
<熱帯林> 南太平洋のボルネオ島は熱帯性気候で四季の変化がない。以下はN.H.K.のランビル熱帯雨林についての報告紹介。ここでは数年に一度木々が次々に一斉開花する。どういうきっかけでそれが始まるのか明らかでないが、それまでとぼしい食料でひっそりと暮らしていた昆虫類には待望の時が始まる。ドリアンの花は鮮やかな赤の花弁をもつが何故か夜に開花する。夜間活動するオオミツバチは猛烈な勢いで飛び来り蜜を吸い花粉を運ぶ。花の蜜はドリアンの実の特有の臭さもなく非常に良い香りのおいしいジュースだ。ハリナシバチ、ミツスイなどが次々にやってくる。樹高70Mに達し林の代表的な樹木であるフタバガキにオレンジのソレヤの花が咲く。一斉開花は一斉結実につながり、市場にドリアンの実などが大量に出回る。たまたま集中豪雨が我が家を襲いパラボラアンテナを一時的に水浸しにしたために詳しい理由を聞きそこなったが、林の地表に落葉による腐植土が少なく栄養が足らないので数年に一度しか開花しないのだという。ハリナシバチはこの時期に忙しく働き繁殖し巣分けして次の開花までの食糧をためこむ。植物と動物の共生の一形態だ。
<苦痛> 血流障害による足の痛みは血液内科の処方による薬の服用にも関わらず日増しに強くなる。両脚の膝の上下の筋の硬直と痛みは一時ほどでないが、左足の甲の痛みは体重をかけると痙攣になるために遂に毎日の散歩を断念するに至った。指の根元あたりをもみしだいてやると痛みが散る感じがあるが、止めると直に元の状態に戻る。痛みが潜行していても就寝して暫くすると顕在化し周期的な痙攣を起こすために寝付けない。上半身は見かけの上で普段と変わりない健丈さで、下半身は日夜痛めつけられて先の見通しが立たないアンバランスさだ。血小板を減らす薬で血液の成分が修正されるより実際に生じている血栓が解消される方が遅れるとは思うが、その目途が立たないのが辛い。実際この痛みは他人には理解してもらいにくい。薬(白血病用)を途中で変更したが、服用開始後に症状が悪化したのがもう一つ納得できない。これはもう快癒しないのではないかという思いが時折心をよぎる。
<医療> 日常生活の中で傲慢にも自分はいざとなれば他人の世話にならずとも何とかやっていけるとフト思ってしまう。しかしよく考えてみると自分は30年前に原因不明の全身麻痺に侵され、治療のつもりのカイロプラクテイクで更にダメージを受け、再起不能と人にも言われ、次第に廃人になるところを20年前に東大病院で頚椎腫瘍を発見してもらい、これを切除してもらうことで四肢に後遺症は残ったが何とか救われた。更には15年前にそれまで何とかだましてきたヘルニアがリハビリで無理をしたためか突如牙を剥き4−5椎間板が脊髄神経を突き刺し、エビのように身体を曲げたまま完全に寝たきりになった。これも王子病院の切除手術で再度の社会復帰を果たすことができ、この間随分家内には負担をかけ続けだが、身体障害者というハンデイはあるにしろ国の福祉政策にも大いに助けられて何とか安楽に生き延びている。空調の整った現代住居や日用品が何でも揃うスーパーマーケットなどの恩恵と、永く世話になった会社で積み立てた年金で働かずに老後の生活を何とか送ることができる。ここへきてまた新たに足の血行障害という厄介を背負い夜も眠れぬ激烈な痛みにさいなまれているが、とりあえず処方された頓服をコマメに服用してこれを凌いでいる。自然治癒は無理と感じているがそれでも病院の医療技術で何とかしてもらえるだろうと期待している。これが原始社会だったらもうお手上げの悲惨な結末は明らかだ。厄介者は早々にこの世から退散してくれと周囲の皆が念じ、実際に切り捨てられるだろう。戦争だったらやはり似たようなものだ。文明と平和の恩恵に感謝し、どう展開するか定かではないが、この際また人と医療のお世話になる覚悟を決めた。

<子育て> 最近日本の出生率が著しく低下し、現実に若い女性の結婚・出産への意欲が衰えているという。個別に尋ねると今の社会で子どもをまともに育て上げることの困難さが多くの若い人の意識から離れないようだ。「致知7月号」に東京都の中学校教諭が「いま、普通の子が危ない」という一文を草している。文部省が強制を廃し自由・平等・安全を重んじて現場の教師は自信を持って教えることができなくなっているという。学習指導要領の改訂でこどもたちはじっと我慢して学び、多様な級友と交わり、自分でじっくり考え創造する習慣を失いつつあるという。その結果は(以前に私も取り上げたが)すぐキレる、学級崩壊につながるような教育現場が普通になりつつあると訴える。子育ては母親だけでなく父親もしっかりしなければいけない、充実した達成感を味合うために欠乏体験が必要、文部省と厚生省を解体して子育て省を作れなどいろいろ述べているが、文の結語であり私も同意見なのはいま子育てを国を挙げてバックアップできなければ日本民族は衰退するということだ。人はどうあるべきか、そのための教育はどうあるべきかという命題に確固とした哲学をもち、現場の教師をも導く総合的な施策を政治の最重要課題としてとりあげなければダメだ。私が入学した旧制中学には尊敬できる教師が大勢いて信念を持って教えていた。これが教育の原点だ。この分野で今の日本は大抵の開発途上国より劣るのではないか。会社の社長より小中学の教師を低く見るような職業の貴賎観を改めろ。教育を生産と同様なマニュアルで扱うなどとんでもない。
<自決> 著名な評論家であり、日本芸術院会員、前日本文芸家協会理事長 江藤 淳氏(66歳)が自宅浴場で左手首を切って自殺したことが報じられた。遺書があって「心身の不自由が進み、病苦耐えがたし。去る6月10日脳梗塞の発作に遭いし以来の自分は形骸に過ぎず、自ら処決して形骸を断ずる所以なり。乞う、諸君よ、これを諒とせられよ。」と。伝えるところによれば看病の末奥さんを昨年末癌で亡くされたとのこと。遺書は簡潔要を得て如何にも人間らしく、最期の処断に至るまでの葛藤はさぞやと思われるが、その手段とドジを踏まれなかった点にも強い感銘を受けた。合掌。
<花博覧会> 中国・雲南省・昆明で開かれた花博覧会と雲南省内の花街道を衛星放送が紹介した。日本より広い面積をもつ中国南端の雲南省は省内の高度差が6000m、熱帯から寒帯までの気候を包含し、中国全体3万種の半分1万5千種の植物があるという。また省都昆明は海抜1800m、年間を通じて温暖で平均気温15°C、人口370万人で花を愛する人が多いという訪問したい都市だ。博覧会には池泉回遊式の日本庭園、レンガ塀で囲まれた英国庭園、大温室(熱帯館、温帯館、高山植物館、福建省館、国際館)などがある。咲き乱れる花はそれぞれに鮮烈な印象を与えるが、歌声に合わせて葉が動く植物とか、高山に咲く青いケシの花など見飽きないものが多い。花街道として昆明―大理―麗江―中甸と高地に登って行く省内の数百kmのルートにタイ族、ナシ族、チベット族などの少数民族がそれぞれの環境に咲く花花を愛しているさまが紹介された。花は人の心を美しくし、人々の表情を和やかにすることを実感した。花に関わる人たちに幸せをもたらしてくれる。それにしても中国は大きい国だ。
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