短歌行「冬桜」の巻                       
            
                 
          冬桜明るき空に風ばかり               敏江

            岬の村に群れる綿虫               節子

          石庭の白砂の渦に漂いて               啓子

            ポケットに鳴る着メロの音            げんの 

        
          教科書も竹刀に吊るし月の道             敏

            蔦の覆った洋館に住み              実枝   

          笠外す おわらの果ての細面             節

            入浴剤の香り甘やか               実

          熱い視線はね返し行くマタドール           啓

            追いて縋りて闇に溶けたり            げ

          ゆるやかに宴のあとの花筏              敏

            あれが噂の亀の看経(かんきん)          啓

       ナオ 
          厳島朱の鳥居に浅蜊掘り               実

            何とかなるさマニフエスト撒く          節

          ゴミに出す「方法序説」「模倣犯」           啓

            縮の浴衣思い切れない              げ

          つのる恋氷柱に薔薇閉じ込めて            敏

            睫毛パーマを丁寧にかけ             げ

          稔り田に幟連なる播州路               実

            二十日の月とともに酔いつつ           節

       ナウ
          敗将のすがやかに退(ひ)き秋惜しむ           啓

            意外な味やん飾りマジパン            実

          自転車の前篭荷台花満載               節

            うららのの縁に水なめる猫            げ


                        (実枝 捌)


                 2003年11月4日 首尾


           (注)亀の看経(かんきん)  
        川越のをちの田中の夕闇になんぞと聞けば亀の鳴くなり (夫木集 藤原為家)
              に由来して、亀は調子を付け経を読むような鳴き方をすると伝えられる。三春の季語          
                     
         

            

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