歌仙「火星一粒」の巻

                              
       敗荷の過激に散ってアンフォルメル          手留

         火星一粒半月の肩                実枝   

       秋座敷ビーズを綴り時忘れ              靖子

          いとこ同士のピアノ連弾             智

       膳賑やかこれは山女かいえ岩魚            とまと

         バス待ちながら遠花火見る            絢子

     
       安全な債券すぐに売り切れて             手留

         色と欲とで選ぶ後添               と

       州知事の対立候補肉体派               智

         惚れた娘は大根足さ               と

       カンカンに百円たまる直売所             絢

         「衝撃と恐怖(ショック・アンド・ウオー)」作戦のブーメラン   靖 

       汽水域投網の白く月凍てる              実

         雪時雨する吉崎御坊               手

       焼酎で睨み合いするバカの壁             と

         推理小説終りから読み              智

       満員の車窓楽しむ花盛り               靖

         巣立ちの鳥の羽音せわしく            手

          ナオ
       とりどりの春の衣装の交差点             実

         米盗人も知らん顔して              手

       故郷(くに)恋うるボスポラス海峡光満ち         智

         歌を歌って誘うセレーネ             実

       プラトニックな浮気許せぬ定年後           手

         吐息とともに陶酔の時              と

       生ビールぐっとあおって憂さ晴らす          絢

         アメンボすいすいマイマイくるくる        手

       平成の世に軍艦碑基地の街              実

         言葉の通じぬままに案内             智

       はるばると長安城門月高し              絢

         廃墟に誇る曼珠沙華の朱             絢

    ナウ
        実石榴割れて鬼の子笑ってる             智

         四千円の幕内弁当                手

       自らに気合を入れる太極拳              実

         市町村の意地阻む合併              手

       谷深く日にきらめいて花吹雪く            実

         ウォークラリー畦青む頃             絢


                   (とまと・手留 捌)


               2003年10月7日 首尾          
         

            

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