脇起し半歌仙「たけのこや」の巻  A


                たけのこや稚(おさな)き時の絵のすさび    翁      

                    静まりており昼のかなぶん         啓子
                                                                    
                創始者の問わず語りのきりもなし        さくら

          落書きあまた物理学帖           純子
        
        多国籍国連軍に月かかる             さ   

          色なき風の果てのふるさと         敏江

     
        半鐘を鳴らす櫓や櫨紅葉            純

            マハに狂恋闘牛に死す           さ

         泣きもせず殺しもせずに灯の巷         敏

          能面つけて足早に行く           啓
         
        仮の世をサインコサインタンジェント      さ

          高官はまるしゃぶしゃぶの店        純
        
        酔いどれに蹴りあげられし寒の月        啓

            ジョギングシューズはや穴があき      敏

        しばらくは物見遊山の山鴉           純
      
            春の街道葉巻くゆらせ           さ
                                        
        手に受ける一ひらすがし花の午後        敏
  
           八十八夜の唄聞こえくる          啓
           
      
                     (敏江 捌)  

             1998年5月11日 首尾           

            

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