『かいけつゾロリ』オモロイなぁ。今回も作画が面白かった。主題歌は、山寺宏一。劇中でも時々唄うぞ。『御先祖様万々歳!』でも、歌上手かった。
第20話「ためらいがちの」
脚本:大河内一楼 絵コンテ・演出:北村真咲 作画監督:斎藤久・工藤昌史・しんぼたくろう
デブリ課に2年連続で新人がやってくることになった。歓迎に浮かれる課長とラヴィ。そこに現れたのは…、「クレア・ロンドです。このたびデブリ課に配属されました」、「え〜〜ッ!!」。
ハキムが怪しい行動を…。ムムム。
木星計画へと着実に進んでるね。マンガ版と同じように、ハチマキの心がだんだん“宇宙にとりつかれた者の心”になっいってるよ。友情や愛や地球への郷愁を振り切らなきゃ、第2宇宙速度を突破できない。
「たしかに宇宙は人類を歓迎などしていない。でも、愛や夢や友情は、宇宙に出るために捨てなきゃならないものなのか?」ってとこがテーマになるのかな? タナベの“愛”はアマちゃんにすぎないのか? タナベの家族のエピソードってやるのかな?
4月に発売予定のDVDには、オーディオコメンタリー(音声解説)がつく模様。
第47話「舞い降りた すごい 天使」
脚本:中瀬理香 絵コンテ:河本昇吾 演出:筑紫大介 作画監督:福島豊明・加藤裕美
“天使の技”を完璧にマスターすべくそらの特訓が始まった。そして、ミアによる“白鳥の湖”のステージの新たなプランがそらに提示される。憎しみと愛とが表裏一体の感情であるとのミアの説明だったが、そらにはいまいちピンとこない。気分転換に町に出たそらは、盲導犬の訓練をしている女性に出会う。
オープニング明けのレオンの回想シーン。ディフュージョンフィルターのか柔らかな光に包まれた食卓に座って穏やかな表情で朝食をとる幸せそうなレオンとソフィー。「わたし、もっと練習しなくていいのかしら。レオンばっかりそんなで…」、とカメラがレオンの足下に。って、レオン様、空気イスじゃん!!(笑) ビックリ。
あと、Bパート冒頭でそらが「サインをください!」って後ろ向いて服をまくりだしたときは、パンツにサインしてもらうのかと思ってドキドキしたよ(笑)。だって、その直前にフールが、「そらも、もっとフリフリのついたパンツを…」とか言ってたんだもん。サインは、結局Tシャツの背中でした。残念(笑)。
今回、そらが漠然と思っていた“争いのないステージ”がどんなものかが、だんだんと具体的なイメージをなしていくんだよね。なるほど、そういうことか。サーカスフェスでの憎しみと嫉妬に満ちた舞台裏、争わないことで傷つくメイ、レイラさんの言葉、それらがちゃんと前振りになってたんだね。あと、今回もちょっとセリフが多めかな。
今度のDVD-BOXは、“私の夢になってよBOX”(笑)。レイラさんに頼まれたら、断れない! 「でも、わたしはファンのみんなが限定BOXを争って競い合うなんて間違ってると思います!」。
◆ 2004年3月2日
『シスター・プリンセス』という作品がある。もとは、いわゆるギャルゲーってやつで、アニメにもなった。しかも2度も。まあ、それだけ人気もあるんだろう。でも、12人の妹云々ってのは、“リアル妹”を持つ身にとっては気持ち悪いだけの設定なんだよね。遺伝子に刷り込まれたインセスト・タブーは、今の世でも自由意志を縛り付ける。
だから、アニメ版もろくにチェックせずにほったらかしてたんだよね。でも、柴田由香さんのやった回が良かったって噂を聞いて、「柴田さんの絵好きだし、やっぱり見なきゃイカンかなぁ?」と思って観てみました。同じくぼくの好きな平松禎史さんもやってると聞けば、無理してでも観なきゃイカンでしょ。
シリーズ構成:あみやまさはる 監督:宮崎なぎさ 音楽:岡崎律子 アニメーション制作:ZEXCS
妹が12人います。妹たちはみんなお兄ちゃんのことが、だいだいだ〜い好きです! あらすじ、おわり。
さてさて、実際観てみると、「可憐、お婆ちゃまにロケットをもらったの。お兄ちゃんのお写真を入れようと思ったんだけど、可憐、お兄ちゃんのお写真にハサミを入れるなんて出来ない!」って、コレ観たことあるよ(笑)。そん時は辛くて、1話だけで観るのやめっちゃってたんだよ。でも、今観てもやっぱ辛いッス。
こんなコテコテの少女趣味、本家の少女マンガから消えて久しいよね。本家少女マンガが、あけすけなセックスや高度な人間関係を描くようになって、おたく向けのアニメやマンガがリリカルな内心描写にこもっていくのを見ると、なんかこう、因果なものを感じるよね。
それはさておき、『キャラクターズ』なんだけど、思ったよりちゃんと楽しめたんだよね。今回、『キャラクターズ』は、各回それぞれのスタッフの個性を前面に出す、スター演出家(アニメーター)制度とも言える作りになってるんだよ。どっちかってーと、キャラそのものよりも、演出とか作画とかそっちの方に興味があるぼくなんかは、楽しく見られたよ。『シスプリ』の他のアニメ(『リピュア ストーリーズ』も)は、普通にお兄ちゃんも出てきて、ストーリーのある“普通のアニメ”になってるんだけど、『キャラクターズ』はキャラ毎のオムニバスっぽい感じになってる。
この『キャラクターズ』の監督の宮崎なぎささんは、『フルーツバスケット』で助監督やってた人。ちなみに、音楽も『フルバ』と同じ岡崎律子さん。
この『キャラクターズ』、凝ってるのが、毎回エンディングが違うところ。もちろん、全部岡崎さんの曲。この、甘いメロディーと繊細な声とリリカルな歌詞を聴いただけで、もう条件反射で泣いちゃうくらい(笑)。
じゃあ、オススメ回を中心に紹介。
「亜里亜」は、林明美さん。(『少女革命ウテナ』で、梢ちゃんの回やった人ね)。ちなみに、大地監督の『くろみちゃん』に出てくる作監の四本松さんは、この林さんがモデル。本人もカッコイイ。内容はなかなかなんだけど、甘ったる〜い(声の)演技がちょっと苦手。
「鈴凛」は、GAINAXの若手注目株、柴田由香さん。前も書いたけど、『まほろまてぃっく』のエンディング・アニメがカワイかったんだよね。作画(動き)がスバラシイ。今回が絵コンテ・作監デビューになるのかな? ラストのお兄ちゃんの手を引くあたりはイイね。ちびキャラは、柴田さんらしい可愛さ。エンディングもカワイイ。この回が一番好きかも。
「四葉」は、大地丙太郎さん。ギャグっぽいところは、大地さんらしいんだけど、他は普通っぽいかな。特に記すことナシ。
「春歌」は、平松禎史さん。キャラは、意外とオリジナルに忠実かな? 仕草がいちいちカワイイ。浴衣を着るシーンもうなじがイイな。平松さんの美意識で統一されてて、ファンにはたまらん。。この回、背景美術も透明絵の具系でいい味。ちなみに、またまた『くろみちゃん』の八朔は、平松さんがモデル(このキャラ)。
「鞠絵」は、監督の宮崎なぎささん。かなり叙情的。この回、岡崎さんの曲にかなり助けられてる感じもするけどね。なんか、NHKの『みんなのうた』みたいなイメージ。ずっと歩いてくところなんかは、『ロボットカーニバル』の「CLOUD」っぽい?
「咲耶」は、長濱博史さん。前半の車とか通行人がシルエットになってるのが面白い(表現として特に新しい、ってワケでもないけど)。ラストのリリカルさも悪くない。この回もそうだけど、作画がいい回がやっぱり好きになっちゃうね。
ちなみに、一番鬼畜だったのは、「花穂」。「きゃあ!! わんちゃん、花穂の靴、くんくんぺろぺろしちゃダメだよぅ」。そして、ラストの裸シーツも(笑)。
◆ 2004年3月3日
熊 「ご隠居さん、仁義なき戦いって映画を見てきましたよ。」
ご隠居「おっ!熊さん懐かしいのを見てきたね」
熊 「いやあ面白かったですねえ。すげェ迫力で・・・」
ご隠居「うんうん、深作監督の最高傑作だろうねェ」
熊 「そういや昔、その監督の映画もう1本見ましたョ」
ご隠居「ヘェ、何だい?」
熊 「SF超大作、宇宙からのメッセージ!」
ご隠居「熊さん、そいつは手前の心ん中にしまっときな・・・」
監督:深作欣二 脚本:笠原和夫 音楽:津島利章
♪チャララーンチャララーーン(おなじみのテーマ曲)原爆のキノコ雲をバックに真っ赤な字のタイトル「仁義なき戦い」。終戦後の広島県呉市、そこでは今日もヤクザ同士の抗争の血の雨が降っていたのであった…。
この作品については、もうストーリーの説明などはいりません。手持ちカメラを使った喧嘩シーンの迫力も凄いし、なにより次から次へと出てくる俳優さんたちの怖い顔、顔、顔! もうこのギラギラした顔のオンパレードを見るだけで十分です。
菅原文太(兄ィ!)、松方弘樹(カミソリで腹を切る! イテテテ)、梅宮辰夫、金子信雄、田中邦衛、成田三樹夫…。あっ、小林念持がサンピン役でドス持って走ってる。川谷拓三が木につるされて拳銃の的にされてる。北大路欣也が拳銃口にあてて自殺を図ってる。いやはや懐かしいやらあきれるやら…。
一応、作品的には1作目が最高傑作と言われていますが、ワタシとしては広島死闘編の方をお奨めします。なんといっても、あの千葉ちゃんことサニー千葉が、ド派手な格好で木刀振り回すワガママヤクザを実に楽しそうに演じていて必見です。「アホンダラァ! 広島のヤクザの喧嘩はのぅ、金じゃケリがつかんのじゃーい!」と大熱演。千葉ちゃん、本当はこういうハチャメチャな役の方が似合うんじゃないの、と思えるくらい。
名セリフも多いです。「神輿が勝手に歩けるいうなら歩いてみいや」、「おんどれ破門じゃ〜!」、「山守の親分さん、弾はまだ残っとるがよ」、「ワレがおらんようになったらどうなるんよ」、「狙われるモンより狙うモンの方が強いんよ」、「何の肉買うてきたんや?(実は野良犬)」
いやあスバラシイ、堪能しました。そういや深作欣二監督一周忌なんですねえ…(しみじみ)。
◆ 2004年3月5日
川本喜八郎・ユーリ・ノルシュテインほか
アニメーションはセルアニメだけじゃない、『連句アニメーション 冬の日』ッスよ。
川本喜八郎さんが音頭取りとなって、日本および海外のアニメーション作家が多数参加した作品。もうDVDがリリースされてるんだけど、幸運にも劇場で観る機会があったんでレビュー。
旅の途中、名古屋の俳句愛好家に招かれ“連句”の会を催すこととなった芭蕉。
狂句木枯の身は竹斎に似たるかな 芭蕉
(狂句に惹かれて木枯らしのように名古屋にまでやってきた自分は、かの竹斎のようだなあ)
狂句木枯の身は竹斎に似たるかな
たそやとばしる笠の山茶花 野水
(木枯らしとともにやってきた山茶花を花びらを笠にちらしながらやってきた風狂の持ち主はいったいどなたでしょうか?)
連句とは、しりとり様に句をつないでいく俳諧の一形式。芭蕉の『冬の日』を、しりとりアニメ様に合作していく作品が、この『連句アニメーション 冬の日』。連句の会は、ゲスト役がまず発句を読む決まりになってるんだけど、その芭蕉の発句をまず担当したのが、『霧に包まれたハリネズミ』、『話の話』で有名なユーリ・ノルシュテインさん。
ホスト役が、『人形劇三国志』、『道成寺』の川本喜八郎さん。他にも、海外組として、『ハーピア』のラウル・セルヴェやらコ・ホードマン、ジャック・ドゥルーアン、アレキサンドル・ペトロフ、ブシェチスラフ・ポヤール、マーク・ベイカー、上海アニメの王柏栄。もちろん、日本からも久里洋二、高畑勲(作画は田辺修)、奥山玲子&小田部羊一、林静一、山村浩二、伊藤有壱などなど、超豪華。手法も、セルアニメからCG、人形アニメ、クレイ、ペーパー、油絵、ピンスクリーンと超多様。なかったのは実写アニメとシネカリくらいかな?
総勢、35名による36の短編集なんてモノは、なかなか観られるもんじゃないよ。ひとりひとりのパートが短いし、それぞれがワン&オンリーの人なんでどれがどうってのは言いにくいんだけど、いろんな人のいろんな手法・演出・アイディアが同時に観られるのはオイシイ。句の解釈の仕方も、シリアスあり、ユーモアあり、現代風に読み替えたもの、イメージだけで飛躍したもの、西洋風のモノと、ほんといろいろ。
日本でアニメーションっていうと、いわゆるTVや劇場の商業アニメしかない状況だけど、ホントはアニメーションってセルアニメだけじゃないんだよね。昔は、自主制作アニメで盛んに作られてたみたい。庵野監督も、鉛筆アニメやってたし(『じょうぶなタイヤ』'80年)、佐藤竜雄さんも、『ねこぢる草』作ったり、やっぱり自主制作アニメとかの洗礼を受けてるんだよね(『ステルヴィア』の最終回で、ノーマン・マクラレンっぽいのやってたし)。
今回の上映では、連句の解説とそれぞれのクリエイターの紹介・メイキングが本編の後に上映されててなかなか親切。っていうか、DVD収録の映像そのままかな。
◆ 2004年3月7日
『ハガレン』の刑務所の話が、原作とだいぶ違う話になってたね。あの人が再登場でビックリ。『セーラームーン』(実写)、亜美ちゃんがクンツァイトに洗脳されて敵に。外見もGOTH入っててナイス。亜美ちゃんの人、悪役の方が魅力的ね。水族館での追っかけは、『ビューティフル・ドリーマー』か?
第21話「タンデム・ミラー」
脚本:大河内一楼 絵コンテ・演出:村田和也 作画監督:田中栄治・千羽由利子
「ようこそ、フォン・ブラウン号へ!」。最終試験は、実物のフォン・ブラウン号での半年の実地試験。乗組員候補には、レベル6のセキュリティ・パスが支給される。ハキムはふと訊ねる、「木星計画は先進国にしか恩恵をもたらさない。君はそのことに疑問を持ったことはないか?」。
錯綜する企業利権、政治の力学、あらわになる宇宙開発の偽善、報われないヒラに無能なエリート。世のためと思ってやっているデブリ拾いも、結局は先進国利権の片棒担ぎにすぎないのか?
はい、いろいろテーマがストレートに語られ始めたね。宇宙開発は、かつて人類の夢であり、科学の発展が世の中をより良くするという科学信仰の象徴だったんだけど、J・G・バラードが言ったように、“宇宙時代”は早々に終焉を迎える。夢の輝きを失った宇宙開発は、背後に隠されていた欺瞞をあらわにすることになる。決定的だったのが、'86年のチャレンジャー事故だろうね。ファインマン先生も指摘するとおり、硬直した官僚主義やセクショナリズム、そして予算削減によって構造的欠陥が結果的に放置された(『困ります、ファインマンさん』参照)。科学技術の粋を集めたはずのNASAですら、この体たらく。そして、去年のコロンビア号事故。そんな時代の宇宙開発モノだから、こういうテーマになるのは必然だよね。
あと、9.11テロ以降、グローバリズム資本主義による現代型の搾取構造について、普通の人が普通に語るような時代だしさ。この辺は、見田宗介さんの『現代社会の理論』(岩波新書)に詳しい。後半の、「情報化・消費化社会の徹底した進展により、消費社会の限界問題を克服することが出来る」ってところはかなりアヤシい。ボードリヤール的差異化の付加価値により少ない原材料から高い利潤を上げられるから、貧しいところに余剰資源を回せる? 情報化により生産の現場があらゆる場面において効率化させる? なんだかな〜。アメリカのITバブルの頃の“ニューエコノミー”論と同じ気が…。ITバブルの利益だって、株主やストックオプションもってるエリートにしか恩恵なかったんだぜ。
作画は、千羽さん作監回。クレアとタナベの口論のシーンは良かった。やっぱり、千羽さんが描くと顔が立体的(千羽さんの受け持ちカットかどうか知らないけど)。ラストのハチの表情も良かった。涙が頬を伝って落ちないところがグッド。無重力だからね。『ガンダムSEED』の最終回とは大違い(笑)。
第48話「傷ついた すごい 白鳥」
脚本:平見瞳 絵コンテ:水瀬たむら 演出:唐戸光博・金時貴臣 作画監督:福島豊明・高津幸央
“争いのないステージ”とは、ステージに立つ者だれもが心の中に持っている“天使の心”を呼びさますことによって実現させるものだと悟るそら。完璧な“天使の技”を会得するための超過酷な特訓を続ける。
<“天使の技”の完成>→<“天使の心”を呼び覚ます>→<“争いのないステージ”の実現>→<“真のカレイドスター”>、っていう最終回に向けた道筋が見えてきたね。メイ、ロゼッタの準主役陣、ミア、キャシーの演出班、アンナとハンナ&バーベラの群舞班、そしてケン、サラさんの外野陣(?)、それぞれがそれぞれの持ち場で頑張ってる様子がイイね。
なぜか、レイラさんもそらの様子を探らせつつ、自分も特訓を…。なにをする気ですか、レイラさん!? アンナの“すごくない”お父さんも、出世して再登場! 前回登場の11話は、シリーズ通して唯一サブタイトルが“すごくない”だった回。最近すっかりコメディーリリーフに徹してるサラさん、もうちょっと活躍して欲しいな。
ロゼッタは、いったいどうするんだろうね。握力鍛えてるだけで、あんまり動きがないんだけど、そらとステージ共演できるのか?
最近何話かは、面白くないわけなじゃないんだけど、いまいちメリハリに欠けるんだよね。どうしても説明的なセリフが多くなるし。
◆ 2004年3月8日
原作:士郎正宗 脚本・監督:押井守 演出:西久保利彦・楠美直子 キャラクターデザイン:沖浦啓之 作画監督:黄瀬和哉・西尾鉄也 美術監督:平田秀一
草薙素子(田中敦子)がネットの海に消えて数年。バトー(大塚明夫)は、今はトグサ(山寺宏一)と組んで、ある一連の殺人事件を追っていた。ロクス・ソルス社の製造した愛玩用アンドロイド、ハダリが主人を殺し、自らも自殺(自壊?)するという事件が続発。テロの可能性もあるため、公安九課が捜査に当たることになる。
まず結果からいうと、映像、テーマ、押井度数ともに期待を大きく上回る出来だったよ。しかも、今回は、アクション度数もかなり高い。作画ファンも大満足。
まずはテーマから。前作で、「人を人として規定するのは肉体か、それともゴースト(魂)か?」というところに焦点を当てて描かれてたんだけど、そのテーマをより深化させて、「人が人形をつくるということ」について語っていく。
「この映画は、人形と犬の映画だ」と押井監督は言っている。人形は、姿は人だが魂がない。ある種の工芸品や工業製品の持つのと同種の純粋(イノセンス)な美しさを伴っている。一方、犬はその内部に魂(と言いたくなければ、命)を宿している。しかし、犬は意識を持たない。それ自体内に閉じた(自己完結した)完璧な存在である。人は、犬のように幸せにその存在を全うし得ず、かといって、自らの存在を(ゴースト(魂)を含めて)人形と同じく精巧な機械仕掛けと化学反応の電気信号の波であると唯物化することも出来ない無様な存在なのだ。
神に祝福された美しさを持つ動物たちのような完全な存在になれず、自分のものでありながら自分の自在にはならない体を抱え、かつおのが体の外へは決して出ることの出来ない人間。それは、電脳化され義体化された体を持つようになっても治癒されない。電脳化され義体化されるからこそかえって、その身体と意識の乖離を思い知るのだ。
だからこそ、人は犬を、人形を手元に置きたがるのかも知れない。
今回、テーマも押井濃度が高いんだけど、できあがった映画自体もかなり押井濃度が高い。セリフは、いつにも増して冗長であり、引用がそこかしこに用いられ、語り口も地味で、語る本人が自らを説得させようとするかのような静かな語り。『パトレイバー2』もかなりセリフが長かったけど、今回もかなりのモノ。
『イノセンス』で押井監督の「セリフのシーンは、弁証法的に組み上げれば退屈であるはずがない」との信念を証明して見せたよね。っていうか、ここまでくると芸だね。
今回、動きがないセリフのシーンで、目の瞬きがかなり多い。画面を持たせるためっていうのもあるんだけど、バトーの表情のない“アンドロイド(人形)の様な目”を際だたせるという演出意図もあるんだろうね。ちゃんと中割があって、詰め指定もばっちり。スバラシイ。アニメ観て、瞬きを褒めるとは思わなかったけど(笑)。
今回の『イノセンス』は、画面の情報量が爆発的に増えてる。どっちかてーと前作の実写映画『Avalon』に近い印象なんだよね。『Avalon』は、“実写を素材として、新たに映像世界を創り上げていく”っていう手法だったんだけど、この『イノセンス』は、“アニメの絵を素材として、『Avalon』と同じ手法を用いた映画”なんだよね。
もうアニメだCGだ実写だっていう区分けは意味をなさないよ。そこにはおもしろい映画とおもしろくない映画があるだけ。とはいえ、演出する側は、“手法として”CGを使うこと、アニメを使うことに関して、常に自覚的でなくてはならない。その辺間違うと、映画版『ファイナルファンタジー』みたいな失敗を犯すことになるんだよ。
人物芝居やなんかは今まで通りの、アニメーターが手で描いてる作画。この辺、“アニメートの快楽”ってのがちゃんと味わえるようになってる。ヤクザの組事務所のシーンは、西尾鉄也さん。「ゴラァッ!!」と走ってくるヤクザを、(アメリカの)アクションゲームみたいな主観の視点で撃ちまくるシーンは笑える。マズルフラッシュで、せっかくの作画が見えにくいのがマニア的には残念。
あとやっぱり、スゴかったのが、プラント船でのハダリの動きかな? “明らかに人間とは違う、人形のぎこちない動き”ってのが、上手い具合に再現されてる。気持ち悪い、そして気持ちいい!
通路の天井を、シュパシュパって中ナシで飛んでくるところは誰が描いたんだろう? 他には、黄瀬和哉さんがやったバセットハウンドは良かった。犬に興味のないぼくでも、「ああ、可愛らしいなぁ」ってなるくらい。他にも山ほど見所はあるけど、プラント船のラストの女の子の芝居は超絶リアル。手がぶらぶらなるところとか。井上俊之さんかしら? こうして、ちゃんと超絶技巧のアニメーターさんの作画が堪能できるところもウレシイよ。
最後に、音楽はいつもの、川井健次さん。前作のテーマもアレンジして使われてる。伊藤君子さんの「Follow Me」も結構合ってる。音響も、映像の情報量に負けない厚さになっててグー。ぼくの行ったとこはボロかったんで、もうちょっと音響のしっかりした劇場で観たかったな。
この作品、押井ファン以外、アニメファン以外の人たちにどれくらいアピールするか知らないけど、ぜひヒットして欲しいな。逆に、今時の萌えファンにはアピールしないかな? 相変わらずオッサンとオバサンしか出てこないし(笑)。オッサンオバサン作画がスバラシイProduction I.Gのアニメーターたちに幸あれ!
◆ 2004年3月11日
あのタランティーノも大好き、梅津泰臣監督のガンアクション&クンフーの世界がTVアニメになって帰ってきた! 『MEZZO』ッスよ。
第1話「恋の殻」
脚本:梅津泰臣 絵コンテ:梅津泰臣 演出:梅津泰臣・草川啓造 作監:梅津泰臣
ヤバい仕事なら何でもお任せの、危険代行業、通称DSA。銃撃戦に格闘技にとめっぽう強い美少女、海空来(みくら、CV:小谷朋子)、元刑事の麺好きダジャレオヤジ、黒川(広川太一郎)、荒事はちょっと頼りないエロロイド・エンジニアの原田クン(山崎たくみ)の3人組。
ある仕事で盗み出した薬品サンプル。しかし、それは真っ赤な偽物。その薬品は、大学の研究室から盗み出されたものだった。研究員の三角関係のもつれから生まれた愛憎劇。そして明らかになる過去! 山で鳴くのはカッコー、こんなダジャレはモーケッコー、ってオレは坂口厚生労働大臣かっつーの?(←広川節で読んでください)
実際観てみた感想。第1話は、梅津さんが脚本・絵コンテ・演出・作画監督(共同)をやった回。アバンタイトルのアクションからしてもうつかみOK! オープニングも、B級感たっぷりでいい感じ。「魔女っ子メグ?」みたいなカットも。この辺、「そう、コレコレ」という流れ。イイね。
ストーリーも、『MEZZO FORTE』で吹っ切れたと思ってたキャラの心象描写がちょっと復活してて意外。でも、バランスもいいし、悪くないかも。ラストのアクションも、合格点。「なんだ、TVシリーズってことで心配してたけどいい出来じゃん!」って思ったよ。
第2話「星の殻」
脚本:梅津泰臣 絵コンテ:大畑晃一・伊藤祐毅 演出:ふくもとかん 作監:武藤枝闇・嶋田俊彦
んで、第2話、梅津さんは脚本のクレジット。
いきなり異星人の話でビックリしたけど、うん、これも悪くない。異星人が『マトリックス・リローデッド』のキアヌくん入ってるのはご愛敬。う〜ん、このシリーズ、結構なんでもアリなんだな。
ストーリーは、前回に続き叙情的なラスト。
第3話「恐の殻」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:近藤隆 メカ作監:岡戸治外 作監:しまだひであき
それから、第3話。ゲゲッ! キャラが似てない! 画が動かない! もう息切れっすか!?
途中、海空来ちゃんが車でカラオケ唄う“だけ”のシーンが延々続くし。海空来ちゃん持ってるの、イーカラだよね。「オレンジパールボイス! リクエストはいかが?」ってか?(元ネタ) アクションも、カット割り・スライドでごまかすショボイ作画。どうしちゃったの、このアニメってーヤツは?
ってワケで、3話以降作画がショボイままなんだよね(第8話まで観た)。
最近のアニメって、キャラ作画周りのクオリティ維持には並々ならぬ努力を費やしてるから、見た目にショボイ回ってのはそうそう無くなってきてるのね。こんなに、作画のクオリティに落差のあるアニメって久々かも。クレジット見ても、韓国・中国に丸投げってワケでもないんだよね。
アクションも一枚画もどっちもショボイと、観てて辛い。シリーズ通した制作体制がひけなかったのは残念。劇中で、ときどきOVA版の映像が回想シーンとして出てくるんで、よけいに落差が見てて切ないよ(笑)。あと、広川太一郎さんの演技も、作画の出来と関係なくテンション高いまんま。ヤバいクスリとかやってないよね?(笑) それはそれでウレシいんだけど、もうちょっと作画も追いついて欲しい。
「アンタたち! 晩ご飯にありつきたかったら、最終回くらいはきっちり作りなさいよ!」
・関連
梅津さんの『A KITE』がハリウッドで実写化されるみたい。監督は、『トリプルX』のロブ・コーエン(詳細)。しかし、この記事、日本語ヘンじゃない? 英語記事の翻訳かな?
んで、こっちが梅津監督の次回作の劇場アニメ、『KISS AND CRY』。監督曰く、「超常ホラー・アクション・サスペンス・SFドラマ!」とのこと。日米韓合作だって。
◆ 2004年3月12日
ご隠居「おい熊さん、新しい映画は何か見たかい?」
熊「へえ、それが最近金欠でさっぱり。王の帰還もイノセンスもまだ見てないんすよ」
ご隠居「情けないねえ・・・いい若いモンが」
熊「へっへっへ、まあボチボチとね。そういやこの前スカパーで『ヌード・オブ・ザ・リング』っていう映画やったらしいんでやすが、知ってますか?ご隠居さん」
ご隠居「知らないよそんなの!」
第9話「おかしな? おかしな?」
天竺をめざして旅をする悟空の一行。ある時ふと見ると目の前に1本のひもが下がっている。それを八戒が引っ張ると次から次へと変なモノが落ちてくる。ドタバタやっていると、そのうちに三蔵が妖怪にさらわれて。
というのが、あらすじですが、この9話最初から最後まで取られたり取り返したりの連続で、あきれたことに今のアニメよりテンポが速いのです。これには驚きました。まるで30分のTVアニメで、どこまでテンポの速いドタバタが出来るか挑戦したかのような作品でした。
まあ、昔リアルタイムで見たときも「やけに忙しく動き回る作品だなあ」と子供心にも思いましたが、今見ると「当時の若手スタッフの情熱に思わず拍手!」という感じでした。TV局のお偉いさん連中からは「いくら漫画でも、あまりにもフザケ過ぎ! やり過ぎだ!」と言われたとか。事実1本、完成していたのに放映中止にされてしまった作品があったそうです。最近発売されたDVDに特典として収録されているそうですが、おそらくこの「おかしな? おかしな?」に輪をかけたスゴイ話だったのでしょう(見たい見たい!)。
もちろん普通の妖怪退治の話もありましたが、中でも凄かったのが「妖怪連合シリーズ」。全部で7本あり「バラモンの足」とか「ドラゴンの腕」とか(記憶がうる憶えだ。違ってたらスマン!)とにかく毎回、足だけの妖怪とか腕だけの妖怪が登場してラストの回で全部が合体して巨大妖怪になるという、怪獣大好き少年大喜びの話でした。胸のわくわくするようなオープニングも必見!やっぱり子供むけアニメのオープニングは元気でなくっちゃいけません。
それにしても虫プロのアニメ作品の影響というものは、なかなかに強いものがあったようです。鉄腕アトムは言うに及ばず、ワタシなんぞは『ジャングル大帝』の印象が、あまりにも強かったもんで、アフリカという土地のイメージは、今でもこの作品のイメージが強いですし、ヨーロッパの王国というと『リボンの騎士』のイメージが大分長いこと残ってました。小さい頃に植えつけられた印象は、なかなかに消えそうもありません。(苦笑)
なにーっ! 春の新番組、4月から『ウルトラQ』をやるだとお? カラーで 現代風にリメイクゥ? 大丈夫かよオイ。
◆ 2004年3月14日
押井守&『イノセンス』関連のインタビュー記事がスゴい量出回ってるね。追っかけるだけで大変。
スタイル社の『S 〜エス〜』に、沖浦啓之さんと石川プロデューサーの対談が(聞き手は、アニメ様こと小黒祐一郎)。やっぱり、瞬きには押井さんの細かいこだわりがあったみたい。気をつけて見たらわかるけど、瞬きにつられて眼球も微妙に動くんだよ。あの眼球は、別セルで動かしてるらしい(笑)。しえ〜。予告映像にも出てたコンビニ襲撃のシーンの“違和感”についても…。
あと、『DVDぴあ』に、西尾鉄也さんのインタビュー。『SIGHT』には、渋谷陽一と押井監督の対談も。
『ハガレン』、今回は作画もよくて盛り上がったね(一週遅れの第22話)。原作とはだいぶ違うけど。アルが、押井守的虚構と現実との狭間の世界に…(笑)。「ぼくの記憶は、兄さんが作り上げた偽の記憶? ぼくは、この世にはもういないんじゃないか?」と。素子も、「人間が人間であるための部品が決して少なくないように、自分が自分であるためには、驚くほど多くのものが必要なのよ」って言ってるぞ! アル、第2のバトーになるまで、あと少しだ(笑)。犬を飼え、犬を!
第22話「暴露」
脚本:大河内一楼 絵コンテ:須永司 演出:吉村章 作画監督:しんぼたくろう・高瀬健一
ハキムがテロリストとしての正体をあらわす。ハチマキやクレアなど、知人関係にも参考人として取り調べが及ぶ。ハチは、信じていたハキムに裏切られたと感じる。鏡の中の自分が語りかける、「結局人はひとりなんだよ。信じるから裏切られるんだ」。
ああ、前半出てきた懐かしのキャラたちの意外な運命が語られて、続けて観てるファンにとっては感慨深い。でも、状況はどうも絶望の方へと進んでるみたい。人はひとりで生まれ、ひとりで死んでゆく。「人は、いつ来るともわからない死刑執行の日を、絶望の中で待っている囚人のようなものだ」と言ったのはパスカルだったか。
この後やってる、『ふたつのスピカ』が、「みんなで宇宙に行くって約束しようよ」と言ってるのと対照的。
最終回に向けて、重い話が続いてるよね。BSのおねーさん曰く、「来週は大きな展開が待っています」とのこと。
第49話「ひとりひとりの すごい 未来(あした)」
脚本:土屋理敬 絵コンテ:河本昇悟 演出:福多潤・奥野耕太 作画監督:鈴木雄大・加藤裕美
そらの言葉に、ソフィーの姿を見たレオン。「ソフィーさんも、望んでいたと思うんです、レオンさんが争いのないステージに立つことを…」。覚悟を決めたレオン、「気が変わった、特訓を再開する!」。
アバンタイトルの「さてさてさて…」は、キャシーさん(三石琴乃)。朝っぱらから、テンション高いぞ。本編は、特訓編で辛い辛いの連続。雨の中での特訓は、もはや定番。やっぱり、『カレイド』は特訓がなきゃね! 特訓バンザイ! でも、真似したら死にます(笑)。
前シーズンで、ケガを押して“幻の大技”を決め、その引き替えに引退を余儀なくされたレイラさん、どうやら、ステージに復帰するみたい。しかも、そらと主役を競い合うという。「二度とステージに立てない」ほどのケガだったんじゃないのか? ま『カレイド』にとっては、そんなことは些細なことさ(笑)。ところで、なにげにメイドキャラが気になるんだけど(笑)。ユーリを出迎えるときも、玄関に来たら清掃服からちゃんとメイド服に替わってたし。よっ、これぞメイドの鑑!(笑)
キャシーさん、いいキャラだなぁ。サラさんは、最後までコメディ・リリーフに徹するんだろうか? アンナのギャグでみんなは笑えるのか?(笑)
でもさ、“誰も見たことのない”という争いのないステージって、最終回どうやって見せるんだろう? コレって、『ガラスの仮面』の“紅天女”みたいなものだよね。ま、そんなこと言ったら、前シリーズで“幻の大技”なんてやっちゃったけどさ。
しかし、毎回ベタなんだけど、次回への引きが上手いんだよね。「みんなの気持ちがステージに向かって一つになってきた」と感動させておいて、レイラさんの宣戦布告。う〜ん、来週が気になる!
次回予告のそらの「わたし、こんなに大きくなりました!」のセリフも、最初からそらを見守ってきたファンにとっては泣けるセリフ!(←ハマってるだけじゃん(笑))
P.S.他のアニメも、今週はそれぞれ重い話が多かった気が…。そろそろ最終回間近だからね。
◆ 2004年3月17日
今月の「アニメージュ」、白地に『イノセンス』のハダリとバトーくん。渋い。「Newtype」は『機動戦士ガンダムSEED』特集。どっちも出版社の思惑がもろに出た表紙だなぁ。
さてさて、その「アニメージュ」に春の新番組のプロモが入ったDVDがおまけについてたよ。こういうのはウレシイね。ずらっと見てみると、一見バラエティがあるような、どれも既視感があるような…。気になった作品をピックアップ。
GAINAXの20周年記念作品第1弾、『この醜くも美しい世界』。スタッフは、『まほろまてぃっく』班がメイン。っていうか、これってまんま『まほろ』じゃないッスか? 声優もかぶってるし。『まほろ』が、思いのほかSFにならなかったんで、個人的には期待はずれだったんだよね。GAINAX、このままベタ路線で攻めるんだろうか?
『サムライチャンプルー』。監督が渡辺信一郎(『カウボーイビバップ』)、キャラデ・チーフアニメーション監督が中澤一登(『キル・ビルvol.1』アニメパート)。映像は短いけど、期待大。中澤さんって、キャラデザインが注目されることが多いけど、演出っぽいところも注目。トータルの画面作りみたいなところがさ。コンセプトは、“いい加減な時代劇”。楽しみ。
『舞 -HiME』。サンライズなんだけど、美少女アクション(?)。画は、結構サンライズらしい元気のいい感じかな? キャラも悪くないね。
『コゼットの肖像』。プロダクションデザインで、okamaさんが入ってるね。“ゴスロリ”がテーマ。って、テーマ? ぼくも詳しく知らないんだけどさ、GOTHってもっとパンク入ってるんじゃないの? マリリン・マンソンみたいな。コレでGOTHなら、メテオさんもGOTHだぜ。
一番気になるのが、『魔法少女隊アルス』。原作が、『ゼイラム』の雨宮慶太。制作が、スタジオ4℃。雑誌に小さいカットが載った時点で気になってたんだけど、ティム・バートン的というか湯浅政明的というか、カワイイなかに毒がありそな画が好み。色使いも渋めでイイ。キャラも、シンプルでカワイイし。
第9話「闇の奥」
脚本:倉田英之 絵コンテ:中山勝一 演出:渡部健一郎 作画監督:千葉崇洋
第10話「クリスマス・キャロル」
脚本:倉田英之 絵コンテ:福田道生 演出:滝本治 作画監督:五十嵐淳
第11話「さよならにっぽん」
脚本:倉田英之 絵コンテ:深井蒼 演出:高島大輔 作画監督:相坂直紀
第3巻で、「ちょっと『R.O.D -THE TV-』も落ち着いてきたかな」と思ってたんだけど、第4巻になってだいぶお話が動いてきたね。
第9話は、ミッション編。舞台は地方の温泉街なんだけど、お話はなかなかハード。「ギフケンって、どこの国かしら?」(byミシェール姉)。ねね姉が、3姉妹のミッションの現場を見て、「いつもこんなに危ないの?」。あと、3姉妹が仕事を請け負った読仙社の冷徹な本質がかいま見える。ジュニアの正体もちょっと明らかに。
第10話は、クリスマスの話なんだけど、クリスマスっぽいようなっぽくないような…。女ばっかりだし。一応、後半はクリスマスらしい、救いのあるいい話系。3姉妹の関係が明らかに。ねね姉の本を書くモチベーションの描写もなかなか丁寧でいいな。
第11話は、ねね姉香港行きを期に3姉妹が香港へ帰ることに。アニタと久美ちゃんとの別れがメイン。本嫌いのアニタが、久美ちゃんの好きな『赤毛のアン』を読むところなんていいなぁ。こういう健全なストーリーって、ある意味、一番『R.O.D -THE TV-』らしいよね。ラストは、あの人の裏切りでビックリ!
フジテレビでの地上波放送が、第20話で終了するとのアナウンスが。なんか、こういうのばっかりじゃない、最近? DVD販売収益がメインで、地上波放送は宣伝と割り切ってるのかもしれないけど、ちょっと愛がなさすぎる気もする。ま、ぼくの住んでるところじゃ見られないんで、関係ないんだけどさ。
と、次回から香港編。前半は平和な日常の話が多かったけど、後半は読仙社&ミスター・カーペンターと3姉妹組の対決がメインになるのかな? 倉田さん曰く、ハードな話になるとのこと。作画も、(DVD版はリテイクが入ってるんだろうけど、)なかなか高値安定。
◆ 2004年3月19日
1983年春、岡山で「SFフェスティバル」というSFファンの集まるイベントが開催されました。
ワタシも顔を出してましたが、その日の午後、会場のあちこちで「おい!今日の見たか?」とか「なんか今日のはスゴかったらしい!」という声が聞こえてきました。何のことか?と思ったら、ちょうどその日『超時空要塞マクロス』第27話「愛は流れる」が放送されたのでした。
後から友人にビデオを見せてもらったらいやホントにスゴかった! アイドルのリン・ミンメイの歌を流しながらダイダロスアタックを敢行するマクロス。小白竜の歌に合わせて板野サーカスでミサイルブッ放すバルキリー。役に立たない巨大兵器グランドキャノン。アッという間に全滅してしまう地球。そしてフィナーレ。監督の河森正治は、この回で画面と音楽を合わせるためビデオを1台オシャカにしたとか。
すべては、はるか昔の春の夜の夢。
監督:河森正治 キャラデザイン:齋藤卓也 メカデザイン:石垣純哉 特技監督:板野一郎 鳥人デザイン:宮武一貴
第1巻「海と風と」第2巻「地上の星」
地球統合戦争から8年、統合軍と反統合同盟の戦いは、まだ続いていた。主人公のパイロット、工藤シン(鈴村健一)はF-14で戦闘中に誤って撃墜され、南海の孤島マヤンに漂着する。誰も信用せず、戦いにも嫌気が差していたシンは、そこで美少女の巫女サラ・ノーム(小林沙苗)と出会う。サラは島の近代化を嫌い、頑なに伝統を守ろうとしていたが、実は、森や風のささやく歌を感じることが出来、歌うことで花を咲かせ、岩を浮かばせるという不思議な力を持っていた。サラと触れ合うことにより心を開いていくシン。しかし、この平和な島にも戦争の影が忍び寄っていた。
というのが、あらすじですが、2本見た時点での感想を言えば、「やや物足りない」というところでしょうか。統合軍の可変戦闘機VF-0のガゥオークやバトロイドへの変形シーンは、CGで昔より数段スゴイものになってるんですが、昔、手描きの変形シーンを初めて見た時のような驚きは感じませんでした。
舞台を南の島にしたのも、「アルジュナみたいに、また環境問題がどうのとか言い出すんじゃないだろうなあ」と気になります。フォッカー(神谷明)が出てきたり、プロトカルチャー伝説という単語が出てきたり、旧作ファンにはうれしいところもあるのですが、「ちょいと真面目に作りすぎてるかな?」という気もします。ヒカル、ミンメイ、美砂の三角関係のラブストーリーを、バカバカしいくらい壮大なスケールの戦争をバックに展開した初代マクロスのファンとしては、もうちょっと羽目をはずしてもらいたいと思うんですけどねえ。
まあ、このマクロス・ゼロもそのうち、シン、サラ、マオ(南里侑香・サラの妹)の三角関係の話になっていくようですから後半に期待しましょう。
◆ 2004年3月21日
第23話「愚者の祭り」
脚本:大河内一楼 絵コンテ・演出・大橋誉志光 作画監督:中谷誠一・植田洋一
月軌道基地で初となる最高評議会のため、最高レベルの警備体制が引かれる。愚痴をたれるフィーだったが、静かの海基地のドルフが気になり連絡を入れる。「こっちは心配ない」と通信を切るドルフ。しかし、その直後、整備工に変装した武装テロリストが基地を占拠する。「“またたび”は手に入れた。“黒猫”に鞄を渡せ」。
やっぱりラストのヤマはテロの話になったね。9.11からこっち、イラク、パレスチナ、チェチェン、スペインなどなど、テロの話題には事欠かない世の中だから。こんな現在進行形の重いテーマを、エンターテイメント作品でやっちゃうところが、日本アニメの懐の深さ。面白いよ、アニメの『プラネテス』。
ハキムと再び対峙するハチ、そしてクレアの運命、タナベはハチを探して走る、ゴローさんとロックスミスは船を守る。それぞれバラバラに語られてきた個々人の状況が、ここに来て一気に収束していく。来週も楽しみだ!
第50話「さけられない ものすごい 一騎打ち」
脚本:吉田玲子 絵コンテ:水瀬たむら・佐藤順一 演出:平池芳正 作画監督:福島豊明・高津幸央
土壇場になって、そらと主役の座を争うことを宣言したレイラさん。「“天使の技”だけなら技術でマスターできるわ。私にはなくてあなたにしかないものを見せてちょうだい」。
実質最終回のような盛り上がり。レイラさんが去った後のカレイドステージの話として始まったセカンドシーズンだけど、最初はどこに行くのか判らなかったんだけど、最後になってみると最初からきちんと構成してたんだなって判るね。ストレートなストーリーを、寄り道せずにじっくり見せていく着実さはさすが。それでいて、マンガっぽいバカバカしい大げさな特訓やら、物理的にリアルとは言い難いステージの技とか、おおらかなところが魅力なんだよ。
最近のアニメ作品が、きっちり理詰めで固めた設定に流れがちなんだけど、アニメらしい奔放さがなくなってる気がしてたんだよね。この『カレイド』は、“スポーツもの”じゃなく、ちゃんと“スポ根”なんだよ。
今回、セリフで納得させるタイプの演出。みんなしゃべるしゃべる(笑)。結局、“誰も見たことないステージ”なんて映像で納得させられるわけないんだよね。こういうときは、なんだかんだいってセリフが一番強い。正しいです。とは言え、ラストの“天使の羽”は、なかなか上手かったね。途中の、和田高明さんの作画もナイス。ああ、泣ける。
次回予告の、「翼は夢、そして空へ!」の決めセリフをみんなでハモるところは、ファーストシーズンのラス前と同じ。
第8話「プリキュア解散! ぶっちゃけ早すぎ!?」
脚本:清水東 絵コンテ・演出:五十嵐卓哉 作画監督:為我井克美
ほのかはなぎさのために、藤村先輩となぎさを引き合わせようとする。でも、なぎさにとっては余計なお節介。腹を立てたなぎさは思わず叫ぶ、「あなたは、プリキュアってだけで友達でもなんでもないのよ!」。
今回は、ふたりの関係にフィーチャーした話。友達というにはまだ遠慮がちだった関係。すれ違いから反発するようになるふたり。そして、ぎくしゃくした状態のふたりに襲いかかるドツクゾーン。チョー定番な展開。でも、こういうのは東映少女アニメらしい王道の展開。
絵コンテ・演出は、五十嵐卓哉さん。五十嵐さんらしい、奇をてらわない、キャラクターの心情を丁寧に描写する演出。バトルシーンの、ふたりがお互いの性格の違いを口げんかっぽく言い合いながら戦うシーンはなかなかよかった。おとなしかったほのかがなぎさにズケズケ言うようになって、ちょっとコンビらしい掛け合いが見られるようになったね。ちょっと、面白くなってきたかも(ちょっと、ね)。
新アイテムは、スパイ手帳みたいな、秘密のメッセージを書き込める手帳。グッズ展開は大事だよね(笑)。
◆ 2004年3月22日
GONZO10周年記念アニメ、『LAST EXILE』ッスよ。第1話本放送は、すでに1年前か〜。
監督:千明孝一 シリーズ構成:千明孝一、GONZO キャラクターデザイン原案:村田蓮爾 アニメーションキャラクターデザイン:堀内修、ムラオミノル、田中雄一 プロダクションデザイン:前田真宏、小林誠 美術監督:小倉宏昌 アニメーション制作:GONZO
第1話「ファースト・ムーブ」
脚本:千明孝一 絵コンテ:佐山聖子・千明孝一 演出:千葉大輔 作画監督:しんごーやすし
山間の小さな町でヴァンシップ(小型飛行艇)でバイク便みたいな運び屋(ヴァンシップ組合所属)をしている、クラウス・ヴァルカ(浅野まゆみ)と幼なじみのラヴィ・ヘッド(斎藤千和)。ある日、戦闘中のアナトレー(国です)の艦隊司令宛に娘からの手紙を届ける仕事を請け負う。危険レベルは星3つ。
田舎で暮らしてた飛行艇好きの少年少女、貴族と平民が暮らす世界は大国の戦争のまっただ中。ギルドが狙っている謎の少女、どちらの軍隊にも属さない高性能戦艦、無口な艦長、気さくな整備班たち。はい、なんだか『ラピュタ』と『ナディア』と『紅の豚』足して、GONZOがアレンジしたみたいな。え? なんだか、どれも微妙にかぶっててたとえがワカラン?
世界観は、スチームパンクってヤツですか? 住んでる世界は『ラピュタ』みたいなひと昔前のヨーロッパ風味。飛行艇(設定)は、なんだかよくわかんない仕組みで飛んでる。雰囲気は、第一次大戦の頃の戦闘機。レースにドッグファイトに、大活躍。シルヴァーナの艦長のアレックス・ロウ(森川智之)は、世界を支配できるだかなんだかの秘宝“エグザイル”とやらを探しているらしい。エグザイルに関する秘密と関係があるらしい少女、アルヴィス、(白木杏奈)は11歳。ラヴィが昔肌身離さず持ってた羊の人形がお気に入り。
ストーリーは、過去の作品たちと同じような感じだろーなーと思うんだけど、きちんと説明はされず。「ま、コノ手の話、だいたい判るでしょ?」ってことかな? キャラ同士の関係もあんまり説明がないんで、ちょっと不親切。まあ、その辺は気にせずに流してもOKかな(知らんけど)。
スチームパンクの世界観は、なかなか今日日のアニメらしく懲りまくってて良し。プロダクションデザインは、たぶん、「この部品はこういう働きで」とかあるんだろうけど、説明をまったくしないところがクール。メカ関係は詳しくないぼくでも、画面から出てくるマニアックなオーラを感じるよ。ギルド側の機械が、シロートでも説明なしで、「あ、このギルドってのは文明レベルが二回りくらいケタが違うんだな」って判る。この辺のデザインの説得力って気持ちいいよね(でも、ヴァンシップとほぼ同じ燃料ってのがショックだったけど(笑))
キャラデザインはいつもの村田蓮爾キャラ。ちょっととぼけたクラウスと真っ直ぐなラヴィ。こいつら兄妹かと思ったら、幼なじみだって。エラく健全な感じなのな。ラヴィは色気はゼロだけど、表情が楽しいな。画面の端っこにいるときも要チェック。声の斎藤千和さん、『R.O.D -THE TV-』のアニタちゃんでもそうだけど、こういう役上手いね。
GONZOといえば、早くからデジタルを作品に取り入れたことで有名だけど、実は3DCGじゃない作画のところのクオリティが高いんだよね。もちろんCGも作品毎にクオリティが上がってるんだけど、CGの凄さって賞味期限がせいぜい1,2年だからね。メカ類、水や雲、爆発、煙、火なんかのメカ・エフェクト系はほぼCG。作画との調和が気になるところなんだけど、今回、フィルター処理がこなれてきて、3DCGとセルの質感、背景美術の三位一体がお見事。小倉さんの背景がまたイイんだよ。
ストーリーは、まだ9話までみただけだからハッキリしないけど、画面の雰囲気とかメカとか小物やら服やらのデザイン、キャラ造形、艦隊戦やドッグファイトのアクションとか、この辺が好みなんで観てるだけで楽しいよ。ウェブサイトなり観てピピッと来た人は観てみてソンはないかも。画面のクオリティ面では、現在のTVアニメの最高峰の一つといっていいでしょう。要チェック。現在、レンタルビデオが第4巻(第10〜12話)、セルDVDが第9巻(第14,15話)までリリース。よかったらドウゾ。
◆ 2004年3月25日
古本屋で、アニメーターの田中達之さんの画集『CANNABIS WORKS』ゲット! 昔、「コミック・キュー」(vol.9)にもマンガが載ってたね。
第22話「さよならはいやだ」
脚本:米村正治 絵コンテ:冨沢信雄 演出:嚴上鎔 作画監督:崔宇植
暖かかった島に冬がやってきた。ベルは、「前にお父さんがある惑星で同じ状況にあって活躍したから」という、超個人的な動機で洞窟に新しい住みかを作ったため、結果的に助かったみんな。ベルとシンゴは、川の上流で温泉を見つける。そこは、動物たちの小楽園だった。みんなで飼ってたパグー(おとなしい草食動物)を群れに返そうという話になる。
宇宙船のなかで発見した宇宙人の子供を、なんの疑問も持たずに、動物の子でも飼うように育ててるんだよな、こいつら。だまされるな! そいつは物体Xだ! しかも名前がアダムだって。ついでにこいつの肋骨からイヴでも創るか? アダムに言葉を教えて知恵つけたお前らはさしずめ蛇か? さて、楽園を追われるのはどっちだ!?
寒さの原因は、例の遺跡みたいな宇宙船から発生しているという“赤外線反射物質”らしい。そんな、惑星を覆うほどのガスを発生してるのか? このアニメ、いったいどこへ行くんだろう? っていうか、寒さで食べ物も乏しいなかで、んなデカい動物飼ってる場合じゃねーだろ。おとなしく、愚鈍で、大きさもそこそこ…。普通、ソッコーで食うだろ? NHK教育アニメだからって(だからこそ)、こういう人が生きる上でさけられない原罪を描くのを避けるんじゃねー! 公式ウェブサイト見てて気づいたんだけど、このアニメって全52話やんのね。よっしゃ、1年間全部観たろやないけ!
第12話「紙々の黄昏」
脚本:倉田英之 絵コンテ:鈴木信吾、演出:湖山禎崇、作画監督:橘秀樹・矢上孝一・枡田邦彰・下谷智之
第13話「続・紙々の黄昏」
脚本:倉田英之 絵コンテ:福田道生、演出:江島泰男、作画監督:高橋裕一
さあさあ、信頼してたリーさんの裏切りで、いよいよ事態はのっぴきならない状況に。この巻、全編シリアスだ〜。
リーさんによって読仙社にさらわれたねね姉。「アンタには、世界一の物語を書いてもらう」(byリーさん)。読仙社のラボで実験体に使われるねね姉。あんなことや、こんなことや、ヒドいことに!
『R.O.D -THE TV-』って、第1話以外に、ミッション編でも意外とアクションらしいアクションってなかったんだけど、第12話、第13話と、これ全編アクション。作画も期待通りの出来。第12話より、第13話の方がアクションに切れがあるかな? ふだんのほほ〜んとしてるマギーちゃんが大活躍するのも第13話。三姉妹が正式のコスチューム(版権とかでおなじみのこの服)でミッションするの初めて。
オーディオコメンタリーで舛成監督も言ってたけど、制作当時スタッフみんなが『ロード・オブ・ザ・リング』にハマってたみたいで、「アクションとか、結構パクってるんだよ」と(笑)。「マギーも(みんなを逃がすためにしんがりを務めるのも)ガンダルフだし、橋からあ〜って落ちるところもそう」って(『旅の仲間』のラストね)。そういや、ミシェール姉の弓使いも、矢を3本同時撃ちとか、もろレゴラスっぽいし(笑)。ちなみに、ウォンさんのモデルは、オリバー・カーンだって。似てないかも…。
ラスト、リーさんあっけなく死んじゃうのね。オリバー・カーンも死んじゃったっぽいし。金(キム)さんは「ちょっとトイレ」とか言って逃げてたけど。リーさん、死に際は格好良かったね。鳩も飛んでるし(もちろんスローモーションで!)。できたらたばこの火は、札びら燃やしたので点けてほしかったな(参考)。
読仙社のビルが崩壊するのはいいとしても、香港が海に沈んじゃったのはさすがにやりすぎ感があるけど…。OVA版のテキトーさを引き継いでるのね。ま、『R.O.D』シリーズは、なんでもアリだからね。エンディング後に、ついにあの人登場(声のみだけど)。
第14話「紙葉の森」
脚本:倉田英之 絵コンテ:舛成孝二、演出:舛成孝二、作画監督:千葉崇洋
第14話は、総集編。“元”ドジッ娘、ウェンディちゃんのナレーション。サブタイ、マニアックすぎ(元ネタ)。総集編なんだけど、OVA版からほったらかしだった謎が数年越しでやっと明らかに! 前にも書いたんだけど、「最初に偉人をよみがえらせたのは誰なんだ」とかさ。
『ガンダムSEED』んときは、「総集編で、オイシイ設定をセリフだけでしれっと流すんじゃねー!」とか思ったんだけど、『R.O.D -THE TV-』だと許せるのはえこひいきかしら?
5巻のコメンタリーのゲストも、ウェンディちゃん役の鮭延未可さん。無口なひとはコメンタリーに向かない…(笑)。
◆ 2004年3月27日
“イシュバールの惨劇”って聞くたびに、シズマ博士の叫びと庵野バクハツを思い出すのはぼくだけ?
『おジャ魔女どれみ』のオリジナルシリーズ、製作決定! その名も、『おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ』。中学生編、ではなく、『も〜っと!』(5年生)内の裏エピソードらしい。『も〜っと!』といえば、ももちゃんが初登場したシリーズ。始めはニューヨーカーらしい東海岸流のリベラルな面を見せてたんだけど、途中から典型的な“ヘンなガイジン”キャラになっちゃったんだよね。
スカパーで6月26日(土)から毎週放送。全13話。「♪ABCDEFG、おいしいおいしいお菓子のパレード〜」。楽しみ。五十嵐さん、ガンバレ!
illusion:vii「胸毛の黙示録」
脚本:萩田寛子 絵コンテ・演出:山本寛 作画監督:池田和美
illusion:viii「てけてけラヴェンナ」
脚本:水島努 絵コンテ・演出:山本寛 作画監督:池田和美
都会編は前回で終わり。今回から、前回からの流れはまったくなかったかのようないつものジャングルのエピソード。「胸毛の黙示録」は、長老の孫のトポステ(前田このみ)についに胸毛が!? 久々の長老、胸毛がスゴいことに(笑)。『ハレグゥ』らしい意味のないバカな話が帰ってきたね。ハレさんも期待通りにヒドい目にあっちゃう。『黙示録』ネタは、グゥさんのカメラマン姿くらい。あんまりパロディになってないのね。
「てけてけラヴェンナ」は、レギュラーキャラながらこれといったエピソードもなかったラヴェンナ(白鳥由里)にフィーチャーした話。実はラヴェンナファンだったりして(笑)。ウレシいな。ストーリーは、ラヴェンナが朝起きて町まで買い物に行ってまた帰ってくるだけ。全編、ラヴェンナのカワイイ映像満載。ラヴェンナファンにとってはオイシイんだけど、ま、それだけ。アタシは楽しめましたけど。
毎回言ってるみたいなんだけど、次回が楽しみ。っていうか、もう3回目のシリーズだけあって、すっかり落ち着いちゃってるのかな?
第14話「女神の来日(温泉編)」
脚本:賀東招二 絵コンテ:武本康弘 演出:山本寛 作画監督:池田和美
第15話「仁義なきファンシー」
脚本:志茂文彦 絵コンテ・演出:渡辺純央 作画監督:高田晃・中武学
今気づいたけど、上で書いた『ハレグゥ』も京都アニメーションの回だったのね。
さてさて、『フルメタ? ふもっふ』だけど、前巻に続きテッサ艦長(ゆかな)の話。前作でレギュラーだったマオ姉さん(根谷美智子)とクルツ(三木眞一郎)も合流。なぜかみんなで温泉に行くことに。「温泉といえば、アレだアレ!」。というわけで、バカなことに命を賭ける男たちの物語である。
いや〜、スバラシイ! 外国人に「日本のアニメってどんなんですか?」といわれたら、『フルメタ? ふもっふ』のこの第14話を見せるね。ハダカあり、アクションあり、パロディあり、しかもラストちょっとエエ話になってたりと、日本アニメの良質な(笑)部分が25分に凝縮されてるといっていいでしょう。宮崎作品とか押井作品みたいな上澄みの部分が注目されがちだけど、こういうバカなエンターテイメントこそが日本アニメの本質だよね。
Aパート前半の入浴シーンの“隠し方”は笑える。っていうか、『オースティン・パワーズ』? 脱衣シーンも気合い入りまくり。美学すら感じるね。Bパート後半のテンションの高さはスゴいものがあるよ。最近のアニメでは一番のハイテンションかも。しかも、作画がスバラシイと来てる! 動く動く。クルツの男気あふれる演説、覚醒する風間くん(能登麻美子)(笑)。あのアニメのパロディも。バカバカしいにもほどがある。でも愛してます。京都アニメーションバンザーイ! 第15話もちゃんと面白いよ。
◆ 2004年3月28日
第51話「約束の すごい 場所へ」
脚本:上代努 絵コンテ:佐藤順一 演出:福多潤・筑紫大介・唐戸光博
作画監督:鈴木雄大・加藤裕美
福島豊明・高津幸央・金崎貴臣・樋口靖子
原画協力:佐藤順一・福田潤
そらの“天使の技”により演じている者ステージを観ている者すべての心にある思いが去来する。その時、みんなの心は一つになった。これが“争いのないステージ”の片鱗だったのだ。負けを認めたレイラ、「新たな挑戦者にとって壁となり、そして時が来ればステージを明け渡す。戦うことも義務なのよ」。
そして、ステージ初日を翌日に控え、裏方さん、演出班、ロゼッタ、クラウン班、それぞれが手応えを感じつつあった。夜も明け切らぬ早朝、ステージの客席は期待に胸をふくらます観客でいっぱいだった。「幕を開けてください。みんなで最高の喝采を浴びよう!」。
さてさてさて、ついにやって来てしまいました、最終回。いや〜、気持ちよく終わってくれました。ちゃんとみんなが幸せになって終わるってのは、なんだかんだ言っても良いもんだね(←“争いのないステージ”を観てちょっといい人になってる)。客席に、懐かしのキャラたちが集合するあたりは、『あしたのジョー』最終回並みに感動。こういうのはいかにも最終回らしくて好きだな〜。ジョナサン限定だったアンナのギャグが、今回は人間にもウケてる(笑)。ロゼッタもブランコの本格デビューを成功させた。(ハモって)「エターナル・イリュージョン!」。そして、サラさんの歌声を合図に、そらとレオンのシークエンス、“天使の飛翔”へ…。
“天使の飛翔”、“幻の大技”の時よりカタルシスがあった気がする。“幻の大技”の時は、技そのものの凄さってのが売りだったんだけど、今回の“天使の技”=“争いのないステージ”は、技そのものより技が喚起する場の空気とか心理的なものを重点にしたのが上手いよね。“誰も観たことのないスゴい技”なんて映像にできっこないし、しちゃったらガッカリってのがオチ。だから今回は、ちゃんと素直に感動できたよ。もちろん、「こう来たか〜、上手い!」って思ってる自分もいるんだけど。絵的にも、朝日をバックにしたステージってのは上手かったよね。ステージを観ていたみんなが居ても立ってもいられずステージに上がって演技をし出したのは笑ったけど感動(泣)。このベタさがタマラン! ラストの歌が、昔のオープニングだったのも涙モノだよ(しかも、レギュラー合唱バージョン)。
レイラさんの前で姿を消していったステージの精フール。「私の役目は終わったのね…」。なんか、そらよりもレイラさんが主役みたい。セカンドシーズンは、実はレイラさんの話だったのね。んで、ちょっと前から気になってたレイラさんちのメイドなんだけど、今日の回、メイドさんの顔が数秒アップ(微速トラックアップ)になったりするカットが2カ所ほどあって、「ん、なんだこの意味不明のカット?」って思ったわけ。「今日のコンテ佐藤さんのはずだけど、意味のないカットを入れるとは思えんし」と思ってたら、ラストのラストでビックリさせてくれたよ。「レイラお嬢様、わたくしメイドのお仕事はお暇をいただきました。今日からブロードウェイでステージデビューを目指します!」。そして、レイラさんのかわりにロゼッタにフールの姿が見えるようになる。「え? き、気のせい、だよね…」(笑)。こうして、時代を切り開く“愚か者たち”の遺伝子は次の世代に脈々と受け継がれていく。キレイなまとめ! 上手いよ、佐藤さん! 「翼は夢、そして空へ!」
・総評
何度も書いてきたんだけど、この『カレイドスター』は基本がスポ根なんだけど、主人公の勝負だけじゃなく、スポンサーとの関係とか、裏方の話とか、トータルでステージを描いていったのがよかったんだよね。あと、佐藤監督の作品に対するマニフェストといってもいい、「ステージ(アニメ)はお芸術でも競技スポーツでもなく、お客様を喜ばせてナンボのものだ」っていう精神が根底に流れてるのがいいんだよ。その辺に思いをはせながら観たら、また感慨もひとしおってもんだよね。
ファーストシーズン後半から、だんだんレイラさんに感情移入していったのは、佐藤さんの年齢立場からして自然なことだったのかもね。アニメの現場も、ともするとしんどいだけでなかなか報われないものなんだろうけど、佐藤さんの演出に見られるような、常に見る人を楽しませることを心に置きつつ、現場も、時には争いつつお互いを高めあっていくべきって願いがこもってるよ。今回の『カレイドスター』で、佐藤監督は、“争いのないスタジオ”を実現できたんだろうか? 監督の最終話の絵コンテを見て、作打ちをしてたスタッフが昔自分が観たアニメの思い出をフラッシュバックさせたりしたんだろうか?(笑) 「なぜかしら、このアニメの原画に参加したくて仕方がないわ!」、「子供の頃、親と一緒に観た『どうぶつ宝島』を思い出したわ…」。
そして、佐藤さんも五十嵐卓哉さんを(レイラさんがそらにするように)時には厳しく時にはやさしく育てたんだろうか? 「五十嵐、オレの夢になってくれ…」。だれか、同人誌描いてくれ〜(笑)。
◆ 2004年3月30日
いやあスゴかったですねえ松井のホームラン。グワラゴワキーン!っていう感じでしたねえ。ゴジラ対ジャイアンツの戦いが見られるとは思いませんでした。以前パロディで「ゴジラ対阪神の映画ポスター」ってのは見たことあったんですが。
さて、今回の作品は『』です。典型的な熱血ロボットアニメ、まるで『ナデシコ』に出てきた『ゲキガンガー3』みたいです。
監督・長岡康史 脚本:川崎ユキヒロ キャラクターデザイン:木村貴宏 ロボットデザイン:まさひろ山根。ことぶきつかさ 音楽:渡辺宙明 アニメーション制作:OLM・AIC
第1話「戦場のウェディングベル」
脚本:長岡康史・玉井☆豪 絵コンテ:長岡康史 演出:長岡康史・川島宏 作画監督:木村貴宏(キャラクター)・まさひろ山根(メカニック)
近未来、世界は正体不明なモンスター“擬態獣”の襲撃を受けていた。それに対抗するため世界各国はロボット軍団の結成を余儀なくされた。日本支部のパイロット猿渡ゴオ(近藤孝行)は5年前の戦いでパートナー・ミラ(久川綾)を失い、それ以来誰ともコンビを組まなくなっていたが、ある日ゴオの前に現れた美少女。彼女こそ5年前の戦闘の時ゴオに助けられ、それ以来ゴオのお嫁さんになることを決意してやってきた杏奈(中原麻衣)だった! 彼女は17才になった今もうひとつの夢、ロボットのパイロットになるため、ここダンナーベースに来たのであった。
というのが簡単なあらすじですが、一応4話まで見た時点での感想をいえば「まだまだ力を出し切っていないな」という感じです。東京の方ではセカンドシーズンが始まるみたいですが、いまのところ目を引くのは木村キャラのボインボインのお姉ちゃん(死語)とテンポのいいアクションくらいで、もっと血沸き肉踊るスケールのでかい展開を見せてくれることを期待します。そう「トップをねらえ」や「Gロボ」みたいな。
まあ、そうは言っても主題歌は串田アキラだし、EDテーマは水木一郎・堀江美都子の黄金コンビだし、宇宙刑事みたいな渡辺宙明のBGMは流れるし結構燃える要素が多いのはうれしい限りです。やっぱりアクションヒーローは宙明サウンド! 宙明サウンドで燃えないヤツは人として失格です(おいおい)。
ところで杏奈の通ってた高校の制服はなんであんなにハズカシイんでしょうか? 胸の蝶々といい色といい、とても高校の制服には見えません。ある意味ブルマより恥ずかしいぞー。結婚式の後ボロボロのウエディングドレスでロボットに乗り込むシーンも色っぽくて良かったけどね。でもどうしてロボット部隊はどれもこれも男女ペアで乗り込むことになってるんでしょうねえ? やっぱ愛のパワーかな(笑)。とにかく続きも楽しみに見ることにしましょう。
もうすぐ『鉄人28号』の新作が放送されるそうですがアトムと並んでロボットアニメの原点ともいうべきこの作品、大いに期待大です。前にも『新・鉄人28号』とか『鉄人28号FX』とかありましたが、デザインが複雑になるたびに印象は逆に弱くなっていってしまいました。なぜだ? 『マジンガーZ』が主人公自らメカに乗って乗り込むパターンを作り出したのは画期的でしたが、後年の作品に影響を与えたのは、むしろ『科学忍者隊ガッチャマン』のメカ描写でしょう。この2作品は同時期(72年)に放映されていましたが、見比べてみると、かなり差があります(まあ『マジンガーZ』のレベルが普通だったんですけどね、この頃は)。
ロボットアニメに“ロボットは戦争兵器”という概念を持ち込んだ『無敵超人ザンボット3』や『ガンダム』の、いわゆる富野作品。おもちゃでも再現可能な合体を見せてくれた『コンバトラーV』、主役メカにも容赦なく弾がバシバシ当たってた『ボトムズ』、久しぶりに動きの楽しさを教えてくれた『ゴールドライタン』、何の意味もなく変形してた『トランスフォーマ』(アニメファンはみんなとまどったゾ!)の1作目、パターン破りの『ザブングル』、人間のエゴを描いた『イデオン』、やっぱり男は熱血だ!の『Gガンダム』…。
いろんな作品がありましたが、みんなそれぞれ印象深いです。はたしてこれからロボットアニメはどこへ?