『史記』関連の書籍を紹介するコーナーです。
書籍といっても、小説から専門書まで膨大な数があるのはご存じの通りです。
自分もそのごく一部しか知りませんが...
HPの趣旨にそって、まずは読みやすく入手しやすいものから順々に紹介していきたいと思います。
【『史記』訳本】
| タイトル | 著者 | 出版社 | 内容/書評 |
| 史記列伝(一〜五) 史記世家(上中下) |
小川 環樹 他 | 岩波文庫 | 「列伝」と「世家」の全訳が読める。訳書としては大変原作に忠実で、しかも小説感覚で読める。文庫なので値段も手頃で入手しやすい。ただ、原文はいっさい記載されていないので、原文との対比は不可。また、「扁鵲倉公列伝」・「亀策列伝」が省略されているのが残念である。本紀・書・表のシリーズ発売希望。 |
| 史記(全8冊) | 小竹文夫・小竹武夫 | ちくま学芸文庫 | 本邦初の史記の現代語訳。近年、文庫として復刊されました。注釈もなく、より直訳的なんですが、決して読みにくいものはなく、それどころか原文に忠実で虚飾のない訳になっています。 |
| 史記(上中下) | 近藤光男・頼惟勤等 | 平凡社 | 中国の古典シリーズ 何といっても豊富な図版と専門性にあると言えます。特に本紀・書・表のある上巻は、それぞれの専門家が分筆しているので、上の2つにはない発見ができるでしょう。併用して読むと更に味が出てきます。 |
| 史記 (1〜7、別巻1) |
守屋 洋 他 | 徳間書店 | これは上記3冊とは、少し毛色が違います。 史記を本紀・世家・列伝の形式ではなく、一つの歴史ストーリーとして時代ごとに巻分けされている。列伝を読むよりも時代の流れは把握しやすい。原文と対比する形で記述されている。ただし、残念ながら史記全巻の内容は網羅されていないので、史記を時代の流れに沿って読みたい人にお勧め。 |
【『史記』解説本】
| タイトル | 著者 | 出版社 | 内容/書評 |
| 史記を語る | 宮崎 市定 | 岩波文庫 | タイトルの通り、史記の訳ではなく「史記」そのものについて書かれている。「史記とはどんな書か?、史記の成り立ちは?」などを知りたい人にお勧めする。また、本紀・世家・表・列伝についても軽くふれている。この部分は、史記の訳本と併せて読むと、裏話っぽくてよい。 |
| 史記を探る | 吉本道雅 | 東方書店(東方選書) | 比較的一般向けに書かれているので、『史記』を書くに当たって司馬遷が当時のどういう資料を参考にしたのかを探るという内容になっています。『史記』の文は司馬遷の創作ではなく、司馬遷が『戦国策』や『楚漢春秋』などの既存の文献の文をつぎはぎして作った歴史書であるという立場に立っています。最近はこの考え方が主流になってます。 |
| 司馬遷 ―史記の世界 | 武田泰淳 | 『史記』をそれぞれの視点で分析した著述です。『史記』を司馬遷の発奮著書と位置付けた有名な著書なんですが、最近では司馬遷を激情史家と見るよりも、より現実的で厳格な史家と見る傾向が強くなってきています。 |
【兵法書関係】
| タイトル | 著者 | 出版社 | 内容/書評 |
| 孫子・呉子 | 村田 孚 | 徳間書店 | 中国の思想シリーズ10巻 孫子・呉子を中心に原文と訳を対比させる形で構成されている。孫子関係は多数出版されているが、ベーシックな部類に入る。 また、巻末に申し訳程度であるが、六韜・三略ほか武経七書を網羅している点も評価できる。 |
| 【実践】孫子の兵法 | 柘植 久慶 | 銀河出版 | 私のお気に入りの一冊。【実践】と銘打っているだけあって、中世〜近代戦争の実際の戦略を例にとって説明している。訳だけを読むよりも非常に理解しやすい。さすがグリーンベレーといった感じである。ただし、実践といってもビジネスに役立つとかいう類のものではないので注意。 |
| 孫ピン兵法 | 村田孚 | 徳間書店 | 70年代に山東省の銀雀山漢墓(前漢の武帝の頃のお墓)から出土したあの幻の「孫ピン兵法」の訳本。斉の田忌・孫ピンと、魏のホウ涓の「桂陵の戦い」(史記と内容が少し食い違う)の説話もあります。 |
【古代史関連】
| タイトル | 著者 | 出版社 | 内容/書評 |
| 左伝 | 松枝 茂夫 | 徳間書店 | 中国の思想シリーズ11巻 春秋左氏伝の原文を知りたい方におすすめ。対比する形で訳されているため原文の雰囲気が味わえる。 中国の思想シリーズはこの他にも『戦国策』など内容が充実していて、どれも秀作揃いである。お金がある人は揃えると史記だけでなく中国史が広く見えてくるよ。 |
| 始皇帝を掘る | 樋口隆康 | 学生社 | 近年の考古学的成果をふんだんに盛りこんだ本です。もちろん、始皇帝の兵馬俑や咸陽宮遺跡も登場します。図版が多く、楽しく読める一冊です。著者は、時々NHKなどに出てくる奈良県立橿原考古学研究所の所長です。 |
【小説】
| タイトル | 著者 | 出版社 | 内容/書評 |
| 項羽と劉邦 (上中下) |
司馬 遼太郎 | 新潮社 | 項羽と劉邦の定番といえばこれでしょう。今更紹介するまでもないほど有名。このホームページに来るような人は一度は読んだ(もしくは耳にした)ことがあるでしょう。 内容は小説だが、ストーリーのみならず当時の時代背景等を知る上でも一読の価値あり。人間関係もわかるので、秦始皇〜楚漢周りの列伝を読む前の入門としても最適。 私の主観で評価すればオススメNo.1だ! |
| 春秋戦国志 (上中下) |
安能 務 | 講談社文庫 | 春秋時代を元にした小説。これから史記を読もうとしている人、特に春秋時代に興味がある人は一度読んでみてください。読んでいて楽しいという点では「春秋左氏伝」よりオススメかも。ただし、歴史書(春秋左氏伝の訳とか)ではないので注意。 |
もっと紹介したい本はたくさんあるんで、少しずつ追加していきます。
むかし借りて読んだけど、タイトルすら覚えてない本とかもあったりするんですよね...
そこで↓
<<告知>>
史記関連の書籍はまだまだこんなもんじゃありません。
そこで、「この本いいよ。読んでみな!」というようなオススメがあれば、メールにてお知らせください。このコーナーに順次追加していきます。
できれば内容/書評(もちろんあなたの主観でかまいません)も書いてくれるとありがたいです。
★情報提供いただいた方々へ
誠にありがとうございました!この場を借りてお礼申し上げます。