半歌仙「ジョガー一匹」の巻


           藤垂れてチェロ弾く人の山高帽        絢子
        
              蚕豆飯の弁当を買う           手留
      
          幽かなる古城すべてを寄せつけず       啓子

              きしむ扉とすべる階段          山羊
      
          月天心ジョガー一匹駆け抜ける        明子 

             ごめんごめんとたたく後れ蚊       手
                 
      
            新酒汲み響く語らいシュランメル       靖子 
                  
                恋文ウィルス待っているのに       啓          

           色眼鏡手練手管も許されて          明 

              性の枠組越えてカップル         明        

            半ギプス粗忽な我をありありと        実枝
 
               自販機隆盛言語喪失           靖

            ハイセイコー安らぎの地に月冴ゆる      手

               凍てつく熊野に行者ひれ伏す       絢

           数千万脅しとったる中学生          手
 
              エープリルフールにしてしまおうよ    羊

          高層の住処にもあり花の宴          羊 
 
             春雨に濡れ赤き庭石           啓 


                     (手留 捌)
          
                  2000年5月9日首尾  


           (注) シュランメル  酒場の音楽
       

            

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