半歌仙「馬追の髭」の巻
 
 
                馬追の髭でまさぐる宇宙かな         啓子

          月冷まじく身を低うする         手留
                                                                    
                林檎摘む河岸段丘深々と           節子

          輸送トラック山を揺るがす        絢子
       
        汗止めのねじり鉢巻金ピアス         山羊 

          氷白玉眠け覚ましに           靖子     
                         
     
        告別の焼け野に立てるパゾリーニ       手留 

          旧街道そば下駄やの娘          節

        「好きです」と刻んだ消しゴム転げ落ち    啓

          恋の焔(ほむら)のいよよ熾んに     羊

        リストラの果てにさまようハローワーク    手  
          
          蒙古高原廃寺風鐸            節

        新しき衣まとう夜月寒し           羊

          旅に風邪得て玉子酒飲む         絢

        音も無く姿も見せぬ死の恐怖         靖

          車庫住み猫に春時雨降る         節

        ドライブの七曲り坂花満てり         絢

          若芝に寝て語る王道           啓 
                            
       
                     (手留 捌)  
 
               1999年10月5日 首尾              

            

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