'99.8オーストラリア旅行記

99.8.5(金)第2日目

シドニー (泊)


コーラルツリー


 翌朝、5時前に目が覚めた。
 時差は一時間あり、日本時間を一時間進めた状態で眠りについたのが24時前。5時間は眠ったことになる。体の小さい私(←小学六年生の平均身長しかない)には、飛行機の座席今一つ合わず、腰のあたりが痛い。
 まだ外は暗かったが、地平線に朝日がわずかに顔をのぞかせていた。黒い空を割るような光の線。七色のグラデーションを描き、飛行機の羽に光を反射させ、幻想的な眺めであった。
 間もなく朝食が配られた。たいしてお腹は減っていない。国際線に乗るたびに思うのだが、なんでこんなにたくさん食事が出るのだろう。それとも日本人以外には、これぐらいの食事の量が適度なのだろうか。
 飛行機は、定刻よりも20分近く早く、6時45分にシドニー国際空港に到着。着陸の際に厚い雲を抜けたと思ったら、シドニーの街は曇り空だった。それも、今にも雨が降り出しそうである。
 入国審査場を抜け、預けていた荷物を受け取りゲートを抜けると、「J社」の札を持った人が立っていた。この人が、説明にきいていた「現地係員」だった。J社はいくつかのパックツアーを企画しているが、高いことで有名なパックも、私たちの参加している安い通販パックも、まとめて「J社」として扱われる。得なのか損なのか。
 「J社御一行様」ということで、バスで市内へ。9時過ぎ、まずは、J社のラウンジへ連れて行かれる。ここでオプショナルツアーの説明とか、有名レストランの手配とか、全て取り扱ってくれるとの説明を受ける。
 後にわかったことだが、現在J社では、オーストラリアの添乗員付き旅行というのはほとんど企画されていない。代わりにラウンジを作り、ここでまとめて客を面倒見る、という方式をとっている。その方が安上がりなのだろう。今日はホテルにチェックインできる15時までは、この「J社御一行様」で市内観光とのことだった。
 市内観光は4年前にシドニーに来た時にひととおりしていた。そこで、市内観光は途中で終わりにして、電車で郊外の街に行ってみるつもりだった。ところが、ちょうどラウンジに到着したあたりで雨が降り出した。それも時折、非常に強く降る。さらに雨のせいでとても寒い。雨では車窓の眺めもよくないだろう。寝不足だし、あきらめて、「御一行様」で行動することにする。
 市内観光は10時半出発ということで、まずは両替をしに、銀行や店の集まっている市街の中心地へぶらぶら歩いていく。最初に目に留まった銀行で両替をし(貧乏くさい格好をしていたせいか、黙っていても、わざわざ低額紙幣で両替をしてくれた)、スーパーでちょっとした雑貨を買って、ラウンジに戻った。
 市内観光は、シドニーの非常に有名なスポットを回る。
 オペラハウスやハーバーブリッジを一望できるドウズポイント。
 オペラハウス。
 どこも写真などで非常に有名なので、ご存知の方も多いと思うが、雨の日の風景はあまり目にしたことはないだろう。ということで、雨が降るとどんなふうに見えるか、という写真を載せておく(泣)

 昼食は、中華街で飲茶。シドニーの中華街はおいしいときいていたが、噂にたがわずとてもおいしかった。私たちの食事は「J社スペシャルセットメニュー(^^;」ということで決まっていたが、通常のお客は、ワゴンに料理をのせて店内を行き来するウェイトレスに声をかけ、気に入った一皿をとっていく方式になっていた。店はほぼ満員、ランチに訪れたのか、ビジネスマンらしき人の姿も、店内にたくさん見られた。

 昼食後は、ハーバーブリッジを渡り、ノースシドニーへ。街の北側からハーバーブリッジを眺めた。
 この木は「コーラルツリー」と呼ばれる物。トップに載せたのが、花の拡大写真。雨に煙った景色の中で、この木の紅色だけが、非常に鮮やかだった。木の形とか、花の紅色が珊瑚を思い起こさせることから「コーラルツリー」と呼ばれるとのことだった。
 この後、市内で最大の免税店へ。
 さて、今回、シドニーでの目的の一つに「買物」があった。「コアラのぬいぐるみ」を探すことである。コアラのぬいぐるみ自体は、免税店にも市内の土産物屋にもいたるところに置かれているが、どんなものでもいいわけではない。Windmill社という、オーストラリアの玩具メーカーの作っている、オーストラリア製の物がほしかった。さらに、欲しい型番も決まっていた。
 しかし、連れて行かれた免税店には、windmill社の製品はほとんど置かれていなかった。というわけで、集合時間まで、近くの土産物屋をのぞいたりしたが、ほとんどWindmill社の製品を見かけることはなかった。「どうしてだろう?」と疑問に思う私だったが、この時はたいして気にも留めなかった。(のちに、「Windmill社のコアラがない!」で大騒ぎになるのだが、この時には「どこかの店にあるだろう」ぐらいしか思わなかった)

 15時になったのでホテルにチェックイン。繁華街(東京でいえば歌舞伎町のようなところ)キングス・クロスにある高層ホテルだった。ここで、市内観光は解散である。夕食まで数時間あるので、地下鉄に乗って数駅、シドニー中央駅を見に行く。
 シドニーは来年秋、オリンピックが開かれる。というわけで、市街は建築中のホテルや大きなビルいたるところに目についた。公園や港なども、4年前に来た時に比べ整備されている。
 シドニー中央駅も大工事中だった。何がどうなっているのかさっぱりわからない。地下鉄の中央駅から、長距離列車の発着するなホームへ行きたかったのだが、ついに行き着くことができなかった。まさか、長野駅のように、近代的な駅にしようとしているのではあるまいな? と不安になる。
 長野駅は、かつては、善光寺駅をかたどった趣のある駅舎だった。ところが、オリンピックをきっかけに、なんの面白味もない、ただ近代的なだけの、イベントホールのような駅になってしまった。古い物への思い入れの強いオーストラリアのことだから、まさかあのどっしりとした立派な中央駅を改築することなんてないだろうとは思うが……(で、いったい何を工事していたのだろう?)
 さらに地下鉄で数駅移動し、シドニー入江に面したサーキュラー・キーへ。ここらへんには土産物屋が固まっている。というわけで、コアラのぬいぐるみを探したのだが、やはりほとんど見つからなかった。ようやく、ほしかった型番とは違うけれど、割とかわいい1体を見つけて購入。同時に、今はやりのビーンズトイのコアラ(こちらは中国製)も買った。
 右の写真は、サーキュラー・キー駅のホームからの眺め。18時過ぎだが、どのオフィスビルにもまだ、煌煌と明りがついている。人工的だが美しい。オーストラリア人はあまり長時間働かないと聞いていたが、18時でどこのビルも真っ暗、なんてことはないらしい。

 夕食はシーフード。非常においしいものを食べた。ロブスターの刺し身である。ついさっきまで生け簀で泳いでいたロブスターを調理したものだ。二人で一匹。巨大な甘えびのような感じで、それこそ涙を流さんばかりに大喜びで食べた。
 が、しかし、日本人以外、こんな食べ方をするだろうか? 刺し身を食べているのは日本人客ばかり。日本人以外の客もいたが、刺し身を食べているようには見えなかった。
 実際、以前は客の目前でロブスターをさばいて刺し身にしていたそうだが、動物愛護団体から「残酷だ」という声があがり、今は調理場でさばくようになったそうである。まあ、確かに残酷ではあるが、刺し身というのも一種の文化なんだから仕方ないよね、と自分に言い聞かせる私であった。
 雨は降るし、寒いし、コアラのぬいぐるみは見つからないしで、なんだかよくわからずに過ぎてしまったが、食べる物には十分満足した一日だった。



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