半歌仙「贄のツユムシ」の巻 


	初しぐれ つかのま通る蔵の街	      百

	  こぼれ種より咲ける山茶花	      実枝

 	曲芸の口上うまし客寄せて	      智

 	  紋付羽織ベストに変身	      とまと

 	満月に率かれて走るオープンカー	      伽女

 	  ダイエットして蛇穴に入る	      渓

 	
    行く秋に贄のツユムシ青きまま	      霞

 	  恋も知らずに乱射の犠牲	      手留

 	後ろから抱きとめられて戸惑って	      と

 	  イケメン市長から賞をいただく	  伽

 	電話では「絶世の美女」と名告りあげ	  左痴

 	  自家農園のサラダパリパリ	      百

 	広島の五輪を照らせ夏の月	      渓

 	  劫火の中の不動明王	          実

 	病因は超安売りの赤ワイン。	      手

 	  ランドセルにも淡雪ふわり	      智

 	待つ人も待たれる人も花の下	      左

 	  一茶の旧居雀の巣立ち	      霞

               ( 手留 捌)


      2009年11月10日   首尾


久し振りの遠出で桜蔭会館の部屋に到着したときは青息吐息、後ろから
階段を上ってきた伽女さんが「大丈夫ですか」と声をかけようかと思った
そうです。これではならじ「笑う門には健康の神」と、大いに笑わせてい
ただきました。
文殊の智慧が三倍で、月の句などさっさと消されて残ったのは「満月に」
だけ。「ジム帰り」が「オープンカー」に出世しました。
手留さんは、恋の句で「激しいのを作る」というからさぞ濃艶な恋を詠む
のかと期待したらご覧の通り。「銃乱射」が激しかったのです。
というわけで、九人で半歌仙、一人二句のノルマでした。またよろしく。
                       (とまと 記)    


            

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