半歌仙「三年経し」の巻
 

            三年経し多摩の丘なり夏日影             啓子

        かっこう鳴いて句莚たけなわ           瑞草

      臨書する金文(きんぶん)の文字おおどかに       宏子

                薬種問屋の黒き看板               山羊

       天窓を射しくる月に誘われ            実枝

         吟遊詩人に秋の風吹く            絢子
 
   
       南北は一衣帯水稲穂垂る             宏

        ケアマンションで恋のさや当て        瑞

      DNA調べがついて修羅となる          宏
 
        背のびしてきく内緒のお話          羊
      
       道闇しバブル育ちの十七歳            啓

        私財投げ出し責任をとれ           絢

       噴火跡カッパドキアの月凍てる          瑞

         毛糸売り場の訛りやさしく          啓

       金髪の総領の注ぐ法事酒             実
        
         焼き栄螺のる浜の昼膳            絢
          
       花屑の外濠染めて華やげり            羊

         霞の奥にはずむ歌声             実

   
                  (宏子 捌)
 
                                2000年7月4日首尾
  

            

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