2004年4月29日
・『妄想代理人』

原作・総監督:今敏 脚本:水上清資 キャラクターデザイン:安藤雅司 音楽:平沢進 アニメーション制作:マッドハウス

・Synopsis  癒し系キャラ、マロミを生み出し、一躍人気デザイナーになった鷺月子(能登麻美子)。社長は2匹目のドジョウをとばかりにプレッシャーをかけ、同僚はその成功を妬む。元が不思議ちゃんキャラな上に人付き合いも得意ではない月子は、次第にプレッシャーに押しつぶされそうになる。そんなある夜の帰り道、月子は近所の駐車場で通り魔に襲われる。

 さてさて、大枠のストーリーは聞いてたんだけど、実際観てみたら、予想以上にちゃんと“怖い”話になってたよ。舞台は、武蔵野の典型的な住宅地。事件らしい事件も起きない平和なベッドタウン。そこへ登場した“少年バット”。いるんだかいないんだか分からない“容疑者”なんだけど、そのキャラ立ちした外見から、人々の心の中に急速に浸透していく。噂が噂を呼び、憶測がさらなる疑惑を駆り立てる。そんな中、普段の生活の中でストレスから妄想を抱き、その内圧が限界値にまで高まったその瞬間、少年バットは現れる! 平和な街に暮らす、フツーの人々の心の奥底に眠る暗黒面を描いていく、オムニバス形式。

第1話「少年バット参上」
脚本:水上清資 絵コンテ:今敏 演出:平尾隆之 作画監督:鈴木美千代


 第1話は、あらすじで書いた月子の回。この回、今監督が演出処理までやってるんだけど、スゴいと思ったのが、“不快な表現”ってのをキッチリやってて、しかも演出として成功してるところ。「噂マガジン」の記者の津川(内海賢二)が、パフェを食べながら月子をねっとりした視線で見るところなんてスゴいよ。アニメであんな嫌な感じが出せるなんて、感動。

 やっぱり、今敏はスゴいや。アニメって、セルの質感から、生々しい感じとか汚いものとか表現しにくいし、視聴者の嗜好からあえてやってこなかったってのもあって、あんまりこういうネガティブな表現ってなかったんだよね。

 月子も、一瞬カワイイかなと思ったけど、やっぱり怖い。マロミ(癒しキャラ)も月子の視線に立つと、歩いたりしゃべったり(声:桃井はるこ)、やっぱり怖いよ〜(笑)。


第2話「金の靴」
脚本:水上清資 絵コンテ:鰐淵良宏 演出:遠藤卓司 作画監督:鈴木美千代


 第2話は、小学生鯛良優一、通称イッチー(山口眞弓)が、少年バットとして疑われることから学校の人気者の座を追われ、いじめられっ子になっちゃう話。元いじめられっ子のウッシー(津村まこと)との対比がスバラシイ。小学生だって、心の中は卑しいもんだよ。イッチーの主観で、クラスのみんながゆがんで見えてくるところは怖い。 ああ、面白い。

 今回、TVシリーズってことで、今さん、シナリオには全部目を通してるらしい。曰く、「今のアニメって、たしかにクオリティ高い。とくにキャラ周りの作画は、各話でばらつきがほとんどないくらい。でも、一般にクオリティクオリティっていうときは、その中にシナリオは入ってないんだよ」と。今回、今さんは始めるに当たってラストをどうするか決めてなかったらしい。っていうのも、こういう話なんで観てる人も巻き込んで謎を共有していくような“ライブ感”をだしたかったんだと。ま『エヴァ』と同じ手法ッスかね。

 あと、テーマ的なところで、「少年バットって、実は癒し系なんだよ」と。なるほどなぁ。ストレス内圧が限界まで高まったところで、その人が望んでいたかのようなタイミングで登場する。癒されるかどうかはわかんないけどさ。今、癒し系なんてのがブームだけど、あんな緩いキャラやら音楽やらでは人の心なんて癒されるワケない。他人を貶めたり傷つけたり、そういう攻撃的なことでしか癒されないもんなんだよ。昔は、ムラの共同体内でハレの場(暴力が公認される場)として祭りが機能してたんだけど、今の郊外住宅地には共同体もガス抜きの逃げ場もない。そんな逃げ場のないストレスが、少年バットのような化け物を生み出す。それは、人間の精神の防衛本能であり、究極の癒し系ヒーローでもあるのだ!

 少年バットなる人物が実在するのか、幻なのか? それとも、誰かが化けてるだけなのか? その辺の、『パーフェクトブルー』的な虚実のあやふやなところが今後どう展開するか楽しみ


【コロッケ五円之助】

2004年4月29日

 う〜ん、『ケロロ軍曹』、面白くないワケじゃないんだけど、思ってたよりイマイチ淡泊な印象なんだよね。“人間型スーツ”も意外と笑えなかったし。『ガンダム』ネタも毎回だと飽きる。佐藤順一さんも各話に関わってないのもサトジュンファンとしては残念。まあ、安定した面白さはあるんで、今後の発展に期待。

●カレイドの すごい OVA?
 んで、佐藤順一監督といえば、こないだ見事に大団円を迎え、TVの前の大きなお友達の胸の中にある“天使の心”を呼び覚ました『カレイドスター』なんだけど、OVAとして後日談(?)的なお話がリリースされる模様! 佐藤さん、それじゃ『ケロロ』にまで手が回らないハズだよ。絵コンテ・演出・作画監督は、ロゼッタ係にして作画のいい回には必ず関わってた和田高明さんだ〜! 後日談ってことは、フールが見えるようになった次期“真のカレイドスター”ロゼッタたんの活躍、期待していいんだよね、よね、よね〜!

・『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』

第3話「土曜の夜と日曜の朝 CASH EYE」
脚本:佐藤大、絵コンテ:西村純二、演出:布施木一喜、作画監督:新野量太


 “怪盗キャッシュ・アイ”に財産を狙われた田所会長(水島鉄夫)、政界のツテを頼って公安9課の荒巻に警備を依頼してくる。なんでも、財政界の大物が集う秘密のパーティが近々あるという。そのパーティとは、愛玩用アンドロイドを自慢しあう“趣味のパーティ”だった。荒巻と少佐は、アンドロイドとその持ち主に偽装してパーティの警護に当たることにする。

 『攻殻S.A.C』の中では、割と遊び入ったエピソードッスね。『オーシャンズ11』みたいな、どこかユル〜イ金庫破りの話。メイキングでも言ってたけど、神山健治監督、ジョージ・クルーニー好きらしい。

 この話も、どっかユルくてそれこそ『攻殻』らしさはないんだけど、そこはかとなく面白いんだよね。大笑いもしないけど、全体的に漂うユーモアが笑える。ストーリー自体も、なんかとてつもなくベタ。でも嫌いじゃないな。とくに、次のちょっとハードなアクションと対比すると際だつね。ラストもほのぼの。

【コロッケ五円之助】
・『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』

第4話「天敵 NATURAL ENEMY」
脚本:藤咲淳一、絵コンテ・演出:吉原正行、作画監督:丸山宏一


 先の大戦で廃墟となった地区で極秘裏に行われていた自衛隊の演習中、一機のヘリ、“ジガバチ”が暴走を始める。

 サブタイトルにあるとおり、9課の天敵登場。内閣情報庁戦略影響調査会議代表補佐官、合田一人(ごうだ・かずんど)(西田健)。戦争の古傷か、一度見たら忘れられない顔。さしずめ、『劇パト2』の荒川みたいな胡散臭さ。

 今回は顔見せ程度だったけど、ここから9課と、ゴーダ率いる内閣情報庁の確執が始まるんだろうね。茅葺総理も第1話で出てきたっきりだし。しかもまだ、“決断の鈍いお飾り首相”って感じ。声が榊原良子さんだし、実はもっとしたたかな性格のキャラだと思うんだけど、まだ爪を隠してるんだろうか。エピソードを重ねてじっくり描いていくって事なんだろうけど、願わくはもうちょっと最初の方からシリーズ通しての見所みたいな分かりやすいフックを作って欲しいな。30分1話のエピソードも良くできてるんだけどね。

 今回は、アクションもアリってことで、作画もなかなかの出来。スパイダーマンみたく飛んでヘリと戦うタチコマはカワイイ。原画に井上俊之さんがいたよ。演出のテンポも良くて、アクションもいいし、面白かったよ。これこそ『攻殻』って感じ。ああ、続きが観たい!

【コロッケ五円之助】

2004年4月24日

熊  「ご隠居さん、また映画見てきましたよ。」
ご隠居「おう、イノセンスかい?何だいやっと見たのかい。」
熊  「いえ、あれは途中で寝ちまいまして・・・・・・。」
ご隠居「バッカモーーン!そんなことでどうするんだい。」
熊  「す、すいません。でもねクレヨンしんちゃん見たんですよ。」
ご隠居「ふむ、あれか・・・なら許そう。あれも立派な映画じゃからな。」
熊  「ご隠居さんも幅広く見てやすねえ。」
ご隠居「自慢じゃないが゛桃太郎・海の神兵゛から見てるからな・・・・。」

・『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ夕陽のカスカベボーイズ』

 また今年も、クレしんの季節がやってまいりました。アルデンテです。 そう、「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ夕陽のカスカベボーイズ」です。 監督は、おなじみ水島努。今回もダイナミックでした。

 今日も元気に鬼ごっこで遊んでいるしんちゃん達は、いつの間にか閉鎖した映画館「カスカベ座」に入り込んでしまった。そこではなぜか西部劇を上映していて気がつくと、しんちゃん以外は消えてしまっていた。風間くんやネネちゃんは夜になっても帰らず、心配したしんちゃん一家は手がかりを探して夜のカスカベ座へ。そして、いつの間にか映画の世界へ取り込まれてしまうのだった。

 いつもながら、あっさりと異世界へ行ってしまうしんちゃん達。「ここはどこだ?まるで西部劇の世界じゃねーか!」叫ぶひろし。そう!そこは正に西部の大平原、しかも町は1つしか無い。そこには他にもいろんな人が取り込まれていた。ここは一体…?暗くて重い導入部なんですが、先に町へ来ていたマサオくんや風間くんが早々と町になじんじゃっているのが笑えます。(しかも一人一人似合った変わり方をしてるのが可笑しい。ボーちゃんなんかインデアンだし・・・)

 今回は映画の世界に取り込まれる話なので色んなゲストが出てきます。水野春郎なんかブタのように手足を縛られて登場し(映画オタクという設定で名前はマイク!)しょっちゅう蹴られまくります。最初チョイ役かと思ったらけっこう最後まで活躍してたのでびっくり!(笑)この世界のボス・悪徳市長ジャスティス(モデルはジョン・ウェインらしい。)は立ち入り禁止の場所に何かを封印しているらしい。果たしてそこに隠されているモノとは・・・・?

西部劇映画のスターも大勢出演、発明家でしょっちゅう馬に引きずられるリンチにあってるのは、どうやらジュリアーノ・ジェンマらしいし、突っ走る列車でピンチに陥ったしんちゃん達を助けるために現れるのは、あの7人の男たち!(拍手喝采)ワタシ西部劇に詳しくないもんでブロンソン、ユル・ブリンナー、ジェームズ・コバーンくらいしか判りませんでした(ううう)。あっそういやマックイーンもいたゾ! ファンの人なら「ワイルドバンチ」の、あの兄弟や「夕陽のガンマン」のクラウス・キンスキーも判ると思います。ラストに出てくる保安官型巨大ロボも手ごわいゾ! みさえがモンローの真似するシーンも、かなり強烈です(子供ファン呆然?)。

 恐ろしいのは、この町に長く暮らしていると段々もとの町の記憶を忘れていってしまうという設定。「ぶりぶりざえもんの描き方思い出せない」。愕然とするしんちゃん。物理的な出口は無い! 太陽も真上で止まったままのこの町でどうするカスカベ防衛隊? 映画がオラたちを必要としている? なんだかSFっぽいシチュエーションの今回の「クレしん」。そして謎の美少女、椿ちゃんとは。やっぱり最後まで目が離せないゾ!

【アルデンテ有森】

2004年4月23日

 『真剣10代しゃべり場』、一応見る。あんまり面白くない。っていうか、素朴な印象論とか普通の常識の範囲でしか語られてない気がする。でも、「なぜオタクだけが、その趣味と生き様とを重ねて語られるのか」ってのが気になる。

 あんまり関係ないけど、森川嘉一郎さんの『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』(幻冬舎)は、なかな面白かった。オタク論ってより、アキハバラ都市論って感じ?

・『無人惑星サヴァイヴ』

第26話「応答願います」
脚本:米村正治 絵コンテ・演出:飯島正勝 作画監督:池下博紀


 いきなりやってきた冬もあっさり終わり。アダムが眠っていた遺跡が宇宙船である可能性があるとして、調べていたシンゴとチャコ。ついに(地球人の)宇宙船との通信に成功するのだが、会話の途中でとぎれてしまう。

 なんか、いきなり話が動いてビックリ。まあ、宇宙人が出てきたところでもビックリしたんだけど。結局、迎えに来た宇宙船は島の近くに不時着しちゃうんだけどね。アダムが、「ねえ、みんなボクを置いて帰っちゃうの?」と訊くと、答えてルナ「大丈夫、一緒に帰れるようにするから」。あのね、一応ファーストコンタクトなんだからさ、もうちょっと深刻に考えようよ。ま、このアニメにそんなツッコミは無効。

 来週予告で、なんか頑固そうな爺さんが出てきてたね。果たして、ルナたちにとって吉と出るか凶と出るか? 子供ばかりの仲良しな雰囲気の中に、オトナの理屈を持ち込んでくれることを期待。なんか雰囲気から、『コン・エアー』状態になりそうな予感? (ちょっとは)面白くなりそう。

【コロッケ五円之助】
・『魔法少女隊アルス』

第3話「魔法のホーキ」
脚本:小原信治 絵コンテ・演出・作画監督:久保まさひこ


 アルスが人間ってことがバレたら大変、ってことでとっとと別れちゃおうと、シーラは「ホーキでレースをして私が勝ったら、これ以上つきまとうな」と勝負を申し込む。最初は渋ったアルスだったが、森で見つけた弱った妖精をシーラの魔法で助ける事を賭けて勝負に乗る。

 最初は反発しあうふたり、間に入るエバ。これまた定番ッスね。3話まで見たけど、話自体は結構スタンダードな感じで進む模様。なんだかんだ言って、だんだん仲良くなるってパターンッスね。ホーキレースで飛んでくところの作画は、なかなか気持ち良かった。エバが落ちそうになって、「エバちゃ〜ん!」、「ギャルッちーちゃ〜ん!」って、お前らリポビタンDかよ(笑)。とくに、エバちゃんのどアップで、歯がすきっ歯だったのが良かったよ。あと、アルスのホーキ・ライディングポジションがDAICONスタイルだったところもグッド。

 前回、不自然なアップとか顔切れとかあって、どういう意図でやってんだろと思ったんだけど、アレってビスタ(横長)で作画したものを左右切って放送してるからこうなってんのね。公式ウェブサイトの、「各話あらすじ」のちいさいキャプチャー画像はちゃんと横長。なに考えてんだ、NHK? 普通に上下黒くして放送しちゃいけないのか? 受信料もらって放送してんだから、なにも映ってない部分を放送するわけにはいけないってこと? なんにしても、普通に放送して欲しい。気になってしゃーない。

【コロッケ五円之助】

2004年4月20日
・『レジェンズ 甦る竜王伝説』
監督:大地丙太郎 キャラ原案:宮崎なぎさ キャラデザイン:小林一幸 美術:小林七郎 アニメーション制作:ぎゃろっぷ


第1話「オイラが風を呼んでいた - Calling in the wind -」
脚本:山田隆司 絵コンテ:大地丙太郎 演出:小野勝巳 作画監督:Lee Jong Kyoung


 舞台はニューヨーク。シュウ・マツタニ(岡村明美)は、野球好きだがヘタっぴー、元気が取り柄の小学生5年生。父にもらったおもちゃ、タリスポッドをめぐって、悪のおもちゃ会社“ダーク・ウィズ・カンパニー”の影がシュウに迫る! そして、同じくソウルドールを狙う謎の美女ハルカ(渕崎ゆり子)も迫る!

 大地丙太郎監督送る、おもちゃ会社スポンサーものバトルアニメ(?)。相変わらず、凄まじい仕事量。いつ寝てんだろ? 第1話観ただけなんだけど、かなり大地丙太郎濃度が高い。第1話「オイラが風を呼んでいた」は大地さんの絵コンテ回なんだけど、もうコレが大地さんのコンテがそのまま動画になったような元気の良さ。ギャグの間やセリフのテンポ、追っかけシーンのドタバタ、途中出てくるばびっとみたいなの、などなどテンポの良さは健在。あと主人公のシュウが、典型的な大地キャラ。っていうか、名前からして、『今、そこにいる僕』と同じじゃん。剣道好きだけどヘタってところとか。声、岡村明美だし。ラストで、ビルの上で追いつめられたときには、そのままヘリウッドに転送されるのかと思ったよ(笑)。

 キャラ原案は、シスプリ 〜リピュア〜 キャラクターズ』の宮崎なぎささん。シンプルながらカワイイキャラになってるよ。画面の色合いが、淡い感じで好み。小林七郎さんの美術も。この作品、制作協力で韓国のスタジオと組んでて、第1話も作画はすべて韓国。でも、コレがなかなかのクオリティ。あなどれない。まあこの作品、大地作品のいろいろあるレベルから言えば、“立ち上げだけに関わって後は現場にバトンタッチってタイプの作品”だと思うから、今後もこんなに大地濃度が維持されるかはわからないけどね。シリーズコンセプトって役名で、『十兵衛ちゃん2』でチーフディレクターやってた長濱博史さんが入ってる。あと、この回、ハルカ役の渕崎さんの演技がぶっ飛んでた。笑える。なんなんだよ、「おしっこもれる〜」って?(笑)

 主題歌は、いつもの通り作詞が大地丙太郎さん。エンディングが、山本リンダが唄ってた「どうにもとまらない」の英語バージョン。なるほどなぁ。そう来たか〜。

 そういうわけで、今後の展開も気になるんで、引き続きチェック。

【コロッケ五円之助】

2004年4月18日

 実写『セーラームーン』、「おおッ! ついにちびうさ登場か?」と思ったら…。文脈上、コレって萌えキャラデスカ? ニャン。『それいけ! ズッコケ三人組』、何気にトンデモなエピソードだな。『漂流教室』の怪物みたいなー。前の児童会長選挙は良かった。

・『ふたりはプリキュア』

第12話「悪の華・ポイズニー参上! って誰?」
脚本:川崎良 絵コンテ・演出:矢部秋則 作画監督:生田目康裕


 新たな敵登場。冷徹な女策士、ポイズニー(雨蘭咲木子)。策を弄して、ミップル・メップルを戦わずして奪おうとふたりに近づく。異変を感じたほのかのおばあちゃん、公園でポイズニーにやられそうに! その時、おばあちゃんはメップルからエネルギーを受け、ポイズニーに操られた人たちを気迫で黙らせる!

 観てて、思わず「おおッ! キュア・ホワイト、ブラックに続いてキュア・シルバー登場か!?」って叫んだね(笑)。婆ちゃん萌え〜。過去にミップル・メップルとなんか関係してたんだろうか? ふたりの秘密、おばあちゃんにバレたっぽい。

 話は、良くも悪くも、いつも通りの『プリキュア』。淡々とルーチン消化してる感じ。『エアマスター』みたくもうちょっと、突き抜けたものが欲しいな。

【コロッケ五円之助】
・『プラネテス』

第26話「そして巡り会う日々」
脚本:大河内一楼 絵コンテ:谷口悟朗 演出:谷口悟朗・北村真咲 作画監督:千羽由利子・田中栄治


 この作品もついに終わっちゃったね。実質、前回でヤマは迎えてたんで、今回は後日談的な最終回。でも、コレがそこはかとなく良かったんだよ。なぜか涙が…。弱ってんのかな、オレ?

 木星出発前の休暇中、ハチはチェンシンと一緒に、服役中のクレアに面会することに。刑期は10年。「洗いざらい話した結果よ。結局、小物ってこと」。ハチは、タナベと再会して“人はみんな宇宙とつながってる”ことを悟ったと話すが、言葉にすると上手く伝わらない。

 タナベは、神経再生手術(?)とリハビリのおかげで、再び宇宙に行けるまでに回復する。デブリ課のみんなは、そんなハチとタナベを以前と同じように温かく迎える。トイ・ボックス号で軌道に出ることに。「なんなら出てみるかい?」とフィー。ふたりの眼前にはいつもの地球の姿がある。でも、タナベには、最初に見た地球とは違って見えていた

 いやぁ、あんまりなんにも言うことないんだけどなぁ。余韻に浸ってたい気分(笑)。ハキムが出てきたときには、ちょっとビビったけど。ノノちゃんが、イイ台詞で収めてくれました。「さすがだ、オレのアルテミス」(ギガルト先生口調で)。ラストの、歌がまた泣けるんだ。山本弘会長も、「言い切ろう、原作より面白いと!」って言ってたけど、ホントよくぞここまで作ってくれました。タナベが、テム・レイ博士みたいになんなくて良かった(笑)。


総合評価

 最初の予測通りのハッピーエンドではあるんだけど、それまでの成り行きが成り行きだけに、かなり感動的に迎えることができたよ。ちゃんとエンターテイメントしながら、今みんなが興味を抱いてるグローバリズムの問題とか、テロの問題なんかも逃げずに真っ正面から取り組んでたのが好感。とくに後半は、ハラハラした展開。ハキム、クレアなんかのテロリスト側に感情移入してしまうのは、時代のせいか? JAXA(宇宙航空開発機構)が協賛してるのに、こんなに夢のない宇宙を描いていいのかって気になったよ。この世界では、日本は宇宙開発のおこぼれにちょっとは与ってるのかな?(笑)

 一回限りの脇キャラと思われてた忍者たちやコリン坊ちゃんが、後でちゃんとかなり重要な前振りになってたところが、最近のアニメらしく用意周到。とくに忍者なんて、二度と出ると思わないよな、普通。最終回にも出てたし(泣)。大河内一楼さんの構成力に拍手。原作が、1話完結型の話なんで、エピソードの間をどう埋めるんだろうって思ってたんだけど、ここまでアレンジしてくるとは正直思ってなかった。最初、ウェブサイトでタナベの絵を見たときは、正直どうなるんだろうって不安だったんだよね。ほとんど新作と言っていいくらいにアレンジしてた割に、原作のエッセンスを上手い具合にすくい上げてて、原作ファンも大納得。上手い! 今後も、こういう原作ものアニメだったら大歓迎。

 作画面では、予想通り千羽由利子さんのキャラがいい感じだっったね。とくに、オッサンキャラとかハチマキとか、男キャラの描き方が良かった。やっぱり、『キングゲイナー』の影響ってあるんだろうか? ハチの等身が、リアルな日本人してたんで感心したんだよね。全体のクオリティも、ハイレベルで維持されてたし。中村プロがいい仕事してたね。

 全体にわたって手堅い仕事っぷりが素晴らしかったです。もうちょっと遊びがあっても良かったかなとも思うけど、今となってはそんなことどうでもいいッス。今の日本のアニメの総合力の高さを体現した作品といっていいよね。アニメマニアだけに見せとくのはもったいない。普通の人が普通に観て面白い作品だと思うよ。原作よりもずいぶん理解しやすい(あんまり実存系に踏み込まない)し、その割に言いたいことキッチリ言い切った感があるし、バランスいいよ。もうすぐDVD・ビデオもリリースされるみたいなんで、より多くの人に観て欲しいな。

【コロッケ五円之助】

2004年4月17日

 イラク邦人人質事件の3人が解放されたニュースが盛んに流れていますが、その陰で漫画ファンが仰天する事件が起きていました。「横山光輝、自宅で火事による全身やけどで死亡!!!」これは正に手塚治虫が死んだ時に匹敵する大ショックでした。謹んでご冥福をお祈りします・・・・・。

 さて、まさにこの時『鉄人28号』の新作が復活しました。なんか因縁めいてますがニュースが流れたその日、第1話(東京などでは第2話)が放送されたのです。

・『鉄人28号』

監督・シリーズ構成:今川泰宏 キャラクターデザイン:なかむらたかし 音楽:千住明 アニメーション制作:スタジオパルム


第1話「蘇る正太郎」
絵コンテ・脚本:今川泰宏 演出:松浦錠平 作画監督:桜井邦彦


 太平洋戦争末期、南方の島。金田博士は研究施設から助手の敷島(牛山茂)を追い出した。自ら連合軍に通信を送り爆撃機による攻撃でここを破壊しようと決心したのだ、「これは、この世に生み出されてはいけない物だったのだ」。必死に叫ぶ敷島の前で「弐拾八」と書かれた扉は閉まっていった。それから10年、“もはや戦後ではない”を合言葉に復興を続ける東京。高度成長期を目の前に明るい光が見え始めた一方、街のあちこちでは未だに戦争の傷跡が残され、復興から取り残された人々がいた。

 鉄人がカッコよく活躍する話で始まると思いきや、戦後の雰囲気が色濃く漂う東京が描かれていて、ちょっとビックリ! 脱脂粉乳を飲む村雨(兄)、建設中の東京タワー、新聞社のデスクの横の氷柱、バー「黒猫」の看板…。そう、この頃の東京はまだあちこちに光のあたらない暗い所があるデンジャラスゾーン。鉄人の舞台は、そういう所だったんだと改めて感じさせられました。セリフも「お前の親父も戦犯か?」とか「ちくしょー、戦争中には、さんざん爆弾落としやがったくせに」とか「ナイフはあくまで道具さ」とか「お前も親父と同じ兵器好きなのか?」とか印象的なのが多くてうれしいです。

 少年探偵をやっている金田正太郎(くまいもとこ)は盗みを働いた村雨一家を追いかけていた。逆襲にあい捕われの身となってしまうが間一髪で脱出に成功。その時上空から飛来する巨大な砲弾! それは10年の時を越え蘇った亡霊だった。ボディに大きく書かれた“正太郎”の文字、果たしてその意味は? 鉄人はもともと戦争に勝つための兵器として開発された。村雨兄弟を始めとしてこの時代の人たちは皆、兵器への恐怖心を心の中に持っている。そんな時日本に現れた鉄人は、ただの巨大ロボットではなく戦争の記憶を呼び起こす、まさに“亡霊のような怪物”なのだった!

 ううん、すっかり忘れていたけど鉄人ってそういう存在だったんだなあ。バーンと見せられて改めて考えさせられました。あちこちでテロ事件が横行する現代に鉄人を“怪物”として蘇らせた今川監督の意図は? 変革のエネルギーに溢れていたあの時代を舞台にどんな熱い話が繰り広げられるのか? 期待して見ることにしましょう。

 それはそうと、横山光輝の訃報は本当に残念でした。この作家の偉大な所は生涯に渡って“誰でも読みやすいエンターテインメント作品”を書き続けたところでしょう。実験作やアニメ製作など多彩な活動をした手塚治虫と比べても、この点だけは横山光輝の方が上だったと思います。ただ、この人は不思議なもので、『三国志』とか『鉄人28号』とか、それぞれの作品には熱狂的なファンがいるのに、「横山作品はほとんど全部好き」というファンは意外に少ないのです。「普通に読んで楽しめる作品」に徹していたがゆえにかえって、「どれも同じようなので、私は好きな作品だけ読む」と扱われていたのかもしれません。それでも「いつもそこにあったもの」が無くなってしまった時、ふり返って見るとその残した足跡の大きさ、業績の偉大さに驚かざるを得ません。出来れば一刻も早く『横山光輝漫画全集』を発行してもらいたいもんです。少なくとも、40代から50代の男性で横山マンガを楽しんだことのない日本人は、おそらくほとんどいないんですから。

【アルデンテ有森】

2004年4月16日

 『鉄人28号』面白い! 熱い今川節復活! 演出もそうだけど、テーマも注目。戦時中の亡霊として、平和な東京の街によみがえった禍々しい鉄人の描写にシビレた。カッコイイ! 今川さんは本気だ。観る側も気を抜くな!

 横山光輝氏のご冥福を祈りつつ。

・『魔法少女隊アルス』

原作:雨宮慶太 監督:芦野芳晴 脚本:小原信治 キャラクターデザイン・美術デザイン:中山大輔


第1話「魔女の国」
脚本:小原信治 絵コンテ:芦野芳晴・青木康浩 演出・作画監督:芦野芳晴


 「あたしは今、魔法の世界ってヤツにいた!

 天津甘栗が大好きなフツーの小学5年生の女の子、アルス(小島幸子)。ママは悪い人じゃないし特別なにか不満があるわけでもないけど、この世の中には夢も希望もない。「魔法が使えればなぁ」、「魔法の国に行きたいなぁ」と(半ば本気で)思っていた。ある日、学校の屋上で男子とふざけてて、アルスは足を踏み外す。とその瞬間、アルスは消えた。そして、気がつくとそこは魔法の国だった。「あ、な〜んだ、夢か」。

 「『ゼイラム』、『鉄甲機ミカヅキ』の雨宮慶太さんと、『ANIMATRIX』、『アリーテ姫』のスタジオ4℃が組んで作り上げる、今まで見たことない魔法少女アニメ」というのがコピー。なんだか、このコピー読んで、「おおっ!!」って来る人ってマニアしかいないよね。意外といえば意外なんけど、スタジオ4℃のTVアニメシリーズって『アルス』が初なんだって。この組み合わせで出てくるアニメが、普通の魔法少女モノであるはずがない! 「アニメージュ」4月号のおまけDVDに入ってた先行映像見て予感が確信に。よく動く! 映像センスがいい!

 実際、第1話観てみると、最初思ってたよりかなりスタンダードな異世界トリップものの定番的展開。面白くない日常、嫌みなセン公、バカな同級生男子、そして魔法界にあこがれる少女。屋上から、「あ〜〜っ!」と落ちると、「き、消えちゃった…」。んで、気づくとそこはもう魔法界(笑)。しかもアルス、「な〜んだ、夢か〜」と定番のリアクション。なんだか判んないうちに捕まっちゃうアルス。どうやら、魔法界の決まりを破っちゃったらしい。そこで、見習い魔女のシーラ(桑島法子)とエバ(広橋涼)に出会う。「なんでアンタ人間なのにほうきに乗れるのよ!?」(byシーラ)。「知らないの? 思う心があれば魔法は使えるの!」(byアルス)。そうそう、ミンキーステッキだって使えるはずね〜、使えるはずね〜♪(笑)。

【コロッケ五円之助】
・『魔法少女アルス』

第2話「百匹の妖精」
脚本:小原信治 絵コンテ・演出・作画監督:青木康浩


 第1話で、魔法界がアルスの思ってた夢にあふれる世界じゃないことが描かれる。この世界では、魔法界の伝統を守るためと称して、妖精たちを捕まえて閉じこめている。アルスはほうきの暴走に紛れて囚われの妖精たちを逃がす。妖精たちを自由にしたと満足げなアルス。

 各話が10分ずつしかないんで、第1話観た時点ではちょっと面白いかどうか判断つきかねてたんだけど、第2話まで観るとなかなか期待できそう。魔法は幸せのために使うべきという真っ直ぐなアルス、とにかく人の上に立つ魔女になりたい上昇志向のシーラ、純粋で素直なお人好しお嬢様エバと、キャラ分担もわかりやすい。魔法界のトップ、グランドマスターとその後継者と目されるアテリアさま(田中敦子)と、縦の関係も明快。

 どうも逃げちゃった妖精が、なにやら不穏当なことを言ってるんだけど、この辺がシリーズのミソになるんだろうね。大人になれない魔法を解くために、ダークサイドに落ちちゃった妖精たちを捕まえる(?)のが3人の任務になりそう? アクションも期待できそうな感じ。

 演出・作画もなかなか凝ってる。第1話なんて10分もない尺なのに、時系列が複雑だし、場面も魔法界と人間界をいったり来たり。画面も俯瞰・あおりでの広角系の凝った構図が多様されてる。それはまだいいとしても、やたら顔が画面から切れちゃうような超クローズアップが多くて、ちょっとあざとい感じがしないでもない。オフ台詞(画面外で話されるセリフ)もやたら多いし。でもまあ、気合いは十分。第1話のラストのほうきで飛ぶところとか、いい感じの作画。

 今後も、ストーリー・作画ともに期待。

【コロッケ五円之助】

2004年4月15日

 この間久しぶりに「カリオストロの城」を見ましたアルデンテです。

 そしたら、なんだかやたら物を食べるシーンばかりが目についてしまいました。ああルパンの食ってるカップうどん(たぶん、どん兵衛)が美味そうだなあ。これほどカップうどんが美味そうなアニメって他にあったかなあ。銭形の食ってるカップラーメンもいいなあ。伯爵の食ってる料理は、半熟タマゴはともかく他の料理は味が想像できまへん(情けない)。

・『ガンパレードマーチ 新たなる行軍歌』

監督:桜美かつし 監修・シリーズ構成:高山文彦 キャラデザイン:入江泰浩 メカデザイン:岩倉和憲 総作画監督:和田崇 アニメーション制作:J.C.STAFF


第1話〜第4話

 ゲームファンには、おなじみの「ガンパレ」ですが、ゲームはインベーダーの後全然やってない(!)ワタシはまったく知らず、数年前のSF大会の星雲賞授賞式の時初めてその存在を知ったという体たらくです。さて今回のアニメ版、一応1話から4話まで見た時点での感想を書きます。

 1999年、世界は謎の生物「幻獣」によって、その大半を侵略されていた。「幻獣」それは太平洋戦争終了のころ突如として出現した正体不明の怪物である(倒しても死体が煙のように消滅してしまうため研究も出来ない)。戦いは50年以上も続き現在においては20〜30代の成年層は大きく減ってしまい、やむなく10代の少年少女らも戦場に駆り出されていた。舞台は熊本県・尚敬高校、5121部隊(九州地区は最終防衛線になっているのだ)。ここで若者たちは、今日も訓練に励んでいるのであった。

 というのが簡単なあらすじですが、はっきり言って4話まで見た時点では話がどういう方向に行くのかが、まだよく分かりません。1話「プレイバック」は今の戦いがどうなっているかを説明する重苦しい話、2話「勝手にしやがれ」は一転して登場人物紹介の学園青春もの、3話「サマータイムブルース」は花火大会を見ながら1年前に戦死した仲間を偲んで精霊流しをやる話。

 という具合に、シリアスな話とコミカルな話がおりまぜて語られていて、果たしてどちらに比重を置いた作品になるのかまだ分かりません。4話「二人でお茶を」では、ぽややんの主人公・速水厚志(石田彰)とヒロイン芝村舞(岡村明美)が二人乗りのHWT(人型戦車)の乗組員に選ばれ、果たして上手くコンビを組めるか?という話でしたが、この路線でいくのかな?

 まあ実にたくさんのキャラが登場してきます。敵の「幻獣」が正体不明なわけですから、どうしても主人公側の人間関係や気持ちの描写が中心になってしまうわけですが、ちょいと勿体ない気もします。これだけいいキャラがそろっているのならもっと派手な舞台を作って思い切り動かせばいいのに、とワタシなんかは思ってしまいますがねえ。夕焼けとか青空とか自然の描写にも力が入っていてそこはいいと思うんですが、まさか最後までこの静かな展開が続くんでしょうか? ううん、わからん! 続きは、もう少し見てからまた書きます。

【アルデンテ有森】

2004年4月13日

 『ガンダムSEED』のセルDVDが累計130万枚突破したそうな。はぁ〜、スゲえなぁ。今年の「日本オタク大賞」も受賞したことだし、いやメデタイ(笑)。

・『GUNSLINGER GIRL』

原作:相田裕(「月刊コミック電撃大王」連載) 監督:浅香守生 シリーズ構成:武上純希 キャラクターデザイン:阿部亘 アニメーション制作:マッドハウス


第1話「兄妹」
脚本:武上純希 絵コンテ:浅香守生 演出:川村賢一 作画監督:香月邦夫


 ヨーロッパのとある国、社会福祉公社という政府系の公社。そのどこにでもある退屈そうな名前とは裏腹に、その組織は体に障害を持つ少女を人工筋肉などで“義体化”し、薬物による“条件付け”を施した暗殺者に仕立てる政府の非公式組織だった。ジョゼ(木内秀信)は、義体を公私ともに管理する“担当官”として公社にやってくる。担当官と義体は、その密接な関わりから、周囲から“フラテッロ”(兄妹)と呼ばれる。ジョゼが選んだ少女(南里侑香)は、一家惨殺強盗の唯一の生き残りで、心身ともに無惨な状態だった。彼は“真新しい義体”にヘンリエッタと名付ける。

 「コミック電撃大王」で人気連載中のマンガのアニメ化。監督、キャラデザインは、『ちょびっツ』の浅香守生・阿部亘コンビ。

 なんか、アニメ化されるやいなや、結構拒否反応みたいなのが出てきてちょっとビックリ。マンガ読まずに観たのかな? 確かに、いたいけな女の子を訳もわからないまま義体化して、あまつさえクスリ漬けにして偽の親愛の情を担当官に抱かせるというのは、道徳的にはひでぇ話ではある(文字にするとよけいヒドいね)。でも、フィクションの設定に道徳観倫理観を持ち込むのは基本的にナンセンスだと思うのね。もちろん見せ方とかの趣味の善し悪しはあるよ。

 まあ、この作品が責められてるのは、この作品の重点が結局、少女と担当官の甘〜い疑似恋愛的な世界にあるからじゃないかな? あと、本質は“妹萌え〜”のオタクど直球作品のくせに、“アマーティのバイオリン”とか“PUPAの香水”とか“フィレンツェのウフィッツィ美術館”とか“バルザックの万華鏡”とか、出てくる小道具がミョーに気取ってるところも反感を買ってるんじゃねーかと(笑)。

 少女を義体化して薬によって条件付けしてっていう設定自体は、なかなかふくらませ甲斐がありそうないい設定だと思うよ。でも、さっきも言った通り“お兄ちゃんだ〜い好き!”的な、甘い世界がメインなんだよね。もちろん、作戦中のケガであった、殺したり殺されたり、義体ゆえの副作用とか、そういうのも出てくるんだけど、結局、より効果的な“萌え”のためのスパイスにすぎない気がする。まあ、そういうものだと思えば、そうかなとも思うけどさ。逆に言えば、あえて難しいところに踏み込まずにキレイにまとめたところが上手いとも言えるよね。

 なんかイチャモンばっかり言ってるように思われるかもしれないけど、実際見てみた感想は、ちゃんとそこそこ面白いんだよね。さすがマッドハウスというべきか、結構手堅い仕上がり。原作通り、静かな雰囲気の中に、少女のリリカルな描写と、作戦行動なんかのアクション的なところが微妙なブレンド具合で悪くない。こういう、まったりした話を演出させたら浅香さん、上手いよね。最近のアニメって、原作マンガの雰囲気を、作画・ストーリーともに再現するスキルが異常に上がってるよね。原作好きな人は観てガッカリってことはないと思うよ。

 まあ、見所はやっぱり、望遠鏡で星を見せたりしただけで頬を紅潮させて「わ〜、綺麗です〜!」といってくれたり、毎回同じクマのぬいぐるみのお土産を文句も言わず受け取ったり、素直でカワイくて、担当官を自分の身を挺しても守ってくれるという、そういうファンタジー的な願望充足の部分。ま、コレはコレでいいんじゃないでしょうか? ぼくはそんなに嫌いじゃないよ。あんまりテーマ性とか考えずに、素直に雰囲気を楽しむアニメ。

 ちなみに、オープニング演出は、りんたろうさん。少女が銃をバリバリ撃ちまくる映像。その手のものが好きな人はタマランのだろうね。あと、アニメでははっきりと言ってないけど、公社があるのってイタリアって設定だよね。ってことは、こいつら全員イタリア語しゃべってるのか? なんか笑える(偏見です)。

【コロッケ五円之助】

2004年4月10日

 かの『名探偵ポワロ』がNHKでアニメ化。キャラは、犬じゃなくちゃんと人間ね(笑)。監督は高橋ナオヒトさん、制作はOLM。『ポワロ』といえば、『カレイドスター』でロゼッタが初登場した回で、そらが「フランス人なのに英語上手いね」って言ったら、ロゼッタ、キッとなって「私はベルギー人よ!」。観てて思わず、「お前はポワロか!」って突っ込んだけどね(ポワロもベルギー人。フランス訛りなんでよくフランス人と間違われる)。

 だいたい新作アニメ出そろったかな? ま、ぼくの住んでるのは地方都市なんで数は少ないんだけどさ。継続視聴を迷ってる番組を中心に(笑)、ざっとおさらい。

『アクアキッズ』
 韓国製のCGアニメ。画面は良くできてる。テクスチャーとかライティングとかなかなかいい雰囲気。キャラも、まあカワイイと言えなくもない。でも、やっぱり芝居が硬い。表情とか頑張ってるんだけど、かえって定型的に見えちゃう。やっぱり、CGで人間キャラは鬼門。ちなみに、PIXARの次回作は人間キャラだ!

『絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク』
 ボンズ制作の海洋ロボットアニメ(?)。舞台はテラフォーミング後の火星。労働者の街が貧しげで良し。湿気が多くて、乾燥剤が貴重な資源になってるって設定も笑える。ストーリーは、割とストレートな感じかな? ボンズらしい手堅い出来

『今日からマ王』
 NHKなのにやおいど直球。美形ばっかりだし、みんなコスプレみたいな制服着てるし、名前に“フォン”とかついてるし。この世界では、平手打ちは求婚の行為らしく、男に求婚しちゃってどうしよう、みたいな話。フォークを拾うのは決闘を受ける合図。『イデオン』の白旗みたいなもんか? NHKはこうしてやおい文化を発信していくのです。

『それいけ! ズッコケ三人組』
 実は少数派になっちゃった(?)純粋な子供向けアニメ。ストーリーもベタ。キャラデザインも古いのはいいとしても、もうちょっとキャラの表情があってもいいかもね。当の子供は観るのか、コレ?

『マシュマロ通信』
 これも韓国かな? 合作? キャラデザインはかなり独特。ポップな感じを狙ってるのか? 話は、脚本はたぶんスタンダードな話になってると思うんだけど、コンテが悪いんだよ。ストーリーに起伏がなくて、観てる側に感情移入させるタイミングをつかませない。


 はい、ここからはいつもの定点観測編。

・『鋼の錬金術師』

第26話「彼女の理由」
脚本:高橋ナツコ 絵コンテ・演出:岩崎太郎 作画監督:向田隆


 ロックリバー、じゃなくて機械鎧(オートメイル)の本場、ラッシュバレーに行く話。相変わらずアレンジっぷりが大胆。原作じゃあ、確かウィンリィちゃんがここで銀時計の中見るんだよね。ついでに書くと、前の回がスゴかったんだよね。かのヒューズ中佐が死んじゃう回。絵コンテが、増井壮一さんだ。ちゃんと面白いっていいもんだなぁ(笑)。

 エンディングアニメがウィンリィちゃんに。カワイくていい感じ。あの(カメラの)回り込みはなかなか執念の作画。絵コンテ・演出・作画は、鈴木典光さん。

【コロッケ五円之助】
・『プラネテス』

第25話「惑い人」
脚本:大河内一楼 絵コンテ・演出・五十嵐達也 作画監督:斎藤久・工藤昌史


 “地球防衛戦線”のテロは、テクノーラとの取引成立により収束。宇宙開発の資源を人口比によって割り当てると発表。結局テロの真の、そして闇の成果は、テクノーラから防衛戦線の“スポンサー様”へ(金持ちから金持ちへ)、係争中の島の領有権が極秘裏に移ったことだけだった。

 そのテロから半年、ハチはフォン・ブラウン号のEVA要員として正式採用された。が、ハチはあのテロ事件以来魂が抜けたようになった。出発前の休暇でふらっと立ち寄ったISPV7のデブリ課オフィスで、ハチはタナベの遺書(EVA要員は社員規則で書くことになってる)を見つける。

 いやいや、まったくこのアニメにはビックリさせられっぱなし! テロにクレアが加わるのは予想済みだったんだけど、こんな展開になるとは! テロが始まった時点で、話数逆算して、「ああ、このテロでハチとハキムが対峙して、そこにタナベが来て原作通りチュッってやって丸く収まるって寸法ね」って思ってたんだけど、見事に裏切られたよ。もちろんいい意味で。

 前回ラストで、酸素残量のなくなったタナベが、この回で後半まで出てこなかったんだけど、出てきたタナベの姿にショック。たいがいのドラマ展開にはスレてるつもりだったんだけど、ちょっとジ〜ンって来ちゃった。我が事ながら、結構のめり込んで観てたのね。こういう展開だったなら、原作とはかなり違う、まっすぐすぎるタナベの性格も納得。口先だけのキレイゴトの愛ではなにも救えなかったタナベ。

 愛を唱えても、愛してる人は死ぬし、信頼は裏切りに遭い、人の成功は他の嫉妬を招き、富の不平等な分配はテロを引き起こす。しかもそのテロにさえ大儀はないときた。でも最後には、かけがえのない愛を手に入れた(のかもしれない)。「タナベもそれを言いたかったんじゃないのか? この世界はすべてつながってる。それを繋げてるのが…」。「レインかよ!?」とか突っ込んじゃいけません(笑)。

 “宇宙は孤独だと思っていたのは、ハチが自分の内宇宙をさまよってただけだった”ってシーンは、マンガ版の方が説得力あったな。タナベの過去の話は、出てこないのかな?

 来週はついに最終回。

【コロッケ五円之助】

2004年7月7日

 とうとう「ふたつのスピカ」が終わってしまいました。アルデンテです。正直、えっ!ここで終わり?という感じの最終回でしたが、まあ原作の方もまだ連載中なので仕方ないのかもしれません。アニメ化してくれただけでもよしとするかな。でもオリジナルで訓練学校の卒業式をやって欲しかったなあ。それとも半年くらいしたら、また再開するのかな?(やってくれ〜)。マリカお嬢様の秘密も、わざわざコーナー作って「どんな秘密なんでしょうね?」なんて、お姉さんが言うから期待してたのに〜(やっぱりクローン人間なのか?)。むなしく吼えながら夜空を見上げるもののスピカを、まだ見つけられない今日この頃です。

終わる作品あれば始まる作品もある。そう、それは『渡る世間は鬼ばかり』! いやあ面白いッスよこっちの『わたおに』は…。って、違〜〜う!

・『修羅の刻 陸奥円明流外伝』

原作・川原正敏、監督・三澤伸、シリーズ構成・武上純希、キャラデザイン 総作画監督・浜津武広、制作・スタジオコメット


第1話「雲の如き男」

 格闘マンガ好きとしては『修羅の門』をやって欲しかったところですが、やっぱ時代劇ブームだからですかねえ。余談ですがワタシ『修羅の門』に出てくるイグナシオの師匠(メガネで関西弁の人)が、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発のビデオ見て「ううう、岡田〜」と泣いてるシーンが大好きでした。(笑)

 さて『修羅の刻』ですが、平安の頃より素手をもって相手を倒す無敵の格闘術“陸奥円明流”。その後継者、陸奥八雲(高橋広樹)は、ふとしたことから男装の少女、吉祥丸(升望)を悪漢から助けたことから、お家騒動に巻き込まれることになる。5文のメシ代を払ってもらう代りに用心棒を引き受けることになった八雲に柳生の刺客が襲い掛かる。というのが第1話のあらすじですが、さらに好敵手として宮本武蔵(松山鷹志)も、からんできてどうなるか?というところです。

 原作マンガの方の、あの独特の間のとり方、ピーンと張り詰めた緊迫感をアニメで、どう表現してくれるか楽しみです。1話を見た限りでは、なんだか明るくソフトな感じのアクションだったので、ちょっと不安ですが。それにしても午後6時台に、この作品を持ってくるとはねえ。ワタシとしては、今、月刊マガジンでやってる『海皇記』も映像化してほしいですねえ。NHKの大河ドラマでやってくれませんかねえ(無理か)。

【アルデンテ有森】

2004年4月5日

 『プラネテス』痛恨の録り忘れ。あの後どうなったんだ!?(ああ、言わないで!) あと、新しいお姉さんはどんな人なんだ? ついでに、『スピカ』の後番の『なんとかマ王』も観てない。ショ〜ック!

 いろいろ新番組始まったけど、うちじゃ観られる数は知れてるんだけどさ。でも、多いッス。NHK教育がなにをたくらんでるのか、夕方枠で『ふしぎの海のナディア』(水曜)、『カスミン』(土曜)、『カードキャプターさくら』(土曜)を再放送。民業圧迫だ〜!(笑) でも観ちゃうんだろうな。「さくらちゃんの超絶カワイイお姿がまたTVで拝めるなんて、コレは録画せねばなりませんわ〜」。

・『ケロロ軍曹』

原作:吉崎観音(『少年エース』連載) シリーズ構成:池田眞美子 総監督:佐藤順一 監督:山本裕介 キャラクターデザイン:追崎史敏 企画・制作:サンライズ


第1話「我が輩がケロロ軍曹 であります」「ケロロ 大地に立つ であります」
脚本:池田眞美子 絵コンテ:佐藤順一 演出:山本裕介 作画監督:小栗寛子・西田亜沙子


 「♪ないないないぞヘソがない(アコリャ) あるあるあるぞど根性(アどした) 押しつぶされて張り付いて〜、死んだその日が誕生日〜」というわけで、やって来ました『ケロロ軍曹』のアニメ化ッスよ。総監督は『カレイドスター』をキッチリキレイに終わらせた、“真のアニメ監督”(笑)佐藤順一さん。

 2004年、地球は突如地球外生命体からの侵略を受けた。その圧倒的な科学力により地球はケロン星によって支配される、ハズだった!? 先行部隊として地球(ポコペン星)に潜入していたケロロ軍曹(渡辺久美子)だったが、日向(ひなた)家の長女夏美(斎藤千和)の超人的なカン(笑)によってあっさり発見されてしまう。しかも、オカルト好きの弟、冬樹(川上とも子)に、ケロン星のテクノロジーが詰まったケロボールを奪われてしまう。どうにかして逃げだし、ポコペン侵略に着手しようとする軍曹だったが、秋ママ(平松晶子)の戦闘力(包容力?)と侵略軍本隊の一時撤退により、誠に不本意ながら、日向家にて俘虜の身に甘んじることとなったのであります! 「お、おともだちであります…」。

 第1話、だいたい原作をベースにケロロ軍曹と日向家の面々との関係を紹介。みんなが期待してた『ガンダム』ネタもちゃんと入ってたね。なんせ、Bパートのサブタイが「ケロロ 大地に立つ」だもんな(笑)。ちゃんと、“専用”という言葉に過剰反応したり、リニューアルされた部屋に黒い三連星が鎮座してたり。あと、『ガンダム』じゃないけど、アイキャッチが『ど根性ガエル』だ! 『エヴァ』ネタはNGなのかな?

 まあ、大爆笑するワケじゃないけど、堅調な出だしと言っていいんじゃない? レギュラーキャラが一通り出そろってエンジンかかってきた頃が楽しみだよね。佐藤さんはギャグも得意なんで、オリジナルの話もやって欲しいな。アンゴル=モアちゃん(能登麻美子)はどうするんだろう? 連載時はちょうど1999年だったけど、もう2004年だぜ(ついでに、デザイン協力でokamaさんはクレジットされるのか?)。

 さてさて、『ケロロ軍曹』の魅力の一つ、パンチラなんだけど、最近パンチラにうるさいTV東京だけに、まったくチラリとも見えず。逆さづりになっても見せない根性。あら残念。まあ、マンガ版もオタ臭いとかいわれてるけど、読んでみたら内容はかなり健全なんだけどね。荷宮和子さんが言ってるとおり、コレって『ドラえもん』なんだよね。んで、アニメ版なんだけど、実はアニメ(つーか劇場版)の『じゃりン子チエ』が好きという佐藤順一監督らしく、マンガ版よりさらに(いい意味で)健全な感じになりそうな予感。夏美も原作のムッチリした感じじゃなく、ちょっと細めかな? でも、ちゃんとカワイく仕上がってるよ。冬樹もカワイイし、全体的に色味がイイ

 画面的には、『きんぎょ注意報』とか『セーラームーン』でもやってた、漫符(でっかい汗とか怒りマーク)や文字を使ったアニメ表現がちょっと出てたね。佐藤総監督曰く、「2ちゃんねるっぽい文字表現もやっていきたい」とのこと。この辺も注意してみると楽しいかも。作画も、Aパートの夏美のキック、Bパートのバタバタしたところは面白かった。軍曹のパソコンが、ちゃんと最新のiMacになってたのが笑える。ステレオも超絶高そう。

 あと、オープニング、エンディングともに曲がサイコー。最近のアニメの主題歌って、普通のポップス曲になっちゃうことが多かったんだけど、ちゃんとアニメ主題歌してる。しかも、バカバカしい(笑)。男の声、角ちゃんかよ。エンディング、なんでアフロなんだ? こういう、どうでもいい細かいところにこだわってるアニメって、作り手の愛情あふれてる感じでイイよね。合間に流れるCMが、『ガンダム』関連、『戦闘妖精雪風』(「ジャムはそこにいる!」「な、なぜバレたでありますか?」(笑))、『イノセンス』などなど、なんかバラバラ。マーケティングできてんのかな? あと、林家ぺーは“赤の男”じゃなく“ピンクの男”だと思うぞ。

 声優陣もなかなか。 サブローはやっぱり石田彰さんなのね。つーか、なんで623(むつみ)じゃないんだろう?

 佐藤順一さんらしい、ちゃんと面白い番組になってくれそう。原作の良さを生かしつつ、どこまでアニメならではの面白さを出してくれるか楽しみ。結構遊び幅の許されそうな原作ないようなんで、エエ話からオタクっぽいの、ブラックなの、いろいろやって欲しいな。土曜の朝は、佐藤順一で決まり!

【コロッケ五円之助】

2004年4月2日

 GAINAX20周年記念作品の一つ、それが『キューティーハニー』だっ! え? 庵野監督の実写版でしょって? それもあるけど、全3話のOVAとしてアニメ版が作られることになったんだって。その名も、『Re:キューティーハニー』。 総監督は庵野秀明で、各話に監督がつく体制。第1話が、今石洋之さん、第2話が伊藤尚住さん、第3話が摩砂雪さん。キャラデが平松禎史さん。シリーズ構成が、劇団☆新感線の中島かずきさん。そうそうたるスタッフ構成。シリーズ構成にアニメ界以外の人が入ってるのもガイナらしいチャレンジ。気になる如月ハニー役は、堀江由衣。う〜ん、想像できるようなできないような。「変わるわよ!」(堀江由衣声で)。

・『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』

原作・協力:士郎正宗 監督・シリーズ構成:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸・西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 アニメーション制作:Production I.G


第1話「再起動 REEMBODY」
脚本:櫻井圭記、絵コンテ・演出:橘正紀、作画監督:中村悟


 “笑い男”事件から発覚した厚生労働省疑獄事件により、当時の内閣が解散するという一大政界スキャンダルを巻き起こした。その後を受け成立した、憲政以来初の女性総理大臣、茅葺(榊原良子)を戴く内閣は、難民政策見直しを公約に掲げた“保守反動内閣”だ。そして、いまだ公安9課は武装解除されたまま無期限待機命令に付されていた。とある日、中国大使館の入った建物に“個別の11人”と名乗る武装テロリスト集団が立てこもるという事件の発生を受け、9課の面々にも非公式に招集がかかる。

 さて、今回のシリーズは、ストーリーコンセプトって役名で押井守さんが入ってるんだけど、その押井さんから監督の神山さんに出された宿題が、「難民問題をより掘り下げろ」ってことと「9課の敵を発明しろ」ってことだったらしい。んで、今回の話は、“難民とテロ”が中心テーマだって。この近未来の日本では、非核大戦のあとで大量発生した“アジア系招慰難民”を3百万人ほど(!)受け入れたという設定。でも不景気の世で、巷間に「国内にあふれる難民たちがオレらの職をうばってるんじゃねーか?」といった言説が流布し始める。そんな中、その大衆の不満を原動力にして一気に政権を握ったのが、“反動保守”の茅葺内閣ってワケ。ま、某イシハラ知事みてーなもんかな? んで、その茅葺内閣(と内閣情報庁)と公安9課との関係が、もう一つの大きな柱。アジア難民、テロ、戦争、そして競合する諜報機関…。う〜ん、お膳立ては完璧! 面白そう!

 実際観てみたところ、まず、オープニングがカッコイイ! 絵コンテ・作画監督が西尾鉄也さん。前のシリーズのオープニングは3DCGだったんだけど、やっぱり作画のがいいや。少佐の顔もちょっとカワイイ? 微妙に『イノセンス』っぽいところも。ちなみに、地上波バージョンは、オープニング曲が違うらしいけど、OPアニメーションも一新したのかしら? 曲は、ファーストと同じく菅野よう子さん。

 第1話は、公安9課復活の話。9課が、対テロ組織として急襲制圧のプロであることが再び描写される。荒巻の政治手腕もかいま見られて、ファーストシーズン第1話の再現。『攻殻』といえばこの絵という『GHOST〜』アバンタイトルの、“ビルの谷間の闇に消えゆく少佐”もツボ押さえてる。んで、謎のテロ組織“個別の11人”は、はっきりした首謀者がいるわけでもなく、個々のメンバーも特別突出しているわけでもないという、不思議な組織形態。しかも、メンバーのひとりは死に際に、「我々は“個別の11人”。ここで我々が倒れても、個別の自我が後を受け継ぐ。我々にとって死は意味をなさない!」と。想像するに、トップダウンのきっちりしたピラミッド型の組織ではなく、インターネットのような分散型ネットワークのような組織なのかな? NHK特集でもやってたけど、21世紀型のあらたな組織形態だ。それこそ、“STAND ALONE”(孤立)でありつつ、“COMPLEX”(複合)である、と。バックにだれか首謀者はいるのか? それとも、ユングのいう集合的無意識のようなネット上に自然発生的に生じた感情の複合体(ミームみたいな)のなせる業なのか? まだ、詳細はわかんないんだけど、この“個別の11人”が、ファーストでの“笑い男”と同じポジション(追うべき謎)になるんだろうね。ラストで、9課に“新人”が登場!? つかみはOK!

【コロッケ五円之助】
・『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』

第2話「飽食の僕 NIGHT CRUISE」
脚本:菅正太郎、絵コンテ:安藤真裕、演出:竹下健一、作画監督:清水ひろし


 元サイボーグ部隊の傷痍軍人のギノ(平田広明)。腐りきった世の中に不満を抱くが、具体的な行動に移すでもなく、悶々と妄想を頭に思い描くボンクラ。街で見かけた高級コールガールヒララに密かに思いを寄せるが…。

 第2話は、語り中心の地味な話。っていうかコレ、『タクシードライバー』ッスね

 第1話で難民政策に反対するテロリストという極北を出して、第2話で一般市民の側の平均的な気分を描いてみせる。実はシリーズ構成に気を配った、神山監督らしい細やかな心遣い。シブい!

 セカンドシリーズもなかなか面白そうな出だし。『S.A.C.』のノリもすでに判ってるし、今回はより本来の『攻殻』らしいハードな話になりそうで期待。今後も要チェック! ビデオ・DVDは、月イチでリリース(各2話ずつ収録)。

【コロッケ五円之助】