撲が開催されている間は相撲板も見に行くけど。
よく見るスレッドについては、キリがないのでいちいち挙げないが、数はSF>=ラノベ>>文学板。文学板のスレは大概、空気が悪いか過疎かどちらかで、日参するだけの価値があるスレって少ないんだよなあ。
・知り合い
名大文芸サークル(っても、管理人は俺なんだけど)と、サークルメンバーのブログで更新頻度の高いとこにはよく行く。
ともあれ、最近異様にネットジャンキー気味。いい加減ネットに使う時間を削って勉強に当てるようにしないとまずいところだな。計画的な時間配分ができないのは中学時代以来の悪癖だけど、どんどん悪化してる気がする。
非ウェブ
・図書館
名大中央図書館と愛知県立図書館、たまに羽島市立図書館(これまでもこの日記にたびたび登場したこの図書館、ド田舎の公立にしては案外悪くない)。岐阜県立図書館は駅から遠すぎて行ったことがない。
・書店
ジュンク堂での新刊チェックは、二週に一度は行っている。暇人とかいうな。
中国書は崑崙書房と燎原書店でチェック。
・雑誌
早川「SFマガジン」の書評欄だけ立ち読み。
・新聞
中日新聞。俺は巨人ファンだったりするんだが。
沼野充義の文芸時評は読み落さないように気をつけている。
・テレビ
野球と、やってるときは相撲。NHK教育の「芸術劇場」、演劇をやるときは見落とさないように気をつけてる。それと「風林火山」。ここ最近の大河では珍しい、本格的な戦国ものなので(戦国ホームドラマにはうんざりだ!)。アニメは、今は「電脳コイル」しか見てないな。「ハヤテのごとく」と「ロミオ×ジュリエット」は気になるけど、前者は起きられず、後者は起きていられないために見ていない。
書生邸は、2台のテレビが深夜以外ほぼつけっぱなしという環境なので、見る気がない番組からも情報が入ってくるけどね。俺がネットジャンキーだとしたら、うちの家族はまったくテレビ中毒だよ。
・本
海外古典と、海外現代文学と、翻訳SFと、翻訳戯曲と、ライトノベル。ここしばらく中国書を読んでないな〜。
話を和書に限ると、文庫は岩波、ちくま、河出、早川、創元、及びラノベレーベル。新書は白水uブックス。単行本は国書はじめ論創社、群像社、松籟社等々のマイナー系が多い。新潮、講談社、文春、中公などの一般文芸っぽいところの本はかえって少なかったりするのである。
・ゲーム
新しいのはやってないね。今、一番多くプレイしているのは「フリーセル」だったりする。あと「solitude」という洋製のトランプ・ソリティアゲーム集をやってる。こういうつまらんゲームに何で時間を使ってるんだろうなあと、疑問に思わないでもなし。
もう「闘神都市2」と「鬼畜王ランス」以来、本格的なゲームはやってないような気がするなあ。
――私のコンテンツ受容はこんなところかね。このサイトを始めたころと比べると、増えこそすれ、ほとんど減ってはいないと思う。強いて減ったものを挙げるとすれば、閉鎖・更新停止したサイトの巡回と、あとはゲームくらいだろう。――ああ、だから時間が足りなくなるのか!
2007/5/29:現代の作家・書評ページで秋田禎信を紹介、『閉鎖のシステム』の感想をアップ 。
○黒さんが「ライトノベルの奇書」と呼んでいた理由が分かった。結末と挿絵はたしかに奇々怪々。『魔術師オーフェン』や『エンジェルハウリング』も読んでみようかしらん。
でもそのまえに谷川流の『絶望系』を片付けておくか。
さて、次はシェイクスピア『トロイラスとクレシダ』。ドイツ戯曲のブラッシュ『女たち。戦争。悦楽の劇』を読むつもりだったけど、この『悦楽の劇』は『トロイラス』を下敷きにしているらしいから、先に『トロイラス』を読んでおこうということで。
『波』は並行して読み進めていくつもり。ま、どうせ『トロイラス』と『悦楽の劇』のほうを先に読み終えてしまうだろうなあ。
――戯曲感想とライトノベル感想ばかり増えていきそうな気がしないでもない。楽だからねえ。
2007/5/28:アナトール・フランス『ペンギンの島』の感想をアップ 。
○アナトール・フランスはいいよ〜すごいよ〜みんな彼のことを軽んじすぎだよ〜。
まあね、近現代フランス文学史を見るとき、どうしてもダダとかシュルレアリスムとかヌーボーロマンとかの派手なところに目が行っちゃうのは仕方ないんだけどさ。でも「現代に相応しいもの」を読むとなれば、ブルトンとかビュトールの作品以上に、この『ペンギンの島』が外せないと思うな。この本にこめられた皮肉は、そのまんま現代にも当てはまるところが多いから。
杉井光『火目の巫女』の二巻も読了。一巻に比べるとダークさというか救いのなさが半減しているのが残念。そう感じるのは、僕の心がすさんでいるからなのかね。あ、端役だけど、為子は良い味出してる。三巻もそのうち読むよ。
あと鴉羽黒さん推薦の秋田禎信『閉鎖のシステム』も読了した。なるほどね、黒さんがこの本を推す理由はなんとなくわかった。細かいことは明日。
それに続いて、ぷんかさんから勧められたヴァージニア・ウルフの『波』を読み始めた。まだ40ページくらい読んだだけだけど、すごく変な本というか、まず他にない類の本だな、これ。『灯台へ』はわりとすんなり読めた(気がする)けど、こちらは手ごわそうだ。浮気用にシェイクスピアでも横に置きながら、じっくり読み進めよう。
○エムシュウィラー『すべての終わりの始まり』購入。寝る前に一篇か二篇ずつ読むとちょうど良さそうだ。
2007/5/26:現代の作家・書評ページで中村九郎を紹介、『樹海人魚』の感想をアップ 。
○根っこのところがライトノベルそのものという感じがするので、奇才とまで呼ぶにはちょっと。でもまあ、細かいところで、いいセンスしてるなあと感じさせるものはある。『樹海人魚』というタイトルもなかなか良いしね。次作も出たら買ってみるつもり。
○あとマーティン『王狼たちの戦旗』の三巻も読了。
中盤、大物中の大物たるあの人物が唐突に不条理に落命するという、予想外の展開が待ち受けていた。第二部スタート以来作品中に漂っていた不穏の空気が、ここへ来て一気に色濃くなった。第二部の結末にはいかなる破局が待ち受けているのか……次巻が楽しみ楽しみ。
○24日の日記、アップしわすれてた。
2007/5/24:更新はありません。
○オルハン・パムクのノーベル賞受賞講演とインタビュー、佐藤亜紀との対談を収録した『父のトランク』という本が藤原書店から出ていたので、とりあえずインタビューだけぱらぱらと立ち読みしてみた。影響を受けた作家にドストエフスキー、トルストイ、マン、プルースト、ボルヘス、カルヴィーノを挙げていたあたり、えらく真っ当な内容で、ちょっとサプライズに欠けていたかも。
このインタビューによると、新作『無邪気な博物館』を今年12月に刊行するとのこと。すると日本語版が出るのは2009年くらいだろうか。内容については言及されていなかった。
○マーティン『王狼たちの戦旗(3)』、ワイルダー『わが町』、中村九郎『樹海人魚』を購入。
ハヤカワ演劇文庫、現代戯曲を文庫サイズで提供してくれるのはありがたいんだが、しかしこのページ数でこの値段はやはり高いよなあ。ハヤカワはほかにイシグロ『充たされざる者』も、ダイ・シージエ『フロイトの弟子と旅する長椅子』も読みたいし、仁木稔『ラ・イストリア』も気になるけど(23世紀中米という舞台設定に惹かれたのであって、表紙の銀髪少女に萌えたわけじゃ……いや、それもあるかも)、それに創元のディック『最後から二番目の真実』も欲しいけど、うー、この後エムシュウィラーも出ることを考えると……うむ、ともかく積読を少しでも片付けてからかな。
2007/5/23:現代の作家・書評ページでファルク・リヒターを紹介、『エレクトロニック・シティ』の感想をアップ 。
○というわけでドイツ現代劇・二冊目。
リヒターはまだ30代か。リヒターに限らず、論創社のドイツ現代戯曲選には、戦前生まれのベテラン劇作家の作品だけでなく、60年代生まれの若手(?)のものも多く収録されている。中には70年代生まれの作家も。これはいいことだと思うよ。外国の文芸作品は、ある程度名を遂げたベテランのものが入ってくることが多いけど、こういう気鋭の若手を紹介するのも重要な冒険じゃないかと。
2007/5/21:バルザック『アネットと罪人』の感想をアップ 。
○これもまだまだ若書きな感じがするの〜。才能のひらめきは見せているけれども、やはり『ゴリオ』『ベット』などには及んでおらんわい。しかし、水声社のバルザック幻想・怪奇小説選集の続刊『ユルシュール・ミルエ』は「人間喜劇」シリーズの作品だから、巨匠の筆もこの二冊よりは成熟していよう。楽しみじゃな。ほっほっ。
○朝日出版社から刊行されていたアルベール・ロビタ『20世紀』がめちゃめちゃ気になる(19世紀末の空想科学小説らしい)。気になるが、3200円はかなり重いぞ。ただでさえこっちは『ユルシュール・ミルエ』と『波』を買って財布が軽くなってるのに!
○バルザック『アネットと罪人』を読み進めるかたわら、溜まっていたライトノベルの積読などちょいちょいと片付け。小河正岳『お留守バンシー』、丸本天外『喚ばれて飛び出てみたけれど』、冲方丁『オイレンシュピーゲル』、杉井光『火目の巫女』の一巻目だけちょいちょいとつまみ食い。
中でも良かったのは杉井『火目の巫女』。前半は百合萌えお気楽な雰囲気(や、主人公のコンプレックスやら葛藤やらはあるんだが)だったのが終盤一転、容赦ない展開で読ませる読ませる。で、あの残酷な結末。――うむ、これはいいぞ。『お留守バンシー』とかのまったりしたのも悪くないんだが、やっぱりこういう壮絶なのが読みたいんだよね。続刊も買ってみよう。
冲方『オイレンシュピーゲル』は、姉妹篇『スプライトシュピーゲル』に比べると、いくらか普通に近い文体で書かれている。この巻はキャラの顔見せ段階だから、まだ評価はしかねるかな。『オイレン』『スプライト』双方の続刊がどういう展開・関連を見せるか、期待したいところ。
2007/5/16:ペレーヴィン『チャパーエフと空虚』の感想をアップ 。
○これで感想はとうとう500冊目。といっても、実は「居眠文庫目録」最初のページの国・時代別紹介作家作品数表は、とっくに縦横の合計数が合わなくなっているので、本当にこれが500冊目なのかどうかは数えてみなければわからない。
それにしてもこの小説の感想をまとめるのは難しかった。一言で言うと東洋趣味の現代版ブルガーコフ……とでも? ロシア幻想文学の正統な流れを汲みつつ、現代作家でなければ書けない内容になっているので、『巨匠とマルガリータ』なんかが好きな人は必読だろう。
この本の訳者解説にはペレーヴィンの作品一覧と、(一言だけだが)未訳作品の内容紹介がつけられていて非常に便利。特に気になったのは『魔物の聖典』。狐っ娘と狼男の恋愛て――私のストライクゾーンど真ん中じゃないか(笑)。まあ、ペレーヴィンのことだから、その題材をそのまんま書いたりはしていないだろうけど……。
余談ながら、実はこの『魔物の聖典』には懐かしい思い出がある。この作品の原書カバーがアニメ風のイラストになっている のを2chで知って、2005年1月23日の日記で紹介したところ、今は更新を停止しているモノグラフ からリンクされ、一日で500件だか1000件だか、凄い勢いでカウンターがまわって吃驚したのだ。――あのころ私は未成年で、この作品のタイトルも知らなかった。
――あれから二年、97年の『虫の生活』以来ずっと紹介のなかったペレーヴィンの小説が、ここへきて『恐怖の兜』『チャパーエフと空虚』と二冊立て続けに翻訳されるとは、いい時代になったもの。『魔物の聖典』もぜひ訳してもらいたいものだ。ああ読みたい、読みたい、読みたいよう。
ついでに『ジェネレーションP』と『どこからでもなくどこへでもない過渡期の弁証法』と『エンパイアV』も訳してくれれば言うことはない。
さて、この次は『ペンギンの島』を読むつもりだったけど、うかうかしているうちに『ユルシュール・ミルエ』が刊行されてしまったので、『アネットと罪人』を先に読むことにした。既刊が片付かないうちに新刊を購入すると、ずっと積んだままになりそうな予感がしたので。
2007/5/14:今日の更新はありません。
○昨日、名古屋市美術館へダリ展を見に行ってきた。絵画を見る習慣がなかったので、遅まきながら趣味を広げようかと。
しかし、開催二日目の日曜日に行けばどういうことになるか、察することができなかった俺はばか者です ○| ̄|_
学生なんだから平日に行けって話ですな。
○ムアコック『黒曜石の中の不死鳥』を読了。『永遠の戦士』『黒曜石の中の不死鳥』の長篇二編の合本。『永遠の戦士』は途中まではもうお馴染みの展開だらけで、ちょっとなあと思っていたら、もの凄い結末がつけられていて唖然とした。これは必読。
今はペレーヴィンをずいずいと読み進めているところ。
○バルザック幻想・怪奇小説選集の続刊『ユルシュール・ミルエ』が明日にも刊行されるとか。こんなペースで刊行されたらお金も時間も到底追いつかないから困ったことだ。まだ『アネットと罪人』一ページも読んでないのに。
読んでないといえば、ダレルの『アレクサンドリア四重奏』も一巻未読のうちに二巻が刊行されてしまっていた。あー……どうすんべ。
2007/5/11:20世紀の作家・書評ページでドミートリー・フールマノフを紹介、『チャパーエフ』の感想をアップ 。
○うん、まあ、最初から期待はしてなかったけどね。『チャパーエフと空虚』を楽しむための準備だとしか思ってなかったし。しかし、これほど単調な作品とは思わなかった。こんなことなら、映画のほうを観ておけばよかったかなあ。――これで内容的にほとんど関係がなかったら泣くよ?
感想の中にも書いたけど、ロシア革命後の内戦を読むなら『静かなドン』『ドクトル・ジバゴ』がお薦め。あと、ブルガーコフ『白衛軍』も、ブルガーコフだから面白いはず。バーベリにも『騎兵隊』という作品があるとか。ファジェーエフ『壊滅』は――『チャパーエフ』よりはマシなんだろうな?
ともあれこれで『チャパーエフと空虚』に取り掛かることができる。早速いってみよう。
○シマウマ書房にてジャン・パウル『陽気なヴッツ先生』、『新集 世界の文学23』を購入。『世界の文学23』はアナトール・フランス『ペンギンの島』を読むために買った(『ペンギンの島』の単行本は戦後になってからは刊行されていない)。
今度はエレンブルグが気になり始めた。『トラストDE』『フリオ・フレニトの遍歴』。フールマノフははずれだったけど、ロシアにはまだ読んでおきたい作家が大勢いる。
2007/5/10:今日の更新はありません。
○『チャパーエフ』あと少し。結局一週間使ってしまったな。ま、明日までに読み切って、週末に『チャパーエフと空虚』を楽しめばいいか。
○今年の11月以降、河出書房から池澤夏樹の個人編集による世界文学全集が発刊されるらしい。そしてそのラインナップがこれ 。キシュの『庭、灰』を入れたことだけでも絶賛に値する。ほかにも残雪やクッツェーなどの未訳作品が入るのも嬉しい。
19世紀以前の古典をばっさり切り捨て20世紀小説だけで、しかも未だ評価が固まってなかったり日本では有名でなかったりする作家たち(プルーストもジョイスもマルケスも外されている)で勝負する、というのは大胆な試みだが、誰かがやらねばならない冒険だろう。予価も2400〜3200円と、手が届かない価格ではないから、まだ読んでない作家はぜひこの全集を購入して読んでみようと思う。
○自費出版系の中央公論事業出版 という会社からストリンドベリ『恋の火遊び・令嬢ジュリー』が刊行されていたことを知ってびっくり。翻訳の出来はどうか分からないけど、値段も1050円と抑え目だし、特に『恋の火遊び』のほうは『ストリンドベリ名作集』にも収められてないから、買ってみてもいいかも。
○ムアコック『黒曜石の中の不死鳥』購入。
あと、ジュヴナイル小説なのでトップの注目書籍一覧には載せていないが、白水uブックスでぺナック『片目のオオカミ』が刊行されていた。来月には同じく『カモ少年と謎のペンフレンド』もuブックス版が刊行される由。――もはやジュヴナイルならぬ私としては、この二作品よりマロセーヌシリーズの『カービン銃の妖精』と『散文売りの少女』を読みたいんだけどね。続けてuブックス化されないかなあ。
――ハードカバー版を買って読めって?
2007/5/7:筒井康隆『巨船ベラス・レトラス』の感想をアップ 。
○しかし筒井さん、世間のイメージと違って、文学に対する思いは随分と真剣なんだなあ。俺なんか、アマ作家がクズ小説ばかり書いてようが、大衆読者がクズ小説ばかり有り難がってようがどうでもいい、なぜなら俺自身は本当に面白い小説をいくつも知ってるし、これからも出会うことができるだろうから。せいぜい、一部の幸福な読者とそれらの作品の面白さを分かち合えればいい――とか思ってるのにね。筒井さんの真摯な思いには頭が下がるよ。
そういや、作中に爆弾魔の書いた小説作品集がベストセラーになるというくだりがあったけど、本当に作者が有名なら売れるもんなのかね。たとえば最近では、サダム・フセインの小説が二冊翻訳出版されたりしているけど、売れているという話は聞かないなあ。――いや、私も買ってないけど。ブックオフにあれば買うかもね。
2007/5/6:現代の作家・書評ページでろくごまるにを紹介、『食前絶後!!』の感想をアップ 。
○調味魔導という設定の奇矯さはもとより、文章なんかも一般的な(というほど読んじゃいないが)ライトノベルとはちょっと違った雰囲気でおもしろい。こういうのがあるからこそ、ラノベ漁りをやる甲斐があるってもんだ。ともあれ、いくら古くても、こういう良質な作品を絶版にしちゃいかんな〜(古いって言っても、たかが13年前だし)。
筒井康隆『巨船ベラス・レトラス』も読了したので感想は近々。あとようやくフールマノフの本が着いたので明日から読み始める。さっさと読み切って本命のペレーヴィンに取り掛かりたい。
○気になる本メモ。
ウォートン『サラマンダー 無限の書』(早川書房)
真行寺のぞみ『血まみれ学園とショートケーキプリンセス』(電撃文庫)
もちろん、『ペンギンの島』と『波』もね。
2007/5/5:現代の作家・書評ページでブラウリオ・アレナスを紹介、『パースの城』の感想をアップ 。
○古書店に注文したフールマノフ『チャパーエフ』がなかなか到着しないので、積読でも消化しておこう。というわけで、またまたゴシックホラーなこの本を読了した。といっても、ゴシックなのは道具立てだけで、中身としては奇想のほうがメイン。
○名古屋の古書即売会に行ってエーヴェルス『魔法使いの弟子』を購入してきた。目録にオルランド『皇帝に捧げる乳歯』が挙がっていたので欲しかったのだが、私が行ったときにはもう売れてしまっていた。無念。やはり昨日のうちに行っておくべきだったか。
2007/5/2:現代の作家・書評ページで張系国を紹介、『星雲組曲』の感想をアップ 。
○老舎『猫城記』以来の中国SFの翻訳単行本である。となれば、SFファンなら当然買うべきだし、SFファンでなくとも、中国・台湾文学に興味があるなら手を出しておくべきだろう。いやもちろん、珍しいだけの本じゃない、ちゃんと中身もある。「新しい台湾の文学」シリーズは置いてある店も少ないだろうが、探すなりネット書店を使うなりして入手すること。それだけの価値があることは私が保証しよう。
2007/5/1:現代の作家・書評ページで尾関修一を紹介、『麗しのシャーロットに捧ぐ』の感想をアップ 。
○というわけで『百歳の人』に続いてまたもゴシックホラー。書籍の形態から言えば硬軟両極端な感じではあるけど(実はイラストの枚数は『百歳の人』のほうが多い。まあ、どちらの絵師さんもいい仕事をしていることには違いはないけど)、『百歳の人』は「不死身の放浪者」、『麗しのシャーロットに捧ぐ』は「死者の復活」が(とりあえず)話の中心になっているあたり、内容的にはそうかけ離れたものでもないかな。スケールと描写の濃さでは『百歳の人』、構成の点では『麗しのシャーロットに捧ぐ』に軍配。
『麗しのシャーロットに捧ぐ』には、「ヴァーテックテイルズ」というシリーズ名(まだ『シャーロット』一冊しか刊行されてないけど)がついているが、これはベックフォード『ヴァテック』からとられているとか。なかなか渋いセンスをしておられますな。
『ヴァテック』というのは18世紀のゴシックホラー小説。ベックフォードはイギリス人だが、この小説はフランス語で書かれている。『百歳の人』の訳者でもある私市保彦氏による翻訳が国書刊行会より刊行されている――なにか妙な縁を感じるね。「日本の古本屋」を見るとなかなかいいお値段がついているが、もし廉価で入手する機会があれば読んでみたいところ。そこのあなたも、暇があれば三冊とも読んでみて損は無いと思う。
張系国『星雲組曲』は三分の二くらい読んだ。明日には感想をアップできるはず。これもおもしろいよ。
2007/4/30:バルザック『百歳の人』の感想をアップ 。
○楽しい読み物だ、が、バルザックの本領はまだ発揮されていないか。「人間喜劇」シリーズの作品群はこんなもんじゃなかった。正直なところ、これを買うよりは藤原書店の人間喜劇セレクションをどれか一冊買ったほうが良かったかも、と思わないでもない。いや、世間の平均的な小説に比べれば断然面白いですよ? でも、全盛期のバルザックはこの三倍は凄い。
次は張系国。
○アナトール・フランスに『ペンギンの島』という作品あることを知る。詳しくは半透明記録 さんとこや坤・夢天別館 さんとこのレビューを参照していただきたい(ご両所、無断リンクご容赦!)。宣教師と天界によってペンギンが文明を持つことになる、というと『山椒魚戦争』みたいな話だろうか。めちゃくちゃ気になるなー。
2007/4/29:現代の作家・書評ページでミシェル・ジュリを紹介、『不安定な時間』の感想をアップ 。
○面白いけど、乗っていけなかった部分もあり。やはり眠くて頭が回らないときに幻想小説系のものなど読むものではないなあ。
で、ネット書評などを見ると同じ作家の『熱い太陽、深海魚』はさらに評価が高いようだ。いつかは手にしてみたいもの。
それにしても、サンリオの撤退以降フランスSFの紹介がずっと止まってしまっているのは、日本翻訳界の大きな怠慢だろう(『不安定な時間』の巻末解説を見ると、相当多数のSF作品が出版されているらしいし、そのクオリティも、『不安定な時間』の出来を見れば、保証されているように思えるのに)。こんなことだから、丸谷・鹿島・三浦『文学全集を立ちあげる』でも、丸谷だか三浦だかが「フランスにはSFってないでしょう」(うろ覚え)なんて寝ぼけた発言をしてしまうのだ(仏文の鹿島もそれに突っ込みを入れていなかったはず)。
――もっとも、エライ批評家センセイ方は、SFなんぞろくろく読んでいないらしいことは、『文学全集を立ちあげる』を見ると明らかなんだけどね。全集のうちにSFの巻を作ることをさも斬新な試みのように吹聴するのはまあいいとしても、そこに入れるという作家作品のチョイスがあまりといえばあまりに素人臭くて、呆れた覚えがある。名大SF研に編集させたほうがもっとずっと面白い作品を選び出してくるだろう。いや、俺でも、もうちょっとまともなチョイスができる。
おっといかん。つい『文学全集を立ちあげる』の悪口になってしまった。いや、あの本、作品選出の基準はいいのに結果が今いちで、気に入らないところが多々あるんで、機会があるとつい文句をつけてしまう。まあ、暇があったら雑文コーナーでバッシングしよう。生意気なことを言うけど、俺は三先生より大胆で斬新なラインナップを組める自信があるよ。翻訳文学に関してなら。
○張系国『星雲組曲』とバルザック『アネットと罪人』を購入。あと、ブックオフでソルジェニーツィン『収容所群島』全6巻、ろくごまるに『食前絶後!!』、秋田禎信『閉鎖のシステム』、長谷敏司『円環少女』2・3巻、ジュースキント『香水』、シュニッツラー『夢奇譚』、とこう、読むアテもないのにどっさり購入。『収容所群島』なんかも、6巻揃いで各巻105円だったからとりあえず買ってみたけど、さて読む気があるのかと問われると……微妙。
5月は古書店には行かず、新刊書店での購入も控えめにしよう……最近、お金もちょっと使いすぎだから。5月新刊で買おうと思ってるのは……エムシュウィラー、(ダレル)、(カーヴァー)、ムアコック、マーティン、ワイルダー、(イシグロ)、ウィリアムスン、ウォーターズ、(ディック)、(オーウェン)、と、あとは中村九郎(カッコつきは購入未定のもの)。やっぱり結構多いか。
2007/4/28:20世紀の作家・書評ページでライナー・ヴェルナー・ファスビンダーを紹介、『ゴミ、都市そして死』の感想をアップ 。
○ミシェル・ジュリ『不安定な時間』もすでに読了しているので、明日あたり感想をアップする予定。今日のこれは、論創社の例の「ドイツ現代戯曲選」全30巻のうちの第25巻。人物表の「マリー=アントワネット」と、最初の場面が月面上を舞台にしているのを見て即購入決定した。ドイツの現代文学はこれまでまったく読んでこなかったので、今後ゆるゆる渉猟していきたい。戯曲ならさくっと読めるしね。
○マーティン『王狼たちの戦旗』の第2巻も読了。この巻の見所はやはり、美人の女騎士が二人登場するところだろう。一人はレンリー・バラシオンの近衛騎士になるブリエンヌ。そしてもう一人は、この巻で一番インパクトがある人物といってもいいアシャ・グレイジョイ。こんなすごい娘がいれば、長いことよそへ人質に行っていた息子なんざどうでもよくなるだろう。というわけで、バロン・グレイジョイのシオンに対する扱いの悪さに大いに納得がいったのであった。気の毒なシオン。
物語自体は、次巻へ向けての準備みたいな印象がある。第3巻はきっと盛り上がるだろう。てか、ブリエンヌとアシャが盛り上げてくれるに違いない。
○下の日記で「バルザック幻想・怪奇小説選集」について、一年に何冊出ることか、と不安をもらしたわけだが、なんとビックリ、早くも第二巻『アネットと罪人』が刊行されたらしい。本棚の中の骸骨 さんところによると、その内容は、「信仰篤い娘アネットは謎の大富豪デュランタル侯爵に誘拐され、城館に幽閉されるが、やがて男の異様な魅力にひきつけられていく。バルザックの初期暗黒小説の傑作」。
――それなんてエロゲ? しかも監禁調教系とは、バルザック先生も業が深い……。
○論創社の「ドイツ現代戯曲選」のうち、ファスビンダー『ゴミ、都市そして死』のほか、第4巻リヒター『エレクトロニック・シティ』、第6巻ブラッシュ『女たち。戦争。悦楽の劇』、第18巻シンメルプフェニヒ『前と後』と3冊を買ってみた。こういう売れそうも無いシリーズは私みたいな珍品好きの本読みが買って支えてあげないと、と変な義務感があったりする。まあ、他人の読まないものを読んで傑作を探すのが楽しみだからでもあるのだが。
このシリーズ、一巻から並べるとカバーの色が黄→赤へ綺麗なグラデーションになるのだけれど、4・6・18・25という並びでは唐突に黄からオレンジへ、真紅へと変化してしまう。はっ、これは俺にシリーズ全巻を揃えさせようとする論創社の計略か! ――しかし無い袖は振れない。ベルンハルト、イェリネク、ミュラーなどの大物作家のものはいつか買うつもりだし、ほかにも気になる本はあるものの、全巻そろえるなんてとても無理だよなあ。
あと、筒井康隆『巨船ベラス・レトラス』も購入したです。
2007/4/24:バルザック『暗黒事件』の感想をアップ 。
○というわけで2chのバルザックスレなんかでも『ゴリオ』『ベット』『ラブイユーズ』などと並んで人気のこの作品を読了。さすがバルザック。やっぱり傑作。ローランス萌え。
やはりバルザックは19世紀で最も偉大な作家であるなあ、と思い、結局『百歳の人』も買うことにした。『ウジェニー・グランデ』『従兄ポンス』『絶対の探求』と合わせて四冊積読中。順々に片付けていこう。
次はミシェル・ジュリ。
○さて『百歳の人』購入したわけだが、その帯によると、「バルザック幻想・怪奇小説選集」のラインナップは次のようになっている。
1:『百歳の人』
2:『アネットと罪人』
3:『呪われた子』
4:『ユルシュール・ミルエ』
5:『動物寓話集』
なかなかおどろおどろしいタイトルが並んでいるが、内容など詳しいことはわからない。揃ってからでは手を出しにくいから、刊行されるたびに買っていこうと思う、が――これ、一年に何冊出ることかね……。
○バルザック『百歳の人』のほか、ハーディ『日陰者ジュード』上下、マーティン『王狼たちの戦旗 2』を購入。
張系国『星雲組曲』は出ていたら買おうと思っていたが、まだ入荷していなかった。国書刊行会のウェブサイトやBK1ではすでに取り扱いが始まっているから、もうじき一般書店でも買えるようになるだろう。
○エリツィン死去のニュースにショックを受けた。
私が物心ついてから亡くなった世界の首脳というと、小渕恵三やレーガンやアラファトなどがいるわけだけど、エリツィンは彼らとは比較にならないくらいメディアに登場する機会が多くて、私にとっては小学生のころから見慣れていた政治家だ。また歴史的にもおそらくは上に挙げた三人より重要な人物だろう、なにせソビエト連邦に終止符を打った男なのだから。そういう彼が亡くなったと聞いたら、20世紀がまたひとつ失われた感じがして、けっこう寂しくなった。
――というようなことをオカンに言ったら、「自分が歳を取ったのを自覚して悲しくなっただけだろ」と言われてしまった。そのとおりだな。
たとえばバイト先の塾で教えている中学生とは、エリツィンの死に対するショックを共有できないだろう。彼らにはエリツィンに関する記憶はほとんどないだろうから。そのことを考えると、自分ではまだ若い、というより半ば子供のつもりでも、やはり生まれてから少なからぬ年月を過ごしてしまったことを自覚させられる。――歳というものは、こうやってとっていくものなのかね。
合掌――してすますには、ちょっと寂しさが大きすぎるなあ。
2007/4/22:15世紀以前の作家・書評ページでショタ・ルスタヴェリを紹介、『虎皮の騎士』の感想をアップ 。
○まあこんなもんか。やっぱりアリオストは偉大だったんだなあ、というのが私の得た結論なわけだが。
それとホフマン『蚤の親方』も読み終わった。でも、ちょっと集中して読めなかったので、感想は再読した折に。好きな作家のものについては、あんまり軽率なことを書きたくないからね。一応、これからこの作品を読む人のために言っておくと、ホフマン自身が関わった政治事件と密接な関係のある風刺メルヒェンだから、解説を先に読んでから本文にとりかかることを勧める。
次は久々のバルザック『暗黒事件』かな。
○あおい書店にて尾関修一『麗しのシャーロットに捧ぐ』、ブックオフにてバオ・ニン『戦争の悲しみ』、ベイカー『中二階』、猫又文庫(なんかますます凄いことになってる)にてヴォネガット『猫のゆりかご』、ジュリ『不安定な時間』を購入。
『麗しのシャーロットに捧ぐ』は各所で評判が高いようだったし、ちょっとホラーが読みたい気分だったので。決してカバーイラストのメイドさんに萌えたからってだけじゃないぞ。『戦争の悲しみ』はこれ以上ないくらいつまらなそうなタイトルだけど、アジアン文化 さんところで高く評価されているので。『不安定な時間』は珍しいフランスSF。カバーデザインが秀逸。この作家のもうひとつの邦訳作品『熱い太陽、深海魚』はとても手がでない古書店価格なので、とりあえずこっちを(それでも2500円したけどな)。
それとネットでフールマノフ『チャパーエフ』、ついでにオストロフスキー『鋼鉄はいかに鍛えられたか』、ファジェーエフ『壊滅』を注文。とりあえず、ソ連文学の革命小説の代表作はこの三つということでいいのかな。
2007/4/18:更新はありません。
○ホフマン『蚤の親方』を読書中。マグラア『スパイダー』とモンテスキュー『ペルシア人の手紙』を読みかけたりもしたのだけれど、なんだか乗っていけないので中断。
○百萬文庫にてバルザック『暗黒事件』『純愛(ウージェニー・グランデ)』、グラス『ブリキの太鼓 第二部』、山中書店にてシェイクスピア『じゃじゃ馬ならし』『ヴェローナの二紳士』『間違いの喜劇』、大江健三郎『万延元年のフットボール』、ブックオフにてグラス『ブリキの太鼓 第三部』、ネットでペトロ・マルコ『最後の町』上下を購入。
――フールマノフを探していたはずなのに、なんで関係ない本がこんなに増えてるんだ?
『蚤の親方』を読み終わるまでに『チャパーエフ』が見つからなかったら、諦めて『チャパーエフと空虚』を読み始めようかしらん。
○ウィリアム・ブレイズ『書物の敵』というエッセイがあって、そこには火、水、埃、紙魚などと並んで家族による被害が挙げてあるわけですが(召使も含む。そりゃ、ま、うちにはいねーけどな)。
――今日はそれを実感したね。オカンがシュペルヴィエル『海に住む少女』を鼠取り機のネバネバにぶちこみやがったです(涙)。
しかも、そうと知らない俺がこの本を別の本に重ねて積んでしまったものだから、浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る』までも犠牲に(涙涙)。
不幸中の幸いとして、別に貴重な本じゃないからすぐに買い換えられるというのはあるけど、しかしやはり悲しい(これが『イースターワインに到着』とかだったら……考えたくもねえや)。親の手の届くところには貴重な本を置かないようにしよう……。
2007/4/15:現代の作家・書評ページでトーマス・オーウェンを紹介、『黒い玉』の感想をアップ 。
○ペレーヴィン『チャパーエフと空虚』からフールマノフ『チャパーエフ物語』へ辿り、フールマノフから「世界革命文学選」へリンクを辿ったら、なんだか「世界革命文学選」への興味が沸々と湧いてきたぞ。なんと言っても作家の選び方が興味深い。有名どころではアストゥリアスがいるし、ペトロ・マルコ(アルバニア)、ホセ・ソレル・プイグ(キューバ)、ナジム・ヒクメット(トルコ)とか、60年代に出版されたこのシリーズに、日本やロシアもとい旧ソ連以外のマイナーな国の作家も入っていることはかなり注目に値すると思う。
今さら革命文学など読む人もいないらしく、古書店価格もわりと抑え目だし、ちょっと赤くなってみるのも悪くないかもしれない。オマエはもとから左翼だったろ、と言われたら、認めないでもないけど。
さて、どうしたもんか。すぐ『チャパーエフと空虚』を読むつもりだったけど、やはりこの本、フールマノフ『チャパーエフ』とも関係があるものらしい。訳者解説によれば『チャパーエフ』を読まなくても『チャパーエフと空虚』を問題なく楽しめるらしいけど。――『チャパーエフ』、けっこう分量があるんだよな〜。どうしたもんかね〜。
2007/4/14:古橋秀之『冬の巨人』の感想をアップ 。
○充分おもしろかったけど、期待が大きいぶん、感想にも苦言が多くなってしまう。「黒古橋カムバック!」と叫びたい気分だ。いずれにせよ次作品は楽しみにしている。
オーウェン『黒い玉』も読了。来月、創元推理文庫で続編『青い蛇』が出るので、その前に積読を解消しておこうと思って読んだわけだ。感想は明日アップする。
現在はグラック『森のバルコニー』を読んでいるが、いまいち乗れない。こないだの『砂の都』もそうだったけど、静謐な描写、静謐な作品を楽しむことができない気分なのかもしれない。いちおう最後まで読むべきか、ここで一時中断してもっと楽しめる気分になるまで待つべきか、どうしたものかと迷っている。好きな作家の小説だし、大切に読みたいので。
○群像社、ペレーヴィン『チャパーエフと空虚』を刊行 。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
というわけで早速買ってきた。近々読む予定。ここを見ている君も必ず買うように。
いやはや、好きな作家の作品が予告なく唐突に翻訳出版されることほど嬉しいことはないな〜。しかしこれでバルザック『百歳の人』のほうは買いにくくなった。
チャパーエフってどこかで聞いたな、と思っていたら、岩波文庫で出ていたソ連の革命小説にフールマノフ『チャパーエフ物語』ってのがあった(新日本出版社の「世界革命文学選」という選集にも入っている。どちらも絶版だが、新日本出版社版のほうが入手しやすそうだ)。関連があるのか、たまたま同じ名前なのかはわからないけど。
○5月の文庫発売一覧 。
創元でサラ・ウォーターズの新作が出るな。『荊の城』は売れたはずなのに続刊が出なくて、どうなってんだと思ってたところ。これは買おう。あとは『エデンの黒い牙』も気になるし、オーウェンとかディックの名前もある。早川は「エレコーゼ」の刊行開始となる『黒曜石の中の不死鳥』と、『王狼たちの戦旗』の続刊のほか、演劇文庫のソーントン・ワイルダー『わが町』、epi文庫のカズオ・イシグロ『充たされざる者』が注目か。
早川と創元が健闘しているほかは、海外文学は見るべきものがないような。せいぜい中公文庫のダレル『黒い本』と、光文社古典新訳文庫のドストエフスキー『地下室の手記』、あとは小学館が新たに刊行を始めるライトノベルレーベルにタニス・リーが入ってるくらい。
○買った本。上で書いたとおり、ペレーヴィン『チャパーエフと空虚』。それからブッツァーティ『神を見た犬』とムアコック『ブラス伯爵』。加えて、ネット古書店でねんがんのルスタヴェリを手に入れたぞ。大きすぎて電車の中では読めない本だが、家にいるときにちょっとずつ読み進めよう。
2007/4/11:金庸『連城訣』の感想をアップ 。
○いや〜暗い小説だったな〜。モルセールかダングラールみたいな奴しか出てこない岩窟王、って感じだ。主人公が最後までモンテ・クリスト伯にならずにダンテスのままだから、余計ひどいことになってる。うむ、期待通りに面白い。
金庸のあとがきはいつもに増して面白いけど、そのあとについている解説はちょっとどうだろう。これはこれで楽しいものだけど、金庸のどシリアスな文章のあとに置くにはあんまり軽すぎやしないか。
○古橋秀之『冬の巨人』も読了。これは近々感想をアップする予定。
川上稔『終わりのクロニクル 1』上下巻も読了。舞台設定とか、筋運びの中で過去の因果を回収していくやり方とか、見るべきものは結構あると思う。古本屋で見つかれば続巻も読むかな。
○ホフマン全集の1巻、2巻、9巻を購入。
バルザック怪奇・幻想小説選集『百歳の人』、生協で見てきた。わりとストレートなゴシックホラーらしい。買うべきかな。でも『従兄ポンス』や『絶対の探求』が積みっぱなしなんだよなあ。
なんか久々に曲亭馬琴を読みたい気分になってきた。『嶋物語』とか『怪鼠伝』とかのマイナーな小説を。でもこのへん、大正時代とかに出た本しかないんだよねえ。戦前に出た本って、どんな状態になってるんだろうか。どうしたもんかな。
○ハードな院生生活が始まったです……。
2007/4/8:20世紀の作家・書評ページでマルセル・ブリヨンを紹介、『砂の都』の感想をアップ 。掲示板を変更。
○前のアレナスとかグゴーとかに比べるとずっと地味。しかしそれもまた味わいってもんだ。地味といっても内容が薄いわけじゃないしね。
○変える変えると言っていた掲示板、ようやく変えた。これで鬱陶しいスパムともおさらばできる、かな。できなければさらにスパム対策を加えるしかないわけだけど。
場合によっちゃ、掲示板は取っ払って、この日記をブログに移行し、コメント機能を使ってもらうという手もあるな〜。ブログ移行はずっと考えていたんだけど、でもブログを始めると今度はHTMLの更新が面倒になってしまいそうな気もするし、どうしたもんかね。
○地元の本屋へ行ったら早川・創元文庫のコーナーが思い切り縮小されていてショックを受ける。それでなくても海外文学は冷遇されているというのに。
常々よくないなあと思ってるんだよね、地方の書店が小さすぎることって。優れた本が出ていても、そもそも店に置いてすらもらえず、多くの読者に知られることなく消えていく。あるいは、地方在住の小学高学年や中学生が、ちょっと背伸びして難解な本(文学に限らず、科学とか数学とかほか何でも)を手に取ろうとしても、本屋に売ってない、そこで彼/彼女は探求を断念してしまう――これはまずいんじゃないかなあ。実際、そういう子は存外少なくないと思う。昔の私もそうだったし。
内心、地方書店は全部潰れてしまって、みなが大きな書店(岐阜の自由書房とか、名古屋の三省堂、丸善、ジュンク堂、マナハウスとか)に行かざるをえない環境になったほうが、本のためにも読者のためにもむしろ良いような気すらする。地元の書店の販売点数は、それくらいに少なすぎる。
――その点、地元の図書館は、かなりマイナーな本を置いていて、地方図書館にしては非常に立派だと感心してたんだけどさ。これまた文学のコーナーを縮小してて、文学全集の類が軒並み閉架書庫にぶちこまれてしまってた。これもショックだ。いや、頼めば出してもらえるわけだけど、利用者の目に付くところに置いておいてもらいたいものだよなあ。バイト先の塾なんかで、古典の勉強法を聞いてくる塾生には、「新潮の日本古典文学全集でも使って現物原文を読むといいよ、市立図書館にあるから」と勧めてるんだけど、これでは彼らが探しにくいじゃないか。
2007/4/6:アレナス『夜明け前のセレスティーノ』の感想をアップ 。
○再確認。アレナスは天才だ。
制作年代が1965年(『百年の孤独』67年以前だ!)というのも、作者がまだ22歳だったというのも凄い。もちろんそういう周辺の事情を抜きにしても、この小説自体途方もない。国書刊行会には是非とも「苦悩の五部作」の残りの四作品も翻訳出版して欲しいところ。
――ここからは恥ずかしい話だけど。同い年の作家による天才的な作品を読むと、自分の才能との差を痛感させられて、ちょっとつらいところもあるな〜。大学に入った頃は作家になりたいなんて平気で言えたけど、こういう天才的な作品を四年間読みつづけたことは、一種、絶望するための行動でもあったかな、と思ったりする。
○中村九郎『アリフレロ』も読了。ライトノベル書評系のサイト各所で奇書と評されていたから興味を持って買ってみたけど、うーむそれほど変でもないなあ。キャラの立て方とか、視点の扱い方とかは面白いし見るべきところがあると思うけれど、ビリヤードのルールに沿って人や人でない連中が殺されていき、殺人が繰り返されるにつれてその背後の計画が明らかになっていく、というストーリーはわりとまとも。ただ、説明不足を感じさせる個所は多かったような。総じて、言われているほど良くも悪くもない作品という印象。
ホントの奇書ってのはさあ、『ブランビラ王女』とか『巨匠とマルガリータ』とか『悪魔は死んだ』とか、あるいは今日の『夜明け前のセレスティーノ』とかのことを言うんだぜ?
○金庸『連城訣』上下巻、古橋秀之『冬の巨人』、出ていたのでさっそく購入。『冬の巨人』のカバーイラスト、ラノベにありがちな狙いすぎたイラストになってなくて、なかなかいい感じですな。
○バルザック『百歳の人』というのが水声社から出た由。本邦初訳だそうな。初期の幻想小説だそうで、BK1の紹介文を見るとけっこうライトな内容かと見えるけど、どうなんだろうか。「バルザック怪奇・幻想小説選集1」と銘打たれているので、おそらく今後、続刊が出るのだろう。期待。
2007/4/3:現代の作家・書評ページでアンリ・グゴーを紹介、『大脱出』の感想をアップ 。
○前情報なしのタイトル買い、というか、「グゴーって名前はなんかユゴーに似てるな〜」といういい加減な理由で買ったこの本、大当たり。ブラヴォー、俺様の勘。
お勧め。しかし入手は易しくなさそうだ。一応、「日本の古本屋」には何件が出品されてるけど。白水uブックスかなんかで復刊されるといいな〜。
この作家、あまり売れなかったのか、この『大脱出』以外の作品は翻訳されてないらしい。巻末解説で紹介されてる『火の発見者』とか読みたいんだが……『大脱出』が訳されてからもう25年も音沙汰なしとなると、望み薄かねえ。
○紀伊国屋書店の新宿本店に「じんぶんや」 というコーナーがあるそうな。詳しくはリンク先を見るとわかるが、要するにその月の選者になった学者や評論家が推薦する本を置いておくコーナーらしい。で、今月の選者は沼野充義センセイ。
ネット上でも推薦書目のリストが閲覧できる。よい読書案内になっているので是非見て欲しい。『百年の孤独』『ロリータ』『悪童日記』を除くほかはかなりマイナーな、しかし優れた作品が選ばれているので、きっと見知らぬ名作に出会えるはずだ。
私としては、ラファエル・コンフィアン『コーヒーの水』が気になった。今度書店で探してみようと思う。
2007/4/2:金庸『碧血剣』の感想をアップ 。
○金庸だから面白くないわけはない。が、金庸にしてはそれほど面白くない。これが正直な感想。初期作品だからかね。今なら『射G英雄伝』も文庫化されているから、金庸入門にはこっちを読んだほうがよかろうと思う。
しかし、この小説で李香君に出会えるとは予想外だった(いや、登場場面はなく、名前が挙げられるだけだけれども)。『桃花扇』を読んだ昔が懐かしい。それにしても、金庸を紹介するどのサイトもこのことに触れてないところを見ると、みんな『桃花扇』なんて読んでないのかね。面白いのに。
○『涼宮ハルヒの分裂』も読了。5巻以降、ちょっとマンネリの気配が漂い始めたところへ、かなり明確な敵対勢力を投入して読者の緊張を煽っている感じ。キョンの旧友・佐々木さんが女性 だってのはなんとなく予想がついたけど――セリフ回しが病院坂黒猫(西尾維新『きみとぼくの壊れた世界』の登場人物)の喋り方に似ていたし――、ここまで重要な役柄が振られるとは思ってなかった。続刊『涼宮ハルヒの驚愕』のカバーイラストは佐々木さんが務めるだろうと予想(対抗:順番通り朝比奈みくる、大穴:ここへきてキョン、ってところかね)。佐々木さんサイドでは、ほかに九曜の異様な存在感が際立ってる。それに対応して株を上げてるのが長門……ではなく喜緑さん。喫茶店シーンの活躍ぶりはえらく頼もしい。3巻で彼女が初登場したとき、これほどの存在になるとは誰が予想したろうか。
巻の後半から構成が急に複雑になっている。なるほど、ページ上部の余白が広いのはこれをやるためだったのね。そして「分裂」が解決しないまま、緊張が増したところで「次巻に続く」。
ともあれ面白かった。続刊『涼宮ハルヒの驚愕』は6月1日予定とか。楽しみに待とう。
○今月一番注目の新刊は、国書から出る張系国『星雲組曲』。3月中には結局出なかったベスター『ゴーレム100』はいつになるんだろう。今月こそ出れば嬉しいが。
次いで中公文庫のハーディと、光文社古典新訳文庫のブッツァーティが注目株。古橋ももちろん読みます。あとは続刊ものが中心かな。
○星野書店にてブリヨン『砂の都』購入。グゴー『大脱出』もちょっと読んでみたら当たりっぽいし、自分の勘を信じてみようというわけだ。
あとはブックオフでマンデリシュターム『石』、竹本健治『匣の中の失楽』、川上稔『終わりのクロニクル(1)』上下巻、浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る』購入。マンデリシュタームがブックオフにあったのは先日のアナトール・フランス以上の驚きだ。ライトノベルは手を出し始めるとキリがないなー。
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