『かみちゅ!』

原作:ベサメムーチョ
監督:舛成孝二
脚本:倉田英之
キャラクター原案:羽音たらく
キャラクターデザイン:千葉崇洋
プロダクションデザイン:okama
美術:渋谷幸弘
音楽:池頼広
アニメーション制作:ブレインズ・ベース
公式サイト
放送日時:2005年7月〜9月(テレビ朝日ほか)

レビュー元:地上波放送(友達録画)、DVD

 『R.O.D』チームの最新作。前の『R.O.D -THE TV-』も好きだったんだけど、壮大な話の“あまりに地に足がついてない”のが気になってて、感想でも「(次の作品は)魔法少女モノみたいな、町内10キロ四方くらいが舞台の日常話をやったらいいんじゃないかな?」って書いてる(2003年8月13日の“『R.O.D -THE TV-』総評”より)。その願いが通じたのか、こんどの『かみちゅ!』は尾道(っぽい町)を舞台にしたエブリディマジックっぽい話になった。OK、OK!

 最初雑誌で記事を見たときは、ストーリーが良く判んなかったのもあって、過剰な期待はしないようにして、放送開始後も他の感想サイトの記事にもなるたけ目を通さないようにしてたのね。でも、実際観てみてら、これが予想以上に自分の趣味にハマった作品だった。

 まず、舛成監督が好きな日常芝居へのこだわりが、キャラのカワイさを最大限に描き出すっていう目的を得て、ますます磨きがかかってたことがスバラシイ。この、キャラ萌えと日常芝居の融合ってのは、今までのリアル系芝居とはまた違った新たな境地を開いたんじゃないだろうか? “芝居でカワイイ”アニメ。

 今日日的な萌えについて行けないぼくみたいな“萌え落伍者”であっても萌えることが出来る、とっても貴重なアニメになりそう。なにせ、祀の口癖が「心の友よ」だもんね(『赤毛のアン』)。押しつけがましいサービスシーンがないのもまた良し! MAKOさんの演技も、イイ感じに朴訥でナイス。

 '80年代テイストってのも、あんまり押しつけがましくなくて、あくまで背景に徹してて良し。

 このまま、“爆裂ハートフルアニメ”街道をばく進して欲しいね。

【コロッケ五円之助】

◆ 2005年8月3日

 WEBアニメスタイル、『かみちゅ!』倉田英之×舛成孝二インタビュー(1)「神様は中学生」ではなく「神様で中学生」(2)「ディープ・ブルー」の女子中学生版!?

 『ディープ・ブルー』って、あの海洋映画の? 『絶対少年』も、かなりの“のぞき感覚”アニメだし。のぞき、流行ってるのか?(笑) っていうか、“より高度な萌え”についての議論ですね。この辺の志の高さには、激しく同意(笑)。

 今回のインタビュー、まんま『R.O.D -THE TV-』DVDのオーディオ・コメンタリーのノリだよ。わっはっは! そういや、『かみちゅ!』にも全話コメンタリーが収録されるらしいね。楽しみ。

【コロッケ五円之助】

◆ 2005年8月12日

 WEBアニメスタイル、『かみちゅ!』倉田英之×舛成孝二インタビュー(4)若い原画マンに、ある程度の暴走を許す(5)ぶっちゃけ、本編の一部を抜いてますわ

舛成:『R.O.D』の時からそうだけど、色々オマケとつけたりとか、結構無理な事をやっているんです。まあ、少しでも楽しんでもらおうと。

 「あとでDVDでリテイクするからいいや」ってワケじゃないのね。売るからにはサービスをってのは、大事だよね。お金出して、ショボいブックレットとかだったら悲しいもんね。

 あと、コメンタリーってのは、他の作品でもバンバンやって欲しい。アニメの監督含むスタッフは、もっと自分の作品について、自分の言葉で語るべきだよ。もちろん、聞いてても面白いし。

【コロッケ五円之助】

◆ 2005年8月15日
第1話「青春のいじわる」
脚本:倉田英之 絵コンテ:舛成孝ニ 演出:舛成孝ニ・畑博之 作画監督:千葉崇洋


 「私、神様になっちゃった」。というわけで、普通の中学生一橋ゆりえ(MAKO)は、ある日突然神様になった。でも、自分が何の神様なのか判らない。そこで、友人の四条光恵(峯香織)、神社の娘、三枝祀(森永理科)とともに、ゆりえが何の神様なのか調べることに。

 「神様が降りてきたんじゃなくて、本人がいきなり神様になるのか?」とか多少気になるところはあるものの、そんなことはすぐに気にならなくなるくらいに良く出来てた。

 冒頭の教室のシーンは、本当に劇場レベルの芝居だったよ。微妙にリップシンクロしてるし。日常芝居そのものが目的ってより、キャラの可愛らしさを最大限に引き出すための手段としての芝居付けってのがイイよね。

 屋上でのハズカシイゆりえとか、ハシゴで二宮くん(宮崎一成)と接触してああ〜んとか、神社でのちょっとサイズが大きい巫女の衣装とか、寝坊してショックなゆりえとか、挙げるときりがないけど、とにかくカワイイ。仕草が、ちゃんとどんくさくてカッコ悪いのがまたカワイイ。

 ストーリー的にも、ゆりえ台風の襲来から片思いの二宮くんを救うところまで、意外にもドラマ的な盛り上がりがちゃんと用意されてて、エンターテイメント作品としてのサービス精神を忘れてないのはさすが。あからさまなオマージュつーかパクリもあったけど、まあご愛敬(笑)。

 今後のストーリーがどうなるか気になるけど、とりあえず及第点を大きく上回る出来でした。

追補:教室の後ろの方で、読子さんが本読んでた。あと、主要キャラの名字に、一〜四の字が入ってる。

★★★★・

【コロッケ五円之助】
第2話「神様お願い」
脚本:倉田英之 絵コンテ:舛成孝二 演出:高島大輔 作画監督:藪野浩二


 自分のことを調べるはずが、なぜか祀の実家、福来神社再興のために一肌脱ぐことになってしまったゆりえ。しかし、当のご神体の八島様は、3ヶ月前から行方不明だという。

 祀の妹、みこ(野中藍)は見鬼(けんき)なのね。祀はどっちかってーと経営者タイプ。んで、光恵が憑坐(よりまし)。わっはっは! とりあえず、八島様みたいな神様も、中学生の神様も、その辺の付喪神も全部同列みたいね。あんまり神道的にどうとか、見るこっちもあんまり気にしない方がいいみたい。

 神様(ゆりえ)と見鬼(みこ)には見えて、祀たちは神様であるゆりえが作ったお札をつけると見えるとか、一応ルールはあるみたいね。これはこれで、ちゃんと判りやすいよ。

 八島様とゆりえとのバンドがどうのとか、なんともトホホなやり取りは舛成アニメの真骨頂だよね。こういうのはタマランなぁ。犬に説教されるなよ、八島様(笑)。

 縁側のだらけた3人とか、「蚊よ」のシーンとか、みこの涙ポロポロとか、これまた“芝居でカワイイ”シーンてんこ盛りだったよ。

 1話んときよりも、やりたい方向性がハッキリ見えてきた。ホントに、「爆裂ハートフルアニメ」(byTVCM)だったよ。ホンワカと和む。“ゆりえちゃん祭り”もバカバカしくてイイ(“第2回読子杯”みたいな)。

 エンディングアニメも、舛成調ヘタウマな、ピョコピョコ動くカワイイアニメだった。音楽にリズムがキチンと合ってるのも、こだわりがかいま見える。

★★★★½

【コロッケ五円之助】

◆ 2005年8月17日
第3話「そんなつもりじゃなかったのに」
脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:畑博之 作画監督:大河原晴男


 ゆりえの飼ってたネコのタマがいなくなった。一方、八島様の神様通信によると、町には貧乏注意報が発令されていた。ゆりえたちは、貧乏神の厄を少しでも中和しようと頑張る。

 このアニメでは、人間じゃなく、神様やネコが大志を抱いて町から飛び出そうとするみたいね。

 タマがうちに来た日の思い出のシーン、観ててついつい目を細めてしまう。もう、心はマシュー(@『赤毛のアン』)だよ。「そーさのー」。

 『かみちゅ!』観てると、神様信じたり奇跡を信じたりっていうのもいいもんだなぁ、なんてふだん絶対考えないことを考えたりしちゃうね。もちろん、『かみちゅ!』の根底には、今回の神社での追っかけシーンみたいな、「どうせ、嘘っぱちのマンガですから笑って観てやってください」ってな冷静な視線がかいま見えるんだけどさ。でも、個人的にはシリアス一辺倒感動一辺倒なお話より、そういう照れを経由した“あえてするベタさ”が好きだったり。いやはや、大人ってめんどくさいね(笑)。

 作画は、大河原晴男キャラになってたし、芝居も普通レベルになってるけど、お話は面白かった。セリフ回しから貧乏対策、そしてアクションまで、すべてがマヌケなのが良かったよ。マヌケ万歳! その分、ラストの感動が引き立ったよ(←こういうのを、「ひいきの引き倒し」と言います(笑))。

★★★★・

【コロッケ五円之助】

◆ 2005年8月22日
第4話「地球の危機」
脚本:倉田英之 絵コンテ:こだま兼嗣 演出:小坂春女 作画監督:長町英樹


 ゆりえのもとに神様協会からお願い事集配チーム“しあわせ”が派遣される。そして、第1号のお願い事は、総理大臣(宝亀克寿)からだった!?

 オープニングアニメが正式版に。日常シーンの中にテロップが紛れ込んでるっていう、カワイくて洒落てる感じが石浜真史さんらしい。

 すわ、『宇宙戦争』か!? また無理してでっかい話にならなきゃイイなぁと思ってたけど、杞憂だった。ちゃんと卑近でマヌケでカワイイ、いつもの『かみちゅ!』だったよ。一番良かったのは「専守防衛!」(byゆりえ)。わっはっは! そこらの閣僚よりよっぽど法律リテラシーがあるよ(笑)。そのあとの、「やだ、見ないでください、エッチィ!」でだめ押し。この一連のシーンはホントスバラシイ。

 『かみちゅ!』はまぎれもない女子中学生アニメだけど、女子中学生なら火星人でもカワイイってのがスゴイね! 女子中学生は、種族を越えた!(謎)

 どっかで見たことある総理大臣もイイなぁ。「私はいつでも合衆国の味方だよ」(by総理)。そりゃあなた、なにせロン、ヤスの間柄だもんね(笑)。って、誰も知らねーか?

 “しあわせ”のイノシカチョウもカワイかった。福圓美里声がカワイイね。ぷるぷるの宇宙船もカワイかった。

 学校でTVを見てゆりえの心配をしつつちゃっかり弁当食ってる祀たちといい、追われてるのに火星人ちゃん(望月久代)と好きな人の話したり、全体に漂う楽園のようなマヌケ感はタマランものがあるね。ラストシーンも、またホロッと……。

 作画は、ゆりえが総理大臣に隔離部屋へドンと突き飛ばされるカットが良かった。

★★★★・

【コロッケ五円之助】

◆2005年8月28日

 日が暮れてからがずいぶん涼しくなって、過ごしやすい。

 『かみちゅ!』のオーディオコメンタリーを聞く。

 相変わらずの雑談っぷりが嬉しいね。女性ゲストがいないせいか、舛成監督のテンションがちょっと低めだったかも?(改めて聞いたら、そんなことなかった) 「祀のお弁当」は、最初観たときはてっきりダイエットメニューだと思ってたよ。ちなみにメニューは、にんじんスティックにマヨネーズと、おにぎり1コだけ。あと、「ゆりえ役のMAKOの声は『キターーーー!』って感じだった」って話も面白かった。

 追加カットも加わって、なるほど話も自然な流になってた。

【コロッケ五円之助】

 WEBアニメスタイル、『かみちゅ!』羽音たらくのキャラクター原案『かみちゅ!』千葉崇洋のキャラクター設定

 スバラシイ! 見たいものをちゃんと載っけてくれるアニメスタイル! 羽音さんのキャラは“見てカワイイ”キャラで、千葉さんのキャラは“動かしたい”キャラって感じ? いや、ぼくはアニメーターじゃないんで判んないけど。千葉さんの祀の、足の無防備さがイイなぁ。「エッチィ、見ないでください!」のイメージボードも!


 相変わらず、『かみちゅ!』はレンタルが入ってこないですよ。TSUTAYAにもゲオにも地元チェーンにも入らない。なんでかね。放送から間もないから、宣伝が追っついてないのか、マニア以外にはまったくノーマークなのか。友達録画してもらってて良かった。

【コロッケ五円之助】

第5話「ひとりぼっちは嫌い」

脚本:倉田英之 絵コンテ:島崎奈々子 演出:三瓶聖 作画監督:島田英明

 “ザ・お悩み相談リターンズ”の最中、ゆりえは熱をだして倒れてしまう。次の日もゆりえは学校を休む。

「神は死んだわ……」(byクラスメイト@福圓美里)。ニーチェかよ!

 ただ学校を休むってだけの話なんだけど、お母さんにタクシーで迎えに来てもらったり、プリンねだったり、ディテールの描写がなんかリアルというか懐かしいというか。

 幽体離脱しちゃっても、ただ二宮くんの顔を見に行くだけ。そんだけなんだけど、自分のいない学校のクラスを見に行ったら友達も普段のままでちょっと寂しいとか、そういう細かい描写が実にイイ! 小学生の頃ってそんなこと感じてたよなぁ、っていうさ、甘酸っぱい感じがするわけよ。こういう細部にこそ神は宿るのだよ。

 作画は、Aパートはキャラも芝居も普通かな。チームしあわせの、腰の振り方が甘い! けっ飛ばされたシカくんがタマにぶつかるところは良かった。布団の中にタマがいるところも、ミョーに可笑しみのあるシーンになってたよ(「元気出してください、ゆりえ様」のカット)。カワイイ。

 ところで、章ちゃん(津村まこと)とみこのカップルは、カワイすぎる。あと、祀の「心の友よ」は第1話以降はまったく言わないよね。祀らしく、現金な感じがしてイイなぁ。

★★★½・
【コロッケ五円之助】

第6話「小さな決心」

脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:高島大輔 作画監督:大河原晴男

 祀が企画した“ラブラブ占い相談室”が好評を博す。その相談者の中に、あろうことか二宮のことが好きだという一年生(広橋涼)がいた! ゆりえは、突然の恋のライバル出現に、珍しく対抗心を燃やす。

 レイアウト作監に、千葉崇洋さん藪野浩二さん。

 今回は、ゆりえ様よりも広橋涼ちゃんのゲストキャラ(能登きよみ)がカワイかった。もちろん、柄にもなく対抗しちゃうゆりえもカワイイ。「いっしょに書道部に入ってあげる」って言うときの、“悪い女の顔”がまた似合ってなくてイイんだ。

 一応、恋の話になるんだけど、変人の二宮くんに惚れちゃうようなマヌケふたりなんで、いつもにましてマヌケさに磨きがかかってた。校庭走るシーンなんかサイコー。「バカにつける〜」「薬はな〜い」。なんか、庭で仔犬が自分のシッポ追いかけて目を回すのを見てるみたいな、そんなほのぼのした可愛さが『かみちゅ!』のいいところ。

 この回なんて観ると、やっぱり舛成さん倉田さんは、“神様”じゃなく“中学生”の方を描きたいんだなぁってわかるよね。とはいえ、神様を恋のライバルにしてしまう運命に巡り会ったきよみちゃんは、荒ぶる神々の気まぐれに翻弄されるしかない人間の卑小さや人生の不条理さを学んだことでしょう(笑)。

★★★½・
【コロッケ五円之助】

 『季刊S エス』の「アニメ原画の世界」に、『かみちゅ!』の原画が紹介されてました。解説するのは、舛成監督と千葉崇洋さん。

 原画は、第1話冒頭の「光恵ちゃん、わたし、神様になっちゃった」のカット、祀の「今、神様の話してたわよね、一橋ゆりえさん」のカット、二宮くんの「ちっが〜う!!」のカット。観た人はわかると思うけど、いずれも動きが面白いカット。ちなみに、第1話の総作画枚数は、8千枚だとか。派手なアクションがいないとは言え、意外と少ない?

 リップシンクロっぽいところは、場所によっては録音監督からデータもらって合わせたとか。コメンタリーで言ってた、「好きです」のところかな?(本物のリップシンクロは、セリフを先に録って、どのコマが「あ」とか「い」とかタイミングをシートに写して、それを元に作画します)

【コロッケ五円之助】

第7話「太陽の恋人たち」

脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:浅野勝也 作画監督:金子ひらく・千葉崇洋

 夏休みってことで、ゆりえたちは海水浴へ。混んでる浜辺を避け、今は寂れた浜辺へ向かう。今は使われていない海の家で見つけた古い写真に写っている若者たちに、ゆりえたちはあれこれ想像を巡らせる。

 今回は、水着姿の裸体がスゴい! みんなエライ肉感的。とくに腰から下腹、太ももにかけての肉の付き方は生っぽい。完全にオッサンの視点だよ!(笑) 生っぽさを消す方向に働く通常の“萌え絵”とは対極だよね。とくに光恵ちゃんが、胸もおしりもスゴいよ。必見。

 お話の方は、もの凄くベタなんだけど、なんか『かみちゅ!』だと「カワイイ話」って感じで許せちゃうんだよね。もう、想像通りの展開。ノスタルジーが売りのアニメらしい、ド直球の内容だったよ。

 そっちよりツボだったのは、夕食の食卓のシーン。のろける両親に照れて突っ込む章ちゃん、日焼けが痛いゆりえ。もの凄くマヌケな絵だなぁ。マヌケ好きにはタマラン。

 会長進呈の新・神様コスチュームも、祀の着せるバカっぽいニセモノに比べるとさすがにカッコイイね。あと、祀が「外人」っていってたサーファーは、祀のお父さんかしら?

 ラストシーンは、『ココロ図書館』でもやってた『フィールド・オブ・ドリームス』っぽいノリ。自分の代わりに光恵ちゃんに「ちゅっ!」をやらせるゆりえは、なにげにヒドイ(笑)。

「ゴメン、光恵ちゃん」(byゆりえ)

★★★★・
・補追(05/12/05)

 ラストは、もののけの会長が光恵ちゃんに乗り移ってキスしまくったと思ってたんだけど、コメンタリーでそうじゃないと言ってました。会長が(顕現して)光恵ちゃんにキスしたから「きゃっ!」だそうで。

 でも、普通に解釈したら光恵ちゃんに乗り移ったと思うのが自然じゃないかなぁ(←まだ言ってる)。

【コロッケ五円之助】

第8話「時の河を越えて」

脚本:倉田英之 絵コンテ・演出:小坂春女 作画監督:しまだひであき

 屋根から落ちてケガをした大工の源さん(鈴木清信)から戦艦大和の話を聞くが、ピンと来ないゆりえたち。次の朝ゆりえは、沖縄から来た船の神様、三ツ葉丸(小林由美子)から、沖縄の海に沈んだままの戦艦大和の魂(松本大)を呉に帰してあげて欲しいと依頼を受ける。

 ネット上では、「『かみちゅ!』は保守反動でけしからん!」とか言われてるみたいだけど、この大和の回もそんな政治的な意図や国家神道的な思想が皆無だってのは、観たら判るよね。ま、無神経とかノーテンキとは言えるかも知れないけど。

 『かみちゅ!』では、アニミズム的な神(鬼、妖怪、付喪神の類を含む)が中心で、人の霊魂はまったく出てこないのね。

 演出も作画もフツーだし、お話としてもちょっと子供っぽ過ぎる気がするけど、ラストの「ラムネ有りマス」ののぼり一本ですべてを許る気分になっちゃった。こういう抜きというか照れというか、ベタな感動になりかけたら自分で突っ込むみたいなところが好き。あの総理大臣(宝亀克寿)が再登場したのもポイント高し!

 あの“ラムネののぼり”は、「どうせバカな話ですから、本気にしないでね」っていうサインでしょ。好意的すぎる? ま、ファンの言うことですから(笑)。

 あと、ゆりえは、二宮くんにとって“目立たないちっこいクラスメイト”から“ただの友達”に昇格(笑)。がんばれ、ゆりえ!

★★★・・
【コロッケ五円之助】

 WEBアニメスタイル、DVD版『かみちゅ!』は全16話 TV未放映エピソード4話のサブタイトルを発表

 え〜っと、まだ放送版の最後の方観てないんだけど、DVD版は放送最終話分の後にもう1話追加されるみたいね。どんなオチになるのかちょっと楽しみ。

 あ〜、あと、TSUTAYAはちゃんとレンタルDVD入れるように!

【コロッケ五円之助】

第9話「君に決定」

脚本:倉田英之 絵コンテ:こだま兼嗣 演出:高島大輔 作画監督:櫻井親良

 祀の口車に乗せられ、生徒会長の選挙に立候補したゆりえ。対立候補の西村(甲斐田ゆき)はゆりえにメラメラと対抗心を燃やす。かくして、人間対神の戦いの火蓋は切って落とされたのであった!

「努力とお賽銭なしのお願いなんて叶うわけないのよッ!!」(by祀)

 闇のフィクサー、三枝祀降臨って話。『かみちゅ!』にしては切れ味鋭すぎる祀の啖呵が気持ち良かった。はかりごとを巡らせるときの祀ちゃんは、とっても輝いてるね(笑)。とは言いながら、内容は『かみちゅ!』らしくゆったりしたテンポで、光恵ちゃんの応援演説もハートフルだった。この辺は、ホント中学生日記みたい。

 今回は作画も悪くなかったけど、祀役の森永理科さん、西村役の甲斐田ゆきさんの演技が良かったよ。作画は、祀の神罰チョップの辺りとラストの廊下のシーンが良かった。

 ラストは意外すぎてビックリしたよ。のんびりしたゆりえの脳内に、あんなにサイケデリックでアシッドな妄想が潜んでいたとは! 侮れじ、ゆりえ様!(笑)

★★★½・
【コロッケ五円之助】

第10話「ふしぎなぼうけん」

脚本:倉田英之 絵コンテ:山本泰一郎 演出:畑博之 作画監督:長町英樹

 神無月ってことで、日本中の神様が出雲に集まる“神様コンベンション”の季節がやってきた。神様で中学生のゆりえももちろん例外ではなく、1ヶ月間出雲の中学校に転校しながら、コンベンションに参加することに。

 クラスでは畏敬されすぎて親密にもなれず、授業の進み方も違うし、神コンもいそがしいし、で落ち込むゆりえって話。神様って以外は、ホントに中学生日記だった。いよいよ落ち込んじゃうシーンは、思わず観てて一緒に「よよよ……(泣)」となっちゃったよ。気分はやっぱりマシュー・カスバート。

 お迎えの牛車のデザインは、ぶっ飛んでて笑った。コレもokamaさんの仕事? キャラ作画も良好(というか個性的?)だったし、出雲の美術も良かった。ロケハン行けたのかしら(笑)。ラストの駅のシーンは、キャラ似てなかったけどコレはコレで上手かった。

 弁天様(渡辺明乃)が出てきてゆりえにアドバイスをしてくれてたのは、嬉しいファンサービス。ちゃんと唄ってたのもポイント高し! 弁天様カッコイイよ。『コミックフラッパー』の表紙みた〜い(笑)。

 倉田舛成コンビが描きたいのは、やっぱり“中学生”の部分なんだなぁ〜、と。

★★★★・
【コロッケ五円之助】

 『かみちゅ!』DVD収録のオーディオコメンタリー聴く。

 舛成監督がほとんど喋らなかった第2巻の反省から、第3巻は監督もちゃんと喋ってる。最初の第5話のゲストがゆりえのお母さん役の伊藤美紀さんだったんだけど、ゆりえ役のMAKOとの会話が、もうまんまゆりえとお母さんだったのが笑ったよ。あと、伊藤さんは'62年生まれだけあって、'80年代なつかしネタにもキッチリ反応してた。

 第6話の倉田さんの『あしたのジョー』ネタも笑った。祀が成績良かったのも発覚(100人くらい中18番)。スピードでグラファーな変質者の石浜真司くんは、ゆりえより上(笑)。

 コメンタリーはレンタル版にも収録されてるんで、興味ある人はドウゾ。オモロイよ。

第11話「夢色のメッセージ」

脚本:倉田英之 絵コンテ・演出:山下祐 作画監督:薮野浩二

 正月も4日を過ぎたにもかかわらず、ゆりえはこたつに入ったっきりのたるみきった生活を送っている。

 第1話冒頭の教室のシーンやった、藪野さん作監回。だけあって、30分全編こたつという、究極(?)の日常シーン。こたつに入ったままじゃ、壁掛け時計のガラスが反射して時間が見えな〜い、みたいな些細なシーンの連発。こんな自堕落なシーンを贅沢に作画でたっぷり表現。こんなのが許されるなんて、いい時代になったもんです(笑)。あ、あと、原画に柳沼和良さんが。

 『かみちゅ!』のいいところを一言でって言われたら、ぼくは“マヌケなところ”って答える。ここ数話は、どっちかってーと『中学生日記』的なエエ話の比重が大きくなってたんで、この回の全編マヌケっぷりには狂喜乱舞したね(笑)。ゆりえも章ちゃんもお父さんも茜さんもタマも、み〜んなマヌケ。マヌケバンザ〜イ!

 作画は全編タマラン味わいだけど、タマがこたつの向こうを転がるシーンは笑った。お父さんのツッコミのシーンの作画も、手首のスナップが効いててナイス! 

 あと、5千円が貧乏パワーで千円になったのも悲しいよね(笑)。ちなみに、TVつけるときに背中からチラッと見えるゆりえパンツは、絶対に毛糸のパンツだと思う。賭けてもいい!

★★★★½
【コロッケ五円之助】

第12話(最終話)「ちいさな一歩で」

脚本:倉田英之 絵コンテ・演出:舛成孝ニ 作画監督:千葉崇洋

 バレンタインの季節で校内は浮つく。ゆりえも今年こそはと決心するが、二宮くんの鈍さは尋常ではない。ライバルは、煮干し!?

 ゆりえのために学校中、街中が応援するってお話。ゆりえの恋は、(脳内)中学生らしく、甘酸っぱく曖昧に終わらせるかなって思ってたんで意外だった。

 なんだかあまりにも善意のお話過ぎて、観てておしりがムズムズしちゃうなぁ。この辺は、スタッフのキャラへの思い入れが強くなり過ぎちゃったのかな? 個人的には、もうちょっとドライな感じで距離感を持っても良かったと思うけど、邪気のない善意なお話ってところもある意味『かみちゅ!』らしい味だよね。

 作画も、さすがに芝居が細かくて、観てるだけでカワイかった。屋上に女の子がいっぱい集まってくるのもイイなぁ。

 「恋」が「変」ってのがオチってのはいかがかと思うけど(笑)、まあハッピーエンドってことで最終回らしくなってた。♪変と変をあつめて〜、もっと変にしましょ〜

★★★½・
【コロッケ五円之助】

 ぼくらは“クリエイティブ”っていう言葉を考え直さなければならない。

 クリエイティブというと、高尚でストイックで、難解な芸術理論に裏打ちされた、そんな感じを思い浮かべるけど、『かみちゅ!』はそうではない。舛成監督や脚本の倉田さんが公言してるとおり、中学生を描きたかっただけってのが動機の作品だ。

 でも『かみちゅ!』は、そんな「オレらの脳内中学校を画面に再現したい!」っていう、まったくもって不純な(笑)動機であっても、そこを突き詰めていってある閾値を超えるとクリエイティブに昇華するってのを身を以て証明してくれた。

 とくに作画面では、細かい日常芝居にこだわって、“芝居で可愛さを表現する”っていう新境地を開拓してくれた点で、既存のパーツを組み合わせただけの凡百の萌えアニメと決定的に違うところを見せてくれた。絵が動いてることに快楽を感じるぼくみたいな人間にも、萌えをアピールしてくれた貴重な作品。

 キャラの描写にしても、単にカワイイってだけじゃなく、中学生らしいバカバカしさやマヌケさをも内包したカワイさってのが良かったね。

 とりあえず、TV版の総評はこんなところで。DVD収録の未放送エピソードを観て、また改めて総評してみたいと思います。

総合評価
★★★★½
【コロッケ五円之助】

第8話(DVD版)「野性時代」

脚本:倉田英之 絵コンテ:うえだひでひと 演出:畑博之 作画監督:山下祐・鈴木大

 近頃、猫が凶暴化しているという。この間も乾物屋が襲われる事件が起こったばかり。家に帰ってタマに聞いてもとぼけて教えてくれない。その夜ゆりえは、出かけるタマの後をつけていく。

 猫猫猫! 全編猫三昧。今回はとくに猫作画が(動き含めて)カワイく描けてた。猫好きのぼくも認める猫アニメ。

 DVDでは章ちゃんが、タマの奇行を目撃しちゃうってのが繰り返しネタみたいになってて笑える。

 元ネタは『ファイト・クラブ』だけど、内容はあんまり関係ありません。

 このアニメ、人間も猫もそうなんだけど、基本的にはリアリズムを演出の基本にしてるんだけど、やってる内容は今回みたいなくだらないバカバカしい内容なのが面白いよね。そのギャップが生みだす可笑しみってのが魅力。今回もそういう『かみちゅ!』らしいバカバカしさに満ちあふれてた。こういうの、好きだなぁ。

 冒頭のタマの功夫アクション作画もスバラシイし、後半のキャットファイトも動きが楽しかった。猫の人物芝居(?)の魅力って初めてかも(笑)。

★★★★・
【コロッケ五円之助】

 そういや、『かみちゅ!』が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で優秀賞を受賞したそうで。

 なんか笑えるなぁ(笑)。どういうところが評価されたのか、講評をぜひ聞きたいところ。あと、受賞を受けた作品公式サイトの発表で、「おカミ公認!!」ってハンコを押しちゃうところが、この作品のスタンスを物語ってるよなぁ(笑)。

【コロッケ五円之助】

第11話(DVD版)「恋は行方不明」

脚本:倉田英之 絵コンテ:福田道生 演出:畑博之 作画監督:長谷英樹・藪野浩二

 みこと章吉が学校に来ていない? 早朝、電車に乗って行ったふたりを見たという証言もあり、ゆりえ、祀はふたりを心配する。そのころ、みこと章吉は福山駅前へ降り立っていた。

 この回も、割とストレートなエエ話になってました。

 みこのカワイらしさを最大限に発揮するカワイイ作画連発で、意外と出番の少なかったみこメイン回らしい仕上がりだった。とくに、コメンタリーでも話題になってたハンバーガー屋でのケチャップまみれで恥ずかしいみこのカットは必見! こういうのは舛成倉田アニメの真骨頂ッスね。

 あと、章ちゃんもカワイらしくて、もう見てて「あ〜、もうっ!」って身悶えするくらい小っ恥ずかしい話になってた。スバラシイ!

 あと、祀ファンにとっても祀の意外な一面が観られるのも良し。まあ、こういうのはファンが勝手に想像するだけで実際やってくれなくても良いんだけど、サービスってことで。

 個人的には、作り手がキャラクターのことをあまり過剰に思い入れするようになるのは好きじゃない。放送版最終回含めて後半、ストレートなエエ話がちょっと多すぎるのも、ちょっとキャラへの愛情が勝ちすぎてるかなぁ、と。とはいえ、ドライな距離感を保ったままだったら今の『かみちゅ!』になってたかっていうと、また判らないけどね。ま、そのへんは良し悪しってことで。

 ラストのみこの「ゴメンね」のシーンは、セリフを先に録ったプレスコだって。

★★★★・
【コロッケ五円之助】

第13話(DVD版)「やりたい放題」

脚本:倉田英之 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:高島大輔 作画監督:櫻井親良

 街はすっかりクリスマス気分。そんな浮かれた空気が蔓延するなか、ひとり機嫌の悪い祀。「クリスマスは敵よ!」。祀はクリスマスに対抗すべく、来福神社の新企画にゆりえを担ぎ出す。

 「このなかに12月生まれの人がいたはずだわ!」「それはあんたよ、この鳥頭!」って話かと思ったけど違った(笑)。祀ちゃん大暴走って感じより、どっちかてーとエエ話度の高いしみじみした感じの話だった。

 メインの話よりも、光恵が珍しく声を荒げて八島様に怒るシーンが面白かった。中学生に怒られる神様(笑)。
「取り柄じゃないでしょ!? 八島様、すごい音痴じゃないの!」(by光恵ちゃん)

 ハゲ、もとい……、影の薄かった祀のお父さん(岩尾万太郎)がちょっと格好良かったのがナイス。

★★★½・
【コロッケ五円之助】