歌仙「志賀さんの墓」
あれこれは明日送りの柚子湯かな 夕子
電飾コードまとう冬薔薇 その
リトルボーイの夢かなえんと父走り まゆみ
寡黙さが今価値をもちます 手留
通り雨匂いかすかに美術展 明子
犬抱き上げて見せる秋山 その
ウ
満月に内親王がお生まれに ま
行くぞ待ってろ俺フリーガン 手
ケータイの番号変えて髪切って 明
も一度逢いたいヴェッキオ橋で 夕
タリバン去り素顔あらわす女たち ま
「お」抜きにしてよお冷やでおにぎり 夕
能笛の鋭く流れ夏の月 夕
文学散歩疲れ程良き そ
志賀さんの墓一族と垣の内 ま
賞金ジャンボ長い行列 そ
花便り聞き耳たてて旅支度 明
深更淋し春の嵐が 六美
ナオ
凧の糸切れてくるくるとんでゆく ま
奥様ならぬお外(そと)様がた そ
不美人の化粧に見とれ乗り過ごす 宏子
睫毛カーラー キキキキキキと ま
冬凪の光はるかな切通 明
残る紅葉の瓔珞とばかり む
代用乳飲まされ育つ牛あわれ そ
アフガン廃墟ひたと静もる 明
もしかして生物兵器? 炭素菌 夕
ジョージはジョンに会えたでしょうか ま
連山の稜線しるく三日の月 宏
秋茜来てパット乱れる そ
ナウ
孤独知り無患子拾う薬師寺 手
白洲正子の自伝痛快 そ
水辺で襖絵のままに遊ぶ鳥 ま
シャンパン抜いて銀行合併 宏
初花のその色濃くて異郷なり 宏
半世紀経て弾む囀り 夕
(手留 捌)
2001年12月4日 首尾
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