半歌仙「翌(あす)なき春」の巻                       
                                       
   
            サンルーフ開け放つ夜や桜坂            実枝   
                       
                      うららの風にロックンロール          智
                                                                    
                  望潮(しおまねき)人探すには広すぎて         明子
  
            マンション内に交番もあり           敏江
      
          皓々と破壊の街を月渡る              宏子

                        道標埋め野は露時雨              敏
            
         
          無花果のジャム煮る独りだけの午後         明

            恋のメールを一括送信             実
                        
                    抽斗の第二ボタンの青き錆             実

            たそや行灯細き肩抱き             宏

          冬の宿ざしきわらしを見たような          明

            辞表書き上げ玉子酒のむ            智
                    
                    ハイテク車匠の技でたたき出し           敏
          
            矢倉かすめてとぶ岩燕             宏

          月の道追ってサーファー戻り来る          智

            簡素に老いてユニクロのシャツ         明

          花散りて後に残りし水の音             智

            翌なき春に砂塵荒れたり            敏


                        (宏子 捌)           
                           
                   2003年4月1日 首尾                 
                     

            

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