半歌仙「如月や」の巻


        如月や魂一ツ溶暗す             手留           
                       
                    翔け抜けがたき黄砂万丈         実枝   
                                                                    
                のどやかに岬の馬の並びいて         宏子

           木靴みやげに友帰り来る         山羊
       
        蛾眉淡く石像すっく脚太く          節子

            ヘッドホンかけ障子張る午後       純子
    
                     
          床下に居すわる古酒の壜光る         実
            
            二次会にてもあの噂出ず         敏江
                    
         薄情(うすなさけ)訴える波彫り深く     手

            入りたかったものつくり大        実
          
        モスクワの肋骨レコードジャズ凍る      実
        
            びっくりハウスの千両役者        羊

         月涼し卒寿欲しがるお宝品          純

           深海トラフに蟹のたわむれ        宏

          食べすぎです黒パン玄米豆に胡麻       敏
             
            吟遊詩人の琴の爪弾き          節

         日の陰り明神さまに花吹雪          手

            雲雀野に佇ち耳傾ける          純            
                                           
       
                        (手留 捌)  

                   2000年3月6日 首尾 


        (注) 肋骨レコード  
            スターリン圧政下のソ連で密造されたレコード。使用済みの
            レントゲンフィルムに禁止されていた西洋音楽を録音したという。  

            

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