【NPO市民会議のMLへの投稿】 2003/10/5
私は、(いくつかの自治体で制定され、あるいは制定されようとしている)「市民憲章」について、(「市民自治基本条例」との比較において)消極的です。
まず、憲章の制定方法にもよりますが、
条例が、地方自治法に基づき知事から提出され、議会による同意を必要とするという明確な手続に基づくのに対し、憲章が明らかな法的な基礎をもたないという点で、単なる「絵に画いた餅」となる可能性が、より高いと思います。
ただ、この点は逗子市では憲章条例という形で明確化しているようですね。
次に、旧清水市の憲章を見てもわかるように、総花的で、口当たりのよい文章にとどまり「わたしたちは」という、いわば無責任な主語になってしまう点が、画餅化を進めやすいと考えます。
(例えば旧清水市の「海やみどりなど 自然のめぐみを大切にし 歴史と伝統をまもり かおり高い文化をはぐくむ美しいまちをつくりましょう」は、市行政が何を行い、企業が何を行い、NPOが何を行い、市民が何を行うことが期待されているのか、よくわかりません。「わたしたち」とは誰なのでしょう?
この点については、イギリスのローカルコンパクトは、(もちろん、グレートブリティン全体を対象としたコンパクトも)、政府と(広義の)NPO、政府と市民との「契約」という位置づけが与えられており、それぞれの「主語」の責務が明確になっている点で、有効かと思います。
政府と市民との契約という意味では、従来の選挙公約と最近話題のマニフェストとの違いに重なる部分もあると考えます。
マニフェストは本来、実行期限、優先順位、数的規定があるはずで、これにより「評価」が可能となります。まちづくり=公共経営のためには、評価(の可能性)が必ず必要だと思います。
旧清水市の憲章にあるような内容では、それが為されたのか為されていないのか、幅が広すぎて「評価」の方法もありません。
2点目の議論です。
自治基本条例の市民にとっての受容ですが、できれば、今の憲法ができたときに作られたような副読本「あたらしい憲法の話」?のようなものを、ぜひとも作成して、小学校や中学校の授業として取り
組むことが望ましいと思っています。
また、これは私の専門の話になってしまい恐縮ですが、市または地域(NPOによる構築?)のHPに、この条例について議論できる場を、継続的に設けることも一案だと思います。
単に掲示板を置くのではなく、市やNPO、企業、市民からの問題提起や情報提供を積極的に行い、オフ会も実施することで、根づかせていく必要があるでしょう。
あるいは、この条例に基づく具体的な政策提案を継続的に募集するということも意味があると考えます。
これを、制定過程でも行う必要性は、先日も申し上げたとおりです。
やや、とっちらかった意見になってしまいました。
なお、憲章自体を独立させるのではなく、自治条例の前文などに規定するのであれば、今まで挙げた問題点は解消される可能性はあります。
それでも「わたしたちは」というのは、好きではないのですが ^^;
もう一つ「市民自治基本条例」について
実は、私は自治基本条例が、次の市長まで縛ると言うことについても疑問を持っています。こうした自治条例が不適切だと考える方が市長選に立候補することは構わないでしょうし、もし、市民の多くがその候補を選ぶのであれば、自治条例を廃棄することも可能なはずです。
ただ、自治条例があることで、それを「争点化」することが可能になるので、制定自体は有意義だと思います。