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富川映画祭日記 第2日

富川映画祭日記第2日

 続けて、富川映画祭2日めの参加記録です。
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★7/21(水) 映画祭参加2日目
 朝、荷物を持って宿を移動。
 まず、CGVで、新作の「ヨンガリ」を見た。

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【4本め】「ヨンガリ」 1999 個人的評価 ☆
 『シネ21』にこういう評があった。
 「想像力のないテクノロジーの産物」
 なんとも的確な評だ、と植田さんと後で笑い合った。こんなのもあった。
 「いつの時代の、どこの国の観客をターゲットにしているのか」
 不満の第一は、韓国がどこにも出てこないこと。終始、怪物はアメリカで暴
れ回るだけで、映画も全編英語のみ。昔の「ヨンガリ」と同じなのは、名前だ
け。それなら「韓国の伝説の怪獣の復活」という風のコピーは止めてほしい。
 また、ハリウッド映画として見ても、ストーリーがあまりにも手軽で安直。
 「昔の怪獣映画は、もっとシナリオがちゃんとしていたものだ」
と植田っし。同感。怪獣が化石から復活するところまではけっこう期待させる
のに、その後の怪獣はCGこそ駆使しているが、一向にリアリティがない。

 見終わった後、旧作の「ヨンガリ」に期待すべく、富川へと向かう。
 会場はまた素郷館。早めに来て正解だった。夏休み、怪獣映画、無料という
ことで、昨日の『我が心の風琴』にも増して、子どもたちの長蛇の列。係員が
「これは新作のヨンガリではありません」とアナウンスしていたのがご愛敬。

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【5本め】「大怪獣ヨンガリ」 1967 個人的評価 ☆☆☆
 やはり、昔の怪獣映画はいい。
 これはまんざらノスタルジーでもない。やはり、話がうまくできている。
 もちろん、特撮は今とは比べものにならないくらいチープだ。しかし、想像
力が、技術をカバーしている。この点、今の「ヨンガリ」と対照的だ。
 例えば、青い光線を浴びせると目がくらむ懐中電灯が、最初に子どもの玩具
の小道具として出てきて、あとで大きな意味を持つ、といった伏線。こうした
ところがしっかりしていて、きちんと話の起承転結がある。
 まあ、正直言って、我々怪獣世代には懐かしさがあることも否定できない。
 どう見ても着ぐるみの怪獣、玩具のラジコンの戦車、糸釣りの模型飛行機、
光線で二つに割れる、あらかじめ切断してあったとおぼしきジープなど、みな
レトロで良い。最後の「怪獣退治記念祝賀会」まで、大いに笑える。
 ただ、日本版「ゴジラ」のような、原爆批判といった社会問題性は、皆無。
英語版、字幕無しのビデオ上映で、子どもたちは飽きて駆け回っていた。

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右・樋口氏

 このあと、【ティーチ・イン】
 日本で、この「ヨンガリ」と同じ時期に作られ、特撮の技術提携でも大きな
影響のあったのが、映画「ガメラ」だった。その「ガメラ」の新シリーズの特
撮を手がけ、旧作とも因縁のある、樋口さんらがゲストとして招かれていた。
 新作「ガメラ」3部作の予告編フィルムとともに、樋口さんらの解説、会場
からの質疑応答があり、なかなか興味深かった。
 驚いたのは、韓国にも「オタク」ファンが多いこと。「ガメラ対ギャオス」
など旧作との比較など、実に詳しい。おまけに樋口さんが「エバンゲリオン」
シリーズにも関係していると聞いて、そちらのファンも来場。笑えた質問は、
 「第一話に、レイラが出てきてすぐ消えるが、その意味は?」
 樋口さんいわく「私も作者じゃないので知りません」(そりゃそうだ)
 しかし、からかうのはさておき、我々日本の韓国映画ファンがいる以上に、
韓国には日本アニメのファンが多いのである。これはありがたいことだ。

 ここの会場で、それこそ韓国映画オタクとも言える、中田氏に会う。現在は
韓国の大学で勉強中の彼は、韓国の映画人には顔が広い。こうした映画祭など
のイベントには足しげく通っている。まあ、彼の熱心には頭が下がる。
 彼の持つ映画人手帳を借りて、イ・ヂャンホ監督の携帯番号を確認し、植田
さんの携帯を借りて、休憩時間に電話してみた。
 今回の旅の目標のひとつは、イ・ボヒに出会うことだった。イ・ヂャンホと
日本で会えた時に「会わせてあげる」と言ったので、期待していた。
 監督が電話に出てきた。カタコトの韓国語で会話。
 「明後日の金曜なら会えるかもしれない。またこちらから電話する」
とのこと。やっほー。これで第一関門はクリアだ。あとは連絡待ちになる。
 さて、同じ会場で、もうひとつ映画。

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【6本め】「青い門」 1998 個人的評価 ☆☆☆☆
 また、いい作品に出会ってしまった。
 ただ、女性には評価良くないかもしれない。しかし、小生は感心した。
 遠浅の海に、エゴン・シーレの絵を持った一人の女が現れる。
 彼女は浜辺の「セジャン旅人宿 Birdcage Inn」へ住み込む娼婦だった。
 ここに同居する宿の主人夫婦と、その息子と娘の四人家族、彼らとこの娼婦
たちの心の交流が、良い。なかでも、初めは娼婦を軽蔑しつらく当たっていた
大学生の娘が、彼女を理解し心を開いて行く昇華の過程が感動的だ。
 ただ、ぞれだけで終わりなら、従来の韓国映画、例えばイ・ヂャンホにある
ような娼婦もの、女性もの、家族ものということになる。が、そうではない。
 モーツァルトの哀しく儚げなピアノコンチェルトの短調の緩余楽章。
 青く澄む海辺の情景に、詩情が漂う。彼女の飼う金魚。その水槽に捕われる
象徴は、この宿の名前と相まって明らかだが、寓意に終わらぬ美しさだ。
 そうそう、言い忘れたが、『シュイリ』でも、魚と水槽と海のイメージが、
映画ならではの不思議な透明感と涼しさを与えていた。

 中田さんと3人で、昨日の雪辱に、富川市場の刺身屋へリターン・マッチ。
今日は、念願通り「富川のヒラメ」にありつけた。1匹1万ウォン。焼酎とメ
ウンタンまで付けて、3万ウォンそこそこなのが、うれしい。
 いっぱい飲み終わると急ぎ足で、富川市庁へとタクシーで向かう。
 中田氏は、ここで行われる、映画関係者のパーティがお目当て。小生と植田
さんは、市庁前広場の、野外上映会場へ向かう。
 芝生の会場は、子ども連れでいっぱい。アイス屋さんや、蛍光入りの腕輪の
類を売る店など、すっかり夏のご家族の夕涼み風景。正面には、白い大きなス
クリーン。昔は、小学校の校庭などでこうした上映会があったことだろう。

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【7本め】「スパイ・リ・チョルジョン」 個人的評価 ☆☆
 う〜ん、『シュイリ』の二番煎じ、パロディ版というところか。
 面白い映画でないとは言わないが、小生の個人的な趣味ではなかった。
 まず、田舎から出てきたスパイが、ソウルで起こす失敗を笑っていくところ
が、例えば、大陸からの出身者の田舎臭さをあざ笑うという類型のある香港映
画に似ていて、そうした視点が好きではないし、あまりギャグが笑えない。
 もちろん、『シュイリ』全体に見られるステロタイプ、「北の間諜=冷酷な
殺人機械」という図式的な人間把握よりはよほど良いのだが、作品として成功
しているかどうか。今ひとつ、あか抜けした作品になっていない。
 ただ、この映画、途中まで見たところで、夏らしく夕立に襲われて上映中止
となったので、そこまでの評価である。最後まで見れば違うかもしれない。

 この日は、光化門そばの、おなじみ「光化荘」に投宿。
 通信はできないけど、1部屋ずつとっても、一人1泊2万ウォンそこそこの
宿代は魅力だし、部屋も改装して、冷蔵庫もある。近くのコンビニで買った缶
ビールを傾けつつ、明日の打ち合わせをして就寝。(つづく)

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 野外会場

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