半歌仙「江戸雀」の巻

          
          投了の席吹き抜ける青葉風          宏子      
                       
                       梅酢の鱧の小鉢のよろし         さくら
                                                                    
                    釣人は日暮れの岬動かずに          純子

            錆びも消えたる戦跡の壁         敏江

          二日三日月食い過ごす仮庵          さ

            鼓にあわせちちろ虫鳴く         敏

        
                    フランスの尾花震わすブーイング       瑞草
 
            地上より永遠に去りしダンディ      宏

          チョコレートの数ほど捨てた恋のあり     純

            炎のごとく今日も文書く         瑞

          越後なる信濃川原の江戸雀          さ

            首挿げ替える無党派の票         純
       
          冬の月酔客送る間の長さ           さ

            床にころげし招き猫笑む         敏

          リバティのカーテン揺れる庫裏の奥      さ

            合格電報来る昼下がり          宏

          花あかり追いつ追われつ夢一夜        瑞

            春のヴィーナス突如さざめく       宏
       
          
                      (敏江 捌) 

                  1998年7月13日 首尾              


            

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