半歌仙「命二つの」の巻

                    
                   命二つの中に生たる桜哉         芭蕉翁          
                       
                              賢者の石を洗うはるさめ         手留
                                                                    
                          ひねもすを暖かき窓守りいて         節子

                     ロカビリー聞く垂れ耳の犬        霞

                   北辺の過疎の村越え月渡る                    啓子
 
                     零余子を蒸した古い大鍋         敏江

                 
                   爽やかに時代行列繰り出して         敏

                     試してみよう青いマニキュア       山羊

                   シドニーのピザ売る男恋に痩せ        絢子

                     メフィスト哄笑う地下の酒倉       宏子
          
                   語尾上げの現地報告初仕事          実枝   
            
                     時差を忘れておはようと言い       霞

                          盲いたる和尚を鎮め冬の月          実      

                     入り江に抱かれ海豚まどろむ       宏
          
                   無党派の風また吹いて赤スーツ        羊
        
                     新世紀はや前途多難に          手
                   
                          手花火の終えてかすかに匂う路地       啓
            
                     日焼けせし子のひた駆けていく      節      
                                                                               
                                         
       
                               (敏江 捌)  

                           2001年4月3日 首尾             

            

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