『エルフェンリート』
原作:岡本倫
監督:神戸守
シリーズ構成:吉岡たかを
キャラクターデザイン・総作画監督:きしもとせいじ
メカデザイン:大河広行
美術監督:伊藤聖
音楽:小西香葉・近藤由紀夫
アニメーション制作:ARMS
作品公式サイト
放送期間:2004年7月〜10月(AT-X)
レビュー元:DVD(レンタル)
◆ 2004年10月27日
第1話「邂逅」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:神戸守 作画監督:武藤技闇
とある秘密実験施設で、実験体が警備員を20人以上殺して施設外に逃走した。時を同じくして、大学で下宿するため鎌倉に戻ってきたコウタ(鈴木千尋)。親戚のユカ(能登麻美子)と散歩中に、由比ヶ浜で全裸の女の子(小林沙苗)を拾う。「にゅうにゅう言ってるし、(名前は)にゅうでいいんじゃない?」(byコウタ)。
『コメットさん☆』の神戸守最新作。
たまたま、原作のマンガは第1話から数話分読んだことがあったんだけど、絵が好きになれなかったんだよね。動きを感じない絵。でも、ネコ耳&大殺戮のイメージは強烈だった。だから、それを『コメットさん☆』の神戸監督がやるって聞いてびっくり。
実際観てみたら、初っぱなから鉄仮面&全裸で大殺戮! 腕が飛ぶ首が飛ぶ心臓が飛ぶ! メキメキバリバリ、「ぐ、ぐあ〜っ!!」。 エロ&バイオレンスは、日本アニメの神髄だ〜! この辺の残酷シーンは、想像以上に血みどろだったよ。美しいと言われてる血の色だけど、個人的には、もっと鮮やかな赤でもちっと透明度がある方が好み。
そんな血みどろの殺戮シーンとは裏腹に、鎌倉の風景はあくまで美しい。実際ロケハンしてきたであろうその風景は、『コメットさん☆』と比べても格段に進化してる。コウタの下宿の元旅館の内部がスバラシイ。
残酷な殺戮シーンと、リアリスティックで綺麗な鎌倉、萌え路線に割と忠実なキャラと、一見バラバラの材料が一緒くたになってるのが面白い。実際観ると、さほど不自然な感じは受けないんだけどね。
コウタは、にゅうを死んだ妹と重ねてるところがドラマのミソになるんだろうね。にゅうの描写も、廊下で粗相しちゃったり、おにぎりを上手く食べられなかったり、いわゆる萌えとは一線を画してるような。
殺人兵器であるにゅうは、コウタたちと交わることで人に戻るのか? “ルーシー”としての記憶が完全に戻るとき、にゅうはどうなるのか? コウタ自身も、過去になにか秘密がありそな雰囲気。その辺丁寧に見せてくれそうなので続きが楽しみ。
しっとりとした鎌倉部分の演出は、さすがだし、レイアウトがバッチリ決まってるんで、シリアスな場面にも緊張感があるね。原画に梅津(泰臣)さんがいたり。
オープニングの絵は、グスタフ・クリムト(参照)。音楽も雰囲気出ててイイね。
第2話「掃討」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:渡辺純央 作画監督:服部憲知
妹の思い出の貝殻をにゅうに壊され、コウタはにゅうに「出て行け!」ときつい言葉をぶつける。にゅうは、雨の中家を飛び出す。そのころ施設側では、逃げ出した“ルーシー”の掃討作戦に乗り出していた。「狩るか狩られるか、二つに一つだろう?」(by板東)。
ああ、いいなぁ。ぼくも鎌倉でこんな家に住みてーなー。駅前で困ったさんになってたら藤吉家みたいなところに拾われるかな。それとも、老夫婦を洗脳するか?(笑)
ああ、中田譲治キャラ、こえ〜。もう、『ケロロ軍曹』のギロロ見ても笑えなくなってしまう。「お〜生えてる生えてる、角生えてるね〜」(by板東)。
今回も残酷シーンあります。ああ〜、見てて痛いッス。アクションがどうのってより、シチュエーションが生々しい。「殺してやる、殺してやる〜っ!」。
子供のように無垢なにゅうと、残酷きわまりないルーシーが対比的に描かれてて、その落差が印象に残るね。にゅう(ルーシー)とコウタが、この先どこへ向かって行くのか気になる。
ラストのコウタは笑った。「じゃあ、目つぶってるからね。エイッ!」(byコウタ)。
Special Thanks:スワッキイさん
地上波でやったダイジェスト版、見せて頂いてありがとうございました。大変美味しゅうございました。
◆ 2004年11月29日
第3話「胸裡」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:佐土原武之 作画監督:嶋田俊彦
蔵間(細井治)は、ルーシー(=にゅう)の掃討を、同じくディクロニウスのナナ(松岡由貴)に託す。拷問に近い実験に耐えるためナナは、蔵間を“パパ”と呼ぶことで精神の平衡を保っていた。「ナナ、人なんて殺せないよ」。
両腕と両眼を失うもなんとか一命を取り留めた板東、蔵間から去勢手術を受けなきゃ死んでもらうと告げられる。「アホかお前! オレのキンタマと人類滅亡とどう関係があるんだ!?」。
ディクロニウス(二角奇人)、人の変異体。見えない手、ベクターを通じて人に遺伝子を”感染”させるという。人類を進化させるために、既存の人類を滅ぼすのが目的らしい。なんか、納得できるようなできないような。遺伝子は、“自己の”遺伝子を増やすことを目的にしてるんであって、種のことなんて考えないんじゃなかったっけ? それと、遺伝子を感染させて増殖するなら、短期的には旧種の人間を残した方が合理的じゃないか? それとも、外部的意思(異星人とか)によって人類を滅ぼすようプログラムされたのかな?
にゅうはコウタの手を自分の胸に押しつけて「にゅ〜にゅ〜」。盛りのついたネコ状態(笑)。「変なこと覚えさせちゃったかな?」(byコウタ)。
「ねえコウタ、私の胸、揉んでみたいと思う?」(byユカ)。にゅうにやきもちを焼いてしまうユカがいいね。やきもちを焼く自分にも腹を立てるっていうのが。コウタは、鈍感なのと、記憶をなくしてるらしいのとで、さらに隔靴掻痒状態。この辺だけ観てると、普通のラブコメっぽいんだけどね。
なんか、ほのぼのした雰囲気は良かった。原画に、梅津泰臣さん(うめつやすおみ名義)。
第4話「触撃」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:岩永彰 作画監督:Yang Kwang Seock
ユカのオルゴールを聞いてルーシーに戻ったにゅうは、コウタにベクターを伸ばすが、その眼に何かを見て取り躊躇。ひとりで外に出たところを、ナナと接触。「懲らしめてあげる、パパに代わって」(byナナ)。
「パパに代わってお仕置きよ!」(笑)。ナナの方がベクターの射程距離がちょっと長い。でも、パワーはルーシーの方が上。スタンド能力みたいなものか。作画もなかなか迫力あったし、ベクターで飛んだり投げたりは結構面白かった。結局、ナナの優しさ(人間らしさ)が、自らの命を縮めることになったってところがアイロニー。もちろん、手足バラバラにされます、松岡由貴キャラが。なんか、ある意味ショック。
松岡由貴の演技が健気な感じを良く出してて良かった。蔵間は、ナナに亡くなった娘を重ねてるらしいんだけど、詳しくは語られない。なんか、出てくるキャラ、みんな何らかの欠損を抱えてるのね。「七番(=ナナ)は殺せ」(by角沢長官)。
ホームレス少女のマユ(萩原えみこ)、あのセーターの下って何着てるんだろう? んで、なんだかんだ言ってみんな楓荘に住むことに。う〜ん、パターンパターン。原作で読んだときは「え〜?」ってなったユカのグーパンチも、アニメではちゃんと面白かった。「バーカバーカ、コウタのバーカ! うえ〜ん(泣)」。能登麻美子の演技がカワイイ。
なんだか、内容はドラマチックなはずなんだけど、このアニメってどこか観てる人の感情移入を拒んでるような、そういうところがある気がする。それが狙いなのかも知れないけど。設定自体は、女の子が主人公のまわりに出てきて一緒に住んだり、萌えアニメらしいユルさを持ってるはずなのに、観てる側が入っていけない。まるで見えない手(ベクター)で、それ以上近寄ると殺すと脅されてるような、そんな不思議な距離感があるね。まだ、観てて心にグッと来るモノはない。
残酷描写もイヤじゃないし(特別好きでもないけど)、話も面白くなくはないし、クオリティも高いんだけど、好きかどうかはまだ微妙。でも、繰り返し観ちゃう。
◆ 2005年1月17日
第5話「落掌」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:大西景介 作画監督:服部憲知
置き手紙を残して、マユが楓荘からいなくなる。警察官に補導されそうになるマユを見つけたコウタとユカ、「ぼくたちの家族です」。
マユの家出は、義父の性的虐待が原因だったのね。唯一の友達、ワン太も元の飼い主に引き取られちゃったり、観てて結構切なくなった(泣)。「悲しくなくても、涙って出るんですね」(byマユ)。同居する理由付けってことなんだけど、理屈より感情で押し切った感じか。ケーキとかご飯とか、そういう食べ物関係で泣かせる話ってのに結構弱いんだよ(『千と千尋』のおにぎりとか)。
前ちょっと出てきた角沢教授(平田広明)、コウタの大学だったんだ。にゅうを角沢教授に取られたコウタ、ユカと一緒に泣いちゃってるし。その夜、「私がいなくなっても、さっきみたいに泣いてくれる?」と、ユカ。ちゃんと答えたれよ、コウタ。バカバカ。
ちゃんと新人類としてのディクロニウスの話もやるのね。どこまで突っ込んでやるんだろう。際限なく広がる話ではあるよね。まあ、あくまでコウタとにゅうのミニマルな関係がストーリーの中心ではあるんだろうけど。ところで、“ルーシー”ってのは人類の直接の祖先としては最古の化石につけられた名前だったっけ?
角沢教授の正体にはビックリ。でも、ソッコーで首飛ばされてたのは笑ったけど(笑)。コレがまた、いいタイミングなんだ。
第6話「衷情」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ:あべたつや 演出:静野孔文 作画監督:武藤技闇
施設の最新技術によって、一度は失った腕と視力を取り戻した板東(中田譲治)。去勢手術される前に施設を脱走する。一方、コウタはにゅうのことが気になり、教授の研究室にひとりで赴く。「バカ…」(byユカ)。
当然、前回飛ばされた角沢教授の首とご対面するわけだけど、さすがに助手の荒川さん(石原絵理子)の対応はいかがなものか。秘密漏洩の処置としてはかなり杜撰だよね。ベラベラ喋ってるし。荒川の話にいちいち「ええっ!!」って驚くコウタのリアクションが笑える。
雨の神社でのコウタとユカのキスシーンは、美術が素晴らしくて雰囲気出てた。ユカの足のカットがミョーにヤラシかったし。「コウタ、私のこと、好き?」。その後の、「水たまりで滑ってああなったんだから」って会話も意味深で笑った。
浜でマユに再会した板東、「ピンチになったときはオレを呼べ。それで貸し借りなしだ」(by板東)。意外とエエヤツかも、って思ったのもつかの間、やっぱりヒドイヤツだった(笑)。でも、(自分なりに)義理は果たすみたい。
にゅうだけじゃなく、ルーシーもコウタが好きなんだね。「私は、オマエと一緒にいる資格がない。だって私は、8年前にコウタの…」(byルーシー)。
コウタとルーシーとの関係がなんとなく判ってきた。抑圧された記憶と、帰るべき場所。殺人マシーンな側面しか見せなかったルーシーが、初めて人間らしさを見せたことで、なんか心にグッと来るモノがあったよ。
前に、感想で「あんまり感情移入できない」って書いたけど、今回はコウタとユカのシーンといいルーシーの感情の吐露といい、かなり感情移入して観られた。笑いのバランスもよかったし。うんうん、ちゃんと面白いです。
◆ 2005年2月14日
第7話「際会」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:渡辺純央 作画監督:深澤学
蔵間によって逃がされたナナ(松岡由貴)。海岸で板東に出くわす。「お前らが今まで生きてこられたのは、実験台としてなんだよ」(by板東)。
「じゃあ、ナナがこんな世界、消しちゃえばいいんだ…」(byナナ)。
研究所以外を知らないナナの、はじめてのお・つ・か・い。ときどき手足がすっぽ抜けるけど、ナナ負けないもん!(笑) あの義手、ロケットパンチにもなるのか。わっはっは!
パパ以外を知らないナナの、はじめてのお・と・も・だ・ち。お友達のためなら卒塔婆も使うし、札びらも燃やすよ! でも、ルーシーさんだけは許しません!
松岡由貴が全編カワイかった。「え〜ん、ごめんなさいごめんなさい、お金のこと知ってるなんてウソでした〜」(byナナ)。板東含めて、全体的にコミカルで笑えた。いつも決め技のように電話番号渡す板東が笑える。本当は寂しがり屋さん?
蔵間とナナの関係もなにやら思わせぶりに。わん太は、2代目? 今さらだけど、楓荘の廊下にある止まった柱時計ってのは、失われた過去の記憶ってことなんだろうなぁ。再び時を取り戻したとき、コウタに訪れるのは幸福かそれとも…。
第8話「嚆矢」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:佐土原武之 作画監督:嶋田俊彦
ルーシー(=にゅう)を見るなり襲いかかるナナ。コウタはそんなナナの頬を叩く。「ナナ、悪くないもん!」(byナナ)。
マユに知ってることを話すナナ。「わかんないよぅ、反撃してこないとわかってる人と戦えないし」。ナナ、ホンマにエエ子やなぁ。助手の荒川さん、処女だったんだ(笑)。
後半は、ルーシー(=にゅう)の幼少期の話。孤児院(?)で、角があるってだけでいじめられてる。いじめってレベルじゃねーな。裏山でこっそり飼ってた子犬が、子犬が〜。信頼してた女の子に裏切られた(ワケじゃないんだけど)。「人じゃないのは、人間じゃないのは、お前らの方だ〜〜ッ!!」(byルーシー)。デビルマンだ! 背中で羽交い締めにしてた子が、「ドバシャッ!」ってなる辺りは(不謹慎だけど)気持ちいいタイミング。
子供らしい残酷さ、人間に対する絶望がよく出てて、とても良かった。
ルーシーが夢の中で手を伸ばす(ベクターを感じる)シーンは、いい作画だった。原画に、パオロロッチ梅象さん(梅津泰臣さん?)。
前、ディクロニウスの使命は旧人類を滅ぼすことって説明されてたけど、ルーシーさん、子供の頃は別にそんなこと思ってなかったみたい(ってことは、DNAに本能として刷り込まれてるわけではない?)。いや、今も思ってないのかもしれない。ルーシーの人類に対する怒りは私怨で、新人類云々は角沢長官たちが勝手に妄想してるだけ?
◆ 2005年3月7日
第9話「追憶」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:岩永彰 作画監督:沢崎誠
施設をあとにしたルーシーは、幼いコウタ(生天目仁美)とはじめて出会う。角を見て格好いいというコウタに、ルーシーは戸惑う。「ねえ、ぼくと友達になってよ」(byコウタ)。
前回に引き続きルーシー(=にゅう)の過去話。今度はコウタとの出会いの思い出。ルーシーのコウタに対する好意と、他の人間に対する憎しみの同居みたいなところが上手く描かれてる。人間に対する全面的な憎しみへ落ち込むのを、辛うじて引き留めていたのがコウタだったのね。
動物園に行ったり沢で水遊びして服を脱いで乾かしたりするっていう、ボーイミーツガールでひと夏の思い出の定番的展開。なんてことはない子供時代の思い出をリリカルに描き出すのが神戸監督っぽいね。動物園で子供っぽくはしゃいだりコウタに好意を寄せるルーシーがとってもカワイイ反面、一家を殺して潜伏生活するルーシーの光と影の対比がまたイイ。
「世界を私の世界に変えればいい。それだけの力を私は持っているのだから」(byルーシー内面の声)。
ルーシーが修羅の道に落ちたのは、コウタのせいだったのか!?(笑) 「うそつき…」(byルーシー)。
第10話「嬰児」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:大西景介 作画監督:服部憲知
再びルーシーの元にやってきたナナ。ルーシーのベクターをかわし、一撃必中の間合いに入ったナナ。しかし、マユが身を挺してルーシーをかばう。「にゅうさん、今ワザと…」(byマユ)。
ロケットパ〜ンチ! ナナが出てくると和むなぁ(笑)。マユの時と同じく、食べ物によるナナの懐柔作戦成功。っていうか、楓荘にまた新たな同居人入居決定。「ここまで増えれば一緒だから」(byユカ)。
今度は蔵間室長の過去話。ナナと蔵間との関係も明らかに。やっぱりかぁ。
「ディクロニウスは3歳を迎える頃、その本性を現す」(by若い頃の角沢教授)。前回のルーシーはもうちょっと上の年齢に見えたけど。その辺もまだ何かあるのかしら。あと、出てくるディクロニウスがみんな女ってのも何かありそうね。
最強のディクロニウス35号、なんか『AKIRA』みたいな施設に閉じ込められてるし。ベクターの数は26本! なんかスゴイ!
◆ 2005年4月11日
第11話「錯綜」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ:あべたつや 演出:草川啓造 作画監督:武藤技闇・阿部達也
ルーシーを葬るため、最強最悪のディクロニウス35番、マリコ(川上とも子)を使う決定をする蔵間。マリコが唯一心を許す母親代わりの女性研究員、斉藤(山本麻里安)にコントロールさせようと試みるが…。「お母さん…? じゃない」(byマリコ)。
斉藤さん、予想に違わず吹っ飛ばされちゃいます。容赦ねーなぁ。斉藤さんは、最後まで任務を捨てませんでした。敬礼! マリコは蔵間室長の実の娘でした。途中からずっと、蔵間の娘はナナかと思ってたよ。騙された。
ああ、ナナ(松岡由貴)が癒される〜。ナナの“はじめて”シリーズ、お風呂編も。
海岸のゴミ拾いしてる坂東(中田譲治)。やっぱりいいヤツ? いや、たぶん来るべきディクロニウスとの戦いに備えて、まわりに投げるものがないようにしてるんだろうね。ナナんときにそんなこと言ってたような。
蔵間室長が独自に動き出して、坂東と接触。家族の幸せを知ったナナがそれを守るために出て行って、ユカがにゅうに嫉妬しちゃって飛び出してっちゃう。そして、封鎖される江ノ島。ここに来て、楓荘を取り巻く微温的な疑似家族風景に歪みが…。クライマックスって感じがビンビンで良かったよ。作画も良かった。
にゅうが自らコウタの妹のカナエになりきってコウタを許すってシーンが象徴的。にゅうによって赦されるコウタなんだけど、にゅうの本性(=ルーシー)はコウタにとっては決して許されない存在っていう二重性がイイね。
「楽しくなりそう♪」(byマリコ)。
今回の名言:「大丈夫、必ず帰ってくるよ。だってナナ、そうめん食べたいもん!」(byナナ@松岡由貴)
第12話「泥濘」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:渡辺純央 作画監督:深澤学・服部憲知・細山正樹・森田実
マリコの圧倒的な強さの前に為す術もないナナ。マリコはナナを、子供らしい残忍さでもてあそぶ。「やだ、もう痛いのいやだよう!」(byナナ)。
ああ、松岡由貴キャラが川上とも子キャラに…。ヒドイことするなぁ(笑)。
前も言ったけど、コウタがそもそもの原因なのね。カナエもユカも、んでルーシーも、みんなコウタのことが好きで、んで当のコウタの八方美人な態度がみんなを傷つけちゃってる。もちろんコウタには、悪意もなにもないんだけどさ。マユが言ってるように、楓荘にみんなを受け入れて仲良くってのも、自分のついた些細な嘘のせいで悲劇が起こったってのを(無意識に)判ってるからなんだろうね。
返り血を浴びたルーシーの口ずさむ“LILIUM”が、良いタイミングだったね(オープニング曲です)。ルーシーが生涯の中で唯一楽しく過ごせた大切な思い出、思い出したくなくて封じてきたコウタの悪夢。その2つが交わった一瞬ってのが、観る側にとっては待ってたけど来て欲しくなかった一瞬。うんうん。
でも、そのあと倒れたふたりが見つめ合って「ポッ」ってなるのは、さすがにいかがなもんかと思ったぞ(笑)。
とっても大事なシーンのはずなんだけど、坂東が闖入してきて一時中断のおあずけ状態。最終回へ続く! だあぁ、はよ見せろ! あ、あと、橋から逃げるルーシーと追う坂東は、あれはギャグの動きでしょう?(笑)
ちと食い足りない感じが残ったね。次回の最終回に期待。
今回の名言:「何言ってんだ、友達だから殺さなかったんじゃないか」(byちびルーシー@小林沙苗)
「もうやめてよ!」ってコウタにガンガンされてるルーシーが悲しげな表情だったのがポイントかと。
第13話「不還」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:神戸守 作画監督:きしもとせいじ
橋から落ちるナナを助けた蔵間。一方、ベクター能力を取り戻したマリコは、再びルーシーを倒すべく展望台へと向かう。
まずメインのコウタとルーシーなんだけど、コウタがルーシーを簡単に許しすぎるのがやっぱり気になっちゃう。ここに至る前に、もうちょっと、憎しみと愛情が相まってその板挟みに苦しむコウタを描いて欲しかったし、それを見せた後でのあのラストの方がグッと説得力がアップすると思う。
とはいえ、さすがにこういう情感たっぷりの演出は神戸監督ならではの出来映え。蔵間室長とマリコも良かった。マリコはラスト近くに急に出てきたんで、単なる敵のラスボス的キャラかと高をくくってたんで、いい意味で裏切られたね。この辺の描写は掛け値なしにスバラシイ。
作画も最終回だけあって、ルーシーも美人に描けてたよ(萌え絵のにゅうより好み)。とくに涙のシーンはいい絵だった。あと、荒川さんのシーンもコミカルな動きが良かった(笑)。
あと、マリコ役の川上とも子さんは、やっぱり上手いなぁと思ったね。タマランよ。もちろん、ルーシー役の小林沙苗さんも良かったよ。
ホントはもっと見せてもらいたいところがいっぱいあるんだけど、一番中心のルーシーとコウタとの関係(と蔵間とマリコ)がキッチリ描けてたんで、一応満足できるラストではあった。そういう意味では、余韻のある良いラストだと思うよ。
最後に一言。今まで、手や足や胴が飛んでもそれほどショックじゃなかったんだけど、ルーシーの角がバキッとなるシーンはこのアニメで一番のショックだった。
特別編「通り雨 或いは、少女はいかにしてその心情に至ったか」
脚本:吉岡たかを 絵コンテ・演出:神戸守 作画監督:きしもとせいじ
楓荘に置いてもらうために家事の手伝いをしようと頑張るナナ。しかし、そのことごとくが上手くいかない。
本編10話と11話の間くらい? ナナを中心にした楓荘の日常シーンと、ルーシーの過去話。
キャラの絵柄もちょっとコミカルタッチになってて楽しい感じのお話。にゅうがちゃんと掃除してるのが意外だったよ。ナナのドジッ子ぶりが単純に面白いね。義肢ギャグはもはやナナの定番ネタだね。貞子なナナも。
後半のルーシーが蔵間に捕まる顛末を見せるところなんかも、サイドストーリーってよりバリバリ本筋のお話だよね。あの女の子(山本麻里安)がどういう経緯でルーシーと知り合ってあの倉庫に立てこもったのか知りたい。
前にも言ったけど、ディクロニウスってすべての人間を敵として殺すように本能がプリセットされてるワケじゃないのね。この辺が良く判らんところではある。人類にとってまったくコミュニケート不可能な存在でもないし、個々人のレベルではちゃんと解り合えたりもするんだよな。
番外編ってより、まんま本編の合間に収まるべき話だった気がする。まったく意外な話ってわけでもないし。とはいえ、お話としてはちゃんと面白かったよ。
最初の方は、あまりに突き放した感じの演出に、どの辺を中心に鑑賞すればいいのか戸惑ったけど、第6話以降はルーシーとコウタの話として結構ハマって観られるようになったよ。
ディクロニウスと人類っていうSFテーマの方も先が観てみたかったんだけど、原作も連載途中だし1クール13話だし、しょうがないか。坂東もキャラ立ちしてたのにちょっと描き足りないのはもったいない。こっちの方は、原作を読んでみたくなったよ。裏のテーマとしては、女(もしくは生殖)に対する男の根元的な恐怖と神秘性みたいなところなのかなぁと思ってるんだけどね。
1クール13話っていう制約のなかで、無理なくまとめた感じが良かったと思う。コンパクトにまとまってるけど、小ぢんまりした感じはしなかったよ。研究所での待遇とか過去話とか、バックグラウンドの情報の隠し方出し方が、情報量・タイミング含めて圧倒的に上手かったよね。この辺は、神戸監督の得意なところなんだろうなぁ。堪能させてもらいました。
あと、抑えた感じの音楽が全体のトーンを落ち着いた感じにしてて良かったよ。主題曲の旋律は、『エルフェンリート』のアニメの雰囲気を決定づけたと言ってもいいんじゃないかな?
結局、演出とかが自分の趣味に合ってるんで多少のことには目をつぶっちゃうってことかな?(笑)