半歌仙「独身の犬」の巻


        友の訃の届く夕や忘れ雪           みち子           
                        
                  薄紅の沈丁花咲く            実枝
                                                                    
              卒業の庭にりりしき声のして         実

         腕(かいな)に抱く独身の犬       敏江
       
       夕月夜外国に宛て便り書く          啓子

         葡萄ジャム煮る香りながれて       節子 
    
                    
       拙きを嗤いおるかや去来の忌         啓
            
         相聞の句は胸に秘すまま         実
                    
       あなにやしあなにくしとて年重ね       啓

         卯浪さ浪の足摺岬            敏
          
       縁日の海ほおずきをとりどりに        節
        
         谷戸を拓きて白き家建つ         絢子

        少年Aの窓も照らすか寒の月         み

           障害五輪の笑顔のまぶし         実

       レッツダンス円きスカート宙に舞い      絢
             
         久米の仙人いま飛行中          絢

       花の駅単線鉄路の果にあり          節

         バックミラーに戯れる蝶         啓            
                                           
       
                    (敏江 捌)  

             1998年3月23日 首尾 

       

            

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