追悼 脇起し短歌行「アーステレフォン」の巻

                          
           薄氷と黄金(きん)の朽葉の別れかな     夏生      

                   吟遊詩人春の海行く           宏子

           遠蛙墨ひとしずく広ごりて          啓子

             フットサルなんて軟弱ですよ       手留          
          
               
           月丸し身隠す場なく嫦娥媛          楊金萍

             新絹つつむ結納の朝           手 
                
           くすり指の指輪のゆるみ冷や冷やと      山羊

             アーステレフォン凛と響けり       手

           タクラマカン砂漠に作れステーション     手

             アメリカニズム旗のうなだれ       萍

           花筵李白と飲み干す一斗酒          啓
     
             両岸かすみて ただ猿の声        萍 
                              
           ナオ
                 「春雨ぢや濡れてゆかう」はチョイと無理   羊

                     SOS の電波届かず           啓

           高僧の「少女(をとめ)」と記す源氏香      宏

             分去れの辻ことばを買いに        宏

           箱眼鏡のぞいて魚となりました        啓

             ワールドレコードという重圧に耐え    手

           引窓の修羅の手水に月澄めり         宏

            僧尼同声秋晴 布薩戒(パーティモッカー)    萍     
     
        ナウ
                 獺祭忌貧苦ナレドモワレ美食         手

             反故ばかりなり文台の上         啓

           旅芝居大見得切って花吹雪          羊

             時を忘れて逃げ水を追う         手

     
                       (手留 捌) 
          
                    
               2003年2月11日 首尾

                    
   (注) 嫦娥媛 : 月に閉じ込められている女性
      分去れの辻 : 信州追分に実在
      布薩戒 : 満月の日に僧尼が大きな寺に集まり、長老の戒を聞いて
                     自らの罪について反省し告白する。        

            

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