夢だったのかなあ

 僕が体験した心霊現象のほとんどは寝ている時やうたた寝している時のことが多いので、夢だったのかなあってことも多々あります。
 ここでは、心霊現象を感じ始めた初期のころの話で、特にそんな夢だったのかなあって言うくらいの軽めの心霊現象をお話します。

 まずは、そういう現象を一番最初に感じた話です。
 二十歳過ぎくらいのことだったでしょうか。僕は自宅の自分の部屋のベッドでいつものように寝ていました。特に何があったというようなこともない、ごく普通な日のことです。
 ベッドに横になったままうとうととしている感じです。ふと気づくと部屋の電気がついたままになっているのです。
 そして視線を僕の身体の真上に移すと、そこには女性の姿が見えるのです。
 僕は仰向けに寝たままなのですが、ちょうど僕のお腹の上辺りに立っているような位置にいます。
 その人は僕の足の方向を見るような向きですから、僕はその人の背中を見上げる形になっています。しかもその人はややうなだれている感じなので、顔は見えず黒髪の一部が見えるだけです。
 服装はガウンなんでしょうか、白くてふわっとしていて、足まで隠れるくらいの長い服でしたね。
 僕のお腹の上にいるのですが、重みはまったく感じなくて、少しふわふわと身体が揺れているように見えました。立っているというより浮かんでいる感じですね。
 ただそれだけのシーンなので、恐怖心もさほど感じてはいませんでした。きっとその人の顔が見えたら恐ろしかったでしょうがね。
 いつの間にやら寝入ってしまっていました。そして次に目が覚めた時には部屋の電気はついていなくて、もちろん女性の姿もなく、朝を迎えていました。

 もうひとつは、やはりベッドで仰向けに寝ている時のことなんですが、何の姿も音も感じず唐突に左の肩をポンッ!と1回だけたたかれた感触を感じた時は怖いというよりびっくりしましたね。
 普通に歩いている時に後ろから追いついてきた友人なんかが、突然肩をたたいてきて、びっくりするのとさほど変わらない程度のものでした。
 仰向けに寝ているんだから、背中にはベッドしかないんだよなあって思い始めて、少しだけぞくぞくと寒気と恐怖心が出ました。
 「よっ!馬場君」なんてあの世から声をかけてくる人がいたのかなあ。


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