半歌仙「ハケの水」の巻



                   ものの芽の動き初めたりハケの水       実枝         
                       
                               垣繕える下屋敷跡            宏子
                                                                    
                             雛の客小さき膝の並びいて          山羊

                     癒しのドラマに若者の列         絢子

                   名月に形あらため弓を引く          節子

                     草に逃げ込むえんまこおろぎ       羊

                
                             シューマンの定席暗く秋のカフェ       宏 
 
                     うす紅の爪頁繰りゆく          実

                   道行の人形狂う帯解けて           絢

                     わたしのクローンが彼を奪ったの     宏

                   雪吊りを仕上げてあおるコップ酒       実

                     ゆとり教育塾におまかせ         実
                                        
                   国傾ぐ不安じわりと夏の月          絢
            
                     穴子釣りにと品川沖へ          節
                    
                   「天才」と隣り合わせた貸座敷        実

                     大音声の説得が勝            節
          
                   痩身の渡来秘仏に花の冷え          宏
        
                     甍かすめて燕の飛ぶ           羊                                                                              
                                         
       
                              (絢子 捌)
 
                     2002年3月5日 首尾 
   

            

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