二十韻「シニアモーメント」の巻


                  春浅し静まる森に水の音           絢子         
                       
                            ミモザ咲く道朝の挨拶          明子
                                                                    
                        小さき手の紙雛紅き袖広げ          啓子

                    万年筆のインクたっぷり         智

                
                        明易き月の窓辺の円周率           宏子
 
                    避暑地の恋を忘れられずに        絢

                  後朝の影を払いて家路つく          智

                    ワァーッとばかり泣く子憎らし      絢

                  スーパーでためつすがめつラベル読む     靖子

                    結跏趺坐して断食三昧          啓

               ナオ
                  雪構えホームページも模様替え        明
            
                    ネットをつつく寒鴉の群れ        靖
                    
                  瑞々と女摺師の寡黙なる           宏

                    竜田姫から届く玉章           啓
          
                  暮れなずむ筑波嶺青く上る月         絢
        
                    辞任大臣濁り酒飲む           智

               ナウ
                        ドラマよりニュースは奇なりとすわり込み   絢
            
                    虚空にらんでシニアモーメント      明
  
                  もてなしは花あるのみと主の笑む       啓

                    甍光らせ蚕屋の連なる          宏      
                                                                               
                                 
                          (啓子 捌)  

                     2002年2月5日 首尾 


              (注) シニアモーメント
                    年をとって、咄嗟に言葉が出ない状態のときに言う。 


            

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