'98.6北欧旅行記

98.6.11(木)第2日目

アウランコ→ハメーンリンナ→タンペレ 《フィンランド》(泊)


ハメーンリンナのハメ城

 
 翌朝。7時過ぎに起きると、やはり外は明るい。光線の加減は違うが(朝と夕とでは、日が射す方向が違うので)、夕べからずっと明るさが続いている感じである。
 「白夜」という言葉に、真昼のような状態が延々と続くのかと思っていたが、実際には夕方及び早朝が延々と続いている感じである。
 朝食の後、昨日の夕方に行ったアウランコ公園へもう一度出かける。小道がいたるところにつけられているので、昨日とは違った道を通るようにした。写真左のような、高い杉並木を歩いた。ちょっとしたトレッキング気分である。
 昨日の夕方は、湖畔でお弁当を食べる家族がいたり、鳥たちに餌をあげる人がいたりと、それなりににぎやかだった公園も、平日の朝ともなると、まったく人影がみあたらない。
 静かな公園内を歩き、湖では、かもの親子を観察したりと、のんびりとした時間を過ごした。
 

   午前9時にホテル出発。割とゆっくりとした出発で、強行軍でないところが嬉しい。アウランコ公園内をぐるっとバスで回った後、いったん数キロ離れたハメーンリンナの町に戻り、シルバーラインクルーズの船に乗る。シルバーラインクルーズとは、ハメーンリンナと、フィンランド第2の都市、タンペレとを8時間で結ぶ船旅である。このうちのわずか45分間、ハメーンリンナとハットゥラ間を船で下った。
 船内は、客室とデッキから成る。ちょっと東京湾を運行している船を思い出させる。お客は我々一行だけ。川べりの銀柳がとても美しい。釣りを楽しむ人とか絨毯を洗う人の姿が見られた。「絨毯を川で洗う」というのは、フィンランドの夏の風物詩だそうだ。冒頭のハメ城の写真も、クルーズ船から撮った。

 下船場、ハットゥラでは、何人もの子どもたちに迎えられた。原色の鮮やかな服を着た小さな子どもたちは、保育園の子どもたち。保夫さんに連れられて外の空気を吸いにきたらしい。フィンランドでは、夫婦ともに働くのが普通で、幼い子どもたちは皆、保育園へ預けられる。そして保母さんや保夫さんは、子どもたちの社会見学も兼ねて、一日に一度は外へ連れ出すとのこと。
 もう少し大きい少年たちは、夏休みのようだ。船に向かって一生懸命手を振ってくれた。外人のお客さんを歓迎してくれたようだ。自転車にヘルメット姿が、いかにも北欧の少年ぽくてかわいかった。
ハットゥラで下船後は、バスで再度ハメーンリンナへ戻る。いったりきたり、の旅である。逆に、そうまでしても、シルバーラインには乗ってみるべき、とも言える。
 ここは市街中心部のマーケット広場。八百屋や花屋、雑貨屋などが露店を広げている。この後、こういった光景は、北欧のいたる町で目にすることになったが、ハメーンリンナのマーケット広場が、その最初の出会いであった。
 ハメーンリンナは、フィンランドを代表する作曲家・シベリウス生誕の地である。シベリウスの生家が博物館となっているので見学。シベリウスの父親の診療所で、シベリウスは5歳までこの地で過ごしたそうだ。シベリウス直筆の手紙や、ピアノなどが展示されていた。
 ここで、「フインランディア」の演奏(CDだけど)を聴かせてもらう。これはフィンランドの象徴のような曲だ。しかし私には「讃美歌」のイメージがある。フィンランディアの一節は讃美歌になっている。298番「信仰」である。中学高校時代、ミッションスクールに通っていた私は、朝の礼拝で何度もこの讃美歌を歌ったものだ。
 アニメの好きな人ならば、「牧場の少女カトリ」を思い浮かべるかもしれない。やはり、フィンランディアの一節がBGMに使われていたからだ。しばらくの間、透明な音楽を楽しんだ。

シベリウス生家
屋根につけられた梯子は煙突修理用?
 

 ハメーンリンナの郊外で昼食をすませた後、さらに100キロほど北の町、タンペレへ向かう。ここは、ヘルシンキに次ぐフィンランド第2の都市。しかしたくさんの湖に囲まれた町は美しく静かで、とても大都会とは思えない。
 市街をぐるっと回ってから、町の中心部にある市立図書館へ向かう。ここの一階が、フィンランドのアイドル、ムーミンの博物館になっているのだ。

博物館入口でムーミンと握手!嬉しい〜
ここにも保育園の子どもたちの姿が。
 ムーミン博物館内は撮影禁止なので映像で紹介できないのが残念。ムーミンの物語の中のさまざまな場面が、ミニチュアで表現されているのだ。模型が好きな人ならば、きっと大喜びするに違いない。またトーベ・ヤンソン自身のカラー原画もたくさん展示されている。全世界で翻訳されたムーミンの本もあった。もちろん日本語の本もある。家にある本と同じ物を、展示ケースの中に見るのは不思議な気がした。
 博物館の外はムーミングッズのお店となっている。ここでの買い物は、今回の旅行での買い物のメインとしていた。ムーミンのミニチュアやぬいぐるみをたくさん買った。しかし、一番ほしかった、スナフキンのミニチュアだけが手に入らなかった(泣) ちなみにヘムレンさんのミニチュアは人気がないのか、半額以下でたたき売られていた。
 博物館以外でも、街角でもムーミンの姿はちょこちょこと見られた。写真右の看板は、タンペレ駅近くで見たものである。

この後、タンペレ大聖堂(聖ジョーンズ教会)へ。1907年に建てられたものである。ゴシック様式をした石造りの堂々とした教会である。
 外観もさることながら、ステンドグラスや壁画がとても美しかった。中でも私の目を引いたのは、少年を描いた壁画である。12人の少年がバラの花輪を持っている絵。これは、自分の人生の重荷は自分で背負わなくてはらない、ということを意味する宗教画らしい。(英語のパンフレットより。読み間違えていたらごめんなさい)
12人の少年のうち、もっともかわいい少年の絵を撮影した。

かぁいいでしょ?
こんな感じの少年が
あと11人。
 

 大聖堂の見学でタンペレ市街観光は終わり。17時過ぎにはホテルに入る。夕食まで2時間あまり。木曜日だったので、Ninght late Dayで、普段よりお店が遅くまであいていたので、またぶらぶらと散歩に出た。まずは、近くのタンペレ駅へ。

 首都ヘルシンキから特急で2時間半の距離にあるタンペレ駅。日本の駅と違って改札口がないため、勝手にホームに入ることができる。ちょうど北からヘルシンキ行きの列車が来たところだった。大きな荷物を持った老婦人が下りてくる。その荷物を受け取る赤帽(とは言わないのだろうけど。荷物運搬係)。自転車をかついだ人や、犬を連れた人も降りてくる。北欧の鉄道は、自転車も動物もOKなのだ。ただし、乗れる車両は決まっており、「自転車置き場あり」とか「犬猫OK」のマークが、車両の入口についている。

 この後、フィンランドの有名デパート・ソコスデパートへ行き、博物館で買えなかったムーミンやスナフキンのぬいぐるみを買って、ホテルへ戻った。
 この日は、東洋人には全然会わなかった。寒いからか、税金が高いからか、首都からちょっと離れているからか、どこの国にもしっかり根づいているチャイニーズさえも見当たらなかった。どの人も背が高く白肌金髪碧眼、特に女性はどの人も非常にきれい。黒髪で褐色の肌の私どもは珍しいのか、町中では時々振り返られたりした。
 それでも、日本のマンガ文化はしっかりこの地に根づいていた。タンペレ駅前の本屋には、日本マンガの海賊版がたくさん置かれていた。ちなみに高橋ルミ子「らんま1/2」は、1冊日本円にして3000円。うーむ、高い……



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