半歌仙「インカ清明」の巻


       触れてみよ挑んでみよと山笑う        純子
        
          土手に寝ころびレガッタ観戦       宏子
      
       盤上をよむ目の先に春蚊とび          山羊

           壊されている湯屋の煙突          手留
      
       月宮殿竹取の姫船出して            紲      

          トンブリサラダプチプチと噛む      宏

     
        草蜉蝣紛れて休む石畳            瑞草 
                  
          ヒールとられし瞬間(とき)を楽しむ     羊

       少年の輝く肌を逆セクハラ          手          
  
          嘘隠せずに藪柑子の家          純 

       亀戸に衿そばだてて鷽(うそ)を買い       紲
                                   
          パリを歩けば乞食と犬糞(ふん)       瑞

       盆の月懐かし父の大あくび          瑞

         携帯電話で冷酒注文           純

       赤青の切子細工を家苞に           羊
 
         折れ合う光風にゆらぎて         紲

       華頭づけ舞い進み行く花の下         宏

          地上絵のこしインカ清明         手 


                     (手留 捌)
          
                1998年3月23日首尾 

   
      (注)華頭づけ
          能装束で若い女性ようの黒髪のかずら。姥づけの対。

            

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