合唱生活向上委員会
第9回 子連れ合唱生活実践編 6〜8ヶ月の巻 (02/9/12)
正直言って、6〜8ヶ月という時期はわけがわからないままあっという間に過ぎてしまいました。娘が8ヶ月に入ってから、私の所属している合唱団は関東から北海道へ演奏旅行をしたのです。娘の6〜8ヶ月というのは、ちょうどその練習が大詰めになったときでした。この時期は週に3回ほど練習があり、そのうち2回は朝の10時から夜の9時まで、という状態が続きました。もちろん、まだ乳離れをしていませんから、演奏旅行にも一緒に連れて行きました。演奏旅行の直前にはレコーディングもあったため、8ヶ月に入ってからの半分以上は合唱に連れ回していたような気がします。
娘は何事にものんびりした子で、寝返りが完成したのは7ヶ月に入ってから。おすわりができるようになったのは8ヶ月に入ってからでした。 私は娘の初寝返りの瞬間を見事に見逃しました。朝から晩まで練習のある日の朝、早く家を出ないと遅刻してしまうぞ、ということで朝食をかっこんで食べている最中に、娘がなんだかフニフニ言っている声が聞こえました。見ると、茶の間に置いたベビー布団の上でうつ伏せになってまるでカエルのように潰れてもがいている娘の姿が・・・。保健婦さんやお医者さんにあれだけ「練習させてください」と言われていた寝返りですが、なんだかあっけない。手をついての初おすわりは練習場で(ベビーシッターをしてくれた知り合いの学生さんと二人で手を叩いて喜んでやりました)、手を放しての初おすわりは釧路の本番前の楽屋で成功させました。
生まれて半年を過ぎた赤ちゃんは、母親からもらって生まれてきた免疫が切れてきます。ほとんどの子が誕生日前にかかるという「突発性発疹」という病気がありますが、娘は7ヶ月末にかかりました。演奏旅行に出発する3週間ほど前のことでした。なんてラッキーな!と思いましたが、後から知ったことですが、この病気をした後の赤ちゃんは1ヶ月程は予防接種ができません。つまり、抵抗力が落ちているので、本当はあまりハードなことはしないほうがよいのだそうです。ちょっとかわいそうなことをしたかもしれません。
練習と離乳食
育児雑誌などを立ち読みすると、手のこんだかわいらしい離乳食の写真が載っています。育児雑誌を買わない私(結局物欲を掻き立てるだけのような気がしてしまうんですよ・・・)はああいうものを作ったことがなく、家では時間のあるときにゆでた野菜や魚、肉などをミキサーでガーッとひいて市販の小分けパックに入れたりラップに包んだりして数種類ずつストックしておき、食べさせるときはそれらを組み合わせて電子レンジでチンし、薄めた味噌汁やスープでのばしてぐちゃぐちゃにかき混ぜる、なんてことをしていました。練習のときには朝から晩まで練習場やホールに篭っているため、どうしてもベビーフードを使うことになります。ところが、娘は小柄なくせにかなりの大食漢で、ベビーフードを一瓶空けただけではぷすぷす文句を言います。おまけにベビーフードが2日以上続くと飽きてしまうのです。
そこで、ベビーフードにはない「パン粥」を練習場で簡単に作る方法を考えました。パン粉と粉ミルクにお湯を注いでふやかすだけです。なんと手抜きな!と叱られてしまいそうなメニューですが、これがよく食べる。ただし、市販のパン粉の原料には卵が入っていることがあるので、あまり早いうちやアレルギー傾向のある場合はやらないほうがいいと思います・・・。
ストローは7ヶ月のときに使えるようになったので、それからは水分補給がラクになりました。突発性発疹の前に使えるようになって本当によかったです。最初は幼児用の紙パックのジュースに細い曲るストローを差し、パックの腹を押してストローの先からジュースを口の中へ流し入れてやります。これを数日繰り返して「この棒の先っちょを吸うとおいしいものが出てくる」というのを学習させるわけです。5ヶ月のときにも実家の母にすすめられて試みたのですが、うまくいかなかったので間を置き、7ヶ月に入ってからやってみたらうまくいきました。それからはストローマグも使えるようになりました。
ベビーシッターを探す
レコーディングのときにホールの楽屋で子守りをしてくれる人を探していました。実家の母は弟夫婦に第2子が生まれたばかりだったので頼めず、義母はちょっと遠方なので、わざわざ来てもらうのは大変です。各自治体にある「シルバー人材センター」ではそういう職種もあるところにはあるそうで、事故などの際の保障もしっかりしていますし費用も安いのですが、私の住んでいる地元のシルバー人材センターには「そういう職種の人は今は登録していません」と言われてしまいました。それに、勤務時間が夜にかかってしまうことを考えると「シルバー」という世代の人にお願いするのはなかなか難しいものです。専門のベビーシッター派遣会社に頼めば安心なのでしょうが、費用がかなりかかります。そこで、ふと思いついて近所の大学の学生課に相談したところ、 アルバイトの求人を受けつけてくれました。 すると、その手続きからわずか4時間半後に名乗りをあげてきた学生さんがいました。しかも、看護科の学生さんでした。明るくてまじめな、よさそうなお嬢さんだったので即採用を決め、5日間にわたってお世話になりました。
ホールの近くに託児所はあるのですが、まるっきり朝から晩まで私から引き離して預けてしまうと、私が乳腺炎になってしまいます。北海道へ行く直前だったので、託児所に預けて慣れない環境にいて体調を崩されるのも怖かったのです。この学生さんは実習で小児科での経験もあったようですが、実際には乳児のベビーシッターは初めてだったそうです。面接をしたときにちょっと抱いてみてもらったのですが、そのときはかなりぎこちない手つきでした。が、一日で慣れてしまったようです。レコーディングは朝10時から夜9時まで。昼寝の最中には本を読んだり勉強をしたりしていてかまいませんよ、と言ってあったのですが、アルバイトとはいえなかなか大変なことだったと思います。
一応、このレコーディングでは壁を一枚隔てた隣の部屋でみていてもらうわけですから、何かあったとしてもすぐに手を出すことができるということで学生さんにお願いしました。事故の心配と いうのは確かにあると思います。 そういうトラブルを避けるためにベビーシッターのアルバイトを禁止している大学もあるようです。 しかし、こういうベビーシッターも大学の授業や実習の時数として換算されたり、事故が起こった場合もサポートのシステムが公にあったりたら、助かる母親がどれだけ多くなるかと思ったりしましたが、どうでしょう。
そして演奏旅行
実は、演奏旅行の話が団内で持ち上がったとき、他の団員が皆「ぜひ行こう」と言っていたそばで私は一人で反対していました。当時私は妊娠中でしたから「子供がいたら自分は行けない」という理由でした。自分が行けないのはつまらない。なんとも「自己チュー」な理由ではありましたが、それが本音でした。しかし今回の演奏旅行は団にとってとても有意義なことだというのはよくわかっていましたから、密かに「なんとかならないものかなぁ」と思ってはいました。
生まれてみると、やはりまだ歌いたい自分がそこにいました。関係合唱団の大先輩で5ヶ月の赤ちゃんを連れてアメリカへ演奏旅行に行った人がいたことを思い出しました。まあ、そういう武勇伝が全てとは思いませんが、国内なら私でもなんとかなるかも?と思い始め、練習に連れて行ってみると「よし、連れて行っちゃおう」に変わりました。それでも、今回の演奏旅行はただ歌うだけではなく演出付きのステージもあったため、演出稽古のときにはどうしても子供をみていてくれる人が必要です。最初は板つきのステージのみに出ることを考え、演出ステージはパスするつもりだったのですが、知り合いの学生さんがベビーシッターをしてくれることになりました。他のメンバーも嫌な顔一つせずサポートしてくれました。本当にありがたかったです。
北海道では現地の方々に大変お世話になりました。ベビーシッターの手配をしてくださった方、ただでさえお忙しいのに娘のおむつまで替えながら演奏会を全面的にバックアップしてくださった方、本当に数えればきりがないほどです。そして、旅先の街で偶然会った人達、演奏会を聴きに来てくださったお客さま。一生忘れることができません。確かに子連れで飛行機に乗って知らない土地で歌ってくるのは大変でなかったといえば嘘になりますが、それ以上に子連れ演奏旅行ならではのいいことがたくさんありました。この演奏旅行についてはまたページを改めて書くことにいたします。