合唱生活向上委員会
第8回 子連れ合唱生活実践編 4〜5ヶ月の巻 (02/6/13)
音取りは、公園で。
例年より早く咲いた桜の頃、娘は4ヶ月になりました。 いい季節になり、首もしっかりし、支えれば座ってもいられるので、 抱っこしたりベビーカーに乗せたりして連れて出やすくなります。 娘自身も周囲のものに対する関心が増えて外へ出ることを喜ぶように なりました。3ヶ月以前のようにわけがわからず泣くということも ほとんどなくなります。 なるべく早くから合唱生活に復帰するとすれば、季節さえよければ4ヶ月からというのは一番いい時期なのではないでしょうか。 1歳になったら、というのでは歩きはじめてしまって目が離せなくなりかえって大変、という意見が私の周囲では多いです。とはいえ、それぞれ家庭の事情も違い、手のかかり方も一人一人の赤ちゃんによってさまざまなわけですが。
どこへでも一緒に
しかし、娘は4ヶ月に入ると哺乳瓶を使うことができなくなりました。 もともとほとんど母乳のみで育っていたのですが、3ヶ月過ぎから湯上りに麦茶を飲ませようとするとむせてしまうようになりました。 10日に一度、私が歯医者へ行くときに預ける託児所の保母さんにも 「ミルクはほとんど飲みませんでしたよ」と言われるようになりました。 勢いよく飲んだ母乳を鼻から噴き出すことがあり、体重の増えも標準より ずっと少なかったので、もしかして喉の奥の口蓋裂でも見逃してきた のではないかと心配になって耳鼻科で大泣きさせながらファイバースコープを 突っ込んで診てもらったものの全く異常なし。 その代わり、母乳の飲み方は以前とは別人のように上手になりました。
母乳を上手に飲むことと哺乳瓶を使うことは両立しないことが多いようです。 口の使い方が微妙に違うようです。うちの娘もそうでした。人に預けてミルクを 飲ませればいい、というのが難しいこともあるわけです。おかげで4ヶ月を過ぎ ると娘はもう人に預けることはできなくなりました。 世の中には母乳を搾っておいて冷凍して、という技を使う人もいますが、私は あまり上手に搾れないのです。それに、搾って飲ませたとしてもやはり哺乳瓶を使うわけですから。
それに、5ヶ月になって離乳食が始まっても、最初から山のように食べるわけではありません。(食べる子もいるようですが) まだまだ母乳が主たる栄養、離乳食はほんのおやつのような ものです。おまけに今年は5月から汗ばむ日が多く、喉を潤すために 飲ませる水分も母乳ということになります。 「冬生まれの子は本来離乳食が一番進むはずの時期に夏を迎えるから 暑さで食欲があまり出なくて母乳を飲む時期が長くなるよ」と先輩から聞か され、いつでもどこでも周囲の目を気にすることなく授乳できる方法はないかと考えました。(いや、それまでも結構堂々とやってましたが^^;)
授乳服のススメ
探してみたら「授乳服」というものが存在することを知りました。 早速Baby-Zooという授乳服のネット通販サイトで注文。他にもいくつか あるのですが、ここのいいところは授乳口が横開きになっているところです。 縦開きのものは割と数があって市販されていることも多いのですが、 人前でもためらわず授乳するには外から見えないことと子供の顔が あまり隠れないことが両立していなければなりません。 しかし市販の授乳服はお値段も結構いいので、貧乏な私は何枚もまとめて買うわけにはいきません。 ネットオークションで入手した中古の横開きの授乳シャツから型紙を取り、 安い布を買ってきて自分で縫ってみる、なんてこともやってみました。 これは便利でした。すっかり手放せなくなりました。 おかげでさらにフットワークが軽く、時間も場所も気にせず外出できるように なりました。電車に乗って遠出することもできます。 譜面台を用意すれば、抱えて授乳しながら歌うこともできます。 Tシャツやタンクトップに縦の切り込みを入れて、その上にまた一枚 服を羽織り、授乳のときは上の服だけをめくり上げて授乳する、という工夫をしている人もいるようです。
自作の授乳Tシャツ。上に見えるのは娘の足です。(笑) 一見は「胸に切り替えのあるTシャツ」
授乳口はこんな感じ。上の身ごろがTシャツに、下の身ごろが開きの広いタンクトップのようになっていて、重なっているわけです。タンクトップの脇の開きから出して子供にくわえさせ、上の身ごろを子供の口元にかぶせれば外からは全く見えずに授乳できます。くわえさせる一瞬はどうするのかって? 後ろにくるりと振り向いてくわえさせたら、平然とした顔をしてまた振り返ればよろしいでしょう。^^;;
妊娠中の暇なときに自作するなら、胸まわりは大きめに作らないとだめです。かなり大きくなります。
ネット通販で購入したもの。ちょっとしわ寄ってますが。。
授乳口はゴム。ゴムウエストのスカートのウエストがバストのところにある、という感じ。
JR上野駅の「ベビー休憩室」は最高!
電車やバスなどで移動する場合は、なるべく「おばあちゃん」と呼ばれるような年配の女性のそばに座るのがおすすめです。自分が昔授乳していた頃のことを思い出すそうで、とても嬉しいようです。喜んで授乳のために席をゆずってくれたり荷物をどけてくれたりする人が多いです。「わたしは左の乳のほうがよく出たよ〜」などという話が聞けたりして、なかなか楽しい。授乳服を着て授乳していたら「あらー、今はこんな便利な服があるんだねぇ」と言われたことがあります。
JR上野駅を利用する機会のある方は中央改札の近くにある「ベビー休憩室」に一度行ってみてください。この授乳室は最高です! 授乳スペースは二重のカーテンになっている上、椅子の背もたれや肘掛がちゃんとレザーで覆われているので、抱いたとき子供の足が当たって痛そう、なんてことがありません。ミルクを作る人には50度のお湯が出る水道があります。(トリハロメタン除去らしい) 授乳室とトイレは普通離れていることが多いのですが、ここはトイレがちゃんと授乳室の中にあって幼児用の便座までついています。最近は授乳室のある建物が増えていますが、中にはお義理で設置したとしか考えられないようなものもあるのが現状。しかし、この上野駅の授乳室は細かいところまでよく考えられていて、ほんとに嬉しくなってしまいます。
出産後初めての本番
県連の合唱祭が産後初めての「本番」でした。 舞台袖まで抱いて行き、ステージに出る直前に知り合いの学生さんに預けて歌いました。 本番を終えると同じ県の合唱団の指揮者であるYさんから子連れで合唱を続けることを励まされました。「夜遅くまで連れ出すことにはまだ少しためらいがあります」と言った私に、「いいえ、赤ちゃんは決して”かわいそう”なんかではありませんよ。赤ちゃんが練習場でよく寝るように歌うことです」ときっぱり言われました。この日、ホールのロビーで娘は高校生に「かわいい、かわいい」と囲まれ、 遊んでもらってとても嬉しそうでした。あの高校生たちの中にも将来 子供を持っても合唱をやりたい、という子が出てきたらいいなあ、 と思いました。ささやかでも、そういうことが自由にできるという「風景」を作るのもいいことなんじゃないかな、などとちょっぴりいい気分で合唱祭の会場を後にしました。
笑顔でいたい
しかし、私が毎日幸せな気分だけで歌っているかといえばそうではありません。 娘は標準よりずっと身体が小さく、3ヶ月からは成長曲線のグラフの標準帯から落ちてしまいました。首のすわりも遅めだったため、保健婦さんの目は刺さるようでした。健康であることを証明してもらおうと安心するために かかったはずの小児科医には勘違いの心ない言葉を浴びせられました。 娘を信じているつもりでも、いつか娘がある日突然私の知り得ないような病気に なって私の前から消えてしまうのではないかと思うこともありました。 この世の中は生まれたての赤ん坊でさえ競争です。標準から外れれば 鍛えてください、練習させてください、どこか悪いところがあるのではないかと 疑われ、まるで試験のようです。 たとえ我が子が他の子に比べて遅れていたとしても、それは母親が一番よく 知っていることです。もう少しなんとかならないのでしょうか。
もし、合唱がなくて私が家にこもったまま育児をしていたらと考えると 恐ろしいことでした。私は娘と平和な生活がしたいのです。娘の前で笑顔でいたいのです。笑顔でいるためには、私には合唱が必要でした。 そんなときにYさんからいただいた言葉はとても嬉しく心に響いたのでした。 私が所属している合唱団の代表は3児のパパです。彼が一番上の娘さんをクーファンに入れて練習場へ連れてきたとき、私はまだ学校を卒業したばかりでした。その「風景」を見ていたことが今の私に繋がっているというわけです。