半歌仙「梅雨茸」の巻

 
                 梅雨茸郵便受に耳生やす            純子     

                      道なりに咲く十薬の白           実枝
                                                                    
                  従姉妹四人こもごも語る湯に入りて       絢子

             愚図は愚図でも大トロは好き        手留
        
         月天心市井陋巷武家屋敷            実   

             コロコロリーリーつづれさせ跳ぶ      手

       
          頭を垂れて羊群の食む刈落穂          純

              「花様年華」に身を熱くせり         絢

          酔ったのは赤いワインのせいじゃない      純

              泪ひとすじ怨む真似する          実
       
         ネパールの王室凄し藪の中           絢

             黄金に鎮むチョモランマ峰         手
        
           月冴えて寂光院に案内の爺           純

              雪のくぐり戸少し待たせて         実

          ゴルフよりオペラを選ぶダンディズム      純
      
              亀鳴く国へ視察外交             純
                                        
            箱男ともに花見の隅田川            絢
  
              雛流しの夕暮れてゆく           手
           
      
                       (実枝 捌)  

                2001年6月5日 首尾 

                註 「花様年華」
           ウォンカーウァイ監督の香港映画。中年男女のプラトニック・ラブを
           描いたもの。         

            

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