短歌行「水は水色」の巻
広き田を継ぐ子のありと幟立つ 宏子
欅の樹間過ぎし青嵐 節子
売れ筋のにほんごブック平積みに 手留
Tアダプターマニュアルぼろぼろ 敏江
ウ
月かげはコソボ自治区を包み込み 実枝
仲間集めて太る芋露 純子
ケータイを放さず飲んでる長き夜 さくら
ケンケンパつぎマサユキ君よ 啓子
京四条祇園しぐれてひざ枕 さ
ベランダガーデン鉢も手造り 絢子
花明り口惜しきこと消えゆきて 啓
水は水色春は水色 さ
ナオ
雛起ちぬ人工飼育の巣の中に 山羊
スピードガンと競う松坂 啓
病みぬけてコンソメうまし紙婚式 実
「あい」で始まり「をんな」で終わる さ
龍躍る肌を誇るか御輿乗り 絢
南京街の紅の門 羊
良夜なり経緯(たてよこ)かすりいざり機 節
意外に高値蝗の佃煮 手
ナウ
オリジナルグリム童話のうそ寒う 宏
かすかに光る貝の平玉 手
花衣魂を抜かるるごと畳まるる 純
永日を坐す犬の白き尾 敏
(敏江 捌)
1999年6月1日 首尾
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