半歌仙「メビウスの輪」の巻

 
            新しき橋ことほぐやふきのとう          さくら

                遁走曲に戯れる蝶               宏子
                                                                    
            老絵師の描く若駒土蹴立て             啓子

        枕の香りのゆるくたゆたう          実枝
        
      国境の残照の野に白い月             靖子

        海霧ついてゴンドラの来る          宏
           
    
      縮緬の小紋うれしき秋座敷            実

        色即是空尼の饒舌              宏 

      緋文字の付ける胸元恥じらわず          啓

        革命成りて恋に破るる            さ
         
      凩の世に出す策か振興券             靖

        地酒求めにバイク走らす           さ
        
      岩つばめ湖上の月をすくい取る          実

        二の丸を守(も)るおおやまれんげ        宏

      から談義メビウスの輪を這うごとく        啓

        まどろみ誘うゴールドベルク         靖
         
      宵よりの雨のあがりて花の窓           実

        春蝉鳴いて旅にあくがる           啓

                      
                   啓子 捌)  

             1999年2月8日 首尾 

          (注)ゴールドベルク  バッハ作の変奏曲名    

            

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