半歌仙「除目終えても」の巻
                                        

          秋没日(いりひ)さらわれびとの越えし海        絢子  出雲崎にて
                       
                      外湯にひたり名残月見る            啓子
                                                                    
                   吾亦紅銅(あか)の薬罐のころがりて        手留
  
            古布裂いて磨くガラス戸            山羊

          影富士の常より高し涼み台             明子           
                         
       
                   文豪の縁(ゆかり)いただき小商い         明 
 
            お手々つないで駄菓子えらびに         羊

          来る来ない残るひとひら風盗む           啓

            愛に狂って我が胸を刺す            手

          不忍池から拝む東照宮               手

            除目終えてもジイさま変わらず         啓
       
          凍る月脚下に物怪のひそむ             絢                  
 
            雨の庵で酌む温め酒              羊

          こけらおとしバンドネオンに浮き立ちて       絢  

            アンティークチェアにしゃれる猫の子      明

          須臾の間に車窓を過ぎる花篝            羊

            単身赴任の春は三度目             明 
 

                        (捌 明子)          
                           

                  2002年10月1日 首尾 


            

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