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chabe氏よりいただきました。
本の感想(ライトノベル中心)のサイト
ウィングス文庫読破率 127/127冊 COMPLETE!
| 11月7日(土) |
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【今日読んだ本】 ◆ クロノ×セクス×コンプレックス1 (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 平凡な時計屋の息子・三村朔太郎は、高校の入学式当日、奇妙な路地から見知らぬ学校に迷い込む。そこは時間の魔法を学ぶ学校で、おまけに自分がミムラという名の女子になっていて!? そのまま入学を余儀なくされたミムラは魔法の授業や自分自身、周囲の女子たちに戸惑ったりドキドキしたりの日々に突入する。 さらに女子寮を統べるホーライ会の選挙で候補者に擁立され、男っぽい性格を武器に”女子寮の王子”として名家出身のオリンピアと争うことになるのだが、それが思わぬ展開に──!? 男女入れ替わり×魔法学校×タイムリープ・ストーリー! 今月の電撃新刊、壁井さんの新シリーズ。 これは傑作の予感がします。 普通の現代高校生な男の子が、ある日突然女の子と入れ替わった上に異世界に入り込んで、時間魔法学校に通うことになるお話。TSに、時間物に、女子寮物に、と好きな要素が詰め込まれすぎていて冷静な評価ができないんですが、いやでも凄く面白いと思いますこれ。見知らぬ体で異世界にきてしまったことへの不安や、女として女の子の中で暮らすことに対する思春期的なドキドキ、そういった気持ちがうまく表現されていて、あとがきにあるようにとても「ドキドキワクワク」する話になってます。時間物の要素がストーリーに本格的に絡んでからはさらにワクワクが増して、先見たさで一気読みでした。 男から見た女の世界の怖さを描いたりといった、壁井さんらしい一面も面白かったですし、はじめにばらまかれた謎はさらに増すばかりで、この先もっともっと面白くなるだろうという期待で一杯です。今一番続きが待ち遠しい物語になりました。 以下ネタバレ混じりになるので反転。 司書の言葉から素直に考えると、司書=未来の朔太郎、な可能性は高いのかな(並行世界が本当にないなら)。彼が何を変えようとしてあのような姿になったのか、小町についての発言は何を意味するのか。小町が出てくるってことは、現代サイドも物語に大きく関わってくるってことで、つまりはまだ序章ってことで。あーもう、この先どうなるか楽しみで楽しみでたまりません! 身体的な制約や世界の制約のおかげで、恋愛的にもかなり面白いことになってます。オリンピアの平常時と素直になったときのギャップはなかなかにかわいかったですが、このままくっつくには障害が多すぎで、どうなるかドキドキ。どこかでミムラ一人だけタイムリープする展開あたりは待ってそう。正ヒロインはやっぱり小町なのかなと思いつつ、オリンピアも応援したいです。 そういや、入れ替わり物のお約束として入れ替わった相手と恋に落ちる展開も……今の流れからはさすがに想像つかないですね。もしあったらとても面白いんですが、ひとまずは本家ミムラとの再邂逅待ち。 男とくっつくことはないんでしょうが、続きではミムラに恋する男子生徒が現れたりするのかもしれません。とても見たいので現れてください。 とりあえず、2巻もはやく出ますように。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ 神々の夢は迷宮 (西東 行/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 少年ワツレンは、海の上で生涯を送るという海人の一族に育った。左半身にほどこされた銀色の美しい刺青が、その証。だが、大嵐に襲われ両親と仲間たちを失ったワツレンは、海軍将校のルーザ=ルーザに命を助けられ、王都の迷宮管理庁で暮らすことになる。王国の至宝を守るために造られた迷宮の謎は、誰にも解けないはずだったが、ワツレンは……!? 迷宮ファンタジーに新たな傑作登場! デビュー作「鳥は星形の庭におりる」で素敵な女の子を描いた西東さんの2作目は、1作目と世界を同じくしたファンタジー。 世界観や数学の使われ方が前作以上に面白かったです。神々も入りこめないようにするために魔方陣や数などを生かした数魔術を使って迷宮の謎や仕掛けを構成していたり、そのために数魔術を研究している人がいたりするのが、いい設定だなあと思います。主人公が好奇心旺盛に興味を持つので、数魔術がとても面白そうに映りました。魔方陣で永遠に回帰する円環とかかっこいいですよね! 神々の去った世界にところどころ神の跡が残っているあたり、世界の謎も気になるところです。海人以外にも謎を持っている人はいそう。イレギュラーな詩人が鍵を握っているのかな、詩人何人くらいいるんだろう。 また、海人の少年ワツレンを主役にした物語もなかなか。天涯孤独になっても真っ直ぐなワツレンの明るさに始終引っ張られっぱなしでした。エトがワツレンに救われていく様子が気持ちよかったです。 ただ、前作のプルーデンスのような女の子がいなかったのは残念。ユーフラテスも素敵な女性ですが、プルーデンスの気高さと比べるとさすがにかなり見劣りします。ちなみに、ユーフラテスとのロマンスの兆しでもないかなと一瞬期待したりしました。無理がありました。 謎の広がり方を見るに、このまま同じ世界観のシリーズが続いていきそうなのは嬉しい限り。でも、どんどん少女小説から離れていきそうなのがちょっと不安です(続きが出るか的な意味で)。あとがきの数学者の逸話紹介とか、面白いんだけどあれこれホワイトハートだよね? となります。この2巻が出たんだから、多分大丈夫だとは思うんですが。 評価 ☆☆☆★(7) |
| 11月5日(木) |
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ミス指摘ありがとうございます、最近また増え気味なので気をつけます。 【今日読んだ本】 ◆ 鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者 (響野 夏菜/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 エルレインの暮らす離宮に、妖艶な美女がやってきた。彼女を見た婚約者のアレクセルは身を隠し、教育係のゼルイークは不機嫌に。彼女はゼルイークの姉で、はた迷惑な悪癖の持ち主というが!? 響野さんのおくる魔法毒舌ファンタジー「鳥籠の王女と教育係」、新章突入の第4巻。 うわ、凄く面白い。タイトルからして番外的な話なのかと思ってたら、盛り上がった前巻よりもさらに面白かったです。普通なら前巻の流れで一気にゼルイークの方に気持ちが傾いていきそうなのに、アレクセルを好きになりかけている気持ちは残ったままで、これからどう転ぶか分からないバランス加減がとても絶妙で好き。アレクセルも素敵なところを見せてくれるので(下着ゴロゴロはあまりにもひどいですが)、エルレインの気持ちも分かるんですよね。リオに嫉妬してしまうエルレインの心の動きにはドキドキニヤニヤ。 とはいえ、毒舌合戦が好きな自分はまだまだゼル派です。エルレインの毒舌もキレを増していて、時々地の文のつっこみが物凄くツボにはまりました。反動で十二歩くらい、とか父親の評価に容赦なさすぎる。 新キャラのお姉さんは今のところはあまり好きになれず。確固とした目的があるとはいえ、人の気持ちをいじくる人には好感は持てないです。彼女がどうしてゼルのためにそこまで必死になるかが分かると、また見方が変わるのかもしれません。 タイトルの生かし方も上手いですよね、求婚者は「そうくるか!」とやられた感で一杯でした。「ゼルへたれ編」らしい続きもとても楽しみ。 評価 ☆☆☆☆(8) |
| 11月3日(火) |
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【今日読んだ本】 ◆ 僕に捧げる革命論 (野梨原 華南/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 かつてサリタだった魔王サルドニュクスを召喚したのは、女性召喚術師のミジャン。魔力で発電の儀式を行うため、魔王を呼んだという。青の塔の魔術師のジェンにつきまとわれていたミジャンだが…。 グラハと平行して積みシリーズ崩し、野梨原さんがおくるほぼ一話読み切り型のラブファンタジー。 ヒロインとヒーローが野梨原さんらしく変なお話でした。ヒロインのミジャンは普通にかわいらしいタイプかと思ったら、ある時を気に急にたくましく変貌。世界がひっくり返って押せ押せになっていくあたりのかっこよさは、物語的にも描写的にも好きです。 そして、ヒーローのジェンがとてもよい変態さん。頭がよくて顔もよくて優しくて変態ダメストーカーです。ただのストーカーだったらうざいだけですが、ダメで愛もあるので見てて微笑ましかったです。結ばれてからの押されっぷりやうっとおしさも笑えましたが、「ほんとに男は頼りにならない」と心から言わざるを得なかったミジャンにはちょっと同情。お似合いのカップルですけどね。 メインのお話の一方で、1巻から続くサリタとスマートの物語も結構進んできました。サリタが楽しそうにしているのを見ると、今までのサリタの人生に想いを馳せて、こうして過ごせるようになってよかったなとしみじみします。なんだか「ちょー」シリーズの頃よりサリタ好きになってる気がします、サリタが丸くなったせいかな? 一応一話読み切り型のシリーズではあるんですが、「ちょー」シリーズを読んでないと面白さ半減ですねこれ。2人力を合わせてどう動くのか、これからが楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) |
| 10月31日(土) |
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【今日読んだ本】 ◆ 最後のひとりが死に絶えるまで (我鳥 彩子/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 王子ラエルは、秘宝《創世の石》を盗んだ調香師エォンを追っていた。だが追いついた矢先、エォンは賊に斬られてしまう。ところがしばらくすると目を覚まし、傷も治っていて…!? ファンタジーロマン。2009年度ロマン大賞受賞作。 11月刊のコバルト新人さんの作品。タイトルに惹かれたのと、水谷さんが挿絵ということで手を出してみました。 タイトル通りのとても切ないお話でした、こういうの大好きです。宝石泥棒を追いかけていた王子のラエルが、不死身の調香師エォンとその連れのレクィエに出会って――、というところからはじまる物語。ネタバレが怖いので感想書きづらいんですが、エォンとレクィエは暗殺者につけ狙われながら、それぞれの想いを抱いて旅していて、彼らと旅するうちにラエルにもある気持ちが生まれていって、といった感じで、三人それぞれの想いが切なくてたまらなかったです。 中でも切なかったのがレクィエの想い。知った事実にどうにか抗おうとするけどうまくいかなくて、気持ちも伝わらなくて、どうしようもない運命に胸が苦しくなりました。彼女の想い方や行動はかなり好きです。 「中でも」と書きましたが、やっぱり他の2人にも触れたいので触れることに。ラエル視点だとエォンの「鈍感!」(あとがきより引用)な様子に腹立つのがとても理解できて、彼の気持ちを応援したくなるし、そんなエォンも、内面描写を見ると彼の想いもまた本物だと分かるし。色々とやりきれないです。運命を呪おうにも呪えないのがまた切ない。 ただ、新人さん作品だけあって目につく欠点も。全体的に視点切り替えが多くて、しかも前半は過去にも視点が飛びまくるので、ちょっと話に入りづらかったです。自分の場合は、レクィエやエォンの秘密がわかっていくのが面白かったのでさほど気にならなかったですが、気にする人にはとても合わなそう。あと、神殿のあの設定は個人的にはなし。意外性はありますが、それは無理があるだろー、と思っちゃいました。 でもそんな欠点を吹きとばすほど切なさが気に入りました。後日談を想像したくなる終わり方もよかったです。これの続きは絶対ないでしょうが、次回作も楽しみ。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ グラスハート4 嵐が丘 (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ライバルのバンド<オーヴァークローム>から「ドラムの音を貸してくれ」と言われた朱音に<テン・ブランク>のメンバーたちは!? 初アルバムのレコーディングは、はたして成功するのか…。 青春音楽ストーリー「グラスハート」第4巻はテレビ初出演編。 恋と戦いのお話でした。1巻の頃から文章が感情をダイレクトに伝えてくるシリーズですが、特にこの4巻はそれが強烈だった気がします。オーヴァークロームの収録後のあれこれには頭の中をグチャグチャにされました。朱音の想いはこれからどうなるんでしょう、まともに想いが伝わる図がちょっと想像つかないんですが。それよりも朱音が甲斐のようになる姿の方がまだ想像つきます。しかし、今となっては2巻の的外れな感想が恥ずかしい。 桐哉に対する気持ちもまだ掴めてないんですが、音楽性に対する恋ってことなんでしょうか。桐哉→朱音は音楽以外の気持ちもありそうなんですが。だとすると藤谷さんと朱音の関係と似てる? なんかまた的外れな予感もするけど、もう気にしません。坂本はいつか絡んでくるんでしょうか。分からないので、もう出てきたものに素直に驚くことにします。 戦いの方は、なかなか妨害工作が手が混んでいて、その上をいく藤谷さんとテン・ブランクの面々がかっこいい。演奏のシーンはドライブかかってて迫力ありました。容赦ない悪意は怖いけど、その分認められたときの喜びも大きかったです。しかし犯人がやっぱり分からないわけですが。状況証拠的には甲斐一択なんだけれど、テープ持ってくるタイミングのわざとらしさを考えると違いそう。地味に青木さんとか? 一段落ついたかと思いきや、引きがまた強烈。自然にだぶったのか作為的なものなのか、うーん。桐哉の仕業とは思えないから、やっぱり甲斐が怪しいんだけど、それもきっと違うんだろうし。大人しく次巻を読みますか。 評価 ☆☆☆★(7) |
| 10月28日(水) |
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11月購入予定リスト。コバ新人さんが気になります。 最後のひとりが死に絶えるまで (我鳥 彩子/コバルト文庫) 鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者 (響野 夏菜/コバルト文庫) 死神様と紅き契約 死んだ私と、死にたい彼。 (柚原 テイル/ティアラ文庫) 華の皇宮物語 帝の花嫁 (剛 しいら/ティアラ文庫) 白衣と意外性の研究 (桃野 ゆかこ/ティアラ文庫) 翔べ、遙か朝焼けの空 幻獣降臨譚 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート) クロノ×セクス×コンプレックス (壁井 ユカコ/電撃文庫) 三千世界の鴉を殺し15 (津守 時生/ウィングス文庫) 姫君達の晩餐 光の平原から始まる汁料理 (山咲 黒/B's-LOG文庫) 魔法の材料ございます2 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 (葵 東/GA文庫) SH@PPLE―しゃっぷる―7 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫) 円環のパラダイム (瀬尾 つかさ/一迅社文庫) 少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法 (渡瀬 桂子/一迅社文庫アイリス) 太陽で台風2 (はむばね/スクウェア・エニックス・ノベルズ) 【今日読んだ本】 ◆ 竜の夢見る街で2 (縞田 理理/ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 コリンこそが自分を人間に変えた魔法使いケヴィンの生まれ変わりではないか――。その考えにとらわれたキャスパーは《アシュトン・テラス》を訪れる。だが外出中のコリンを待つあいだ、住人のお人好しコック、アーウィンの作った激マズ料理を平らげて眠りこけ、引きこもり少女のエレン&覆面ロマンス作家の中年男トッドに、ドラゴンの姿を見られてしまい……!? この世の最後のドラゴン、キャスパーとテラスの住人たちの、コージーミステリーinロンドン第2幕! 縞田さんがおくる現代ロンドンファンタジー「竜の夢見る街で」第2巻。 1巻よりグンと面白くなってました。縞田さんの作品ってメインキャラクターの一人が大抵人外で偏屈で、そこが長所にも欠点にもなりうるんですが、この2巻では、テラスの住人たちの明るさがキャスパーの性格にうまくマッチ。共同キッチンでの楽しそうな交流風景に自然と引き寄せられるキャスパーに和みました。 しかし、住人達の活躍にはびっくり。1巻のときにも見ていて楽しかったんですが、まさかこんなに活躍するとは。中でもエレンとトッドのコンビがよかったですね。キャスパーの正体を知ったときの反応も素敵だったし、まさしくトッドが例えたようにお転婆姫と老騎士で、まんざらでもなさそうなトッドの姿にはニヤニヤ。エレンが好奇心から変わっていく様子も気持ちよかったです。やっぱり縞田さんが書く女の子はいいなあ、と何度目かの再確認。でも、芽生えかけた恋心にはちょっと反対したいかも。 このまま平和にいくのかと思ったら最後に急展開。今のキャスパーなら最後にはこちらに戻ってきてくれると思いますが、さてどうなるんでしょうか。 評価 ☆☆☆★(7) |
| 10月27日(火) |
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メルフォレス。 >最近は、ネット小説はお読みにならないんでしょうか? 以前のレビューのお蔭で >自分もネット小説を読むようになったので、お暇が出来たら、またt-snowさんの >オススメが知りたいです。 嬉しいお言葉ありがとうございます。昔紹介したところの連載作品は時々読んでいるんですが、最近は新規開拓には手が回ってないです……(たまに手を出しても外れだったり)。でも、購読中のものも大分減ってきたので、ぼちぼち新規開拓しようかとも思ってました。面白いものに出会えたらまた紹介しますね。 【今日読んだ本】 ◆ グラスハート3 ムーン・シャイン (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ファーストアルバムの収録のために、スタジオ入りした<テン・ブランク>のメンバーたち。自分たちだけの新しい音楽を追求し続ける彼らのレコーディングは、「音」がぶつかりあう激しい戦いに! 青春バンドストーリー「グラスハート」第3巻はアルバムレコーディング編。 坂本視点のインパクトが凄かったです。朱音から見た姿である程度は想像ついていて、でもそれ以上に色々渦巻いていた内面描写。小難しく捻じ曲がった感情むき出しの語り口は正直いってよく分からないところも多いんですが、藤谷さんへの複雑な気持ちやかみ合わない親子関係の苦しさなど、要所要所では切実さがダイレクトに心に響いてきました。朱音の声聞いた時の広がる様子を見てると、坂本は朱音に出会えてよかったなと思いますね。 朱音視点の方は、続きに向けての溜めの印象を受けるお話。桐哉は出てこないし、過激なファン問題もエスカレートするしで、状況がつかめないのがもどかしかったです。この辺は嵐が待ってそうな次巻待ちでしょうか。 でも、その最中に浮かび上がってきたバンド内の問題は強烈で、藤谷さんと尚の壊れそうなやりとりや藤谷さんの坂本への容赦のない台詞にはハラハラすると同時に、藤谷さんの異端さを改めて実感しました。もし朱音の音楽が変わったら、藤谷さんがどうするのかを考えると怖い。そんな局面が訪れないといいんですが。 評価 ☆☆☆★(7) |
| 10月25日(日) |
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【今日読んだ本】 ◆ 聖鐘の乙女 夏の王と秋の女神 (本宮 ことは/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 《あらすじ》 全寮制の男子音楽学院に、男として入学したアティーシャ。同室の上級生・ネイトの協力で平和な日々を過ごしていたけれど、夏休みを境にネイトの態度が急に冷たくなってしまう。ネイトに反発し部屋を飛び出したアティーシャは、友人の部屋に身を寄せることに…。仲直りできないままでいたある日、相手の喜ぶものをみつけて贈るイベント<女神の贈り物>が寮内で開催されることになって――!? 男装乙女のスクールライフ★急展開の第5弾! 男装学園ファンタジー「聖鐘の乙女」第5巻。 学院に戻ってきて話は一気に進む、そう思っていた頃が私にもありました。今回進んだこと、「アティーシャも狙われるようになりました」。極論言ってしまえばほぼこれだけです。このペースだと10巻でも到底終わりそうにないです、本宮さんは1冊で綺麗にまとめることもできるのに、なんで長編だとこんなことに……。 でもアティとネイトがかわいかったので、この巻はそれで満足。傍から見ると無理して突き放してるの丸見えなネイトさんや、こっそりクジを自分のものにしちゃうネイトさんいいなあ、素直じゃないなあ。でも最後になって吹っ切って少し素直になったネイトさんはかっこいいナイトで、こちらの姿もよいものでした。 一方のアティは相変わらずですが、これからネイトさんのこと意識してくれそうなのがとても楽しみ。 新キャラのミナスはいかにもな貴族キャラで、今のところは害もないので見てて微笑ましかったです。ただ、サリアン様たち交えての演奏会を見た彼が何を思うのかは気になるところ。きっと遠くから見ていたんでしょうし、ものすごーーーく心中荒れ狂ってたんじゃないかと思うんですが。ミナスのことすっかり忘れ去ってるのはアティの天然の悪いとこですね。これだと続きで敵方として出てきちゃう気がします、あんまり不幸になりませんように。 評価 ☆☆☆(6) ◆ グラスハート2 薔薇とダイナマイト (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 坂本に誘われて、新宿の楽器屋に出かけたあたし(朱音)は、生卵をぶつけられた。マンションに帰ったら、赤い帽子の女の子がいてばんっ、て耳の中で音がした。殴られたんだ、あたし。「おまえなんか、さっさと辞めちゃえ!」その子は、足早に消えて行った。あの子は、あたしが目障りなんだ…。そんなあたしのところに、真崎桐哉から、新譜のCDと『電話よこせ』というメモが届いて…。 刃のように研ぎ澄まされた青春音楽小説「グラスハート」第2巻。 「この人」って誰ですか! 朱音の恋の相手は一体誰なのか。素直に考えると藤谷先生なんですが、ボカして書かれているのが裏をかいてきそうで怖いです。先生に対する「いなくなってほしい」という気持ちは恋とは違うなという気もしますし。かといって尚への憧れが恋に変わったようにも思えないし、坂本に対してはそういう兆候があまり見えなかったし。うーん誰だろう。改めて読み返したらやっぱり素直に考えて問題ないのかな。 でも、相手が桐哉じゃないのはよかったです。朱音と桐哉の振り回され気味な会話は楽しいし、敵のようでそうでもない距離感もいいなと思うんですが、ここがくっついちゃったらテン・ブランクの物語として楽しめなくなりそうなので。といっても、桐哉はキャラ的には好きなんで、心が満たされてほしいなと思います。 今回はバンドやっていくにあたっての現実的なしがらみが結構目につきました。甲斐はいまだ見えてない甲斐なりの考えがあるんでしょうか。甲斐が歌う人だったというのは意外だったし、音楽的に許せない気持ちが何かあるのかも。それでも腹は立ちますが。 そういったしがらみがあっても、凄いものを作ってくるテン・ブランク、というか藤谷先生はさすが。このバンドの先行きがますます気になってきました。朱音の気持ちも含めて楽しみ。 評価 ☆☆☆☆(8) |
| 10月21日(水) |
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【今日読んだ本】 ◆ グラスハート (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「あんた、うちのバンドでドラム叩く気ある?」――プロ志向のバンドでキーボードを弾いていた朱音にかかってきた電話は、天才音楽家・藤谷直季からだった! 熱い鼓動が響くハードビート小説。 かなり昔のコバルトの青春音楽小説。Twitter界隈で話題になって気になっていたところ、永山さんにお借りできました。若木さん作品読むのはオーラバを途中で止めて以来。 これは凄かったです。「女の子が個性豊かなバンドに勧誘されてデビューする」とだけ書くと、ごく普通の話に見えますがとんでもない。一文一文が研ぎ澄まされていて、作品全体から音楽に生きることの危うさや厳しさや魅力が伝わってきて、圧倒されて目が離せなくて一気に読んでしまいました。中でも、藤谷の姿は鮮烈。ボロボロになりながらも音楽に全てを捧げる彼は狂っているといっても過言ではなくて、でもそこまで捧げる意味があるものだと、読んでいて分からされます。彼が何を生み出すかもっと見たい。専門的な部分が時々分からないですが、全く問題ないです。 コバルトなだけあって少女小説らしい恋愛要素もあって、桐哉の魅力と悪役っぷりに腹立ったりドキドキしたり、坂本が朱音に向ける視線とそれに気づかない朱音の様子にニヤニヤしたりもします。でも、恋愛模様よりもテン・ブランクが行き着く先を見たいという気持ちの方がずっと強いです。坂本の視線も恋愛というよりは色んな感情がごちゃ混ぜになってそうですし。続きもすぐに読みます。 評価 ☆☆☆☆(8) |
| 10月20日(火) |
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>高里椎奈さんの本は読まれた事ありますか? メルフォレス。高里さんの本は読んだことないです。フェンネル大陸は気になってた時期もあったんですが、結局読まずにそれっきり。一度機会を逃すとなかなか手を出しづらいです。 【今日読んだ本】 ◆ 執事ときどき彼氏 (春河 ミライ/ティアラ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 お慕い申しております、お嬢様――。ユノにとって待ち望んだ瞬間。ずっと好きだった執事のグレンが、はじめて愛してくれた夜。痛いけど気持ちよくて、これまで知らなかった感覚。でも彼は執事として命令に従っているだけ? 私を求めてはいない? グレンに抱かれ快感を覚えつつ、心は虚しさに覆われていくなか、プレイボーイの新しい使用人ライサンダーが、強引に迫ってきて!? 今月のティアラの1冊、タイトルそのままの現代執事ラブ。 ずるい、執事のグレンがずるすぎる! 告白されて結局やることはやりまくって、でも自分の気持ちは伝えないまま。この字面だけ見るととても外道ですよねこの人。傍から見ればユノを大切に思う気持ちは分かるだけに認めることはできましたが、悩んでるユノがかわいそうで全然ときめけませんでした。この執事は我慢が足りないです。 そこに目を瞑ることができれば、なんとかしてグレンに振り向いてもらおうと努力するユノがかわいくて、いいラブだと思います。エロエロなのはまあご愛嬌。アドバイスくれるメルナがお約束ながらいい友達でした。かませ犬はかませにすらなってないので、いなくてもよかった気がしますが。「かませは入れるべき」っていう縛りがあるんでしょうか。 最後まで父親が表に出てきませんでしたが、親出てきて引き裂かれそうになって、っていう展開はあるんでしょうか? そういう話なら続きも読んでみたいかも。 評価 ☆☆★(5) |
| 10月17日(土) |
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【今日読んだ本】 ◆ 世界の中心、針山さん3 (成田 良悟/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 彼の名前は針山真吉。眼鏡をかけて憎めない顔で、他に特徴は──特になし。涙もろいことを必至に隠そうとする姉と疑うことを知らないやんちゃな弟を持つ、ごくごく一般的な四人家族の世帯主である。 そんないたって普通な針山さんが住む所沢市では、毎度毎度様々な出来事が起きている。竹から生まれたかぐや姫がなぜか忍パンダとショーを繰り広げたり、巨大ロボに乗るという昔からの夢を叶えるために工場長まで上りつめたり、気づけば黒服&サングラスという都市伝説みたいな格好で記憶を失っていたり──。世界の中心は、今日も忙しいのだ。 連作短編形式の不可思議現代ファンタジー「世界の中心、針山さん」第3巻。 このシリーズは安定して面白いなあ。変てこだったりスケールが大きかったりする設定を日常に混ぜ込んでまとめあげるのが上手いです。成田さん短編下手だなんて絶対嘘だ! 三作のうち一番好きなのはカグヤ姫のお話。なんじゃこりゃーではじまって、戦うパンダとか宇宙人とか風呂敷が広げられているのに、少年が思い悩むボーイミーツガールとして綺麗にまとまってるのが素晴らしかったです。雪人の、ひねくれてるけど周りから見ると筒抜けな気持ちが微笑ましい。終わり方も爽快でいいなあ。雪人があの父親みたいになるかと思うとなんだか複雑ですが。 工場長のお話も負けず劣らずないいお話。夢のために一心に生きてきた工場長が熱くてかっこいいのはもちろんですが、それよりも有菜のかわいさに一番目がいきました。たびたび見せる父親大好きな姿にとてもニヤニヤ。いつも傍で眺めている深冬のポジションがうらやましい。オチも大好きです。 「としれじぇ」は他の2つに比べると2枚くらい落ちるかな。でも、1巻も2巻も「としれじぇ」はあまり好きじゃなかったので、これは単に好みの問題な気がします(ホラーなのは好きじゃない)。 そういや、短編連作の割に、各短編のリンクは結構強いんですよねこのシリーズ。「宇宙人にさらわれた知り合いが」とか針山さんが以前に言ってますし。繋がりにニヤリとする反面、フルに楽しむには読み返し必須なのがちょっと辛い。刊行ペースこれだけ開いてると到底覚えてられません。 まだまだ続くみたいですね、大怪盗の話がどんななのか楽しみ。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 見習い女神と仮面の騎士 〜恋の絆に永遠を〜 (菊地 悠美/B's-LOG文庫) 【amazon】 《あらすじ》 いよいよ引き継ぎの儀式を迎える新女神・ユーノ(自称トレジャーハンター!)だが、意地悪教師・ファルディオへの恋心は決して告げることが許されず、日に日に膨らんでいく想いをどうすることもできずにいた。そして儀式当日――再びユーノの目の前にはラキアの姿が! さらに、ラキアによって極秘にされていたレセスの復活と聖宝紛失の事実が国民へと知れ渡ってしまい――!? レセスとの決戦も間近に迫り、就任早々大ピンチだらけの新女神! 恋をしてはいけない女神の恋と冒険の行方は!? 神様も気づけないキラめきのラブアドベンチャーここに完結!! 恋を禁じられている 「見習い女神」シリーズ完結編。 駄目だこの父親、はやくなんとかしないと。最終巻でようやく姿を表したユーノの父親は思った以上に駄目な人でした。いくら擁護されようと、元凶は元凶ですよね、この父親にはちゃんと猛省してもらいたい。最後の短編も、ジェラルドの親心よりもユーノのかわいさが目立ってましたし。 ついに女神の地位にたったユーノは、今回も精一杯頑張ってたと思います。恋心をなんとか抑え込みながら、女神として人々を導こうと奮闘する姿はかっこよかった。最後までトレジャーハンターらしさを失わなかったのもユーノらしくてよかったです。 でもファルディオ、お前は駄目だ。人形持ってたユーノに対する口ぶりの厳しさが、どうにも納得いきませんでした。しかも、あの言葉を発してからいくばくも経たないうちに恋したっぽい態度をとられるのはちょっとなあ。ユーノが思い悩んできたのはなんだったのかと思えてしまいます。 最後の方、レセスとの最終決戦あたりはいかにも最終巻という展開。綺麗にまとまっていたのはよかったんですが、ラキア先生のベタベタな扱いだけはちょっと。安っぽく見えてしまったので、ここはもう少しひねってほしかったです。 と、色々と引っかかりもあったものの、ユーノの揺れる恋心だけで満足なシリーズでした。次シリーズも期待してます。 評価 ☆☆☆(6) |
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