蔵茶録1.デヴィソン・ニューマン
紅茶のパッケージには愉快なものが多く、飲み終わってからも捨てがたく空き缶を残していたりする。僕の「紅茶缶」のコレクションから、いくつか紹介してみよう。
BOSTON HARBOUR TEA
DAVISON NEWMAN & CO.LTD.
WESTON STREET, LONDON
estd.1650
The firm which supplied Tea
1773-1774
for the historic
BOSTON TEA PARTIES
アメリカ独立史上に有名な、いわゆるボストン・ティー・パーティー事件の際に、インディアンの扮装をして、イギリス船を襲撃した連中によって、マサチューセッツ州ボストンの港に投棄された紅茶が、この会社の製造になるもの。
英国は、阿片によって中国貿易を支配したように、紅茶によって北米植民地を牛耳ろうとしていたのだろうか。
三本の棒砂糖と王冠の商標。英国最古の紅茶業者、創立1650年と書かれたフタ。 英米国旗を交差させた下に、フタと同じトレード・マークと商品・会社名をしるした正面。
それ以外の三つの側面には、流麗な筆記体で時の英国王ジョージ三世に宛てた損害補填の請願状が印刷されている。
最初の部分 To the Kings most excellent Majesty 以外は、殆ど読みとれないけれど、最後に親切な解説がついている。
The Petition of Davison & Newman to King George III. claiming compensation for Chests of their Tea thrown into the harbour of Boston, Massachusetts, by Persons disguised as Indians, on March 7th, 1774.
§
1980年代の終わり頃に、紀伊国屋国立店で買った。わりと隙間の多いのが気になる缶で、中身も簡単なビニール袋入りだったので値段のわりには雑な造りだなあと感じて、湿気のこないうち、そうそうに飲むようにしたのを覚えている。
不味くはなかったと思うけど、味わいについて格別の記憶はない。
子供の頃に読んだアメリカ史の絵本。
茶会(ティー・パーティー)、インディアン、独立戦争など...
素直に素朴に、豊かなイメージを膨らませることが出来た、「歴史の腹黒く、血生臭い裏側を知らなくて」幸せな、ボク自身の幼年期の記念品のような錯覚を起こすときがある。
Charlie 1996
Charlie K.'s "Tea for One"
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