十八公「にごりえ」の巻

 
           一行に奇瑞かすかや年賀状          敏江
        
           新春行事先細りつつ           瑞草
      
         重(おも)菓子の粉手につくを配られて      実枝

           空中走る都市モノレール         手留
      
         見下ろせばヤマボウシ咲く原生林        靖子      

           朝市に買う貝の風鈴           実
       
         婆ちゃん子おずおず渡すラヴレター      実 
                  
           厚底靴の娘にっこり           瑞

         西の塔満月抱く三日の月           瑞          

           烏瓜生る墨彩の軸            敏 

              
         蔵前のにごりえ思いにごり酒         手
                                   
           失せものやがて出づと中吉        敏

         夜干しする凍てる頭上にオリオン座      靖

           救済もなくオフェーリア死す       手

         介護保険実施で介護打切られ(アー)     靖
 
           歌をうたって帰る白鳥          瑞

         花の坂尽きて開ける海の色          実

           畔塗りの翁(おう)ホッと息吐(つ)き     手


                     (瑞草 捌)
          
                   2000年1月11日首尾
         

            

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