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民事訴訟編 民事訴訟とその手続

1 民事訴訟の種類


 民事訴訟の種類は大きく次のように分類することができます。

 1番目の類型は,個人の間の法的な紛争,主として財産権に関する紛争の解決を求
める訴訟です。例えば,貸金の返還,不動産の明渡し,人身損害に対する損害賠償を
求める訴えは,この類型に入ります。この類型の訴訟は「通常訴訟」と呼ばれ,民事
訴訟法に従って審理が行われます。

 2番目の類型は,民事訴訟法の特別の規定によって審理される手形・小切手金の支
払を求める訴訟です。この類型の訴訟は,「手形小切手訴訟」と呼ばれます。この訴
訟では,判決を早期に言い渡すことができるようにするため,証拠は書証と当事者尋
問に限られます。もっとも,第一審の通常訴訟の手続による再審理を要求する機会は
保障されています。手形・小切手金の支払を求める原告は,この類型の訴訟を提起す
るか,通常訴訟を提起するかを選択することができます。

 3番目の類型は,簡易迅速な手続により30万円以下の金銭の支払を求める訴訟で
す。この類型の訴訟は,「少額訴訟」と呼ばれます。この訴訟では,原則として,1
回の期日で審理を終え,直ちに判決の言渡しがされます。そのため,審理において
は,即時に取り調べることができる証拠に限り証拠調べがされます。判決に対して
は,その判決をした裁判所に異議を申し立てることによって,通常訴訟と同様の手続
により審理,裁判がされることになりますが,控訴をすることはできません。30万
円以下の金銭の支払を求める原告は,この類型の訴訟を提起するか,通常訴訟を提起
するかを選択することができ,また,少額訴訟において,被告が通常訴訟へ移行させ
る旨を述べた場合には,通常訴訟に移行します。

 その他の類型としては,離婚や認知の訴えなどの家族関係についての紛争に関する
訴訟である「人事訴訟」と,公権力の行使に当たる行政庁の行為の取消しを求める訴
訟などの「行政訴訟」があります。



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