半歌仙「眼の力」の巻


               菜の花の二百万本黄なるかな           啓子
        
                 野方の昼餉雲雀見下ろす         さくら
      
             眼の力アタマの力春の風邪           手留

                中吊り広告誤字恥らわず          啓
      
             崖(きりぎし)の松の高みに澄める月        実枝      

                 ガンバの調べ爽籟に和す         靖子

                 
             屋根裏にお歯黒の壷千代女の忌        啓 
                  
                 美しすぎる年上のひと          実          

             あんなやつこうしてくれるわ写真焼く     さ 

                企業合併皺の手と手で          さ
                                   
            どぜう鍋本所菊川平蔵が跡          実
 
               パラサイトシングル拾う捨て猫      靖

              風流れ薄倖嘆く夏の月            手

                  縮の作務衣藍の褪めたり         実

              ママの役嫌われているままごとに       実
 
                運河の街にワイン求めて         手

            ゆるぎなき幹の無骨に花ふぶく        さ

                初つばめ見るプラットホーム       靖 


                         (実枝 捌)
          
                         2000年3月7日首尾


           (注)ガンバ  弦楽器ヴィオラ・ダ・ガンバ    

            

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