半歌仙「セザンヌの林檎」の巻

  
        セザンヌの林檎白布をあふれ出づ       実枝          
                       
                   月の丘の辺犬眠る家           さくら
                                                                    
               雲梯を渡りゆく脛(はぎ)秋まとい        宏子

          記憶と違う故郷(くに)の水の香       純子
       
        咲きたくば咲かしておかん忘れ花       敏江 

          クリスマスイヴ交番にぎわう       純     
                         
      
        土下座する裏マニュアルのうすら闇      敏

          ぽっくりサンダル奴を見くだす      純

        面影を結城塩瀬の胸に埋め          さ

          メリケン波止場の灯も恋も消ゆ      敏

        鍵かかる山の教会たたけども         実  
          
          破れた地図を八つに畳んで        さ

        明け易き月の円居(まどい)のカドリール     宏

          文楽談義に空ける冷酒          さ

        ドラゴンは昇りホークスは飛んでいく     純

          茶髪ざんばら新弟子の春         敏

        花を浴み花をふみつつ花の寺         さ

          浅蜊は砂にいこう真昼間         実
                           
       
                   (敏江 捌)
  

               1999年10月5日 首尾  
            

            

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