短歌行「サクランボビール」の巻
冬晴や雲と樹木と大いなる宙 手留
収斂しゆく猟犬の声 宏子
まっさらな丸三並びの世紀待ち 純子
連句作ってつなぐ人の輪 瑞草
ウ
雨後の月海より出でてほのかなり 実枝
柚子かおり立つ羹の椀 絢子
公園の紅葉織りなすアラベスク 靖子
トートバッグのふくらんでいて 敏江
もろもろの恋文簡易シュレッダー 節子
イチロー結婚ひげもやや伸び 手
花疲れハンガーの上衣さえ肩落とす 九十翁 (故山藤一谷氏)
常寂光寺碑に雀の子 瑞
ナオ
夕霞新しき街に灯のともる 絢
区民祭で計る血圧 敏
病む夫に束の間うれし添い寝して 山羊
分水嶺を越えて逢瀬を 宏
石畳黒髪ゆらし鬼女走る 啓子
小布集めて小布団を縫う 節
月食に蚊取線香燃えつきて 純
サクランボビール人肌にする 敏
ナウ
審査待つ我に無為なる二、三日 実
画集広げて外つ国へ旅 絢
年重ね修羅の心の花吹雪 瑞
春の堤に謡のびやか 啓
(手留 捌)
1999年12月7日 首尾
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