'98.6北欧旅行記

98.6.10(水)第1日目

成田→ヘルシンキ→アウランコ 《フィンランド》(泊)


アウランコ公園から眺める湖


 北欧旅行を計画したのは2月。その頃仕事がめちゃくちゃ忙しくて、「何か楽しみを設定しないとやっていけないわ」と思い、ヨーロッパの旅行パンフレットを取り寄せたのが始まりである。
 今年は夫の勤続10年祝いで、リフレッシュ休暇を14日ももらえる年だった。結婚当初から、リフレッシュ休暇にはヨーロッパへ行こう、それも、できれば季節のいい6月に行きたいねと言っていたし、6月には私の仕事も一段落しているし、振替休日もいっぱいたまったし、ちょっと長めの旅行に出ようということになった。ついでに6月なんてめったに旅行できる季節ではないから、なかなか見られない物を見たい、じゃあ、北欧の白夜を見に行こう、と北欧行きが決定。ありとあらゆる会社のパックツアーのパンフレットを集め、検討した結果、一番コストパフォーマンスの高そうなJ社の通販パックで、12日間の北欧旅行へ出かけることに決めた。
 ところが、暇なはずの6月に、急に大変な仕事が入ることが4月末になってわかった。さあ困った。だけど、今更予定は変えられない。夫だって、はるか昔に休暇を申請しちゃってるし。というわけで、今回は、職場の仲間に大大大迷惑をかけての旅行になってしまった。仕事を心の片隅に気にしながらの旅行は、やはり心苦しい。これが今回の旅行での唯一のマイナス要因だった。

 朝5時過ぎ。梅雨空の下、空港へ向かう。飛行機はフィンランド航空。成田−ヘルシンキ直行便である。北欧というと遠そうだが、実はヨーロッパの中では一番近い。地球の上部、北極圏を飛んでいくので、9時間半でヘルシンキに到着する。フィンランド航空には、フィンランドのアイドル・ムーミンの塗装をされた機体があると聞いていたが、運よく、搭乗予定の飛行機はこの「ムーミン飛行機」だった。
 今回の北欧ツアーの参加者は、添乗員のお姉さんを含めて、全部で30人。実は、もう一つ別のツアーを申し込んでいたのだが、こちらのツアーは人数が集まらなくて中止となっていたので、このツアーにもはたして何人集まるのだろうか、と心配していたら、なんのなんの、大変な人数である。ちなみに、時期が6月であること、12日間という長期であることから、私たち夫婦以外は、ほとんど60代前後(及びそれ以上)の熟年ツアーであった(^^; で、私たちはどうも新婚旅行だと思われていたらしい(^^;;
 この後、何度も何度も「勤続10年のリフレッシュ休暇なんです」「夏休みと振替休日なんです」と説明を繰り返すことになった。ちなみに、それなりにハードなスケジュールだったが、みなさん、とっても元気でアクティブだった。こんなふうに歳をとっていきたい、と思わされた。

 飛行機は定刻より少し早く、15時前にヘルシンキ空港に到着。フィンランドの首都・ヘルシンキの空港だが意外と小さい。しかし、近代的な建物でとてもきれいだった。帰りもまた、この空港から、同じ「ムーミン飛行機」に乗って帰る予定。左右の免税店などのぞきながら入国審査場へと向かう。審査はいたって簡単なもの。この後、北欧4ヶ国の移動の際には、一度も入国審査はなかった。
 空港で両替をしてから、専用のバスで、今日の宿泊地、アウランコへ向かう。こういうところ、パックツアーは非常に楽である。100キロ余りの道のり、窓の左右を見ながら「ああ、北欧に来たんだな」と感慨に浸りたいところだが、今一つ実感がない。
 というのも、成田から9時間半かけてきたといっても、ずっと飛行機に乗っていただけだし、窓の外の風景も、どうも北海道のように見えてしまう。頑強な岩を切り崩して造った切り通しの道は、フィンランドならではのものだが、その他の風景、道端に咲くルピナスの花とか、牧場とか、山がなく平坦な風景とか、北海道そっくりなのである。北海道大好きな私にとっては、非常に好ましい風景ではあったが。
 唯一違うのは、道路標識とか看板が「よくわからない言葉」で書かれていることだった。フィンランドの言語はフィンランド語。ロシア語に近い、不思議な発音の言語だ。ただし、必ず英語が併記されているので、あまり困ることはない。

 この日は、ただ移動するだけ。17時(日本時間にして24時)にアウランコホテル着。夕食は19時半なので、しばらく時間がある。ついでに、今は白夜の時期。日が暮れて暗くなるなんていう心配は、全くいらない。さっそく、ホテル裏にあるアウランコ公園を散歩することにした。
 アウランコ公園は、昔、お金持ちの貴族が原野を切り拓いて造った公園である。しかし人工的なにおいはいっさいしない。うっそうとしげった木々の間に、小道がつけられただけの、静かな森である。日本の「公園」とは全然違う。
 とはいえ、まだ、フィンランドに来た実感がない。日本のどこかの高原でも歩いているような気分だ。しかし、その気分もすぐにふきとんだ。
 公園を歩いて30分弱。展望台から見た景色は圧巻だった。緑濃い森と、青い湖。(冒頭の写真を参照下さい)これは、決して日本では見られない風景だった。「ああ、フィンランドだ!」と、しみじみと感じた瞬間であった。
これは公園内の広場(元、宴会場だとか)で行われていた子ども劇である。仮装行列かと思ったら、壁にポスター(写真右)が貼られていた。
 白夜(正確には、アウランコでは日が沈むので、「白夜」ではない。完全な白夜は、もっと北の地域だけ)を利用して、毎晩、野外劇を行っているらしい。観客は子どもと大人がぱらぱら。日本のように、我が子を撮るためにビデオを構える親の姿は見られなかった。
 これはホテル前の川。シルバーラインクルーズと呼ばれる、クルーズ船が走っている。明日はこのクルーズを楽しむ予定。川を眺めながらの夕食となった。
 夕食は北欧名物のスモーガスボード。日本語で言うならば「バイキング」である。夕食時だというのに明るい外を眺めながら、名物・にしんの酢浸けなどを食べる。
 少し早いが、21時半頃(日本時間にしたら明け方なので、ちっとも早くはないのだが)ベッドに入る。それでも窓の外では、まださんさんと太陽が輝いている。とはいえ、真昼の感じではない。日本で言えば、夕方17時ぐらいが、ずーっと続いている感じだ。いつになったら暗くなるのかな、これからしばらく「夜」を経験することはないのかな、などと思いながら、カーテンを閉めて眠りにつく私だった。


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